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12月, 2017の投稿を表示しています

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例の双眼鏡

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正月休みで実家・高知に帰っています. 2017年大晦日の記事は,お盆休み中の記事で紹介した例の双眼鏡について. 「ニコン 12cm 双眼望遠鏡Ⅱ型」 カツオ漁船に取り付けてあったものを,父が譲り受けてきたものです. こういうやつ↓ 無骨なデザイン. なかなかのデカさで,手に持って見ることはできません.重量は15kgあります. その時の記事はこちらです. ■ お盆休み:実家の様子 その後,知り合いの鉄工所の人に相談して三脚に取り付ける器具を作成したとのこと. 今回帰省してみましたら,完成しておりました. それがこちら↓ 15kgの重量があるのでそれなりの三脚が必要なのですが. その三脚は,これまた知り合いの建設業の人から,使わなくなった測量用の三脚を譲ってもらったそうです. 取り付けるために特注した器具はというと,こんな感じ. 三脚上部に,コの字型にした金具で支えています. 両サイドには双眼鏡を仰俯角ティルトさせる機構が残っていたので,それを活かすための金具も用意しました. 作りは至ってシンプルで,回転する軸を金具で挟むようにしています. これにより,旋回と仰俯角が自由にとれるようになりました(ようするに,普通の仕様). 見え方も気になりますので,さっそく目の前の山を観察してみます. 普通にiPboneのカメラで撮ったアングルがこちらでですが. 双眼鏡を通すとこうなります↓ 小型のものや安物とは比べ物にならないほどの視界です. さすがデカいだけのことはある. ちなみに,この双眼鏡を設置しているのは父が手作りした「庵」です. 山を切り分けて小屋を建て,水場や電気を引いています. 全体像はこんな感じ. こういうのは男の趣味というやつですね.

体育学的映画論「スターウォーズ/最後のジェダイ」

見てきましたよ,「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」を. 内容が内容だけに,きっと批判レビューが多いものと想定しておりましたが,やっぱり多いようですね. ただ,私個人的にはかなり高評価な映画でした. スターウォーズ・シリーズの中では最も好きな作品になったかもしれません. 【以下,ネタバレを含みつ書いていきます】 上映時間も2時間半だし,内容も詰め込みすぎな感が否めないのですが,それでもこれは2つに分けたりせずに1本に収めてよかったと思います. 本作は,これまでのスターウォーズの物語を「そのまま引き継いだ」作品として労作だと私は見ていて,だからこそ長大な上映時間にもなっている. なので,本作のテーマは「スターウォーズは続くよ,どこまでも」といったところでしょうか. スターウォーズ・最後のジェダイは過去作の繰り返しです.ようするに,「歴史は繰り返す」ということ. だからこそ,今作では「ジェダイとは何か?」とか「フォースとは何か?」「光と闇とは何か?」といったことに言及しています. どうしてそうなるのか? 具体的な項目を立てて考えてみましょう. (1)ルーク・スカイウォーカーとカイロ・レン この2人の関係は,完全にオビ=ワン・ケノービとダース・ベイダー(アナキン・スカイウォーカー)の繰り返しです. アナキンの内部に広がる暗黒面を阻止しようと,オビ=ワンがアナキンと戦ったように,ルークもレンの内部に広がる暗黒面を阻止しようと暗殺しようとしています. そして,両者は結局のところ失敗したようです. そして,オビ=ワンがルーク達を逃がすためにベイダーと一騎打ちの後,霊体となって死んだように,ルークもレイ達を逃がすためにレンと一騎打ちの後,霊体となって死にます. きっと,続編ではレイの前に霊体となって現れて助言することでしょう. ただ,今作のルークは長髪髭面,座禅組んで浮いてたりと,完全に麻原彰晃でした. 次回作でレイに「カイロ・レンをポアしなさい」などと助言しないことを切に願います. (2)ルーク・スカイウォーカーとレイ 一方のこの二人の関係は,オビ=ワンとルークですね. 今作でルークがレイに協力しようと決意したきっかけは,R2D2が再生した,レイア姫がオビ=ワンに宛てたメッセージ映像でした. R2D2はルークに「お前も

道徳教育は体育でやりましょう

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「昨今喧しい『道徳教育』は,体育でこそ実現できるものだ」 そんな記事を書こうと思っていたら,大学の体育教員控室に置いてある雑誌にこんなのがありました. 体育科教育という我々の業界の雑誌でして,その12月号の特集が「いま,体育と道徳の関係を問い直す」「体育から発信する『学びに向かう力,人間性等』の育成」っていうやつだったんです.タイムリーでした. 興味のある方は御一読ください. 過去記事でも述べたことですが,体育は人間らしさを育てる上で重要な機会です. 体育ではスポーツを教材として扱う事が多いのですが,この「スポーツ」をきちんと楽しむためには人間らしさ,すなわち,倫理,道徳,人間性が求められます. スポーツには,これらから惹起される「スポーツマンシップ」とか「フェアプレー精神」をもって取り組まないと,最初はそうでもなくても,途中からつまらなくなったり飽きたりします. 以前にも言いましたが,バカはスポーツができません.バカなのでなんとなくバカ騒ぎをするも,途中から投げ出します. ですから,「スポーツを楽しもうとする営み」に取り組むことは,自然と道徳教育につながるのです. 人が何かを学び取るためには,その行為によって自分が楽しい思いをするであろうことが予想されなければいけません. 道徳教育であれば,道徳的に振る舞うことがどれだけ自分にとって価値あるものかを実感できなければ,道徳を身に着けることにはならないでしょう. 一部の気合いの入った人たちは,(道徳教育に限らないけど)熱弁をふるって,怒ったり喚いたりすることで道徳の重要性を説くことが多いですね. 最近は「いじめ問題」なんかでもそうなんですけど,とにかく怒鳴り散らすことが熱血的な教育だと考えているフシがあります.悲しいかな,そういうのって教育関係者以外の人に多いです.そんな人たちが教育現場に向かって「もっと道徳教育を徹底しろ」などと要求し,それに必要なのは「修身教育」とか,はたまた「人権教育」を説くことだなどとデタラメなことを言い出します. でも,そんなものは子供はもちろんのこと,人には効果的に伝わらないですよ. 人が説得を受けるのは,自分がその行動を採用することによって楽しい思いをすることが予想できる状況においてです. 道徳教育であれば,「道徳的」とされる行動をとることが,自分自

体育学的映画論「0.5ミリ」

チャンネルが合わないと全然おもしろくない映画です. たぶん,私も10年前の自分ならおもしろくないと思ったはず. 30代という,この歳になったからこそハマった映画と言えます. ■ 0.5ミリ (wikipedia) チャンネルが合った映画ですので,何か評論しようって話ではないのかもしれません. 映画で捉えているものが,すんなり入ってきます. 久々に凄い映画を見た.いやぁ~,ええもん見たなぁって思える映画には,なかなか出会えるものではないですから. にしても上映時間が長い.3時間超え. でも,あっという間に感じるほどのめり込めます. この 『0.5ミリ 』の原作者であり監督をした安藤桃子氏は私と同世代です. 小説版が2011年,映画は2014年に撮られたもので,2017年現在における我々「30代半ば」の者たちがなんとなく感じている「世代の見方」を写し撮っているように思います. 逆に,おそらくは20代以下の人が見ても退屈と感じる映画です. 30歳くらいになったら,以前にも増して世代間の違いを意識するようになってくるんですよ.それは別に「違い」を評価しようっていうわけじゃなくて,意識するってことです. 中年や高齢者との違いはもちろん,この歳になると20歳くらいの人との年齢差を感じるようになる.それも同じ民族・文化圏で育った者同士での差を感じるわけです. 劇の終盤で,主人公がつぶやきます. 「死にそうな爺さん相手にしてるとさ,時々思うの.私の知らない歴史を生きてきた人が,おんなじ世界に生きているんだなって.戦争とか私知らないし.今日生まれる子も,明日死ぬ爺さんも,みんな一緒に生きてんだよ.お互いにちょっとだけ目に見えない距離を歩み寄ってさ.心で理解できることってあるんだね」 あぁ,分かる分かるその感覚. 以前は頭で理解できていたことですが,最近は心の底からそう思うようになりました. 歴史を大切にするっていうのは,史実を追い求めたり知識を整理することではなくて,その民族と社会の生き様を語り継ぐことなんだなぁって. 劇中に出てくる老人たちとのエピソードは,どれも破天荒なものばかりですが,実はいずれも「普通」な人たちなんです. そこら辺に住んでいる普通の老人に目を向けると,普通でないものが見えてくる.「介護」がそれを浮き彫りにさ

例のNHKの判決

NHKの受信料を支払う必要のない私にとっては,価値があるんだか無いんだか難しい話題です. でも,それだけに関心はあったりするわけで. どうやらテレビなどの受信機を持っていれば,NHKの受信料を支払わなければならない状態にあることが認められたようです. ■ NHK受信契約、テレビあれば「義務」 最高裁が初判断 (朝日新聞2017.12.6) NHKが受信契約を結ばない男性に支払いを求めた訴訟で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は6日、テレビがあればNHKと契約を結ぶ義務があるとした放送法の規定は「合憲」とする初めての判断を示した。事実上、受信料の支払いを義務づける内容だ。 ただ,現在支払いを拒否している人が,違反しているからってんで一斉検挙なんてことにはならず,以下のように・・・ ■ NHK受信契約、成立には裁判必要 最高裁 (日本経済新聞2017.12.6) NHK受信契約をめぐる6日の最高裁判決は、受信契約が成立する時期について「裁判で契約の承諾を命じる判決が確定すれば成立する」とした。「契約を申し込んだ時点で自動的に成立する」とのNHK側の主張は退けた。契約を拒む人から受信料を徴収するためには、今後も個別に裁判を起こさなければならない。 とのこと. NHKが嫌いな人にとっては腹立たしい話でしょうが,冷静にフェアに考えてみれば当然の判断だと思います. だって,法律を読めばどう考えたって「支払わなくていい」ということにはならないからです. 「テレビを持っていれば支払う」ということになっている以上,NHKの番組に不満があるから受信料を支払わない,などというチンピラみたいな主張が通るわけがない. 払いたくなければテレビを持たなければいいんです.私みたいに. 日本のテレビっていうのは,基本的にNHKを見るための装置です. ついでに無料で民放も見れる仕組みになっているわけで. これは別に日本独自のシステムではなく,その他の国でも採用されています. もちろん,そういう国でも公共放送の受信料を「廃止しろ」とか「安くしろ」っていう不満は出ているそうで,私の知り合いのヨーロッパ人も,そんな政治話が母国でしょっちゅう持ち上がると言っていました. むしろ,このNHK受信料の問題点とは,徴収する気が弱いNHK側に問題があります. 普