2016年6月6日月曜日

例の教育評論家のこと

騒がれている中,さらに乗っかるようで申し訳ないのですが書いておきたいと思います.
北海道不明男児発見で「尾木ママ」ブログ大批判 親の「逮捕」予想も書いてた(yahooニュース,2016.6.3)

このブログを継続して読んでいた方はお察しかと思いますが,私はこの男が嫌いです.
2009年から始めた『Deus ex machinaな日々』というこのブログ.その最大の敵がこの手の教育評論家だったと言っても過言ではありません.
その次に嫌いなのが「ウヨク」です.

いつからか登場したこの教育評論家.たまにネットニュースに出てくる度に失笑しておりました.
もちろん,何から何まで彼の全てを批判したいわけではありません.
極稀に同意できることも言います.人間ですからそんなものです.

問題なのは彼自身ではありません.彼を祀り上げた世間の方が異常なのです.
彼がまともな教育論を語っていないことは,よほどのポンスケでなければすぐに分かります.
感情的で首尾一貫せず,明らかに無理のある理想論を現実の教育現場に当てはめようとする.
彼が厄介なのは,教育問題だけでなくスポーツや事件のニュースにも同じような態度で口を挟んでくることです.

それを喜ぶ人がいるのも分かります.分かりもしないことに口を出したがる人はいるものです.それはある意味仕方がない.
走りだした電車の運転席の窓を叩いて「おいっ! 止めてくれ! 頼むから止めてくれ!」って怒鳴りつけるオッサン.そんな人がいるのと同じように.

電車は走りだしたら止まれません.よほどの理由がない限り,諸事情あって止まれないのは皆知っていることです.が,知らないオッサンは運転席の窓を叩いて止めようとします.
彼もそんなオッサンの一人です.
「タクシーは止まってくれるじゃないですか.電車が止まれないのはおかしい」などという意見を堂々とメディアでぶちあげてるようなもの.
でもそれに対し,「彼が言うのも一理ある.止めてあげればいいのに」と賛同する人もいます.
けれど彼らは間違っています.それだけのことです.

以前,ある教育関係者の方と彼の言動について話をしたことがあります.
彼が日本の教育界をぶち壊している張本人ではないか.そんな話でした.
100%同意します.

ところで,「尾木ママ」という現象の問題点とは何か?
評論家の佐藤健志氏が興味深いものを提言してくれています.
キッチュ」です.氏のブログでそれを取り上げているものがあります.
同義大国とキッチュ大国
氏いわく,キッチュとは,
『戦後脱却で、日本は「右傾化」して属国化する』で述べたように
政治用語としてのキッチュは以下のように規定されます。
1)明らかに無理があるタテマエを、
2)〈みんなが共有している(はずだ)〉という点を根拠に「崇高にして達成可能な、美しい理想」のごとく絶対化し、
3)そのような姿勢を取るうえで都合の悪い一切の事柄を、汚物のごとく見なして排除したがる態度。
ということだそうです.

日本の「教育問題への取り組み態度」は,まさにキッチュに陥っていると言えるでしょう.
冒頭述べましたように,尾木ママに限らず日本の教育論の語られ方は,明らかに無理のある理想論を現実の教育現場に当てはめようとするところにあります.

いじめ問題が典型でしょう.
「いじめは防止・撲滅できる」という,明らかに無理のある建前を,皆が共有しているはずだという根拠を信じて絶対化し,学校現場で繰り広げられている現実を無視して論評を展開した挙句,
「いじめ防止対策推進法」
なる法律まで作ってしまいました.

「地獄への道は善意で舗装されている」のだそうです.
ホント,そう思います.

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