2010年12月31日金曜日

終わりたいとき

1年だけのつもりで始めたブログですが,2年も続けてしまいました.
怠け者な私としては驚異的な習慣です.

当初は月に15本くらいのペースで書いていましたが,勤務先が変わったりもして四六時中仕事しているような状況になると,この2年目はかなりペースダウンしています.
嫌いな仕事じゃないので,そっちに気が向くのはしょうがないとして,合間を縫って書けるときに書いてきたというところでしょうか.

関西にあるちょっと大きめな大学で事務と研究員として働いていた時は,
「上の人たちがなんとかするだろう」
みたいな暢気なところがあったのですが,今年からは同じ関西でも小さな大学を切り盛りするような立場になったので,毎日が明日へ(来年へ)とつながる営業になっていました.

以前は,大学経営ってどんぶり勘定みたいなもんだろう,とも思っていましたし,それでOKだろうとも思っていました.
でも,大きな大学ならまだしも,小さな大学では毎日の積み重ね(営業?)が敏感に受験生や社会に影響を与えているのです.
具体例が出せないので表現は難しいんですが,これは私にとっても驚きでした.

小さくても良いニュースをアピールすれば,それを見ている人って結構いて,受験生や地域にとってポジティブな印象に残るんです.その逆も然り.
出来るだけ良いニュースになる講義や学外実習,公開イベントを設けることに頭を悩ます日々.

教員の中には「大学教員である自分たちが営業みたいなマネなんて」と考えている人たちもいますが,うーん,半分くらいいますかね.
現実,きっちり営業しにいかないと来年(実際には再来年)の食い扶持がなくなるんですから,必死な先生方も多いですよ.
それに,私を含め今の若い大学教員はスポーツ選手と一緒で,出来高(基準はいろいろだけど)で更新するか否かの契約になっています.
11月くらいになると戦力外通知を出される先生の話とか,明日は我が身とドキドキしながら聞いてました.


ご存知の通り,近畿圏って日本の中でも大学が密集している地域の一つですが,来年,再来年とここにきて大学が減っていくことになります.
そうです,かなりの数の大学が潰れていきます.
昔は名の知れていた大学も潰れるんだそうです.

私はまだ教員といっても下っ端(しかも最も下)なのでレベルが高い情報は得られないんですけど...
上の人たちの話を時々盗み聞きますと,関西でそこそこ長い間住んでいた私としては結構驚愕な内容です.


まぁ,職員さんや諸先輩方のお陰もあり,気合いを入れた甲斐あって私たちの大学は比較的勝ち組には入っています.
向こう数年間は潰れずに済みそうです.

今年は推薦入試も好調で,一般入試も順調な予測.
周りの大学がのきなみ受験者数を減らす中,うちの大学は今年は増加する見通しです.

いやー,泥臭い仕事の成果がでました.
と同時に,「お前が来たから減った」と言われずに済みそうなので一安心です.

ちっちゃい大学なので教員評価もシビアでして,論文数とか学生評価とか営業とかをポイント制にしたノルマ(?)みたいなものもあるんです.
それも目立たない上の下くらいに収めました.
睨まれやすい新人教員としては上手く埋もれることが出来たのではないでしょうか.
ポイントが高すぎても目立って2年目からがキツいですし,低いと“次”がなかったり給料とか研究費が削られるので,そこらへんはコントロールが難しいところです.



さて,
そんなブログも今日で終わりです.2年間ありがとうございました.

ということに一応しておきます.
唐突ですが,これこそ

Deus ex Machina

だということで.

次ですけど,気分次第で書くかどうか決めます.
来年また何事もなかったように書いていたら,そのまま読み続けてください.

2010年12月29日水曜日

ファンタジスタが関西に来たとき

新年早々,例のファンタジスタが東京からやってきます.
来年は良い年になりそうにありません.

教員採用試験に合格したということで,お祝いをしてほしいとのことです.
しょうがないので行ってみることにします.
久しぶりのファンタジスタの会ですね.

今回は小規模な会になるかもしれませんが,人が多くなってきた場合は前任校の近くにある美味しいそば屋で鴨鍋でもつつきたいところです.

いや,ダメだ.
次の日が早速授業なので,やっぱり余裕で帰れる場所がいいですね.
まぁ,いっそ休講にしたろか,とも思いますが,ファンタジスタごときで赴任1年目の私が睨まれたくはありません.
でも,授業は昼からだし.鴨鍋も食べたいしなぁ.
悩むところですね.


それでも,今年は「教員採用試験」が私のキーワードになったような気もします.
私の周りの人々の間でも,仕事柄でも.

頑張っているのになかなか合格しない人,頑張っていないのにこのブログ見て合格する人.
いったい何が違うんでしょうか.
合格した人からいろいろ話を聞いて,自分なりに分析したいと思います.

とりあえず今の仮説.
非常勤講師を続けている人で,悪い噂や浮いた話がない人を採用する可能性大.
やっぱり問題を起こす人は御免ですから,玉石混合の中からより確実な人間を探し出そうと思ったらコレでしょう.
それに,教師なんていうストレスの多い仕事,私なら御免です.
私の場合,ギリギリ大学教員ということで助かっています.
教師という仕事を続けていられるということ自体,非常に大きなアピールになるはずです.

そして,物怖じせずにしゃべることができる,というのも大事だと思います.
これは流暢にしゃべれるということとは違います.
下手に流暢なトークを展開すると,嫌な印象を与えますので.人間,そんなもんです.

こうした地盤を持った上で個性的な人,ということになるでしょうか.
ただ個性的だったらバカと変わりないので,上記2つをクリアした上で,ということになります.

ある意味,ファンタジスタって教師に向いているのかもしれません.
もう一人,小学校教員になりたいと,通信教育を受けている学生がいます.
昨年の卒業論文で大騒ぎした人ですが,これもまた盛大にファンタジスタ.
来年あたり「合格しました」と連絡がくるやも知れません.


大学の非常勤講師や専任になるかどうかも同じだったりします.
大事なのは,紹介する人が責任をもって推せる人物かどうか.
そうでない人は仕事はもらえません.
大学としても今のご時世,失敗は許されないので,教員選びは実力よりも信頼性が大事になってきます.

てっきり自己アピールが大事だと勘違いして,いそしく動き回る人がいます.結構たくさんいます.
でも,教育現場を,そして大学というところを甘く見てはいけません.
上はシビアに見ています.

教育現場は不言実行が美徳です.
不言実行というよりも,1のことを頼んだら10のことをやっていることが大事なのです.
1のことを頼んだら,「10やっていいですか?」と言ったらアピールしてると思われてアウトです.
黙って10やれば良いのです.

そんな人が教員として評価されていくんだと思います.

2010年12月25日土曜日

X'masの夜空を駆けたいとき

だいたい今年の仕事が終わってきました.
来週は何かがどこかであって,それで今年も終わりということになりそうです.

来月で今年の授業も終わりですが,私が受け持っている授業の1つを使って,大学院時代にお世話になった先輩に外部講師ということで授業してもらうことになっています.
過日,無酸素性作業閾値(AT)のことを聞いてきた方です.

健康運動指導のベテランですから,一つの運動教室を盛り上げるにはどうするのか?ということを楽しくレクチャーしていただけると幸いです.
女子ばかり受講しているの授業なのですが,その人はかなりのイケメンということもあり,違う意味でも盛り上がってくれることも期待しています.

本人も喜んで来てくれるそうです.
さすが,女好きは何年たっても変わりませんね.

学生が「どういう人?」
と聞いてくるので,ウエンツと日ハムのダルビッシュを足して2で割った感じ,というと,あまり評判よろしくありませんでしたが.


さて,この時期になると思いだすのが,大学院の時にこの人と一緒にクリスマスから正月までを大学院自習室(B105)で過ごした日々です.
無類の女好きがクリスマスの日も朝から晩まで,そして夜通しカタカタとキーボードを打っていました.
「今日は遊びに行かないんですか?」 と聞いてみたら
「そんなことしてる余裕はない」 と.
修士論文を書くのに焦っていました.
遊んでいたツケがここで出たんでしょうか?

とは言え,パソコンの前に座りっぱなしでもずっと論文書いていたわけでなし.
当時はyoutubeとかニコニコ動画といったwebの遊びはなく,“フラッシュ” というオモシロ動画を探してきてはお互い見せて喜んでいました.
他にもWikipediaとかwebニュースで面白そうなネタを探してはメールで送りあったり.
まぁ,そんなことする暇があったら論文書けよ,というところでしょうが,息抜きも重要です.

クリスマスの日は,クリスマスにちなんだネタを探していたのですけど,その時にNORAD Tracks Santa(サンタ追跡プロジェクト)を知りました.
北アメリカ航空宇宙防衛司令部がユーモアでやっているイベントで,クリスマスの夜までサンタクロースがどこにいるのかをレーダーを使って追跡している,というもの.
このイベント何が凄いって,きっかけが凄い.

アメリカの大手スーパーマーケットが子供向けにサンタクロース・ホットラインというサンタとお話しができるという企画を開設した時,その広告に間違えた電話番号を載せてしまったのが始まり.
その番号は当時のCONAD(中央防衛航空軍基地; 後の北アメリカ航空宇宙防衛司令部)の司令長官へのホットラインだったのです.
当然,司令長官の部屋に子供から電話がかかってくるわけです.
当時の司令官だったハリー・シャウプ大佐はその電話に自分がサンタではないことを伝えますが,
「レーダーで調べた結果、サンタが北極から南に向かった形跡がある」
と回答し,それが恒例行事になったとのこと.

長官,いいセンスしてます.
こんな男になりたいものです.


あと,今だに覚えているのがサンタのソリを牽くトナカイ達の名前.全部で9頭.
ダッシャー
ダンサー
ダンダー
プランサー
ヴィクセン
ブリュッツェン
コメット
キューピッド
そして,先頭の赤鼻のルドルフ
これを覚えていること,いつか役に立つ日がくるのでしょうか.


新年の幕開けも「半地下」で迎えました.
ナイナイの岡村が火の中に飛び込んでるようなテレビを見ながら迎えた気がします.
名前が名前だけに,それネタにして先輩と笑ってた記憶があります.
「お前と新年のカウントダウンをするとは思わなかった」と言われましたが,それはこっちのセリフです.
その時も酒飲んで寝てたはずなので,特に熱心に論文を書いてた覚えはありません.

2010年12月22日水曜日

パニクってる上司に仕事を頼まれたとき

こういうときは状況を楽しむしかありません.
言ってる事とやってる事が矛盾していることがわかっても,それを指摘してはいけません.
火に油を注ぐ結果になってしまいます.

論理的に考えられなくなっているからこそパニクっているのですから,論理的に話をしてしまうと余計にパニクります.
法に基づき粛々と仕事をするべきです.
冷静に対応してあげれば,少しずつ落ち着いてきます.

一番ダメなのは,パニクっている上司の影響を受けて自分までパニクることです.
これはやってはいけません.
でも,こういう人は意外に多いものです.

こうなると感情が先走ってしまい,ネガティブな雰囲気が職場に延焼してしまいます.
皆が「自分だけが大変な想いをしている」と考え始めると手がつけられません.
なんとしても大火事になることは避けねばならないのです.


私はよく大学の事務の人から,
「○○先生は,よく耐えていられますね」
と感心されます.
私もそう思います.7−8年前の私ならどうだったでしょうか?怪しいところです.

ストレス・マネジメントが大事ですね.
最初に挙げたように,パニクっている状況を楽しむことがコツです.
といってもパニクっているのは仕事を押し付けてくる上司だけなんですから,そんな相手をドラマや小説を見ているように眺めてみるもの一考です.
慣れてきたら,ズッコケ・ギャグ・マンガを読んでいるような日々に早変わり.
逆に毎日が楽しくなります.

自分を客観視できるかどうかが大切なのです.
そういって辞めていった総理大臣もいましたね.アレです.

理不尽な要求を繰り返されたとき,
「クソっ,またかよ」
と思うか,
「今度はどんな反応があるか試してみよう」
と思うかでストレスはだいぶ変わってきます.

TVゲーム感覚ですね.
RPGをやっているような感じで,「はい・いいえ」を選んでみましょう.
あっ,こういうシナリオもあるんだ,と驚くこともあるかもしれません.

「自分」という人物のドキュメンタリー番組を見るのです.
その番組では良い事・悪い事がいろいろ起きますが,それは「自分」と言う他人に起きている出来事です.
こう考えるだけで感情がダイレクトに反応しなくなります.
そして,この人物を追うドキュメンタリーにふさわしい展開を勝手に創造し,脚本を描きます.

面白いドキュメンタリーにするためには,展開に波がなければいけません.
良い事ばかりではつまらない番組になります.
敢えて悪い出来事を入れていく事で,面白い番組なるのです.
そうした時にどのように対処している人物なのか,視聴者が期待する展開を演じていればストレスなんて無くなります.

2010年12月21日火曜日

ストレッチング指導で困ったとき


以前も紹介した東京に住む伝説のスーパーファンタジスタが,このブログを知人に紹介しているそうです.自分が教採に受かったからと調子に乗っています.
役立つ情報が手に入るということで広めているようですので,そういう記事を多めにしていこうかと思います.

そう言えば,最近の知らせで兵庫県にいる後輩からも,今年教採に受かったとの報告がありました.
その人はこのブログをみて受かったわけではないと思いますが.


さて、今回はストレッチングについてです.
動きが少ない上に盛り上がりにも欠けるストレッチング指導.
ただ淡々と内容を消化することになってしまいがちな,このストレッチング指導に “スパイス” を加えるにはどうすればいいのか悩む指導者も多いのではないでしょうか.

ややもするとキツめのストレッチングを取り上げながら,自身の体の固さを自覚させることでチョッと盛り上げて場を和ませようとしますが,いつまでも続くネタにはなりません.

やはりここは,
「ストレッチングすることで体が柔らかくなっていることを “その場で” 目で見て実感できる」
ということをコンセプトに置くことが重要になってきます.

このコンセプトにピッタリで,道具がなくてもすむのがPNFストレッチングです.
どうするのか?についてはストレッチングの指導書を読んでください.
長畑 芳仁 著『ストレッチバイブル』シリーズとか中村千秋 著『コンディショニングストレッチ』に詳しく取り上げられていますので,ご一読ください.これらはオススメのストレッチ本です.

目の前で自分の体が柔らかくなっていく様を見せると,けっこう盛り上がりがあります.
特に股関節(ハムストリングス)と肩関節はビジュアル的にも派手に変化があるので滑り知らずです.
一般の学生とか運動慣れしていない人達からは,仙人を見るかのような視線が注がれること間違いありません.

その時のポイントは,できる限り体の固い人をデモに選ぶことです.
柔らかい人だと差がはっきり出ないので.


あとは股関節と肩関節の回旋筋群のストレッチングも試す価値ありです.
意外に一般の人たちはこれらの筋群をストレッチさせることは少ないので,新鮮なストレッチ感覚を与えることができます.


ストレッチングは誰でもできるエクササイズですので,運動が苦手な人の興味も高く食いつきもいいコンテンツです.
ですが,やる側とすれば最も扱いに困るものでもあるでしょう.

学生にも言っていることでもありますが,
「ストレッチングを征する者は運動指導を征す」

若手指導者が突然「やって」と頼まれる可能性が最も高いのがストレッチングでもあります.
そこでいいカッコできれば一目置かれます.
是非きちんと出来るようになっておくことを推奨します.
     

2010年12月18日土曜日

この方法で…,「緒言でつまずいたとき」

前回紹介した,ジョシュア・ペイピン 著『この方法で生きのびろ!』シリーズを模したタイトルで一つ.

論文やレポートには「緒言」や「序論」「はじめに」という文章を用意する場合があります.授業内でのレポートではあまり要求されることはありませんが,卒業論文や修士論文などでよく目にするものです.

ですがこの「緒言」,なかなかの強敵でして何を書けばいいのか解らなくて困る学生も多いものです.私が担当している大学の授業の中でも指導することがありますが,前任校の修士の学生からも問い合わせがあったりするわけで.

「緒言」というのは,以下で何を主張し記そうとしているのかを紹介する部分なのですけど,執筆者本人がこの「何を主張したいのか」について深く整理できていなければ書けません.
実際,多くの学生(私も含め)のほとんどが,自分が書いている論文やレポートについて何を書こうとしているのか解っていない場合が多いので,これから何を書こうとしているのか紹介できるわけありません.

そこで,最初から「緒言」を書くことを諦めてしまう方法が良策です.緒言は一番後に回します.

一般的に論文やレポートは,・緒言・本論(準備,結果,考察など)・結論という流れで書かれますが,先に「結論」や「考察」を書いてしまうのです.
「結論」や「考察」を書けたということは,当たり前ですがその論文やレポートの結論が出たということですから,緒言も書き易くなるはずです.

論文やレポートだけでなく,社会ってのは結果に合わせて前提を作るものです.
むしろ前提通りにいく事なんて僅かなもので,結果次第でどうにでも取り繕わなければなりません.

「Aだと考えていたがBだった」と書きたいんだけど,結果がCだった場合,「Dだと考えていたがCだった」と書き直せばいいのです.
場合によっては,「Bだと考えていたがCだった」と書く図太さと柔軟性も持ち合わせるべきでしょう.

書き手の都合は読み手には関係ないですから,うまいことまとまればOKってことにしましょう.




2011年7月3日「結論が出ないとき」も合わせてご覧ください

2010年12月15日水曜日

この方法で生きのびろ


ジョシュア・ペイピン 著『この方法で生きのびろ!』シリーズを紹介しておきます.

私が大学時代,以前紹介した『SASサバイバル・マニュアル』と同時に購入したものです.
この『この方法で生きのびろ!』のシリーズはどちらかというとシュールな設定が多いのですが,SASサバイバル・マニュアルに負けず劣らず役立つ情報が満載です.
面白おかしく勉強できる名著だと思います.

「まさか!」と思えるような,しかし「有り得るかもしれない」という状況を挙げながら,そんなときどうすればいいのか?ということを解説しています.
以下にその目次の一部を紹介しましょう.
きっと読みたくなりますよ.

記念すべき第一巻からは,
・ドアを破って室内に入るとき
・キー無しで車のエンジンをかけるとき
・毒ヘビに襲われたとき
・サメに襲われたとき
・クーガーに襲われたとき
・剣で戦わねばならないとき
・走る車から飛び降りるとき
・パラシュートが開かないとき
・銃撃戦に巻き込まれたとき
などなど.

「旅先サバイバル篇」では,
・列車が暴走しはじめたとき
・車のブレーキがきかなくなったとき
・旅客機が墜落しはじめたとき
・武装グループの人質にされたとき
・逃走する犯人を追跡するとき
・車が断崖から落ちかけているとき
・ジャングルで迷ったとき
・タランチュラに襲われたとき
・ピラニアがいる河川を渡るとき
などが紹介されています.

「有り得ない」と言えばそうでしょうけど,有り得ない状況に遭遇した時,その生死を分けるのはやはり準備しているか否かです.

このシリーズは他にも
『恋愛サバイバル篇』や『職場サバイバル篇』があります.
また機会があったら購入してみようと思います.


何が起こってもおかしくないこんな世の中ですから,楽しくサバイバル勉強してみるのもいいのではないでしょうか.
こういうシリーズを私なりに記事で紹介するのも面白いかもしれません.
また考えときます.
     

2010年12月14日火曜日

沖縄へ行ってきて

先週末は沖縄へ行ってきました.
もちろん仕事での出張ですが,本当にほんの少しだけ南国リゾート気分を味わえて良い休暇になったと思います.

住んでいるところはメチャクチャ寒いんですけど,やっぱり沖縄は違いますね.なんつったって緯度が違いますから.当然ですけど暖かいです.
気温は24〜26度とのことです.
半袖で問題なく過ごせます,というかそれくらいじゃないと暑くてやってられません.

沖縄と言えば普天間基地移設問題がありますが,そのことを全然考えずに過ごしました.
まぁ,しょっちゅうそんなことを考えながら沖縄にいるのも変な話ですし.
せっかく沖縄に来たんだから基地を覗いていこうかとも思っていましたけど,そこはやはり出張.
空港→ホテル→仕事→空港という華麗な流れで関西に戻って今に至ります.

とは言え,一応すこしばかりは観光しようということで「国際通り」とは名ばかりの国際色の無い通りを歩いてきました.
今から十数年ほど前に修学旅行で沖縄・国際通りに来たことがありましたが,その時よりもだいぶ賑やかな通りになっています.
昔は土産屋とミリタリーショップが少し並ぶだけのガッカリ名所でしたから.
我が故郷・高知の「はりまや橋」や北海道の「時計台」などと同じような名所です.

今はどうなっているのか?というと,さして変わりはないのですけど,とにかく賑やかになっています.
全国学力テストで大阪や高知を凌ぎ,あらゆるカテゴリで最下位を独占する県の力をいかんなく発揮しており,「いかがなものか」と思わせる若者がたむろしています.
やっぱり全国学力テストは妥当性があるのかもしれません.
大阪や高知も同じ感じがします.

紅芋関連のお菓子をお土産として買ってきました.タルトとか餅です.
学内の方々にも好評です.
やっぱり,質量と水分量が高いお菓子は土産物として滑りません.鉄則ですね.

その他にも,購入したかったけどなんかその気になりきれなくて買わなかった,というのが「島ラッキョウ」の塩漬け.
仕事の接待を受けたお店の料理に出てきたこの島ラッキョウ.ものすごく美味しかったので買って帰ろうかと.
焼酎や日本酒の肴に最適だと思っていましたが,ほんの少しばかり高い気がしたので二の足を踏みまして.
本州に帰ってもどこかで売ってるんじゃないかと期待していますが,まだ見つけていません.

2010年12月2日木曜日

AT


アスレティックトレーナー(AT)でもオートマ免許(AT)でもありません.
無酸素性作業閾値(Ananerobic Threshold: AT)のことです.

先日,大学院時代の先輩から電話があり,勤めている施設(健康運動教室などを行なっている)の利用者から 「自分のATを測定したい」 と言われたそうです.
設備が無いその施設としては何か概算・推定することができる方法はないか?と質問を受けました.


「ありません」
と答えました.

無いので.

と同時に,ATに関する知見がまだまだ世間には浸透していないので,ここでちょっと紹介したいと思います.

実はこの “AT” という概念ですが,最近は使わなくなってきています.
“無酸素性作業” という作業そのもの自体がありえないのです.
常にヒトの身体活動には酸素の利用が伴います.

たしかにエネルギー供給過程には有酸素系と無酸素系がありますが,それはあくまで「供給過程」,つまり「エネルギーの生産方法」に有酸素系と無酸素系があるだけのことで,ヒトという一生命体が生み出す活動・作業に有酸素・無酸素の区別があるわけではありません.

ちょうど,日本の電力供給を火力・水力・原子力などで同時にまかなっていることと同じです.
電気をあまり使っていない時は水力で,たくさん使い始めたら原子力が稼働する,ということがありえないことと一緒です.


無酸素性作業閾値の測定方法としてLT(乳酸性作業閾値)を用いることが多いのですが,最近はこれについても少しばかり解釈が変わってきています.
「 LT = AT 」として解釈されることが多いのですが,これは乳酸が産生され始めるポイントは無酸素性作業が始まったことを示すものと思われていた経緯があるからです.
しかし,実際には乳酸の産生は無酸素性作業が始まったことを意味しません.

上の図を参考にして読んでください.
酸素摂取量は運動強度に対して直線回帰を示すことは周知の事実です.
つまり,有酸素作業能力は最大運動強度下において初めてピークを迎えるわけで,もし無酸素性作業閾値なるものが存在するのであれば,酸素摂取量はLT (AT) 付近でピークを迎えなければおかしいことになります.

そうならないということは,別の要因がLTを決定することになります.
その要因とは,使用する筋線維のタイプです.

運動強度が低い場合,そこでは遅筋線維が優位に活動を行っています.
遅筋線維は有酸素性エネルギー供給を主に使用しますので,遅筋線維が優位に活動する運動強度では乳酸の蓄積は起こりません.

運動強度が高まってくると,速筋線維が活動を始めます.
速筋線維は解糖系エネルギー供給を主に使用しますので,ここから乳酸の蓄積が始まるのです.

すなわち,LTは無酸素性作業が開始された運動強度というよりも,速筋線維が活動を始めた運動強度という解釈の方が理にかなうのです.

スポーツ科学では「LTが改善する」という表現をよく耳にしますが,これは遅筋線維での活動でまかなえる運動強度の水準が高まったことを意味するのです.

無酸素性作業やATという表現はまだまだ利用されていますが,徐々に使わない方向に変わってくるはずです.

2010年12月1日水曜日

北の国から 特別編


黄海での米韓共同軍事演習中に起こった北朝鮮の砲撃事件.
この軍事演習に強く抗議する,との趣旨で撃ち込んできたわけですが,日本も対岸の火事ではいられません.


実は,明後日3日から「日米共同軍事演習」が沖縄海域で行なわれるのです.
北朝鮮が日本に何かしでかすことも考えられます.
十分に注意しなければなりませんね.

ある情報筋からは,北朝鮮は日本にテロを仕掛ける可能性が高いとのこと.
つまり,誰もが北朝鮮の仕業だと周知の事実でありながらも,犯行声明を出さないテロを仕掛けてくるというものです.
極めて迷惑な戦法です.

日本の海上自衛隊の戦力は世界的にみても非常に高く,各国が注目する演習になることは間違いありません.
そうした演習に対し,抗議声明を出さずに抗議するということで,北朝鮮はテロを起こすというのです.

私としても,今週末は東京に出張です.
新幹線を使います.
用心しなければなりません.

そんな不安を解決するにはどうすればいいか.
柘植久慶 著『21世紀サバイバル・バイブル』を挙げておきましょう.
自然災害だけでなく,航空機事故やテロ対策に関しても記述があります.活字がメインですが,非常に有益な示唆を含んでいます.

もう少しアウトドア志向になるとバリー・デイヴィス 著『SASサバイバル・マニュアル』です.
食べられる動植物のリストやシェルターの作り方をはじめ,犬による追跡から逃げる方法まで載っています.
応急処置についても最新の見解が紹介されており,これ一冊あれば災害が発生しても安心です.

身近な応急処置についてということであれば,輿水健治 著『スポーツ救急医学』です.
非常に有益な知見がやさしく紹介されており,とても便利な一冊です.オススメです.

近々,学外実習で雪山に行きます.
安全管理や応急処置について私が講義する時間もあります.
ドン引きされない程度に,ガチでやったろうと思います.
     

2010年11月30日火曜日

貧乏の本気

いろいろ学生と話をしておりますと,うちの大学の学生の生活状況はかなり良好だなと感じることが多いのです.

私が学生だった頃には考えられないようなエピソードや生活感覚です.


とは言え,最近の私も給料をもらうようになって生活が代わり,ふと昔を思い出してみると「荒んだ毎日だったな」と懐かしいものでもあります.

まず,
住んでいた下宿先がその地域最低価格であり,雨露が凌げる程度で,風と暑さは防げませんでした.
いかにも貧乏学生寮といった構えであり,今となってはいい思い出です.
今はレオパレスに住んでいますが,その高性能な住宅機能(すきま風が吹かない.シャワーがちゃんと出る等)に驚嘆しています.

大学院時代には,特に夏と冬は自宅よりも研究室にいる方が快適なので,実際のところ,研究室に住んでいた時間の方が多いかもしれません.
これについては以前の記事を参照ください.


次に食事です.
これは今とは大きく違います.
今のように,外食や惣菜,レトルト食品で済ませるようになったのは大学院に入ってからでしょうか.大学の4年生頃に気づいたのは,冷凍食品が意外と安く済むということ.
特にスーパーで半額セールなんかやってた日には,アホみたいに大量購入して冷凍庫に備蓄していました.
大学1〜3年の時には米を主体に玉子で攻めていました.時々ボンカレーとかを使って贅沢してみたり.
あとは鍋ですかね.ダシと簡単な食材があれば,いろいろな味にしながら毎日鍋です.余ったら朝飯が鍋です.休みの日は昼も鍋です.ずっと鍋です.

そう言えば,その大学で「セミナーハウス」と呼ばれる場所に,以前はパンの自動販売機が設置されていました.
実はその自動販売機,1週間に数回,午後8時頃になると中身を一斉に取り替えるんです.
そして,取り替えた古いパンはそこにあるゴミ箱に捨てられていました.
ハイ,私,それを漁っていました.
捨てているパンも賞味期限は0〜1日の余裕がありますので,それを溜め込んでおけば結構な食料になります.
指導教員にその話をしたら「もう少しマシな生活をしなきゃいけないよ」と,大塚食品のサンプルをもらえました.

基本,財布に千円札が1枚あれば1週間は生きていける,という計算をいつもしていたことを思い出します.
今じゃ考えられませんね.凄い日々を過ごしていたもんです.


着るもんもジャージが基本で,私服なんて着てたかどうか怪しいもんです(いや,着ていない).
今思うと,ショッピングモールとか街中をあのジャージで歩いていたかと思うとゾッとします.

学外授業であるスキー実習でも,スキーウェアなんて高価なものは買えませんし,レンタルするのももったいないので,カッパで行きました.Kappaではありません,合羽です.
シャツとトレーナー,それにいつものジャージを着て,その上にカッパを羽織ればアラ不思議.スキーウェアに匹敵する機能を持ったウインタースポーツギアの完成です.

靴も基本は1足.ミズノ・ウェーブ○○,というパターンが多く,なぜかってこれが一番機能と耐久性のバランスが優れていたからです.
もちろん,靴を買い替えるタイミングは底に穴が開いてから.雨の日に履くのが困難になってからです.

移動手段も今では自動車が手放せませんけど,ずっと自転車.
自分のATPを消費するので経済的です.
クロスバイクが基本スタイルでして,ママチャリのような運搬能力を削ってでも機動性を重視しています.
背中には大型リュックサック,これ最強.
高機動性を維持しつつも,高い運搬能力を付加した貧乏男子学生の決定版です.


大変な暮らしをしていたように感じますが,当時は当時で楽しかったのです.
他にも面白いエピソードはありますので,ちょこちょこ出していきたいと思います.

2010年11月26日金曜日

三菱の本気


龍馬伝が今週末で最終回を迎えるようです.

この物語は三菱財閥(現・三菱グループ)の創始者である岩崎弥太郎の視点から語られる物語です.
ところでこの三菱は,その強大な経済力と科学技術力を使って過去いくつもの軍事兵器を作ってきました.
その傑作ともいえる逸品が「零式艦上戦闘機」通称ゼロ戦と呼ばれる戦闘機です.

戦後,こうしたハイスペックな兵器を作らせないようにと,GHQは三菱財閥の解体と軍事兵器の開発に制限を加えたという経緯があります.

GHQの親玉であるアメリカは,日本の軍事兵器開発を抑える代わりに,自国の兵器を買わせることで利益を得てきました.
しかし,ここ最近では事情が変わってきており,特に航空兵器についてはアメリカも日本に何を買わせるか悩んでいるところがあります.

自国の最新鋭機であるF-22は強すぎることがネックとなっており,他国に輸出できるほどの余裕は無く,F-35についても開発の遅れが懸念されておりメンツが潰れることになっています.

日本としては早急に次期主力戦闘機を用意しなければならないのに,アメリカがこんな有様では頼りになりません.
ヨーロッパで開発されている最新鋭機であるユーロファイター・タイフーンも購入の視野に入れて検討されているようです.


ただ,外国製品を購入するばっかりではダメなことも事実で,少しずつではありますが,日本独自の航空機開発が進められるようになっています.
実際,日本の将来を見据えた戦闘機開発が行なわれており,いざとなったら自国で戦闘機生産ができるよう準備されています.

開発コード「心神」.
三菱重工によって日本オリジナルのステルス戦闘機が研究されているのです.

高い「ステルス性(レーダーに映らない能力)」と「運動性」という相反する能力を両立させることを目的として開発されているようで,ジェットエンジンのノズルを様々な方向に可変させることができるようにしているようです.
一般的に,飛行機の運動性(方向転換能力)は翼のフラップで得ますが,それをジェットエンジンのノズルを任意の方向に曲げることで強制的に方向転換できるようにしようというものです.
同様の機能はアメリカ最新鋭機F-22にもありますが,それを凌駕する技術を搭載する予定です.

ステルス性についても期待できます.
というのも,日本のプラスチックメーカーが作るステルス素材は各国がこぞって欲しがる素材であり,この点については世界最高の技術を持っています.

火器管制システムも,日本のコンピューター技術を持ってすればやりたい放題なものができます.

搭載兵器についても,日本の99式空対空誘導弾というミサイルは命中率が高すぎることで有名で,訓練や研究用に命中率を下げなければならないほどの優良製品です.

予定のスペックで収まればいいのですが,そこは変態技術者の宝庫である日本.
予定外のハイスペックになって完成しそうで怖いのです.

事実,なんだか分け解んない技術も開発されています.
UFOみたいに空中を浮遊した状態でさまざまな機動が可能な “物体” も開発中です.
YouTubeやニコニコ動画に開発映像が出ています.
さながらSFアニメの「ガンダム」に出てくる “ファンネル” のような兵器が開発されているのです.日本の技術者は変態です.
(“ファンネル” がどんな兵器なのかはググってください)

もうここまでくると,世界最強戦闘機ができない方がおかしいくらいです.
あとは,諸外国が「強力すぎる戦闘機を作るのはいかがなものか」などという圧力を賭けてきますので,それに屈しないようにするだけです.

日本が,そして三菱が本気を出せばこんなもんです.
21世紀のゼロ戦が完成する日が待ち遠しいですね.

2010年11月23日火曜日

北の国から 2010


北と南がドンパチ始めました.
今日のネタとしては絶好の素材ですけど,あまりにも月並みなネタでもあるので敢えて無視しようかとも思いました.

今日はこっちの大学に後輩が訪ねてきてくれたので,いろいろな話で盛り上がっていましたが,その最中にドンパチやっていたようです.
ところで,このドンパチの「ドン」はなんとなく解るんですけど,「パチ」ってなんの音なんでしょうか.鉄砲や大砲の音にパチってあるんでしょうか?

そんなことはどうでもいいとして,朝鮮戦争で砲撃が再開されました.
この朝鮮戦争ですが,多くの人が終戦していると思っていますが実際は停戦状態です.
なので今回のニュースで「第2次朝鮮戦争勃発」などと語る人は素人です.
停戦というのは一時的に戦闘を休止している状態なので,今回の戦闘は正確には「再開」です.

富士山がいまだに活火山であり,火山活動を終えているわけではなく “休止” していることと同じです.
富士山も,いつ噴火してもおかしくない状態なのです.

今日この大学に来ていた後輩は軍事関連の書籍を紹介してほしいとも言っていましたが,ちょうどいいネタが出てきましたね.
研究室で探していた本が自宅にありました.松村劭 著『戦術と指揮』
軍事における戦術を,元自衛隊陸将補である著者が解説しています.以前にも取り上げた本です.

この書籍を参考にしてみますと,今回の北朝鮮側の攻撃は明らかに牽制攻撃であり,なにかしらのメッセージを示すためのもので,南に侵攻するためのものではありません.
侵攻するのであれば,もっと周到な攻撃をしてくるはずですが,その様子がみられないからです.
それとも弾薬があれだけしか買えなかったのでしょうか?

一気に砲弾を叩き込んで,あとはいつでも撤退できるよう散発的な砲撃のみで守戦に転じる.牽制攻撃です.

問題はなぜこのタイミングで砲撃したのか?
米韓軍事演習への抗議メッセージにしては強すぎるような気もしますし.
今後の北朝鮮の外交態度をアピールするためのものでしょうか?

あとは中国がどんな対応をしてくるのかが興味深いところです.
一気に半島動乱へのシナリオへと動くことはないとは思いますが.

2010年11月14日日曜日

アインシュタインにタイピングさせるな


最近は社会学者であるピーター・ドラッカーのマネジメントに関する書籍がゾロゾロ出てきて,ひとつのブームになっています.
最近ブームに火がついた,といったような人ではなく,昔から高名な学者だったのですけど,なんか最近になって名前を見る機会が多いのです.

うちの大学でも,その経営哲学についてドラッカーから学ぼうという動きがあり,ただブームに乗っているだけなんじゃないか?という疑問を持ちながらも赴任初年度の私は付き従っております.

周りがあまりにも「ドラッカーはこう言っている」って言うもんだから,「一応どんな思想の社会学者なのかは知っておこう」ということで私も関連書籍を買って読みました.
ピーター・ドラッカー著『マネジメント』を読むのはめんどくさいと思ったので,Amazonとか書店で売れ筋として有名なものでいいやと思い,岩崎夏海 著『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』を購入.
だいたい分かりました.

経営者としての基本,マネジメントを考える上での理念を理解するにはドラッカーのマネジメント哲学は非常に参考になります.
ただ,「とても良いこと言うてますなー」とは思いましたが,基本は基本.それ以上ではありません.
マネジメントについて研究するなら必須の知見ですけど,実際じゃあどーすんだ,となると「それは各自が考えろ」となるわけでして.

別に批判しているわけではありません.
現代社会における経営哲学やマネジメント理論を構築するために必要不可欠なことを学べます.なんてったって,「現代経営学」と「マネジメント」の生みの親なのですから,そりゃそうです.

とは言え,現在進行である現代の経営学やマネジメントについての考えなのですから,そこで得られる知識というのは現在進行の社会そのものが体現しているものとも言えます.
つまり,別にドラッカーのマネジメントをわざわざ読まなくても,そこらへんの社会学者や経営者,作家が書いたマネジメントに関する知見でも事足りるとも言えるのです.

これを例えるなら,相対性理論という自然科学の基本を学ぶのに,わざわざアインシュタイン 著『光の伝播に対する重力の影響(他 関連論文)』を読まなくても,一般的な科学・物理学の読み物や雑誌を読めば済むことと一緒です.

人文学の色が強い大学ですから,原典を大事にしようという色が強いのかもしれませんが,そんなに肩肘張って学術的に取り組まなくても,マネジメントや経営っていうのはもっと泥臭い作業の連続だ,と生意気なことを言ってみたい私です.

アインシュタインで思い出したんですが,ドラッカーもいいですけど,彼より1世紀前を生きた経済学者にデヴィッド・リカードという人がいまして.
リカードも仕事をする上で重要なことを言っています.
「比較優位性の原理」
です.

今の日本の大学経営はドラッカーから始めるよりも,その100年前のリカードから始めるべきです.
「比較優位の原理」というのは,“アインシュタインにタイピングをさせるな” という比喩で有名な経済学の理論です.
ここにアインシュタインと秘書がいます.実はアインシュタインは秘書よりもタイピング(書類作成)が速いのですが,だからといってアインシュタインが秘書の代わりに書類作成をしてはいけない,というものです.
アインシュタインは研究に,秘書は書類作成に打ち込むことで,研究室という組織全体の仕事が向上するのです.

今の日本の大学は教員と職員の仕事がごっちゃです.
教員は教育と研究を,職員は事務と経営をするべきなのです.

例えば,教員は入試とかカリキュラムに手や口を出すべきではありません.
どんな大学を作るか?は経営者の考えることであって,教員は受け持った学生や与えられた授業を通じて教育に打ち込むべきなのです.

「うちはこういう大学を目指します.教員の皆さんは,そうなるよう仕事してください」と職員が言えないと,いつまで経っても大学のためにならない仕事(というか作業)を言い訳しながら続ける教員をのさばらせてしまいます.
「大学の職員力」なんて最近では言われていますが,こうした根本を問うものに出会うことがありません.
付け焼き刃な職員力の改善をしたところで,現状のまま進めれば職員のストレスと負担が増えるだけになってしまいますから.
       

2010年11月13日土曜日

常にユーモアを忘れず


今日は久しぶりの休暇.
これからずっと新年まで休みがとれそうにないので,ゆっくりしたいところです.

さっきまでニコニコ動画でアーノルド・シュワルツェネッガーが主演する映画を観ていました.
「シックス・デイ」です.
たまたま見つけて観ただけなので,別に今日はこの映画についてどうこう語る記事ではありません.
シュワルツェネッガーが主演する映画全般についてです.


DVD映画によくあるのですが,音声設定の副音声(?)で監督や出演者による解説やインタビューが収録されているものがあります.
本編を見ながら,同時に監督や出演者が「このシーンはあーだった.ここのCGはこーだった」という音声が入っているものです.DVDならではの“おまけ”みたいものですが,これを見たことがある人はいるでしょうか?
この「おまけ」,なかなか勉強になるのでオススメです.

以前,ターミネーター3のDVDをTSUTAYAで借りて観たことがあります.
その時もこの解説音声モードにしてみたのですが,ここではシュワルツェネッガー氏自身の「映画観」を語っていました.
氏いわく,
「私が出演する作品では必ず観客を笑わせるシーンを入れています(コメディであろうとシリアスなものであろうと).映画は基本的には楽しいものでなければいけない.それが私の映画づくりに対する姿勢です」

たしかに,氏が出演する作品にはどのようなものであれユーモラスなシーンが入っています.
声を上げて笑うようなシーンではないにせよ,気の効いたユーモアが必ず入っているのです.

氏が用いる「笑い」は,バカ騒ぎや下品なネタで誘う笑いではありません.「上品な笑い」です.
氏が演じるキャラクターは「一生懸命に取り組んでいる人(ターミネーターを含む)」が多いですし,実際,そういう性格を演じることが得意でもあるのでしょう.
こうした一生懸命な中にシュールなことを盛り込むことで笑いを誘うパターンが多いのです.
「こんな状況で,真顔でそんなことを!?」
というパターンです.
無理矢理笑わせようとせず,笑いたいときに笑ってもらえればいい,というメッセージ性が感じられます.

でも,これは「上品な笑い」をとる基本です.
笑わそうとする本人は笑ってはいけません.とぼけた顔,または真顔でサラッととユーモアを入れるのがポイントのようです.
本人は至って本気,という態度をとります.

これがうまいのが去年までお世話になった恩師です.
私も練習しているのですが,なかなかコントロールするのは難しいです.

私は女子学生を相手にする授業が多いのですが,この「上品な笑い」はきっと武器になると思っていますので日々精進しています.
下品で無理矢理な笑いを飛ばす教員が,裏で学生からひんしゅくを買っているのを目の当たりにしていますし.

ここにきてだいぶ,
「え!?今 先生なんて言った!?」
みたいな表情でネタに気づいて笑ってくれる学生が増えてきました.
あんまり連発するといい加減な教員だと思われますので,強度と頻度の調節が重要です.

シュワルツェネッガー氏と恩師を目標にこれからも勉強したいと思います.

2010年11月8日月曜日

尖閣衝突ビデオ


民主党のことについてはこのブログで今後触れないようにしようと宣言していましたが,かなりホットな話題になってきたので取り上げようと思います.
例の尖閣衝突ビデオ流出問題です.

ビデオ流出については,いつかはこうなるだろうと予測していたことです.
ビデオ非公開というバカな判断さえしなければ,こんな事態にはならなかったのに.
政府の頭が悪いと,こんな騒動になってしまうという良い例になってしまいました.

今後,この事態をどのように収拾するのか見物ですが,いずれにしてもタダでは済まないことは間違いありません.
中国に媚びるイタい政権を象徴する展開になってきました.
ここまでくると冗談では済まされなくなります.

それでも民主党にとっての救いは,まだ国民の多くがバカであること.
マスコミも援護射撃してくれていることです.
いまだに「流出元を捜査・特定する!」と息巻いていますが,そんなことよりも大事なことを先にしてください,と言いたい.

国民の目を覚ますには,早く誰かが犠牲にならなければなりません.
爆破事件とか狙撃事件とかが起きないか期待されるところです.

今回,動画が流出したことにより中国側からの衝突であることが誰の目にも明らかになりました.
つまり,日本政府と中国の言い分がウソであったことが分かってしまった事件なのです.
非公開にしていた証拠ビデオが流出したことは憂慮すべきことですが,流出しちゃったものはしょうがないわけで.
であれば,その流出した “真実” に基づいた外交をしなければならないのに,そうはならないのが民主党.

会社の部下の不注意で浮気がバレちゃった男が,妻への言い訳として「部下を糾弾して,バレた原因を捜査する」と言っているようなもの.
分かったところで誰も嬉しくないのです.

菅首相は「真相究明に全力をあげている」と記者会見で述べていますが,もうすでに真相究明なんて状況ではないので事態収拾に努めてほしいところです.

2010年11月7日日曜日

世界障害者野球大会

昨日・今日とスカイマーク・スタジアムで開催されている世界障害者野球大会を見てきました.
身体障害者(上肢,または下肢の障害)の野球の世界大会で,今回で第2回大会です.もう一つのWBCとも呼ばれています.
障害があるなりに工夫したプレーをしており,良い意味で「普通の野球」をしています.

「障害者なのに」とか「障害を乗り越えたプレー」といった表現が似つかわしくないほど違和感のないものです.
会場も「頑張れ,頑張れ」といった雰囲気ではなく,一選手として各々を評価しており,エラーすれば非難し,三振すれば冷たい目が注がれます.
障害者スポーツ(アダプテッドスポーツ)を競技スポーツとして成り立たせるためには,競技スポーツならではのこうした雰囲気が出てくることが重要だと思っていましたので,障害者野球については良い流れができているといった印象を持ちました.

やはり日本は野球への取り組みは熱いのです.
障害者スポーツの起爆剤としての可能性を感じました.


この障害者野球ですが,いつもうちの学生がボランティアとして参加させてもらっており,とてもお世話になっています.
今回もボランティア・スタッフを用意して参加させてもらいました.

うちの学生のボランティアは評判が良く,今回の世界大会にも是非にと呼ばれての参加です.
今回は世界大会だというのに格別の配慮をいただき,開会式や閉会式で堂々と前に出させていただきました.
学生達にとって,とてもよい思い出になったことは間違いありません.

来賓の方々も豪華メンバーです.
今年からいろいろとお付き合いをさせてもらっている県立総合リハビリテーションセンターの増田和茂さんを始め,一般の方にも知名度が高い人としては,福本豊,立浪和義,矢野輝弘といった元プロ野球選手にも参列していただきました.

大会の結果ですが,WBCと同様,日本代表が2大会連続の優勝ということで幕を閉じました.
障害者野球への取り組み自体,日本が一歩先んじているようです.
こうしたことが結果に反映されているのでしょう.
が,前回大会に比べ,今大会の方がハイレベルな戦いになっているようでして.
各国,日本に負けじと力を入れてきているようです.
今後の行く末が楽しみですね.

今大会では,懐かしい後輩たちにも再開しました.
誰かはこの大会の運営に参加しているんだろうな,と思っていましたが,案の定.

2年前の研究室のゼミ生や,学生時代にお世話になった(お世話した?)ソフトボール部の学生なんかが参加していました.
向こうはビックリしていましたが,こっちは想定の範囲内です.
「おぉ,何してんねん」と言う感じ.
こうした繋がりは大事ですので.
しっかり連絡先を交換して次につなげたいと思います.

2010年11月2日火曜日

博多どんたく

前任校の近くに博多どんたくラーメンを食べさせる店があります.
昨日は前任校にお邪魔していたので,せっかくだからと寄ってきました.
変わらぬ美味しさと変な緊張感を持ったお店です.
懐かしい味に舌鼓と愚痴を打った一時でした.

店内ではなく仮設テーブルを使って「外で食べる」というのもこの店ならではで.
この季節に「外で食べる」というのは,博多の屋台ラーメンを彷彿とさせる風情を楽しめます.
肌寒い中,厚着してチョッとだけ震えながら食べる「スタミナラーメン煮玉子入り」は格別の味ですね.もちろん替え玉(硬麺)します.
前任校での10年間を思い起こす嬉しい時間です.


いや〜〜,それにしても夕食を共にした後輩達の愚痴の凄いこと凄いこと.
修士論文前,就活中という状況もプラスαしているのでしょうが,とある人物のネタで3時間くらい持ち切りです.
ま,その人物については私としては4年くらい前から見切りをつけているので,ドーデモいいことですが.
にっこり笑ってサヨウナラ.これが社会の厳しさです.
私は冷酷なタイプなので,怒ったり態度で示さないですから注意が必要ですよ.


昨日は前任校で懐かしい友人にも偶然出会えるハプニングも.
お互い示し合わせたわけでもないのにバッタリです.

どっかで見たことある顔のヤツが歩いてるな〜,と思っていたら案の定.
妙にハイテンションになるので楽しいですね.
「久しぶりに会えて嬉しい」という価値観がわかってきました.
以前もそんなことを書いた記事もありましたが,そんな歳頃になってきたんですね.
これを見ている後輩諸君,そんな時期が皆さんにも訪れます.
その時はそれで楽しい時期ですので,大いに満喫してください.


以前の記事でも同じシチュエーションでしたが,今回も恩師からの突然の滅茶ブリ.
「おっ,今日,いけるか?セミナー.7時まで,いけるか?」

断れるわけないので,なんとかしてきました.そこは慣れたもんです.
こんなこともあろうかと.今回は私の過去のプレゼン・PPTデータを全て外付HDDに入れて持ってきていました.
「講義」というものに全く緊張しなくなっている自分も確認できました.場慣れしてきていることを感じています.

やっぱりこの大学に来たら面白いことが起こります.
いいですね.ホントいい大学だと思います.
自分の原点はココです.

2010年10月31日日曜日

伝説の教師

2010年,日本国の首都で伝説の教師が誕生しました.

その男は大阪から東京に還っていった例の伝説のスーパーファンタジスタだったのですが.
教員採用試験に合格してしまったのです.

これで東京都はオシマイです.
1000年は草木も生えない状況になるでしょう.
首都移転について真剣に考えなければいけません.


実際のところの首都移転ですが,栃木・福島,岐阜・愛知あたりが候補のようですね.
近畿圏は自然災害のリスクが高いことと交通網が不十分なため候補には入っていないそうです.
実際は.

たしかに実際,私は以前愛知県に住んでいましたけど,意外と自然災害の記憶がありません.
そういう意味では愛知県とか首都にいいんではないでしょうか.
実際は.


ところで,今日の朝その伝説の教師から電話がかかってきて,
「ぜんぜん試験勉強せずに合格しちゃいました.(7月に1次試験があるのに)6月から勉強始めて,このブログを試験対策にさせてもらいました」
とフザけたことを言っておりました.

このブログが役に立ったのはいいのですが,世間で血眼になって勉強している人たちが不憫でなりません.

試験の論文とか面接で主に参考にしたブログ記事は,今年の7月のスポーツマンシップに関する記事8月の就職・面接に関する記事だったそうです.
これらを丸暗記して試験対策にしたそうです.
でもまぁ,今後もこういった役立つ情報は載せていきたいと思います.
東京都民のためにも,彼にはこのブログで勉強していってもらいたいところです.
これは先日の記事でもある,「Webで学ぶ」というところにもつながります.


本人は「教員採用試験は勉強とか実技が出来るかどうかではなく,“人物”を見ているのでは?」と笑えない冗談も口にしていましたが,合格できた人なら何とでも言えます.

まぁ,それはそうでしょうね.
それこそ,“人物” を見ることが多い仕事に就いている私としても,「勉強が出来るかどうか?」っていうことよりも,「きちんと出来るかどうか?」 の方が重要なのはわかります.

「入学させたい学生」 を挙げろと言われれば,勉強できるかどうかではなく,真面目かどうか,が最も重要な気がします.
ぜんぜん勉強できなくてもいいから,成長しようとする意志があるか,それが大事です.

秀才を集めて 「最先端のスキルを持った人材」 を輩出する大学ならまだしも,私が赴任しているような大学ですと 「幅広い視野と協調性を持った人材」 の排出が大切になってきますので.


ファンタジスタの彼自身,エキセントリックな言動が多い変人であることは間違いありませんが,いい意味で「おもしろい」奴でもあるのです.
私が組織の長であれば,一人は置いておきたい人間であることに違いありません.
こういう人間こそが組織に化学反応を起こしてくれるような気がするからです.

即戦力として役立ってくれるとは考えていませんが,そこにいることで何かしら有機的な現象を起こしてくれる人間というのは貴重です.

2010年10月25日月曜日

夢があることと,語れること


自分ところの学生と話をしていると,就職云々の前に,そもそも「勉強するとはどういうことか?」が固まっていない人が多いような気がするんですね.
明確な正解がある問いでは無いのですが,少なくとも「私はXXだと思っている」と答えられるようになってほしいものです.

こうした問いについて,最近おもしろい本を見つけた(今日読んだ)ので取り上げます.
以前紹介した本の続編でもある喜多川泰 著『「手紙屋」蛍雪篇』です.以前の『手紙屋』は就職活動版だったのですが,今回のは受験勉強版ということになっています.

なぜ勉強しなければいけないのか?勉強するとどんな良いことがあるのか?
といったことについて,主人公が悩み,それに “手紙屋” が応えていく形式で物語が進んでいきます.

ボリュームが少ないわけではないのですが,アッという間に読み終えることができます.
ストーリーはサクサク進んでいきますし,そこで語られる事には有益な示唆が含まれています.

興味深かったのは,「最近の高校生や大学生は,なぜ夢が無いのか?」ということについての “手紙屋(著者)” の考え.
「夢が無いのではなく,夢が語れない」のだというのです.

自分の持っている夢が実現できないことを知るのが高校生や大学生の時期であり,将来のために必要な時期でもあるのだとします.
子供の頃は誰でも夢を語ります.
多くの場合,それは「自分のためだけの夢」であることが多いのです.
・カッコ良くみえる
・お金がたくさんもらえる
・好きなことだから
・成功しているとみられたいから
こうした理由で持っていた自分の夢のほとんどが実現できないことで,非常に困難な道であることを知るのです.

というわけで,この時期の人に
「夢は?」
と聞いてみると
「まだ決まっていない」
というステレオタイプな回答が返ってきます.

でも,こうした人も再び夢を語るようになるのです.
それは,社会人になり,仕事を始めて暫く経ったときです.

居酒屋では中年サラリーマンは愚痴と自慢話を語っていますが,20代サラリーマンは夢を語っています.
かくゆう私もそうです.
この本を読んでいて,私たちの世代について見透かされているようでビックリしました.

社会人になってから語る夢は,子供の頃の夢とは違います.
「現実的になった」のではなく,
「社会的になった」のです.

それはつまり,自分が社会にとってどんな貢献ができるか?という夢が芽生えるのです.
自分の立ち位置が見えてくれば,そこから動き始める「夢」があるものです.

今の私の夢は,過去の私の夢とは大きく違います.
「〜〜のような凄い人になりたい」というものから,「日本にとって重要な人材を排出していきたい」というものになっています.
気がつけば,周りからの自分の評価を気にすることは小さくなっています.
以前は「凄い人になりたい」というだけあって,その評価を大事にしていたのでしょうけど.

評価を全く気にしないわけじゃないんですけど,立場を危うくしない程度に適当に調整しといて,それよりも大事なことを成し遂げたいという気持ちの方が,自分にとって「夢」の部分なのです.

学生時代に考えていたことを思い出すと,今の私の「夢」は想像もつかない不思議なものです.
人は変わらないとも言いますが,変わっているものも確かにあるのです.
     

2010年10月20日水曜日

将来の教育像



最近は梅田望夫・ 飯吉透 著 『ウェブで学ぶーオープンエデュケーションと知の革命』を就寝前に読むようにしていまして.
読み始めたらすぐに寝ていたので,全体を把握するのに時間がかかっていました.
非常に面白い視座が書かれている本です.

要は,
“これからはインターネットを通じた教育や学習がメインになる時代”
ということを丁寧に解説した対談本.
漠然と,「これからはネットの時代や〜!」と知ったかぶりしているわけではないので有益です.

特に関心があったのは,発展途上国ではインターネットによる学習がその国の高等教育を変える,というもの.
途上国には大学はあるものの,そこでは満足な高等教育が施されていないのだそうで,それを打開できる可能性があるのはMITやハーバードといった大学が提供する教材や講義ビデオなどです.

iTunesUにもアップされているとのことで,私も見てみました.
たしかに,こうした教材や講義ビデオには利用価値はあるかな,と感じました.

また,インターネット上だけで開講された授業,課題・テストを駆使するウェブ大学にもその可能性が秘められています.
日本にもサイバー大学というのがあります.
アメリカでは,ネット上でのやり取りだけの大学もだいぶ認知されてきたようですし,その卒業生も活躍できているそうです.

途上国としても,わざわざ国内のどこかに敷地を用意して大規模な設備を建て,多数の教員を招集しなくても,学生をさばく事務所とサーバーがあれば高等教育機関を開設できることは大きなメリットです.

テキストはどうするんだ?という問題も,ネットで解決する日も近いのです.
書籍のデジタル化はホットな話題ですし,iPadやキンドルといったデジタル書籍のハードもこれから整いつつあります.

我々としてもPDFとして論文が出回ることによる恩恵は十分承知していることです.
さらに,今日のCNNニュースでは
『「死海文書」をデジタル化,ネット上で全編公開へ』
というのが取り上げられていました.
“しかいもんじょ”と読みます.ユダヤ教や原始キリスト教を研究する上で重要な人類の宝ですが,その貴重な存在故になかなか表に出てこない逸品です.

一回しっかりデジタル化してしまえば,あとはネット上にオープンに公開して研究や教材として自由に利用できるということです.
凄い時代になりました.チョッと前のSFの世界ですね.

こうした取り組みは,他の分野にも波及していくでしょう.
私たちスポーツ科学としても,例えば一流スプリンターや野球選手,サッカー選手の動作をスロー映像としてアップしていくのもアリですね.
最近はそんな映像を撮るのもアップするのも苦ではなくなってきました.

“アップはしとくから利用は自由に” というスタイルがネット上で広まることの現実性が見えてきました.
これからのWebによるオープンエデュケーションの可能性を感じます.
 

2010年10月16日土曜日

採る側として

今日は大学の入学試験で面接官を担当しました.
そこで感じたこと,気がついたことを取り上げようと思います.


就職など,他の面接でも言えることですが,採る側の身になって対策を考えることが大事です.

「自分の言いたいことをいかに上手く伝えられるか」
なんて面接ハウツーがありますけど,これウソです.

それよりも,
「相手が求める事をいかに伝えられるか」
を大事にすべきです.
なので,事前準備が大事です.どういう人間を合格,または採用しようとしているのかを研究する必要があります.
それさえ掴めれば,キャスティングボードは握れます.

書類の書き方も非常に大切.
実際,面接する側としては準備にかけられる時間は少ないのです.面接資料の確認なんて当日の面接前の数分だけですよ.シンプルなことを書いてもらった方がプラス評価につながります.
なんせ,こっちとしては面接とか試験を専門に仕事しているわけではありませんから.普段の仕事に追われているのです.
ごちゃごちゃしたこと書かれるとイラッとするくらいです.


演技力も大事ですね.
いかにも用意してきた解答,というのは強烈にマイナス印象です.
宙を眺めながら思い出すように答えられると,
「んんー・・・・」
と,うんざりしてしまいます.
少なくともバレないように答える演技をしてほしいものですね.

間違ってもらっちゃ困りますが,だからといってその場の思いつきやインスピレーションで答えられてもダメ.
そういうの,こちらとしては結構バレています.節々から適当さが滲み出てきますから.
事前準備せずに面接,というのはあまりオススメしません.

ではどうすればいいのか?というところですが.
意外かもしれませんが,社交辞令の言葉を交えつつ,営業トークがベターです.
要は,しっかりと大人のコミュニケーションがとれることをアピールできればOKなのです.
ポイントは3つ.
1.これまで自分が何をしてきたか
2.現在どのような考えを持っているか
3.その上で,これから何をしたいのか
過去・現在・未来の流れを統一して答えることです.どんな質問であれ,この流れを基本として解答を構成しましょう.結構これが出来ない高校生が多いのです.

具体例を使ってアピールしてください.
できることなら,“アピールしないようにアピール” してください.

「あなたの性格で長所だと思うところは?」
という質問に,
「明るく,周りの人に元気を与えることができます.いろいろな活動でもリーダーシップを発揮していました」
こういうの,判を押したように皆が答えます.ビックリするくらい皆が同じ解答です.
聞かされる方としては,つまらないのです.

こういう場合,例えば
「電車でおばあちゃんを座らせてあげようと思い席をゆずったら,「大丈夫だから」と言われたんですけど,それでも座らせようとしたらケンカになって周りの人に笑われました.みんなからは強引な性格だと言われます」
みたいなことを答えて,「エヘ!」と笑顔を見せましょう.
聞かされる方としては,明るく元気でリーダーシップがとれそうなイメージが沸きます.

ウソでもいいんです,作り話でもいんです.鉄板ネタを用意しておくと便利です.
つまり,これが事前準備された営業トークという意味です.
どの面接会場でも同じネタを使いましょう.同じネタを言ったところで,誰にもバレませんから.

2010年10月15日金曜日

名言とともに

今日は粋な名言を集めてみました.
何かの折に使ってみたいんだけど,くさすぎて使えそうにない名言の数々です.


「本当に大切なものは目には見えないんだ」
星の王子様:サン=テグジュペリ
典型的な名言です.いろいろなところでパクられていることでも有名です.いろんな安物ドラマや小説で引用されているようですが,出典は『星の王子様』です.


「やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、 ほめてやらねば人は動かじ」
山本五十六:連合艦隊司令長官
指導者や教育者を経験した者にとっては納得の名言です.ホント,この通りですよね.さすが大日本帝国海軍の司令長官にまで上り詰めた指導者は悟っています.
でも,たいていのコーチや教師はこれを面倒くさがります.「言って聞かせて,やらせる」だけが多いのが現実.そうはなりたくないものです.


「人は不合理、非論理、利己的です。気にすることなく、人を愛しなさい。
あなたが善を行うと、利己的な目的でそれをしたと言われるでしょう。気にすることなく、善を行いなさい。
目的を達しようとするとき、邪魔立てする人に出会うでしょう。気にすることなく、やり遂げなさい。
善い行いをしても、おそらく次の日には忘れられるでしょう。気にすることなく善を行い続けなさい。
あなたの正直さと誠実さとが、あなたを傷つけるでしょう。気にすることなく正直で誠実であり続けないさい。
助けた相手から恩知らずの仕打ちを受けるでしょう。気にすることなく助け続けなさい。
あなたの中の最良のものを世に与え続けなさい。
けり返されるかもしれません。気にすることなく、最良のものを与え続けなさい。」
マザー・テレサ:修道女
リアルな歴史上,最大の偉人である修道女の名言です.この名言に初めて出会ったとき,私,不覚にも涙が出そうでした.これぞキリスト教徒の鑑です.なんちゃって教徒は見習ってほしいものです.大学の教員となり,今一度この名言を読んでみますと,心に突き刺さるものがあります.もっと頑張らなくてはと,勇気をもらえる名言です.


「人は世界一のゴミ収集人になれる。世界一のモデルにだってなれる。 たとえ何をやろうと、それが世界一なら何も問題はない」
モハメド・アリ:ボクサー
オンリーワン=ナンバーワンということを的確に表した名言です.安直な「オンリーワンを目指そう」という言葉へのアンチテーゼです.人は生まれながらにしてオンリーワンなんて安っぽいワードもありますが,結局,オンリーワンであることは何かしらの道でナンバーワンであることなのです.


「不思議なものですが,人間,死ぬ気でやっても,なぜか死にませんな」
松下幸之助:パナソニック創業者
ちょっとやそっとのことで泣き言をいってられませんな.

2010年10月9日土曜日

驚異のニンジン


注文していたカーマイン・ガロ 著 『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』が届きました.
今読んでいます.

授業やプレゼンなどで使えそうな考え方やポイントが載っています.
特に気に入ったページは「一番大事な問いに答える」というところ.
聞き手がそのプレゼンに興味を持ってくれるかどうかの分かれ道ですね.一番重要なところだと思います.

どんなに劇的にプレゼンしても,どんなに工夫したスライドを使おうと,聞き手が知りたい情報が得られないと判断したらそれで終了です.
逆に,どんなテーマであろうと,どんなモノが対象であろうと,ここさえ発見できたら良いプレゼンになり得るのかもしれません.

全部に目を通しましたが,結局これって研究論文にも言えることだな,って.
他にも「シンプルに」とか「ストーリーをつくる」なんていうのも,指導教員に叩き込まれたことと見事に一致します.
なるべくテーマを一つに絞って取り上げていく,一つの論文で全部語ろうとしてはいけない.なんて,よく言われましたが,いざ書こうとすると,あっちこっちから話題を取り入れたくなるんですよね,これが.


ところで,この本と一緒に購入したのが,高麗人参(朝鮮人参)のサプリメントです.
本当に “効く” ということなので,騙されたと思って買ってみました.プラセボ効果くらいは期待しています.

どんな効果かと言うと,


「頭が良くなる」


というもの.
ウソではありません.マジです.この私が本気にしているんだからよっぽどです.
効果がないという結論が導かれる研究が出たら教えてください.飲むのやめます.

池谷裕二・糸井重里 著『海馬』で取り上げられていました.本当に効くということで.
著者の脳科学者・池谷氏はこれについての研究をストップしたそうですが,他の研究者は続けているそうで,実際,PubMedで調べたら出てきました.ヒトとかラットを使って研究されています.
もう一人の著者は徳川埋蔵金を掘ってたりする怪しい人ですけどね.対談本なんで大丈夫でしょ.

ほんの少しの量で効くそうなので,サプリメントのパッケージに書かれている推奨量の半分だけ飲むことにしました.

まぁ,高麗人参の効能は他にも冷え性とかがあるんで,これにも効いてくれたら一石二鳥.
というか,ガラにも無く冷え性で悩む男としては,こっちに効いてくれさえすれば御の字です.
低血圧を治すために,暴飲暴食を心がけ,塩分を摂り過ぎるように注意する生活はしんどいです.
ジョギングも日課になってきて健康的な生活を送ってしまっているので,ここいらでテコ入れが必要かもしれません.


これから授業が本格化してドタバタが続きますし,徐々に冬に向かい寒くなってきますので,高麗人参の効果が出てくることを期待しています.
       

2010年10月6日水曜日

林檎の種


今回,初めてDVD映画を購入しました.
中古ですが,衝動買いです.
以前から気にはなっていた「AppleSeed」というSFアニメです.

DVDと言えば,私は一時期TSUTAYAで借りまくっていたことがありました.
学生時代,「夏休み中に100本の映画を見る」と目標を立てて,当時あった(今もあるかは不明ですが)レンタル100円クーポンを使ってドッサリと映画漬けになった時期があります.
100本見ても100円クーポンを使えば,トータル1万円.決して高くない経験だと割り切って実行です.

計画的に見れればいいのですけど,用事が重なるなどして返却まで残り24時間というところで,残り10本が未閲覧という時もありましたね.
10本を気合いで見続けた,という日もありました.
1本約2時間ですから,まぁ,そういうことです.
学生ならではの荒技です.
こういう経験こそ学生時代にやっておくべき事の一つだと思います.
今の学生達にも,そっとそのように指導します.

スポーツのトレーニングや練習なんかもそうですが,質と量,両方を高めた期間を作ると,その後一時的に一気にへたってしまいますが,そこから超回復現象が起きます.オーバーリーチングと呼ばれる現象です.
これで映画に関する「見る目」が少し育つのです.
これは,1年くらいかけて100本見るのでは育たない感覚・機能です.2ヶ月で100本だからこそです.

話のパターンだとか,カメラワークだとか,演技の善し悪しだとか.
専門雑誌や解説書なんかを読まなくても映画通に少し近づきます.

別に映画でなくても構わないので,短期間にしょーもないことに対して濃厚な時間を用意するのは善い経験になります.
学生時代にお試しあれ.


前置きが長くなりましたが,「AppleSeed」のことを少し.
これは以前にも取り上げた「攻殻機動隊」と同様の士郎正宗・原作のアニメで,攻殻機動隊の世界のその後,という設定になっています.

サイバーパンク系のSF作品ですが,このアニメでは特にCGのみで作った映像が特徴的です.
CGを多用したアニメはどうしても安っぽく,子供っぽくなります.ディズニー・アニメがその典型です.
ところが,このAppleSeedでは全カットをCGとし,キャラクターの動きは実際の人(モーションアクター)の動きモーションキャプチャーして取り込んでいます.
そして “トゥーン・シェーダー(トゥーン・レンダリング)” によりCGを手書きアニメっぽくすることで,安っぽさをなくすようにしている意欲作です.

とにかく「こんな映像を作る事が出来るぞ!」という限界を探す要素の強い作品ですので,ストーリーの善し悪しはこの際あまり気にしません.
もともと原作の世界観がしっかりしているので,ストーリーに気を入れなくても大丈夫です.

攻殻機動隊(劇場版)では「人が人であるために必要なモノ」をテーマに据えていましたが,このAppleSeedでは「人類はどのように進化するべきか」がテーマです.
重厚なテーマを鮮やかな映像と共にすっきりと観ることができます.
   

2010年10月3日日曜日

うどんを啜る日


「日」です.「日々」ではないんですけど.

今日は思い立ったようにうどん屋を巡ってきました.

少しずつではありますが,外食先を開拓しています.
そうはいっても,住んでいるところ周辺には美味しいお店が全然ありません.かなり困っています.

できれば職場の行き帰りの途中にあればいいな,というところですが,これまで見つけることはできていませんでした.
近くにまぁまぁ食べれる味のお店が一軒あるのですが,いかんせん脂っこい中華料理で連続して行くことを躊躇わせますし,現在,尖閣諸島問題に直面している我が国のプライドとして躊躇します.

ここは思いきって気合いを入れて探してみようとGoogle Mapを開き検索.
そして和食に絞って探してみますと,以外や以外.めぼしいお店は全然ないのです.

Google Mapでしらみつぶしに当たって,「うどん屋なら体に優しそう」,ということで今日は現地調査を.

1軒目に行ったうどん屋は実は有名店なんだとか.
有名だというほど美味しくはありませんでしたが,無難な物を出してきました.
店員も気前の良いおばちゃんばかりで学生が働いている様子も無く,今後の常連として合格です.

2軒目は以前から見かけてはいたのですが,その店構えが悪すぎて足を運ぶ気になれず,すっかり存在を忘れていたお店です.
Google Mapのレビューでまずまずの評価だったので行ってみることに.
実際も,まずまずの味です.
日曜日ということもあるのでしょうが,家族連れが多いようで,ここも学生が来るようなお店ではありません.店員も家族でやっている感じで学生バイトではないようです.
ここも合格です.


とにかく店員が学生バイトであることはなんとしても避けねばならないですから.
これまでにも飲食店とかファストフードとか銭湯で怪しいケースがありました.
相手が2度見してきたら要警戒です.
そのお店には立ち入り禁止です.

この半年間で,安心して通えるお店が近くのスーパー,書店,古本屋,ホームセンター,コンビニ,そしてうどん屋くらいしかなくなってしまいました.
でもまぁ,これくらいのお店であれば生活には困らないのでいいんですが.

最近,学生の現住所を自由に閲覧できる機会にありつけました.
結構多いんですよ.うちの近所にいる学生.

ひっそりと生活するのも慣れてきました.

2010年9月30日木曜日

どうしてくれるんだ民主党!


一気に気温が下がってきました.
先週までは暑さにやられいましたが,今週はというと肌寒さに足の先を摺り合わせるようになりました.
涼しくなってきた,という感じもなく,アッと言う間に寒さが迫ってきています.

こういう時に体調不良を起こしやすいですからね.
気をつけなければいけません.


さて,
そろそろ取り上げようかなということで,民主党の記事を書きます.
やってくれました.
想像を絶する大フィーバーです.

例の尖閣諸島漁船衝突事件ですね.

まさかここまでバカな党だとは思いませんでした.
どいつもこいつも責任を取らないカスどもです.
さっさと辞めて選挙すればいいのに.
国益を損なう人ほど続けたがるものですね.


とりあえず,どう転んでも責任逃れできない状況ですが,いまだに何とか逃げ道がないかと皆必死で答弁しています.
あんまりヒドいと撃ち殺されると思います.適度なところで素直になっておいたほうがいいですよ.

あっさりとこの事件を解説しますと,
海上保安庁が中国の違反船舶を拘束し,那覇地検に引き渡して勾留.
その後,運命の9月24日,那覇地検はこの違反船舶の船長を釈放します.
これを機に中国政府は謝罪と賠償を要求してくるわけです.

なぜ中国が謝罪と賠償を要求するのかと言うと,こうすることで「尖閣諸島は中国の領土である」と主張できる材料になるからです.
今回の件,日本にとってはとんでもない大ダメージなのです.


「那覇地検が判断して中国人船長を釈放した」というのが本当であれば,これは検察による国家レベルの大暴走であり,法に抵触する大事件です.
が,普通に考えて検察がそんな大犯罪を組織的に行なうことは考えられません.
奇跡的な確率で集団的によっぽどラリっていたか,検察はみんなシャブを射っていて丁度それが切れてきて異常な心理状態だったかのどちらかです.

であれば,可能性はもう一つ.
「官邸(民主党)が指示を出した」というものです.
一連の事件の黒幕とされているのが官房長官・仙石氏です.
国会などで質問に応じなければならないところですけど,出席せずに逃げ回っています.
たいした議員です.政治をする気がゼロです.

たまに記者会見などでは,
「まさか中国がこんな対応をするとは思わなかった」と狂ったこと言ったり.
かと思えば,「私は関わっていない」とバレバレのウソをついたり.

もういい加減中国を信じるのをやめたほうがいいですよ.
歴史上,一度たりともプラスになったことなどないのですから.

というか,今回の件で完全に民主党は終わりました.
国を運営する力が全く無いことがわかったのですから.
もう民主党をネタにする記事もやめにします.書くだけ無駄です.

2010年9月26日日曜日

魂の一冊


本日もこの本のお世話になりました.
感謝です.

スポーツ科学をやる身としましても,ここまで役立つ本,他にお会いしたことがありません.
増原光彦 著『運動生理学読本』
スポーツ科学の魂がこもった一冊です.

特にトレーナーとか運動指導者にオススメ.
“肌身離さず持つハンドブック” という情熱系の本ではなく,そっと本棚の一番見えやすく取りやすいところに置いておくタイプの本です.

体育・スポーツ関係の人っていうのは,たいてい「何でも屋」にさせられます.
あれやれ・これやれと様々なことを持ちかけられるのですが,なんでもかんでもカバーできるわけでもなく.
ということで参考書籍にあたるわけですけども.

たいていの書籍の誕生する理由がそうであるように,スポーツ系のテキストにおいても著者の主張やオリジナリティ,新しい知見を前面に押し出すあまり,知りたい情報がなかなか出てこないというのがよくあるパターン.
「そんなことが知りたいんじゃなくて,...」とイライラすることもしばしば.

そんな時には,そっと『運動生理学読本』を開きましょう.
スーッと心が穏やかになっていきます.
基本中の基本が丁寧にしっかりと書かれており,まるで著者の性格が出ているかのようです.
こういう「基本」をちゃんと書いている本,以外と無いのです.

運動生理学読本なんて,洒落た謙遜もいいじゃないですか.
「テキスト(教科書)」と銘打たないないところも著者の謙虚な性格が出ています.
でも,これだけゾロゾロ目的不明なスポーツ系テキストが氾濫するなか,この一冊こそ最高のテキストだとも思えます.

というか,スポーツ生理学のテキスト,この一冊以外に知りません.
その昔,猪飼道夫 著『運動生理学入門』というのがありますが,それくらいでしょうか.

自らの研究分野を飾り立てて押し出すわけでなく,自らの専門分野だけに絞ってマニアックに語るわけでなく,全ての分野を分け隔てなくカバーできてこそ真のテキストです.

このテキスト,自分の学生達にも買わせるつもりです.
なにも,全部読んで全部覚えろというのではありません.
テキストっていうのは,とりあえず目を通して何処に何が書いているのかを頭のすみっこに置いておくだけでいいのです.
なにかの拍子に「たしかこれについてはあの本に書いてあったような…」と思い出せればいいのですから.

いろいろと助けられること間違いない一冊.
この本を見るだけで,著者の仙人のような笑顔が見えてくる気がします.

2010年9月24日金曜日

聖剣伝説


今回は聖剣伝説というのを取り上げます.
同名のTVゲームがありますが,それではありません.

前回はF.E.A.R. 著『ドラゴン』を取り上げましたが,このF.E.A.R.というのはFar East Amusement Researchの略で,こういったファンタジー系の書籍をシリーズで販売している会社です.
今回はそのF.E.A.R.が企画する書籍の中の『聖剣伝説』というのを紹介します.

世界のファンタジー物語・伝説の中に出てくる剣をまとめている本です.
「内容に間違いが多い」というのはAmazonレビューでも取り上げられていますが,大雑把に理解する上では便利な本です.

たくさんの伝説の剣の中でも,特に知っておいて損はない(得もない...)ベスト3を私の独断と偏見で紹介しましょう.
でもまぁ,なんかの話のネタにはなるでしょうし,なんかの拍子に出てきた名称の由来がこの剣だった,という蘊蓄(うんちく)を披露できるかもしれません.


第1位:エクスカリバー
聖剣と言えばこの剣です.世界中で最も有名な聖剣と言えるでしょう.
アーサー王伝説に登場する王者の剣.アーサー王が所有する剣として物語の中核を占めます.
アーサー王がエクスカリバーを持つに至った経緯も非常に有名で,2パターンあります.
一つは “岩に刺さった剣(エクスカリバー)” を引き抜いた,というもの.真の王者のみが引き抜くことが出来るという象徴的な経緯です.
もう一つは,“泉の妖精から受け取った” というもの.これも “聖なる者から授かる” という神秘的で象徴的な経緯としてステレオタイプなものです.
このエクスカリバー,切れ味も凄まじく,甲冑をまとった兵士をバッサリと切り捨てることができる威力で,いかなる鎧・盾をも切り裂き,刃こぼれ一つ起こしません.
まさに聖剣にふさわしい逸品です.

第2位:デュランダル
中世ヨーロッパの叙事詩「ローランの歌」に出てくる,騎士ローランが所有する聖剣です.
ローランがデュランダルを所有するに至る経緯は,まず天使がローランにデュランダルを「シャルルマーニュ大帝に渡すように」ということで授けます.その剣を気に入ったシャルルマーニュは有能な騎士ローランに渡してさらなる活躍を命じるというものです.
切れ味もかなりのもので,ローランが戦死する間際,デュランダルが敵の手に渡らぬようにと岩に叩き付けて壊そうとしたのですが,逆にその岩を真っ二つにしたことで有名です.
そう言えば,2002年〜2005年までGⅠレースで活躍した競走馬にデュランダルというのがいます.短距離・追い込みが得意な切れ味抜群の走りで人気を博しました.

第3位:天叢雲剣
「あめのむらくものつるぎ」と読みます.
草薙剣(くさなぎのつるぎ)とも呼ばれる,日本・天皇の三種の神器の一つです.現在は愛知県・熱田神宮にあります.
ちなみに,三種の神器のあと2つは「八咫鏡(やたのかがみ)」「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」です.
須佐之男命(すさのおのみこと)が八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治した際に,その尻尾から出てきた剣として有名です.
須佐之男命がオロチの尻尾を切ろうとした際に,持っていた十拳剣(とつかのつるぎ)は天叢雲剣に当たって欠けてしまいます.
こうしたエピソードは,鉄器文明を持った出雲国(現在の島根県出雲地方)と青銅器文明であるヤマト王権との戦争において,出雲国を征し鉄器を手に入れたヤマト王権の遠征を物語化したものではないかという説があります(これについては以前の記事を参考に).

番外編:ライトセーバー
『聖剣伝説Ⅱ』ではライトセーバーについても紹介されています.スター・ウォーズに出てくるジェダイの騎士が使用する聖剣(?)です.
ライトセーバーの刃の色ですが,これは柄の部分に内蔵されているクリスタルの色なんだそうです.色によって刃の強さが変わるわけではありません.
ジェダイの騎士は,このライトセーバーを作成することも修行の一つだそうです.えらくエンジニアリングな修行もあるんですね.
このライトセーバーを使ったジェダイの騎士の剣術ですが,かなり具体的かつ明確な「型(フォーム)」の設定があります.
・基本スタイル:シャイ・チョー
新人のジェダイが使う型で,全ての技の基本だそうです.
・対ライトセーバー用:マカーシ
対ライトセーバー,つまり対ジェダイ用の型です.「ダース○○」と呼ばれる悪役が使う型だそうです.
・防御重視スタイル:ソーレス
あのオビワン・ケノービが有名な使い手.相手の攻撃を受け流す生存率の高い型です.
・攻撃重視スタイル:シエン
ダース・ベイダー(アナキン)が有名な使い手.SW ep3において,オビワンとアナキンの戦闘が長引いたのは,両者の型が拮抗したからだそうです.
・アクロバティックスタイル:アタール
ヨーダが有名な使い手.ピョンピョン飛び回って攻撃する型で,ヒットアンドアウェイと言えなくもありませんが,捨て身の特攻ともとれる難度の高い型です.
・バランススタイル:ニマーン
欠点を少なくしたバランス重視ですが,長所もないので最弱の噂もある型です.事実,この型を採用したジェダイは死滅しています.
・究極スタイル:ジュヨー
力を追求するため,暗黒面に陥る可能性が高い危険な型です.使いこなせるジェダイは極わずかで,メイス・ウィンドゥが有名な使い手です.
・ライトセーバー最奥義:ヴァーパッド
宇宙の歴史上,最強の騎士であるメイス・ウィンドゥが手に入れた型です.ジュヨーをさらに発展させて絶対無敵の境地に入りました.が,結局メイス・ウィンドゥは不意をつかれてあっけなく死んじゃいます.

ライトセーバーの剣戟も,適当にチャンバラしているわけではなかったのですね.
神は細部に宿るとか.
緻密な設定が質の高い作品を構成しているのです.
  

2010年9月22日水曜日

趣を変えて


趣を変えて,ということでタイピング・変換したら趣(おもむき)という漢字がこんなんなんだということを初めて知りました.
以前も漢字にかんする記事を書きましたが,漢字を覚えることは一筋縄ではいきません.
やはり,語彙力をつけることが先です.
漢字は覚える必要はありません.

さて,今回は趣を変えるということで,「ドラゴン」について取り上げようと思います.
そろそろ民主党の悪口を再開しようとも考えたのですが,もう少し放置します.
取り上げるほどの価値もありませんしね.さっさと誰かが民主党本部に火炎瓶か銃弾による怒りをぶつける時期が来ていると思います.


で,
なんでドラゴンなんだ,ということですけど,特に意味があるわけではありません.
たまたま本棚にF.E.A.R 著『ドラゴン』という本があったので取り上げてみました.
無理矢理こじつけて意味をつくるとすれば,今年の大河ドラマが「龍馬伝」ということで,その「竜」を取り上げるということで.
まぁ,そのうち「馬」についても取り上げますね.


ここまで有名な幻獣も珍しいほどに知名度抜群のドラゴンですが,その存在を本気(マジ)で調べたこともなかったので,これをいい機会に,と手に取った書籍だったと記憶しています.
今回,もう一度読み返してみました.

先ほど私は「ドラゴン」と「竜」を同一視しましたが,実際には似て非なる存在です.
ドラゴンは西洋,竜は東洋の文化から生まれたものであり,その意味するものも違います.

ドラゴンは西洋文化において絶対悪,畏怖,立ちはだかる脅威としての存在であり,これを退治,または支配するといった趣旨の文学や伝説が多いのです.おそらく,人間の前に立ちはだかり,克服し難い「自然」の驚異を象徴した幻獣なのだと考えられています.

一方の「竜」は偉大な力を持つ神聖な霊獣としての存在であり,これによって文明の発展や生活の豊かさが左右されるものとして描かれることが多いのです.雄大で逆らうことの出来ない「自然」を象徴した神秘的な霊獣なのだと考えられています.

ここから言えることは,ドラゴン(竜)という幻獣を通して西洋と東洋における「自然」への接し方の違いをみることができるのです.
西洋における「自然」は克服・支配すべきもの,東洋においては共存・従属すべきもの,という哲学が垣間みれます.
こうした東西世界の自然への観点が,ドラゴン(竜)という類似した容姿による幻獣・霊獣を通して考察できることは興味深いですね.

もう少し付け加えると,
西洋において自然を克服し,解明しようとする姿勢が「自然科学」すなわち「科学 Science」を生んだという経緯があります.
「科学」は現代における “ドラゴン退治” であり,科学者は現代における “ドラゴンスレイヤー” とも呼べるのかもしれません.


ところで,ドラゴンを取り上げるからには無邪気な男の子の感覚で気になるのは「最強のドラゴンは何か!?」というところです.
いろいろ読んでみて,あえて私の独断と偏見によりランキング化するとすれば以下のようになります.

第1位:ヒュドラ
まさに最凶・最悪のドラゴンです.
容姿はヤマタノオロチのように無数の頭を持ち,一説には百以上の頭を持っているとされています.
巨大な体躯,凶暴かつ高い戦闘力を有します.その血液も触れるだけで神々をも死に至らしめる猛毒です.
英雄ヘラクレスが最も手こずった敵として神話にも登場します.
ヒュドラの存在自体がとにかく最強の悪としての存在なんですから,文句のつけようがありません.

第2位:アジ・ダハーカ
魔力は最強のドラゴン.
千の呪術が使えるとされ,ゾロアスター教における暗黒の力の結晶として存在しています.
容姿は3つの頭を持つ巨大なドラゴンです.
この世に存在するもの全てを破壊するために生まれたという,迷惑極まりないヤツです.

第3位:レヴィアタン(リヴァイアサン)
体格および支配力は最大のドラゴン.
旧約聖書に出てくるバカでかいドラゴンで,人間世界や自然そのものを支配している存在です.このドラゴンの思いつき一つで世界がぶっ壊れるんですから,たまったもんじゃありません.
こうしたレヴィアタンの存在は,ホップズ 著『リヴァイアサン』の中で,「万人による万人の闘争である人間社会」をコントロールする “国家” の比喩として登場します.
誰も逆らうことが出来ないんですから,黙ってついて行くしかないヤクザの組長みたいなドラゴンです.


まぁ,こうして調べ直してみてみますと,ドラゴンも多種多様で世界中に伝説があるんだなということがわかります.
世界は広しと言えど,各地域の人々は同じような幻獣を創造して自然というものを捉えていたのですね.
     

2010年9月18日土曜日

出張三昧

今回もまた東京方面に出張していました.
今週は二度,東京に足を運んでいます.

今回は出張と言っても学会なので,自分が楽しむことがメインです.
この学会では自身の発表もありませんでしたので,気楽なもんです.
できれば私も研究発表したかったのですけど,なにぶん,この学会に行けるかどうか自体が微妙な状況だったので見送ることにしておいたのです.


昨年までとは学会に参加する目線が変わりました.
完全に仕事に役立つ情報探しの場です.

昨年まではと言うと,どちらかと言えば勉強のためだったり研究の視点で参加していたのですけど.
今回は研究以外の学内事業のアイデア探しだったり,授業のネタ探しだったりです.
ツール探しというんでしょうか.
結構,為になった学会でした.目線が変わるだけでも得る物が変わります.

今まではスルーしていた企業の製品ブースも,買わないとはわかっていても話を聴いてみて,今後の活動に生かせるアイデアが無いか考えてみたり.

これまでだったらスルーしていた研究発表も,やっぱりここでもアイデア探しとしての視点で演者に話しかけたりしています.
例えば「○○を対象にした運動指導の実践事例」なんて発表は何かを明らかにした研究じゃないから,どっちかっていうと報告めいていて今までなら興味が薄かったんですが,「実際にやってみた」っていうモノにはそれなりの経験知が入っているものなのですよ.

聴く側の焦点が少し変わるだけで,とても有益な示唆を含む内容に変わります.
多分,発表している側も「何かを明らかにする」という視点を期待している聴衆に合わせた発表内容にしているので,せっかくの研究(あえて言うなら事例発表)の旨味が損なわれています.調理の仕方が一辺倒なんですね.
バーベキューだからってんで,イチゴやメロンも鉄板焼きにしているようなもんです.
肉・野菜とフルーツでは,同じバーベキュー(学会)でも食べ方を変える必要があります.

「この研究,意味あんのか?」っていうものであっても,視点を変えた質問をすれば得る物はあります.
今までで比較的収穫の多かった質問は「なぜこの研究をしようと思ったのか?」というところを突き詰めて,角度を変えて質問してみることです.
研究者のそのテーマに対する考え方(哲学?)が聴けるから,自分自身が事象を捉える際の引き出しを増やせます.

オーラル発表では聴けないことも,ポスター発表でなら細部を詳細に聴くことが出来ます.
ポスター発表の良さはココですね.
私は断然,ポスター発表が好きです.


そろそろ夏休みも終わります.
冬に向けて忙しい日々が始まります.

2010年9月13日月曜日

女性の成功


内田樹 著『疲れすぎて眠れぬ夜のために』というのを,東京出張中に読んでおきました.
かなり以前に買ったのですが,あまりページを開く機会がなかったので放っていた本です.

自己啓発書のうちに入るんでしょうかね,こういうの.
内田氏の本はなかなか鋭い視点で書かれることが多く,示唆に富んだ内容ですので愛読している一人です.

また,氏は神戸女学院大学の教員でもあり,女性の大学教育ということをテーマにすることも多いので,仕事柄,私にも関係が深いのです.

今回は,この書のなかでも特に「女性の社会的成功」についての視座で,私も賛同できる箇所が多くありましたので,それを紹介したいと思います.


まずは「女性の社会進出」です.
これはフェミニズムを中心とした「男性中心主義」への反抗から始まり,男性が持っている良いものを女性も享受できるように活動してきて今日に至っています.

ここで問題なのは,“男性中心主義の社会に女性が進出することを良い事だ” とする価値観で活動してきたことです.
勇ましい表現をするなら,男性社会に女性が浸食する,ということでしょうか.
一見,「女性の社会進出」には正当性があるように思えますが,それはつまり男性中心主義である権力,金,威信は良いものである,ということを肯定することになります.

フェミニズムは男性中心主義を批判(すなわち権力,金,威信を批判)していながら,その権力,金,威信を我々にも分け与えよ,と主張することになるのです.

一方の男性としては,そんなような権力,金,威信がそんなに良いものだとは思っていませんが.
欲しいならあげるよ,って感じでしょうか.
「女性にそんなものを..」と反感を抱く男性の方が少ないと思いますよ.

というか,「私たちにも権力,金,威信をよこせ」と抗戦的にきたら誰でも敵対心を持つものです.
「職場では男性の抵抗がまだまだ..」という事象の裏は,こうしたことがあると思われます.
黙って結果を出せば誰も文句は言いませんから.


男性中心主義を批判してはいるが,その男性中心主義を自身が目指しているという矛盾を孕んで活動してきたフェミニズムに苦難が訪れます.

男性中心主義の社会に女性が男性のように進出したのですから,そこでは女性を男性のように扱うわけです.
女性も男性に負けない力があるのだ,ということを見せられなかった場合,それは女性の敗北を意味します.
こうした背景を持って進出してきた女性は「私は女性だから」といった弱音は吐けません.
過酷な精神状態であることは容易に察しがつきますよね.


そうした中で,次に「女性のサクセスモデル」が追い打ちをかけます.
長年,女性のサクセスモデルは男性中心の社会でバリバリ働くキャリアウーマンとして紹介されています.
おまけに,思慮深いパートナーと結婚していて,一流校に子どもが通い,たまの休日は海外旅行,趣味はワイン,といった具合です.

こんな人,普通じゃありません.
極々一部の人だけです.
例えば,勝間和代 氏なんかがその典型例でしょうね.

ところが,こうした極一部の人だけが達成可能なサクセスモデルを「これからの女性はこれを目指せ」的にフェミニズムは,そしてメディアは紹介してきました.

内田氏は,こうした女性の社会進出のキャンペーンは,女性を奮い立たせると同時に苦しめていると述べます.
むしろ,苦しめている割合の方が多いのではないかと.理想と現実とのギャップに.

男性は仕事にこのような無理なサクセスモデルをつくりません.
等身大の目標をたてるようにしますし,「人生これ適当」と考えている人の方が多いのです.
仕事だって,みんながガツガツ喰い合うことはないのです.大部分の男性が,自身を広大な社会を構成する歯車の一部であることを自覚し,適切に隣の歯車を回すことに日々を費やします.


そんなわけで,最近の女子大生は「就職しなくていい,主婦がいい」というのが増えているのだとか.
これは明らかにこれまでの反動です.

この不景気のなか主婦でいい,とは,これもまた贅沢な進路希望ですけど.
振れ幅が大きすぎやしませんかね.

逆説的ですが,女性も男性のように淡々と働けばいいのです.
たまたま能力と運があれば権力や金,威信を手にできるだけのこと.
狙ってとれる人は極わずかしかいないのですから.

2010年9月10日金曜日

300

記念すべき300記事目です.
今年に入ってだいぶ更新速度が落ちてきましたが,ボチボチやっていこうと思います.

ここ数日間,学会に参加していました.
大会中は前に赴任していた大学の恩師やメンバーにお世話になり,楽しくも熱い・厚い話をさせてもらいました.
この研究室のメンバーには個性的で深いメンツがドンドン集まってきています.
良い傾向です.
これこそ大学院です.

一方,現在赴任している大学からは学会や研究活動に熱心な人はいません.
行っている人も,気分転換か学内での自己アピールのために参加しているようなものです.
残念でなりません.


かくゆう私も今回の学会期間中に,例の母校・黄柳野高校に行ってきました.
久しぶりの豊橋駅.
14年前と何ら変わらない風景に懐古感が高まります.
何度も乗ったJR飯田線.
独特の起動音の電車もいまだ健在.
あと,やっぱりというか,まだというか,この電車のドアは乗客が手で開けるんですよね(長野方面に北上すると,気温により空気圧で作動するドアが働かなくなるため).これも懐かしいです.

新城駅を降りて高校までの移動手段はスクールバスかタクシーだけなのですが,バスはわずかに朝と夕方しか出ていないので,今回私はタクシーで.
思わず運転手さんにも,この地域の話をフリたくなります.

20分くらい田舎道を走って,ちょっと(かなり・・)高いタクシー代.おつりを間違えた運転手さんに感謝しながら,大急ぎで降りてその身を校舎に隠します.タクシーが残念そうに帰ったことを確認して,いよいよ懐かしの人々との再会.

当時の担任や野球部監督,体育科の先生や進路指導の先生等々,他にも今の私を形成するに重要な存在である方々とお話しできたことは感動です.
それでも,これ以外にたくさんの先生がこの高校を去っていることも確かでして,寂しい部分でもあります.

初めて会ったとき,今の私と同じ歳だった野球部の監督は,今はこの高校の教頭をやっていました!
出世しましたね.私も嬉しいです.

担任だった先生も,相変わらずの関西のノリで安心しました.
中部日本にあって,大阪・関西のボケとツッコミが味わえるのは貴重です.

あまり栄誉ではない理由でTVにも映った校長とも対談できました.
最近は,高校の経営も大変そうです.
それでも,なんとか頑張っている様子ですから,「なにか力になれることがあれば」とサポートは惜しまないつもりです.

とは言え,ちゃっかり私のところの大学の学生募集もしてきまして.
そこらへんは持ちつ持たれつ.
ただ,そちらから生徒を送り込んでもらえれば,なんかデカイ事をやらせてもらいますんで,期待して送ってきてください.

こうして大人になってから高校にくると,大人同士の会話になります.
なんだかんだで自分は生徒ではないんだな,と思う事.
そして,生徒の時とは先生方を見る目・目線が変わっていることを実感するのです.
あれだけ苦手にしていた先生と普通にしゃべっている自分.
ガキだったのですよ,やっぱり当時の私は.
これって,ステレオタイプな感想ですが,本当にそう想い,感じるのです(これが正しい「ステレオタイプ」の使い方です(笑)).


他にもいろいろ有意義な学会期間でした.
大学に閉じこもってばかりでなく,こういった機会をつくるのも大事ですね.

2010年9月6日月曜日

宵のハイテンション

あと前任校の特徴について,もう一つ.

今は世間の大学は夏休み期間中です.
大学というのは長期休暇中は物静かな雰囲気に包まれるものですが,この大学はおかまいなしに賑やかです.
今の大学に勤め始めてわかりました.

ここぞとばかりにクラブ活動が盛んに行なわれています.
普通に大学に来ている学生が多いのが不思議です.
駐車場の賑わいといったら,他の大学の追随を許しません.

それに,もっと言うなら午後9時以降でも煌煌と明かりが点いているのがこの大学の逞しさを表しています.
「さっさと帰れば良いのに」,というところなのでしょうが,こういう “昼夜問わず” という姿勢は大学としてのパワーを感じますし,実際,底力のあることの証だと思います.

先日,前任校にお邪魔した時は帰宅した時間は夜の9時半ごろでした.
この時間は,今の大学では残りたくても残れない時間です.
夜の9時をまわったら敷地を出なければなりません.

一時は,こういうスタイルもメリハリがあって良いな,と思ってもいましたが,「好きなだけ仕事する」っていう自由がないことは善し悪しです.

帰宅するために駐車場まで歩いていますと,前任校はまるで眠らない街のように深夜も活気があるのです.
少し羨しい部分もあったりで.

なんというか,
Universityとはこういうことだ!
というものを見せられている気がします.

深夜までフットサルやってる学生もいますし,遅くまで残って仕事している事務員,パソコンに向かって研究している院生,実験室にこもっている研究生etc......

教育機関としての躍動感があります.

実際,私もここで仕事する方が楽だし,はかどります.
それは一言で言えば「自由」だからです.
コピーとるのも自由.パソコン使うのも融通が利く.施設,設備の利用もなんとかなる.
在学・赴任していた時は,もっと自由にできないだろうか?と感じていましたが,外に出たらいろいろ分かります.この大学の価値がね.

これを言っているのは私だけではありません.
私の先輩や同期の人も,この大学を出てから同じことを言っています.


学生や研究生,教員,そして外部の人までもが自由に融通を利かせて活動できる場所・大学.
それが大学教育の髄のような気がしてなりません.

別にこの大学だけを取り上げて言ってるんじゃないです.
私の弟が通っている大学・大学院も同じような空気があります.
キャンパス内で犬の散歩とかジョギングしている地域の方々もいたり,学生や院生も適当に“生活”しています.昨年の私のように.

「そこを覗けば,いつも」というニュアンスでしょうか?
トレーニング室には,いつもあの学生がいる.
グラウンドでは適当にフットサルしている学生がいる.
あの実験室には長(おさ)がいる.
この人に頼めばなんとかなる,ていう職員がいる.
その大学の名物があることが,“その大学としての存在” を楽しくさせるんではないかな,と.


現在赴任している大学で同じことを直ぐにやることはできませんが,一つの目標ではあるな,と考えさせられました.
思い起こせば,そういう存在が今勤めている大学には無い気がします.

できることなら,学生,院生,研究生だけでなく,地域の方々や高校生なんかが自由に使える施設としての「大学」を目指すことが,日本ならではの「大学」を実現できるポイントなのかもしれません.

なんかね,今の職場である大学は中学・高校の延長のような気がしてならないんですよ.
閉鎖的というか,会社的というか.

大学ならではの教育活動,教育施設をつくること.
難しいですけど楽しみな部分です.

2010年9月4日土曜日

高速の高速

今日も朝から前任校にお邪魔していろいろと作業してきました.
恩師にもお会いできたのでよかったです.
ずっと手術・入院をしており,体の加減はどうなのか心配だったのですが,そんなそぶりを見せない元気そうな姿がなによりです.

先ほど自宅に帰ってきましたが,前任校〜自宅間の最速記録を更新しました.
「1時間ジャスト」です.
かなりぶっ飛ばしましたが,無理したわけではありませんし,信号や前を行く車の状況次第でこれくらいの時間で行き来できるようです.

やっぱり,引っ越さなくてもよかったのかもしれません.
今の職場,前の自宅からでも十分通えます.
てか,帰宅時間に至っては以前の方が遅かったはずですから.


さて今日行なった作業ですが,学会発表用のポスター作りです.
共同研究の人たちのポスターや発表スライド(ppt)も見たりしながら,あーだこーだと打ち合わせました.
授業準備よりもこっちの方が楽しいです,が,そんなこと今の職場では言えません.

私の発表ポスターではありませんけど,私が作っているものがあります.
そんな中,今日は「科学的方法」としてはやってはいけないことをやってきました.
科学研究発表としては大問題になるようなことですけど,サラッとやってのけるところが我らが研究室です.
まぁ,でもそれも私なりの科学の楽しみの一つですから.
倫理観にギリギリ触れない程度にやっておきます.
どんな事したか詳しくは,前任校のテニス部コーチ,または研究員に聞いてみてください.
「Sらの推定式」を使わせていただきました.


いよいよ学会が始まるのですけど,私はその学会期間中に行っておきたい場所があります.
母校の高校です.
はい,例の喫煙室問題を起こして世間を騒然とさせた高校です.

もう4年近く訪問していません.
学生募集も兼ねて行ってこようと計画しています.
今の私に多大な影響を与えた高校ですから,お礼と激励をさせていただくべく還ってみようと思うのです.

今から楽しみにしています.

2010年9月3日金曜日

巡り巡って

昨日・今日と,学生がお世話になっている学外実習先をまわってきました.
専門外の分野の実習ですが,そこらへんは体裁がなんとかなっていればOKな部分ですので,適当に話を合わせて..,というか実習先の担当者とおしゃべりして帰ってきているようなもんなのです.

学生としても,実習巡回の先生に期待する何かがあるわけでなし.
十中八九,元気に実習しているかどうかを確認するためのものです.

今日は一日中あっちこっち実習先を飛び回りましたが,昨日に関してはその他のイベントがメインであったようなもんです.
以前も被験者をした実験に関連した実験に,再度,被験者として呼ばれましたので,その研究室に行ってきました.
私の同級生の実験です.別の大学の研究室でやってるんですけど,前回はちょうど一年前だったんですね.

今回は血管にカテーテルを入れて,運動中に血液を常時採取するような実験だったのですが,案の定,私の血管はくせ者でして.
なかなかカテーテル挿入担当の人を苦しませておりました.

んで結局,全部で7カ所刺しましたが,うまいこと血液が出てこなくて実験は途中で打ち切り.
刺して直ぐは素直に血が出てきてくれるんですけど,その後,すぐに出てこなくなってしまうんですね.
カテーテル入れる意味がないんですよ.

この手の実験の被験者に私は向いていないようです.
ということで,この実験の被験者については前任校の後輩達に後を託したいと思います.

こういう実験は被験者集めが大変です.
拘束時間が長いし,肉体的,精神的苦痛を伴いますからね.やりたがる人は少ないです.
その苦労は同じ研究者として解っているつもりですので,出来る限り参加してあげたいのですけど.

そんでも,研究活動に携わっている者はお金を払ってでも体験してみる価値があります.
ぜひとも参加してもらいたいものです.
生理医学系の研究を身をもって体験できるのですから.

そりゃ大変ではありますけど,こういう経験は巡り巡って自分の糧になります.

そんなわけで,ということでもないのですが,昨日は前任校にまた行ってきていました.
いろいろな偶然と気分の移り変わりが重なっての帰還.
去年までお世話になっていた先生とも半年ぶりに話せましたし,ハゲてる人にも会えました.
しっかりと容姿を確認して,記憶に深く刻みました.
が,やっぱり増えている気がします,毛.
時々会うからこそ分かることもあるもんです.

この大学に来たら,いろいろな人に会えます.
そういう場所があるのは嬉しいことです.

実は明日も行くんです.
学会が間近に迫っているので,ここでやっておきたいことが次々出てきます.

特に計画はしていませんが,また行ってから考えます.

2010年8月30日月曜日

子ども


実は一昨日の前任校で仕事をするついでに,私にこれまで村上春樹や東野圭吾の小説を紹介してくれていた人とも示し合わせて大学で会ってきました.

昨年はいろいろとお世話になった人でしたが.
約5ヶ月,連絡もとってなかったし会ってなかったんです.
昨年のことを思うと意外と長期です.

会ってなかった理由の一つが,その人が出産とその後の大変な時期だった迎えていたことにあります.
最近は赤ちゃんもだいぶ落ち着いてきて,昼夜問わない生活も少なくなったようです.
そういったこともあって,今回の機会に子どもも一緒に,という運びとなりました.

ずっとそのお子さんの名前を敢えて聞かずにいました.
一昨日初めて会って,その時に聞いたのですけど.
出産前にあれだけ「○○にするか××にするかで悩んでる!」と言っていたのに,それら候補とは全く違う名前になっていました.
ふと思いついたんだそうで.
でもまぁ,インスピレーションて大事だと思うんで,いいんではないでしょうか.

夫婦二人とも私の大学の同級生です.
在学時代からずっとつき合ってきて,当時から有名なカップルだったんですよ.
そんな二人についに子どもができました.

なんか不思議な光景です.
うまいこと家族をやっています.

ということで,私は...,ということを考えさせられるのですけど,ただただ考えるだけで.
I'm Going My Wayですね.

あんまり好き勝手生きていくと,ある程度の歳を過ぎたら変人になりかねませんよね.
独身貴族と言えば聞こえは良いですが,日干しのような人生とは紙一重です.
イタい人にならない程度に切り盛りしようと思います.