2010年2月8日月曜日

組織運営

「組織運営について良い本はないか」,と「男気」のある部屋から訪ねてきた学生がおりました.
関わっているスポーツチームで利用したいのだそうです.

職場の本棚には無かったので,自宅に帰ってきて記憶をたどりながら探してみました.
いくつか見つけたので,それぞれのレビューをしたいと思います.


まずはスポーツ現場に関連のあるものとして,清宮克幸 著『最強のコーチング』
著者はあの早稲田大学ラグビー部の元監督で,常勝軍団を作り上げた名コーチとして知られています.
何気なく手に取り適当に読もうと思っていたのですが,以外と面白かったことを覚えています.
本当に著者自身が書いたのかという疑念はさておき,学生(男子)選手を率いるためのノウハウがいろいろと詰まっていて有益です.
この本から受けた強いメッセージは「目的を明確にするための方法を考える」ということ.
前回の記事ともつながりますが,勝ち方を描かなければ現場は混乱するということでしょう.

次は石田淳 著『短期間で組織が変わる』.行動科学を基にしたマネジメント技術を紹介しています.
アマゾンのレビューが高かったから買ったことを覚えています.が,それほど印象に残っていないのが正直なところです.
というのも,たしかにきれいにまとまっていますが,内容はいたって普通.その他の組織運営論の本に書かれていることを噛み砕いたようなものです.
逆に言えば,初めて組織運営論の本を読むならこれから読んだほうが楽なのかもしれません.
他の本を数冊読むくらいなら,これを1冊読めばよい,というようなものでしょう.

スポーツから離れますが,ヤン・カールソン 著『真実の瞬間』
スカンジナビア航空(SAS)を立て直した名CEOとして,その道では結構有名な方です.
従業員(スタッフ)が心がけなければならないのは何か.トラブルや要望にスムーズに対応するためのノウハウを,どのように従業員に浸透させたのかを記したドキュメンタリーです.
ここでもやっぱり「目標設定」が重要なキーワードになっています.

似たようなものに,トム・コネラン 著『ディズニー7つの法則』
これは知る人ぞ知る名著です.
組織運営論,および顧客主義に関する知見をまとめた非常に有名な本で,客商売・対人商売をする人はぜひ読んでみてください.
アミューズメントパークという赤字を出しやすい経営において,ディズニーランドがなぜトップを走り続けることができるのか? 従業員がやるべき仕事とは何か?そのノウハウが明らかにされています.
私もこれを読んで自分の中の “何か” が変わったような気がしています.

他にも,組織運営とは直接関係ないけどスポーツチームの組織運営に有益な示唆を含むものがいくつかあります.

三宅久幸 著『政権力』
金に汚く性格も悪いが,それでも日本を世界レベルの国に押し上げた政治家は田中角栄だと言い切ります.本当に必要な指導者像とは何か? 指導者がやらねばならないことは何か? 歯に衣着せぬご意見が聞けます.

広瀬一郎 著『スポーツマンシップを考える』
相手と審判への尊重を忘れたスポーツは,もはやスポーツではない.理想論などではなく,“本当に強くなるため” に必要なことはスポーツの本質を知ることなのだそうです.

中谷彰宏 著『気がきく人になる心理テスト』,同著『超管理職』
どちらも同じような調子の内容です.難しく考えずにサラサラと読めるところが良いですが,中身は結構濃厚です.これも対人商売に必要なスキルが確認できます.


いろいろと挙げましたが,結局最後は自分自身が考えをまとめてアウトプットすることになるわけで,画一的な内容が当てはまるようなものではありません.
「組織運営にとって良い考え方はないか」,という視点でいろいろな意見や記述に耳と目を傾けることが大切なのでしょう.
そうした中で,さまざまなエッセンスをすくい取ることができるのかもしれません.