2009年4月26日日曜日

こんな世の中ですから

最近は北の国から飛翔体が落ちて来る心配もするようになりました.

といっても,それは今に始まったことではなくて,過日の騒ぎにしても少し時代がズレた騒ぎでして,
というのも,まともなメディアであれば冷静に以前から報じていることですが,そもそもテポドン・タイプのミサイルは日本向けではなく(おそらくはアメリカ他),ノドンこそが日本が注意しなければならないミサイルなのです.
そりゃ,日本を通過する東方向を狙うなんてナメた真似をするのもいかがとは思いますが.

で,そのノドンですが,すでに日本に照準を合わせており,いつでも発射できる状態にあります.真の脅威はノドンであり,テポドンではありません.

日本の弾道ミサイルの脅威は北朝鮮のノドンだけじゃなく,もちろんあの中国も日本を狙っています.確認できているだけでも150基が狙っているそうです.


そんな世の中ですから,私も少しは軍事に通じておかないとと考え,松村劭 著『戦術と指揮』を買って読んでみました.
とは言うものの,軍事については前からチョコチョコ知るようにはしていたのですが,この度コレを買った理由は, “戦略的な軍事の視点ではなく,泥臭い現場の軍事の視点を知りたかったから” です.

拝見してみると,なるほど現場上がりの人の視点で書かれており(著者は元自衛隊),よほど思い立たないと読まない本ようなですから貴重な内容が読めてよかったです.

こういう地形であれば,こういう作戦.相手の出方がこうであれば,ああいう作戦,と,いろいろな戦術を勉強できたのですが,特に印象深かったのは本論ではなくてコラムに載せてあった 「軍の階級は命令違反ができるためにある」 ということ.それが国際常識だそうです.

シビリアン・コントロールが絶対だと思っていた私には意外な事実.というか,まだコレに対する意見がまとまらない.

たしかに, “本営の命令では現場が成り立たないとなった時” に,本営の命令を違反できる者が必要になるわけで,その命令違反をしても大丈夫だという証を示しているのが「階級」なのだそうです.
つまり,本営の命令よりも本営のためになると判断できる人物に,より高位な階級が与えられているのだそうです.

こんなこと聞くと,左巻きの人達からは 「軍が暴走して罪もない市民が殺戮される」 という意見がありそうですが,
だからこそ,そうならないように階級が与えられているんだそうです.

逆に言えば,シビリアン・コントロールの重要性とその限界を理解している人物に階級が与えられているとも解釈できます.
なんとも眩しい話です.


今から14年前.阪神大震災では自衛隊の出動が大きく遅れました.被災地が自ら状況判断できる状態でなかったこともあり,本営の命令が 「待機」 だったからです.
もし自衛隊の各幕僚長に各国の軍と同じような “命令違反できる階級” があったなら,少なくとも何百人という命が助かっていたと言います.
あのような大災害では,過酷な環境に耐えられる人材と,重機や航空機,ヘリコプターの数がものをいうからです.

今ではだいぶ改善されて,各隊で判断できる部分が増えているんだそうです.