2010年5月31日月曜日

ノートと漢字


本学では新入生に対し,ノートの書き方や漢字の書き方を教える授業が用意されています.
いくつかのクラスに分けられているのですが,そのうちの一つを私が担当しています.

ん〜〜,,,
私自身,大学時代はノートを取るようなタイプではなかったですし,漢字も書ける方ではないので不安な授業です.

いっそ,
ノートなんかとらなくても大丈夫,要点を記憶する方法は人それぞれだから.
漢字は読めさえすれば問題ない,ワープロ変換したときに直感的に正しい漢字が選べればOK!
とでも教えましょうか?
怒られますね.やめときます.

でも・・・,例えばノートなんて必要に迫られなきゃ覚えない技術でしょうし.
私に言わせれば,講義とかで学生がノートするスピードに合わせてあげたりするから良くないんです(かくゆう私も合わせてあげてますが.今のところ).
「ノートしときゃ良かった...」と思わせるような状況を作る方が勉強になると思いますが.
そのための “失敗が許される学生期間” だと思います.

だいたい,偉そうに「ノートの取り方がぁ!」とか言ってる社会人だって,てめぇらだって社会に出てからノートの取り方覚えただろうに.

だからノートの仕方を扱うような書籍もでるわけですよ.
とりあえず今回は奥野宣之 著『情報は1冊のノートにまとめなさい』を挙げておきます.
つーか,この著者にしたって単行本ではこんなこと書いてますが,なんかのビジネス雑誌では「結局は,自分に合うノートの仕方を探すことが重要」とかぶっちゃけてました.
ノートの仕方なんて,いい加減なもんです.

授業のマニュアルでは「内容をきれいにまとめることが出来る」という目標を掲げてもいますが,社会人用のノートって内容をきれいにまとめることが出来る能力よりも,素早く話の要点をメモる能力の方が要求されます.

ま,少なくとも私が担当するクラスでは実践力を身につけさせます.
適当な雑談をして,その内容の要点だけメモらせます.そんな授業にします.


漢字にしたって,漢字を覚えることも重要ですけど,それ以上に必要だと思うのが語彙力(ボキャブラリー)だと思います.

てっきり世間では数値化が容易な表面上の能力である「漢字力」が重要だと思われているようで,だから本学でも漢字の書き取り学習を大学生相手にするわけですが,私はナンセンスだと考えています.

なんでかって?だって,昔の知識人にしたって,片手に辞書を持ち,それがすり切れるほど使い倒すことがステータスのようにほざいていた時代がありました.
ということはですよ,偉そうに漢字力を提唱する人だって,いざ文章を書く時には漢字を忘れることが多いってことでしょ?

だから,漢字が書けるかどうかでは重要ではなくて,まずは “語彙” を知っているかどうかが重要なのです.
その語彙に使われている漢字はどうだったかな?と調べるぶんには辞書だろうがワープロ変換機能だろうが何でもいいと思うんです.

だいたい,ここで使ってる「語彙」っていう漢字も私は書けません.
でもブログにこの単語を使って文章書いていることに変わりはないのです.

[ 漢字が読めない=漢字を書けるようにする ]
ではなく,
[ 漢字が読めない=語彙を増やす ]
ということの方が必要です.

専門外のクセに大見得きりますけど,
文章中の漢字って,その多くが「読める」んではなくて,そこで使われる語彙を「知っている」から「読んでいる」んではないですか?

言い方を変えると,「漢字の読み方を知っている」よりも「語彙を知っている」が先行しているはずなのです.たぶん.

で,語彙の増やし方ですが.
ん〜〜,,,
大学生の本分である “本を読め” ということでしょうか.
今んとこそれぐらいしか思いつきません.

2010年5月30日日曜日

農業のこと

久しぶりに面白い本に出会えました.
浅川芳裕 著『日本は世界5位の農業大国』

“統計データを詳細に分析すると,メディアが騒ぎ立てているような解釈とは違ってくる” という手合いの本です.
少し前に取り上げた,神永正博 著『学力低下は錯覚である』というのと似ています.

こういった,データに基づいて解釈を再構築する,といった本は読んでいて楽しいですね.視点や観点を勉強させてもらえます.
以前も紹介しましたが,パオロ・マッツァーリノ氏(ペンネーム.おそらく日本人・・)の著書も同じような切り口です.

で,この浅川氏の主張は,
「日本が食料自給率40%というのは現実離れした無意味なデータ.近年,仕事が無くなった農水省が考え出した詭弁」
というもの.

「だと思ったんだよ」と思いましたよ.
だって,実感として私たちの周りに出回っている食料品の60%が,輸入品であるという感覚がありませんからね.
私が最近やっと足を運ぶようになった生鮮食料品売り場をみても,みんな国内産ではありませんか.

まず,「食料自給率」なる数値の出し方ですが,これはカロリーベースだというところがミソ.
40%という数値は,
[ 国内生産カロリー÷国民消費カロリー]
で算出されます.
すなわち,今の日本は国民消費カロリーが多く,国内生産カロリーが追いついておらず,その不足分を輸入に頼っている.という意味に捉えられています.

しかし,この分母である「国民消費カロリー」というのがくせ者で,とにかく国内で流通している食品の総カロリーなのです.
つまり,飲食店やスーパーに並んでいても廃棄されたり,調理油として廃棄したカロリーも含んでいるのです.

この算出方法では,日本人一人当たりの一日の消費カロリーは平均約2500kcalになりますが,実際の日本人の消費カロリーは約1800kcalです.
実際の生活における数値とは乖離があります.
この計算では自給率は56%になり,自民,民主の両政権が掲げた目標である「食料自給率50%」を軽く超えることになります.

それに,カロリーベースの計算ではカロリーが高い油脂や肉類の影響が前面に出ることになり,カロリーが低い野菜や果物の影響力は小さくなります.
そのうえ,このカロリーベースの自給率計算,いえ,そもそも食料自給率の計算をしている国は日本くらいのものなのだそうです.
唯一,韓国も計算していますが政策にするほどの価値をおいていません.

さらに氏は,「日本は輸入・輸出の貿易で成り立っている国であり,自給率が高い国である必要性がない」と切り捨てます.
自給率が100%を超える国はアメリカ,オーストラリア,カナダ,フランスがありますが,他は発展途上国です.
当たり前です,途上国は食料を輸入できないので,自前のものを食べることになるからです.
広大な土地を持っている国でもない限り,先進国の自給率は下がることが当然なのです.

※ここらへんのことについての詳細を,後日記事にしました.
続・農業のこと

よく耳にする「日本は世界最大の食料輸入国」というのも農水省がでっちあげたウソだそうです.
普通にFAO(国際連合食料農業機関)から出ている国際比較データを見れば,国民一人当たりの輸入額はイギリスが$880,ドイツは$851,フランスは$722であるのに対し,日本は$360です.ちなみに一番少ないアメリカは$244.
なんでこんな直ぐバレるウソをついてるんでしょう?

そのうえ,FAOが出しているデータから導き出される結論として,本のタイトルにもあるように日本は世界5位の農業大国なのです.

日本の農業の生産高は年間約8兆円.
1位:中国,2位:アメリカ,3位:インド,4位:ブラジルと,農業が有名な4カ国に続いての第5位なのです.

なんだ,日本の農業スゲーじゃん.
全然そんなニュースやりませんよね.またしてもメディアの適当さ加減がわかります.

なんで日本の農業がこんなに凄いのか?理由はこんな感じです.
日本の穀物,つまり主食たる「米」は十分に足りています.余っているほどだということは知る人ぞ知るところです.
なにせ,毎年新米が出回り売れるんですから,これは実感としても納得されるでしょう.

次に主食候補である麦(小麦粉)は,そのほぼ100%を輸入に頼っていますが,しょせん麦ですから安いものです.

そうした主食が十分である日本だからこそ,本来は贅沢品である野菜や果物が出回るようになります.
私たちが当たり前のように食べている野菜や果物,これは多くの国では贅沢品です.
日本はこの野菜や果物の栽培と流通が優れているのだそうです.

最近,日本では脱サラして農業に移る人がいるとか.そして失敗する人があとを絶ちません.
そりゃそうです.
メディアや農水省が作ったイメージとは裏腹に,日本の農業はハイテク生産技術と流通戦争のまっただ中.
ド素人が淡い夢を抱いて入る余地などありません.

近年の農業技術と販売戦術・戦略についていけない爺さん婆さんの農家は淘汰され,少ない生産コストで大量生産できる体制に転換できた農家が生き残っているという寸法です.
私の実家は淘汰された側ですね.これは農家である我が家としては実感できるところです.
のんびり畑を耕している暇は,今の農業にありません.

また,ここ最近ではわざわざ田舎で農業をする必要もないのでは?という栽培技術が開発されているようで,都心のビルの一角を野菜栽培工場にし,管理も極力オートメーション化して,コンビニのバイト感覚で人を雇ってコストを削減する.
販売では都心である地の利を活かして運搬費を抑えるという戦略も考えられます.

実は日本の農業は凄いんですよぉ.


という記事を書きましたが,後日,TPPやら農業改革やらと騒ぎ出し,なので,いろいろと調べてみたら日本の食文化と伝統文化が危険にさらされる状態にあることがわかりました.
この農業問題と食料問題をまとめて記事にしましたので,以下のものをご参照ください.


農業のこと
続・農業のこと(ここの記事)


    

2010年5月28日金曜日

国宝を巡る日々


昨年は法隆寺,高野山.今年は伊勢神宮や出雲大社などと廻っているうちに,さまざまな重要文化財を目にしてきました.

時間がまだある今のうちに,せっかくだからいろいろ廻っておこうと思い,近場で重要文化財を含んでいる神社仏閣を巡りました.

「文化財保護法」なるものによって国が指定した貴重な物品,建築物,芸術品のことを「重要文化財」というのだそうで,その中でも文部科学省が「世界文化の見地から価値の高いもので,類いない国民の宝たるもの」として指定したものを「国宝」というのだそうです.

ちなみに,「姫路城」とか「法隆寺」を国宝と称することがありますが,これは誤りだそうです.
姫路城であれば天守と渡り櫓の部分が国宝ですが,他は重要文化財です.法隆寺も一緒で,五重塔や夢殿など国宝が多数ありますが,法隆寺自体は国宝ではありません.まぁ,どちらも城や寺全体が世界遺産になっているので一緒くたに考えてもいいような気がしますが.


で,最近まわってきたのが兵庫県下の鶴林寺,太山寺,浄土寺.
これらはアクセスも簡単なので気軽に行けます.

法隆寺のように至る所に国宝があるような寺ではないのですが,どれも厳粛なたたずまいの風格あるお寺です.

どのお寺にも共通しているのが,境内に必ず神社があること.
寺院の中に鳥居と社が並んでいるのはよく考えればおかしなことで,異教の建築物が一緒に祀られているなんて日本文化の特徴です.
そんなこと言っても,今の日本人には神社と寺院,神道と仏教の違いも解らない人が多いようですから,それほど気にすることもないのでしょう.
というか,昔からそんなんだからこそ一緒に祀られているのかもしれません.


特に気に入ったお寺は浄土寺.
このお寺にある国宝は「浄土堂」と,その中にあるもの凄く大きな「阿弥陀三尊像」なのですが,私はそれらよりも寺の裏山が気に入りました.

訪問者の多くが金ピカの阿弥陀像を見たら帰ってしまうので裏山まで足を運ぶ人はいませんが,ここには四国八十八ヶ所参りを模した88カ所の地蔵が点々と配置されています.
その裏山の雰囲気ですが,明るい割に静かで落ち着くんです.誰もいないし,なんか神秘的な場所です.
日本を舞台にした冒険小説にでてきそうなロケーションで面白いですよ.

一番札所からずっと巡ってきましたが,結構な距離,広さがあります.
私が幼少時代を過ごしたお寺の号もありました.こういうの見つけるとちょっと嬉しいですね.

ずっと近代建築物に囲まれた生活をしていると,田舎育ちの私にはストレスになるのかもしれません.
「自然」を売り物にしている観光地や公園などがたくさんありますが,あれの多くがバッタもんです.
かと言って,ガチの自然で,アクセスしやすい場所で,歩き回っていて不審に思われない場所となると少ないですからね.

いい気分転換になりました.

2010年5月25日火曜日

語り合う日々

昨日は弟が所属する高知の大学に行ってきました.
こちらに帰ってきたのが夜遅く,車の運転に疲れ果ててそのまま寝たのでブログも書かずじまいでして.

私が来るということで,以前に訪問した際に「スポーツ・サイエンスとエンジニアリングを考える」と勝手に題してディスカッションした時のメンツが集まってくれました.

前は「二足歩行技術と人体筋」についてをメインに,どうでもいい話題を交えながら面白おかしく話していたのですが.
今回も同じような感じで,「コンピューター・プログラミングとヒトの学習・記憶」についてをメインに,公共事業のあり方や子ども手当,老人介護政策の話題を交えながら面白おかしく話しました.

こういう話で盛り上がれる仲間(?)がいるのは嬉しいですね.
一つの結論としては,“景気対策のために公共事業はどんどんやるべき” というのが昨日の時点で得られたものです.

スポーツや健康運動活動の測定・評価機器の注文もしてきました.
こちらはアイデアがあっても形にできないので,ぜひとも工学系の人たちの技術を借りたいのです.
ましてや今のような仕事についてしまうと,やりたくても出来ない状態になってしまいましたので,彼らの力は必須です.

オリジナリティの高い機器が完成すれば,機器の信頼性や実証といった工学系の研究として一つ,機器の妥当性や実用といったスポーツ系の研究として一つ,といった具合に公表することも出来ます.
工学系の研究としてはいまいちでも,スポーツ系の論文として公表することも可能な場合がありますし.win-winの関係になります.

彼らとしても,機器を製作研究する “理由” ができるということで乗り気でした(逆に言えば,工学系の研究は「何のためにその機器を作っているのか?」という部分が,実は無かったりする.私たちには考えられないことですが・・・).

こちらとしては,「スゲー!めちゃくちゃ実用的な測定器を作っているやん!」と感じることでも,本人達はいたって実用方法については無関心.と言うか,使用例を思いつかないことが多いようで.
「これ,この種目の競技力向上に役立つよ」とか「これだったら現場での機能評価に便利」といったことを言うと,興味津々に聞いてくれました.

うまいことコラボレーションできたらいいのですが.

さしあたって,私が今現在欲しい測定器やトレーニング機を作ってもらうことになっています.
弟なのでツーツーの仲ですから,2人でコンビ組んでやっていくのはいけるのでしょうが.

理想としては,前任校を含めた3大学でプロジェクト研究ができることを夢見ています.

2010年5月16日日曜日

但馬國:ローアングルで写真を撮る日々


たくさんの女子大生達と楽しい遠足に行ってきました.

教員としてやることそっちのけで,自分勝手な観光と休日を過ごすつもりで参加しましたが,なんだかんだで学生指導から離れきる気概もないわけで.
女子大生って,一度 悪い印象を与えてしまうと後が怖いので.
無難にキャラを売ってきました.

遠足のコースはというと,兵庫県の豊岡市,出石を中心に巡るもので,「コウノトリの郷」というところでコウノトリを見て,その後ホテルで軽いレクリエーションをしてから豪華な夕食.
夜は学生との懇親会が企画されていました.

結構豪華な部屋で,電源(コンセント)探しが大変でしたけど概ね満足.
部屋からの眺めも良く,さすが女子大生が企画する遠足です.

次の日は出石で城下町を散策.
風情のある町並みは,さすが観光名所.
学生はアイスクリームやまんじゅうを食べまくってましたけど.まだまだ花より団子な年頃なんでしょうね.
でもまぁ私なんかも,もっぱら同学科の先生方と大学について話しながら歩くことがメインでしたが.
こんなときじゃないと話さない内容もありますので,大事な機会です.

最後は出石焼の絵つけ体験と出石そばの昼食.
普段は手を出さないものなので,それなりに有意義に過ごせました.


ところで,やるからには(来たからには)いろいろ調査したいクセのある私としては,「出石」という地名が気になったので地元の人に聞き込み.
てっきり,名前からしても城壁や石垣のための石材を切り出すような歴史があるかと思っていたら違うんだそうで.
古事記にある「伊豆志八前大神(いずしやまえのおおかみ)」と「伊豆志袁登賣神(いずしおとめのかみ)」の一節によるものなのだそうです.
なにがどうなってこれが地名になったのかまでは調べきれませんでした.

それもこれも,歴史博物館に行こうと思っていたのに,学生に「写真撮って!」とせがまれて,あっちこっちでシャッター押してたのに時間をとられたせいです.
キワドいスカートはいてるくせに「下の方からのアングルで撮って」とか言い出すんでんで,膝着いて見上げるようにカメラを構え・・・,これ,端から見たらヤバい光景になっています.なにやってんだか.

おかげで出石神社にも行けませんでした.
ちなみに出石神社の祭神は伊豆志八前大神と天日槍命(あめのひぼこのみこと)です.

親切な現地の方がいて,「興味があるなら..」と,伊豆志八前大神に関する資料をコピーして渡してくれました.
その資料を読みながら帰路へ.

団体行動をすると好奇心の赴くままに,とはいきません.
また別の日にこの地を訪れたいと思います.

2010年5月13日木曜日

肩がコる日々

今日は学生ではなく,地域の方々を対象にした授業をやってきました.
今後は毎週やることになります.

外部対象という緊張感ある授業を,なんで新任の私がやってんのか解りませんが,やれと言われたからにはやらないといけないのも若手・新任の立場です.
とは言え,私としては学生ではなく一般の方を対象にする方が慣れたもんです.適当にこなしてきました.
むしろ,学生を相手にするより反応や応答がビビットなのでやりがいがあります.


さて,明日から1泊2日で新入生対象の合宿?遠足?みたいなことをしてきます.
新任の私はイベントの目的も目標も不明のまま参加することになりますが,適当にこなしておこうと思います.
むしろ,自分が楽しむくらいのつもりで行きます.

いやー,大学教育ってこんなに低次元なんでしょうか?
この遠足はいくつかの班に分かれてバスで廻って行くんですけど,私はバイキンマン・チームとして廻ります.
途中,アンパンマン・チームと食事したり,ドキンちゃん・チームとレクリエーションするそうです.
ふざけんな,って感じです.
私のキャラと合ってません.
学生に対し懇切丁寧に向き合うことも大切かもしれませんが,程度があると思うんですけど.

どうせバイキンマン・チームとして活動するなら,バイオハザードに関する行政施策の講習を聴いたり,感染症に関する施設視察やイベントに行きたいですよ.

まぁ,なんにしてもイベントはイベントです.無難にこなしていきます.


昨年度(といっても,まだ2ヶ月前),卒業論文の指導をした学生から「ご飯食べに行きましょう」と誘われました.
その卒業論文を雑誌に載せることを目指して書き直そうとしておりまして,その資料を送ってくれ,と頼んだ時に話が持ち上がりました.

ルックスもスタイルも良く,可愛らしい学生だったのですが,いかんせん猛烈な天然キャラで,高度なファンタジスタです.
過去の学生の中でも,指導していて最も疲れた学生です.例えば,卒論の実験するのにネットカフェに宿泊するハメになったこともありますし,卒論提出もドタバタのメチャクチャになって,ギリギリまでてんやわんやしました.
食事するにしても,笑えるだけでは済まず,疲れる結末になるんではないかと心配です.

あっ,あと貸した本も返してもらわないといけません.何度も催促しているのですが,いっこうに返ってこないのです.


まぁそれでも,前回の記事ではないですけど人間関係って大事です.
慕ってくれる学生がいることは幸せですね.

明日からの遠足も,学生のためになるよう配慮できたらと思います.

2010年5月11日火曜日

懐かしき日々

先日,前任校にて博士論文発表会がありました.
この10年近くお世話になった方の発表だったので,是非とも参加したかったイベントです.

故あって出発が遅くなり,その発表会に遅れそうになってしまいましたが,そこは慣れた高速道路です.オービスの位置も把握し切っています,引っかからない程度にぶっ飛ばして来ました.
途中,何度か事故りそうでしたけど,上手い具合に生きて到着できました.よかったです.

発表会には昔の研究室の人々が集結していました.
研究生活で一番おもしろかった日々のメンツです.
発表会が終わればすぐさま談笑会に移行.教授を交えて懐かしい日々の思い出に花が咲きました.

当然,それで終わることはなく,夜の会も開催.
今度は教授がいない宴で仲間通しで大フィーバー.同行させられた現在の学生達はいい迷惑だったと思いますが,本当に充実した時間を過ごすことができました.

やっぱいいですね,仲間って.
そのとき皆さんとも話したのですが,「久しぶりに会えて嬉しい」という言葉を発する典型的な “大人” がいますけど,本当に嬉しいですし,懐かしいですし,楽しいものなんです.
そんなことを言い出す年頃になってきたのだな,と感じました.


今回の前任校訪問はこれで終わりません.
その後2日間,恩師である教授のもとで,なんか良く分からないですが,いろいろとやってきました.
でもまぁ,後輩達からこの大学の最近一ヶ月の動向を聞いていますと,とにかくネタとしか言いようのないエピソードがふんだんにあるので羨ましいです.
どんだけ笑かすねん,と.
ここの人々は人生をかけた笑いを提供しているのだな,と理解しています.

ラグビー部の監督は三脚を添え木(シャーペン)とテーピングを使って修理したり(「こういうことは得意やでー」らしい.そんな問題ではないはずだが・・・),
サッカー部の監督はミーティングで選手にブルース・リーの映画を観させたり(「Don't think, Feel. 考えるな,感じろ」らしい.考えるためのミーティングのはずだが・・・),
学会発表の抄録作成と指導がめっちゃ適当な私がいたり(適当な学会なのだから適当にやるべき,というポリシーです),
とにかく常識はずれと笑いに満ちた大学です.

恩師は私に,「せっかくだから今日,学生にセミナーをしてくれよ」と滅茶ブリし,その代わりに700万円するスポーツ測定機器を「持っていけー」と渡してくれました.
「なんならゲーム分析ソフトも持って行ってくれよ」なんて言ってくれましたが,それはまた別の機会にさせていただきます.

とにかくハチャメチャな3日間.
いい息抜きになりました.

何にしても,後輩達がたくましく成長しているのが嬉しいです.
本人達は気づいていないかもしれませんが,ポイント・ポイントで「お!?」と感じるような部分が多々見受けられますよ.

また近いうちに来ることになります.
今後も楽しみです.

2010年5月6日木曜日

腕に覚えあり


最近の私の生活上の革命と言えば,自炊を再開したところでしょうか.

適当な出来和えの物を売っているところが近所に無く,コンビニのおにぎりも弁当も直ぐ飽きてしまうので,「食」に対し無頓着なようでいて煩い私は自分で作ることにしました.
大学2年生の頃から全く立たなかったキッチンに今,ほぼ毎日立っています.

それにしても,コンビニのおにぎりとか弁当ってなんで直ぐ飽きやすいんでしょうかね.もう少し味を落ち着かせたらイケると思うんですが.
例えば,前任校の給品部で売られていたおにぎりは4年間ほぼ毎朝食べ続けられました.クセが無くさっぱりした軽い味だったからだと思います.
特別美味しいわけではないですが,食べ続けられる味です.

コンビニも,もう少しそこらへんに重点をおいた商品を作ってもいいような気がします.ヘビーユーザー用の商品ということで.


さて,久方ぶりに料理を始めたわけですが,自分で言うのもなんですけど,その腕に覚えはありました.
当たり前ですけど,自分が好きな味付けにできるので美味しいです.やっぱ手料理が一番ですね.
我が家の冷蔵庫に何年ぶりかに調味料が並びます.
先日は昔の記憶を辿りながら,私の調理の必須アイテムをまとめ買いしました.


ということで,ここで私の経験から導き出された,“男の一人暮らしでも料理の味を数段引き上げる調味料” を紹介しましょう.
コンセプトは「簡単便利で手間いらず,それでいて確かな効果」な調味料です.
ちなみに,私の料理は香味・薬味・風味が重要視されるので,そういった類いのものが占めます.根本的な味の決定に関与するものはありませんので,そのつもりで.


まずはなんと言っても「ナンプラー(魚醤)」.
和洋中華イタリアンすべての料理に使えます.これを一垂らしするだけで,驚くほど味がレベルアップします.
あんまり入れすぎないように.隠し味としては世界最強の調味料です.とにかくオススメの一本.

次に「チューブのショウガ,ニンニク」.
チューブのわさびと同じ形態の商品ですが,料理を簡単にショウガ風味,ニンニク風味にしたい場合に役立ちます.
「ショウガ・チューブ」を豚肉を焼いている中に入れれば「豚の生姜焼き」に早変わり.
「ニンニク・チューブ」を鷹の爪とオリーブオイルと一緒にフライパンでじっくり暖めればペペロンチーノのオイルソースに早変わり.
特にショウガ・チューブは何に入れても味に奥行きが出るのでお試しあれ.

「ホワイト・ペッパー(白こしょう)」も優良調味料です.
てっきりブラック・ペッパー(黒こしょう)だけで済ませてしまいがちですが,ホワイト・ペッパーを単品でたっぷり使ってみてください.
その上品で豊かな風味は間違いなく料理の質を高めます.鶏肉や豚肉,卵料理とマッチする調味料です.風味を活かすために出来上がりの直前に入れましょう.

最近は結構知られてきましたが,「そうめんつゆ」や「だししょうゆ」.
いつだったかある時期から,これらが “手軽に味を整える優良調味料” だということが知られるようになり,スーパーとかの醤油コーナーはこれらが並ぶようになりました.今では醤油よりも並んでいる数が多いほどで,先日見てびっくりしました.
とにかく何でも「だし」の味をつけることができるので,日本人には嬉しい調味料です.和風だけでなく,すべての料理に合わせることができます.

そして「エクストラ・バージン・オリーブオイル」も外せません.
普通のオリーブオイルではダメです.ケチって安物を買うとガッカリしますので,必ずエクストラ・バージンを買いましょう.口当たりと風味が全然違います.明確に分かります.
オリーブオイルは熱を加え続けると風味が飛んでしまうので,出来上がりの直前にもふりかけましょう.一気に上質のヨーロピアン料理に様変わりします.

他にも,「粉末鶏ガラスープ」「乾燥バジル,パセリ」「イタリアン・ハーブ・ソルト」などが挙げられます.

お試しあれ.

また新たな調味料が見つかったら報告します.

2010年5月5日水曜日

研修活動報告

昨日・一昨日の研修活動のまとめをやっておきます.

日本神話では,日本をつくったのはイザナギとイザナキという二柱(神様の数を数える場合,「柱」という助数詞が使われる)の夫婦神です.イザナギが男神,イザナキが女神です.
名前の由来ですが,「イザナ」というのが “いざなう(誘う)” という意味で,おそらくは国をつくる,つまり,“国を誘う神” という意味が込められいると思われます.それに男を意味する “ギ” と,女を意味する “キ” が付けられているという推測がされているそうです.

この二神が天浮橋(あめのうきはし)から天沼矛(あめのぬほこ)を使って混沌とした大地をかき混ぜたところ,天沼矛から滴り落ちたもので島ができました.それがオノゴロ島.これが一昨日に行ってきた自凝島(おのころしま)神社の由緒です.
名前の由来は「自ら凝り固まってできた島」ということだそうです.

二神はオノゴロ島に降りて天御柱(あめのみはしら)を立て,それから様々な国産み,神産みを始めていきます.その時,最初にできたのが淡路島です.だから自凝島神社は淡路島にあるのでしょうか.


その後,二神はすったもんだあって別れますが,イザナギは神産みを続け,最後に「アマテラス」「ツクヨミ」「スサノオ」という有名な三神を生みます.
この中で昨日行ってきた出雲大社と縁が深いのはスサノオです.

スサノオは故あって禊の旅をしている途中で出雲に立ち寄った時,ヤマタノオロチに悩まされる人々と出会います.
スサノオは見事オロチを退治して人々を救うのですが,オロチを退治した時に尾を切った際,中の硬い物に当たって自分の十拳剣(とつかのつるぎ)が欠けます.
中から出てきたのが三種の神器のひとつ, “天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)” です.

この逸話ですが,“出雲” という場所とヤマタノオロチがどんな姿をしていたか.実はこの解釈が重要だという説があります.

“8つに別れた頭と尾を持ち,ホオズキ色の眼をしていて,背には木々とコケが生い茂っている.体は8つの山と谷を這い渡り,その腹は絶えず血がただれていた.”

というものです.
一説によると,スサノオが当時のヤマト王権を,オロチが出雲国を表しており,両者の関係を示している話ではないか?というのです.

“8つの頭と尾” は出雲地方の山々を縫う川の数を示し(実際,島根・鳥取の川をまとめて「オロチ河川群」と呼ばれている),“ほおづき色の眼” や “その腹が血でただれていた” というのは鉄器文明の黎明が早かった出雲国の川を染める鉄の色(昔の製鉄所の近くの川は赤く染まった)ではないか?というもの.つまり出雲国を示しているということ.

スサノオが持っていた十拳剣が天叢雲剣に当たって欠けたのも,十拳剣が青銅製,天叢雲剣が鉄製だったからというのです.

総合して解釈すると,かつてヤマト王権(スサノオ)と出雲国(オロチ)が対立して紛争があった.その対立の結果は,ヤマト王権に出雲国が降伏するというものになった.その際,出雲国は降伏の証としてヤマト王権に製鉄技術を教えた.
スサノオがオロチを退治して天叢雲剣を獲得するエピソードは,ヤマト王権側から見た歴史を象徴しているのです.

その後,出雲の国はヤマト王権の支配を受けることになりますが,そう簡単に支配体制を作れるわけもなく.製鉄というハイテク兵器を持った国を相手に戦争し,平定するというのはヤマト王権にとって一大プロジェクトだったはずです.
その際に活躍した人々のことを大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)と神格化して語り,出雲大社の祭神として祀っているのではないかというのです.事実,大国主大神はスサノオの息子でして,出雲地方の支配体制づくりの引き継ぎ状況を表したエピソードと考えられます.
こうしたことを “大国主大神の国づくり” というエピソードとして残したのではないでしょうか?


ただ,出雲大社には異説も存在しておりまして,それは自凝島神社や伊勢神宮との位置関係が深くなるのですが.
例えば,一般的な注連縄(しめなわ)は右巻きですが,出雲大社をはじめとする出雲地方の注連縄はなぜか左巻きといったことがキーです.
でもまぁ,この話はまた別の機会に.

2010年5月4日火曜日

のんびりと渋滞

世間も大学もGWということで,せっかくの休みを有効活用するため,今日は島根県まで出雲大社に参拝しに行ってきました.

と言いつつも,実は昨日も淡路島の自凝島(おのころじま)神社に参拝しに行っていました.
これも休みの有効活用(?)です.

これまでは連休中も大学にこもっていたんですが・・・,今後は生活スタイルを改める計画の一つとして,“休みを文化的な活動に” をテーマとして過ごすことを決意しました.

昨日行ってきた自凝島神社というのは,社も敷地も小さいのですが,それに見合わないほどのバカでかい鳥居がシンボルの神社です.日本三大鳥居の一つだそうです.

何を隠そう,この神社は日本神話における日本発祥の聖地です.
この神社のある丘から,日本の国と神々が誕生していったという由緒ある場所なのです.
もちろん主祭神はイザナギとイザナキです.

何気なくネットで「どっか面白そうな所はないかな?」と適当に見ていたら発見しまして.それまで全然知りませんでした.日本人として恥ずかしい限りです.


自凝島神社に行った後,せっかくだからこの神社とも縁の深い場所に行きたいな,ということになり,なんならGWをそれに費やそうということになり,今日の朝に決断.
一日休みがとれるなんてなかなか無いことだったので,一念発起して遠出してみることにしました.

自凝島神社は結構近いのでササッと行って来れたのですが,出雲大社はかなりの距離.一日がかりの旅行です.

当然,GWのこの時期ですから,渋滞することも予想されましたが.神聖な参拝のための旅行です,ここは一つ,気持ちをおおらかに持って「のんびりドライブも兼ねよう」ということにしました.


出雲大社は現在,ちょうど60年に一度の式年遷宮に当たっているので本殿を建替えている最中でした.
次の式年遷宮による仮殿を見ることができるのは60年後です.生きている間にもう一度見ることは難しいでしょうし.良い記念になったというものです.
今度は本殿が出来上がってから来てみたいものですね.


これで今年は伊勢神宮,自凝島神社,出雲大社と,日本にとって重要な社を3つも廻ることが出来ました.
良い年になるかもしれません.

あと行っときたいところと言えば,熊野那智大社とか熱田神宮とかでしょうか.
熱田神宮は,近くに行く機会は高校時代からあったのですが,結局参拝していないところです.
熊野那智大社は遠いですからねぇ.また考えときます.


帰り道.
やっぱりハマりました,渋滞に.
でも,気持ちをおおらかに持っていた私は,中国地方の山々を眺めながら北欧ジャズを聴き,リクライニングをたおして,右足でスピード調節,左足でハンドルをとって(良い子はマネしないように!)のんびりと帰ってきました.

渋滞も気の持ちようですね.
せわしい日々を忘れるリラクセーション・タイムにすることができます.