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7月, 2011の投稿を表示しています

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Chain of Survival (救命の鎖)

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今回も私がプレゼンに使っている画像を用意しました. アメリカ心臓協会(AHA)ガイドライン2010で紹介されている「救命の鎖」です.救命の連鎖とも呼ばれます. ググッてみたところ, “救命の連鎖” のほうが “救命の鎖” よりも検索画像数が多いようですね.Chain of Survivalにしたら,さすがにいろいろな画像がたくさん出てきます. でも,世間に出回っているものの中にはクールな救命の連鎖の画像がないもので,結局,AHAガイドライン2010に掲載されているものを使っています. 「救命の連鎖」自体も新しくなっていますし,ちょうどいいのではないでしょうか. このガイドライン2010に掲載されている画像もググれば出てきます.なのでちょっと差別化せにゃイカンなぁと思いましたので,オリジナルのものに手を加えました. プレゼンの時に使いやすいよう,「通報」「CPR」「AED」「二次的救命処置」「心停止後ケア」をそれぞれランプのように示す画像にしています. このAHAガイドライン2010では,救命の連鎖も新しくなりましたが,救命方法も新しくなっています. 救命の連鎖については,「心停止後ケア」という5つめの鎖が今回から登場しています. 一つずつ紹介していきますと, 「通報」 異常な人を見つけたら通報しなさい,という意味です. 反応がない人の場合は救急車, 理性がない人の場合は警察です. 「CPR」 通報したら,すぐさまCPRに移りましょう. そして,今回のガイドライン2010で大きく変更されているのがこの「CPR」の手順です. 以前は, 1.気道確保 (Airway) 2.人工呼吸 (Breathing) 3.胸骨圧迫 (Circulation) という順番でした. それぞれの英語表記の頭文字をとってA―B―Cというふうに習った人も多いはずです. それが2010年のガイドラインからは 1.胸骨圧迫 2.気道確保 3.人工呼吸 というC―A―Bという流れになりました. 「最近は心臓マッサージとは言わないんですね」という感想を持ちつつも,胸骨圧迫をまず第一に行ないます. なぜこの順番になったのかというと,端折って言うと3つの理由です. 1.気道確保や人工呼吸が非常に難しい技術だから 2.見知らぬ他人とのマウス・トゥ・マウス

Scammon curve 2

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このブログで最もアクセス数の多い記事は「 Scammon curve 」なのですが,それはきっとスキャモンの発育曲線の図を見たい人のアクセスなのでしょう. これも予想ですが,資料とかパワーポイントのスライドに利用したくて検索している人が多いのかもしれません. あの図はもともと拾い物でして,私が作ったものではありません. せっかくのなので,私がパワーポイントなどでプレゼンするために作った図を置くことにしました. 何かの時にご利用ください. ファイルはPNG形式にしました. 線と文字以外が透けるので,何かの写真を背景にした上に表示するとき便利かと思います. いらなければJPG形式で保存してください. あと,外国語圏の人も利用しやすいように軸タイトルや凡例の文字を消したやつを下に置いています. 私がパワーポイントのプレゼン用につくったスライドを画像にしているので,結構な大きさまで広げられるかと思います. ところでこのスキャモンの発育曲線(臓器別発育曲線),以前の記事でも取り上げましたが,この図を見てどーのこーのと解説することが実はあまりできないんです. 「ヒトってこんなふうに大きくなっていくんだよ」というだけです. でもまぁ,それをシンプルに示すこと自体が最高に科学的で面白い部分でもありますが. この曲線の出来があまりに良くって面白いもんだから,下手なこじつけや誤解をしている解説をみることが多いくらいです. 例えば,神経系の発達は6歳くらいで成人の約90%,12歳くらいでほぼ100%まで至りますが,だからといって頭の働きも100%になるわけではありません. この図は神経系(つまり脳)の重量や容積の成長度を表しているだけです. 脳の大きさ・重さ=頭の働きではないことが知られていますので,神経系の曲線をそのまま知能の発達として説明はできません. スポーツ指導の世界だと,一般型(つまり身長や体重)の発達が緩やかになり,神経系の発達がほぼ完成している9歳~12歳が運動学習をする上で最高の条件が整った時期だとすることもあります. 「ゴールデン・エイジ」なんて呼ばれたりします. でもこれ,こじつけの部分が多く,臓器の発達と運動学習の関連性は根拠が無いのが実際のところ. だって,その考え方をもとに曲線を

PIAAC: 国際成人力調査

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先日の第三次お見合いデートの最中,デパートの片隅に掲げられていた七夕の短冊(たんざく)を眺めて時間稼ぎをする一幕がありました. 地域の小学生たちが書いた 「はやく世界が平和になりますように」 とか 「テストで100点がとれますように」 なんて願い事に対し, 「かわいらしいですねぇ」 などと取ってつけたような感想を言い合っておりましたら,そんな中に一つ, 「金がたくさんいる」 という切実感が伝わる願い事を見つけました. 彼女は 「こんな願い事はダメですよ.子どもはこんな事を書いてはいけない.教育をちゃんとしないと!」 と正論が言える,とても誠実な人のようです. 今の日本に必要な母たる存在として理想的ですね. 好感を持ったと同時に,私のような悪人とは合わない人だと感じました. さて, 子どもの教育と言えば,このブログの機能である閲覧統計によると2010年2月11日の「 学力低下 」が人気記事のようです. そこで取り上げた「大人の学力調査」が現実のものとなります. 「大人の・・」といっても,子どもには見せられないような卑猥な問題を解くわけではありません. 同年3月16日の「 勉強と卒業 」でも取り上げていたのですが,OECDが企画するちゃんとした学力調査です. Programme for the International Assessment of Adult Competencies (略してPIAAC):国際成人力調査といいます. 文部科学省のホームページ にも載っています. それが今年の8月~来年1月にかけて予定されていまして,これにより各国の学力が総合的に比較できるようになります. 大人が上から目線で「最近の子どもは・・」などと大口叩けなくなるかもしれません. 言うなれば, 「学校を出たら勉強しなくなる国民ランキング」 みたいなものですから,子どもの学力調査であるPISAが上位の国ほどプレッシャーのかかる調査です. PIAACでは 「読解力」 「数的思考力」 「ITを活用した問題解決能力」 を調査するそうですが,次回からはPISAにも入っている「科学的リテラシー」を入れて欲しいですね. あれだけ科学技術立国を自慢して

結論が出ないとき

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私の前任校でもある大学院生の皆さま,いかがお過ごしでしょうか? そろそろ修士論文なんぞ書き始めている頃かと思います. え?まだ実験が終っていない? まだ実験すらやってないって人もいるかもしれませんが,いよいよヤバい時期に突入するので気をつけてください. 就活も焦燥感ただよい始める時期でもありますし,教員採用試験(通称・キョーサイ)も最後の追い込みかと思います. うちの大学の学生は焦りもせず「なんとかなるさ」と構えているようですが,なんとかならないので早めの始動をお願いします. 我々教員も早めに指導しなければならないのですが. 以前,論文の書き方として「 緒言でつまづいたとき 」というのを取り上げましたが,今度は結論について取り上げます. “緒言は最初に書くな.結論が出てから書け” ということを提言させてもらいましたが,そもそも結論が出せない人はどうすれば?というところです. 結論から言えば,結論の出し方に方法なんてないんですけど,論文執筆初心者にとって何かの助けになるかもしれないアドバイスを3つほど. 1.願望を捨てる 「結論が出せない」と言っているその実,無意識に結論ありきで論文を書こうとしているパターンは多いものです. 「この実験結果からこう言えたらいいな」 という願望を捨てきれないままだと,データをなんとか自分の言いたい結論に結びつけようとしてしまいます. でもデータと統計処理ソフトは冷酷ですから,その結論にしようとすると矛盾が出てきてしまう. だから結論が出ない. というパターンですね. 「このデータのこの数値をチョッとくらい・・・」 とかいって冥い波動にのまれてExcelにカーソルを当て始めるパターンでもありますが,それは科学者,執筆者として絶対やってはいけないことです. 当初の仮説,つまり予想と違ってしまうことによる混乱ですが,これはよくあること. 仮説はあくまで仮説. まずは事実を真摯に受け止め,なぜそうなったのか要因を探りましょう. 「こういう結論になったらいいな」と考えて実験や調査を始めた人は要注意.無意識にこれに陥ります. きちんとした実験や調査をやった自信があるなら,意外に面白い結論に行き着くこともあります. 2.目的を変える 論文を書くにあたり,実験や調査を始めた「目的」があったはずです. でも,その目的に沿わない結論になっちゃった.だから結

とりあえず

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まさしく 「とりあえず」 と言ったうえでお会いし始め,3回目を明日迎えます. お見合いです. 格式ばった雰囲気の中で執り行なわれたわけではないのですが,(ちょっと高級な)喫茶店で仲介の人と相手のお母さんとの4名で始まりました. 職場の年上の先生から来た話でして,断るつもりでいたのですが「とりあず」とか「一応」などと言いくるめられながらのスタートです. それに人生において「お見合いをしたことがある」というのは結構なネタになるかな,とかいう不埒(ふらち)な理由もあったりで. 相手の方ですが,悪い印象はなく,むしろ至って好印象. ただ,お見合いからのお付き合いというのはこういうもんなのでしょうか. 全然 “ときめき” ってものがないのですね. 緊張感もなければ心にグッと来るものもなし. 淡々と進みすぎているような気がして逆に焦ります. 結婚してる先輩が言うには 「お見合いは目的が明確だから,私は有りだと思う.だって聞いてくれる!?私の旦那なんか昔は・・(以降,侃々諤々,喧々囂々・・・)」 とのことですが,いかんせん今回のお見合いは目的が明確でないから困っています. これまた結婚している同級生いわく,「ヤバい!おもろいことになったな!」と,特に参考になる意見は聞けず. というか,結婚を私自身が全然意識せずに進めていっているので,相手の気持ちがとても心配なのです. 34~35歳くらいの結婚を想定している私としては,ここ1~2年でのゴールインはありませんからね. 相手が早めに結婚したいと考えているのであれば,条件が合わないでしょう? とか言ってたら,またまた結婚している同級生から浴びせられた言葉が, 「さっさと覚悟決めや!34~35のあんたに残ってる女はそうそうおらんで!」 と指でも詰めさせる勢いで厳しいものが. 私が情報屋として利用させてもらっている,とある診療所の看護婦さんは, 「気いつけや.そのコは主婦になって楽になろうとしてる可能性大やで」 とのこと. 情報屋の言葉だけに重みがあります. どうなっていくのか不明ですが,なんかあったらまた書きたいと思います.