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私の遺伝子を調べてみた

母がですね,こういうの好きなんで買ってみたらしんですね.
で,実家の人間だけじゃなく,おせっかいにも私や弟の分も買ってきて,これを受けてみろと送りつけてきたんです.
「高いお金がかかってるんだから,必ずやれ」とのこと.

遺伝子検査のことです.
今回は,
ジーンライフ・ジェネシス2.0+10 special value(Genelife社)
を利用しています.
昨年12月にサンプルを送って,その結果が先日届きました.

生理医学的な身体上の特徴については,ほぼ当たっています.
その他の行動パターンや嗜好性についても,最近の研究で遺伝で説明できることが明らかになってきていますので,きっとこれが私という人間の特徴として捉えることができるのでしょう.

生理医学的な特徴としては,分かりやすいところで言えば,ずっと悩みのタネである副鼻腔炎や花粉症,そして乳糖不耐性(牛乳が飲めない)や,LDLコレストロール値が低いこと,ヘマトクリット値が低い,髪の毛が太いことなどです.

行動パターンとしても,夜型で睡眠時間が長いとか,協調性が高くないとか,報酬依存性が低いとか,どれも当たっています.

こういう遺伝子の研究が進むに連れて,私が気になるのは「教育」とか「社会秩序(法やマナー)」,「生活スタイル」との関連です.

私としては,
その人が本当にそうしたいと本能的に考える行動や生活スタイルをすれば,その人なりの幸福な生活が送れる
と考えており,なんだったらこれに準ずることを「健康スポーツ」に関する授業でも説いています.

例えば,ヒトや動物はその生物が本来生息している環境下でほったらかしにしておけば,肥満や精神疾患などは起こしません.
動物もケージで飼うと肥満になります.
現代のヒトの生活も,ある意味でケージで飼われているようなものですし.

以前の記事でも紹介しましたが,狩猟採集生活をしていた頃のヒトの方が,農業や都市生活をするようになったヒトよりも豊かな暮らしをしていたことが分かっています.
Deus ex machinaな未来(4)


狩猟採集生活していた頃のヒトについては,常に飢餓や天敵に悩まされて,不安で危うい生活をしているかのような捉え方をしますが,実のところ,
「不安で危うい生活」
という評価は極めて主観的なもので,それを言い出したら現代も同じこと.


周囲の顔色をうかがい,社会的評価を気にしながらの生活は,
「ライオンに怯える」
こと以上にストレスなようで,事実,精神疾患患者がたくさん発生しています.

それに,都市や国家などを形成して大規模集団生活をしているのでパンデミック感染や戦争,大災害による飢餓や暴徒などの危険性は常につきまといます.
これらは狩猟採集生活をしているヒトには無縁のものです.


農業や科学技術の発達は,ホモ・サピエンスの人口を増やすことに貢献しましたが,同時に,人口を減らすことにも貢献しています.

かつてのヒトは,ちょっと増えてちょっと減るものでしたが,現在はどっと増えてどっと減るようになっただけ.

また,医学の進歩により治せる病気も増えてきましたが,それでも結局のところヒトの死亡率は100%です.
どれだけ医学が進歩しようと,
「諦めて死ぬ」
ことからは逃れられませんし,それはどの時代でも同じです.

進歩したが故に発生する悩みもありますしね.
そこにある「幸福感」は時代を経ても変化していないのです.


話を遺伝子に戻すと,勝手気ままに生きている今の私からすれば,合点のいく検査結果が結構あります.

例えば検査結果によると,私は炭水化物に比べてタンパク質と脂質を好んで摂取する傾向にあるそうなんですが,実際にそういう生活をしています.

しかも,体脂肪も付きやすい(太りやすい)体質のようです.

そして,運動能力は全体的に低めで,遅筋(有酸素性)タイプという結果から総合するに,現在のような少食で運動量を減らした生活が性に合うということでしょう.

こういう私が,筋肉ムキムキでエネルギッシュなスポーツ生活に「憧れ」て取り組むと,不幸になります.
体質的に無理してるわけだから.

以前はウエイトトレーニングをガンガンやっていた時期もありますが,つまらないのでやめました.それもきっと遺伝子です.

実際,そうやって好き勝手な食生活を20年やってきて,体型や体脂肪率に変化はありません.


協調性が高くなくて,報酬依存性が低い,それでいて行動持続性が高いという検査結果も,それに応じた生活の方が幸福感を得やすいと最近になって強く感じているところ.

よく,
「自分に報酬を用意しよう」
とか,
「目標を見える化(数値化)してモチベーションを上げよう」
とかいうビジネス書や自己啓発本がありますが,あれは私には当てはまりません.

一時期(学生の頃),こういうビジネス書や自己啓発本をたくさん読み漁っていましたが,どれも結局のところ私にはしっくりきませんでした.
それもきっと遺伝的特徴なんですかね.
周囲の評価とか気にせずやれる仕事をするのが,私にとって幸せなんですよ.


そう言えば,このブログも「コメント欄」を用意しなくなりました.
最初の一時期つけていた時もあったのですが,そういうのが面倒になりましたので.

それに,これを読む人がどう感じようと,私は書きたいこと書いて,読みたい人が読めばいいというスタイルにしたかったんです.

このブログ記事を読んでどうしても言いたい事がある人は,メールをくれますしね.


あと,私は遺伝的に騒音による聴覚障害の発生リスクが高いということなんですが,だからでしょうね,私がノイズキャンセル機能のついたヘッドホンやイヤホンに執着するのは.
満席航空機と孤独なワンルームとノイズキャンセリングヘッドホン(イヤホン)

上記の記事でも紹介しましたが,ノイズキャンセルして音楽は聞きません.

きっと騒音に弱い体質だから,騒音を避ける行動パターンが惹起されているんだと思います,遺伝的に.


「幸福感の感じやすさ」という検査項目もあるようで,これは例えば幸せな映画を見た時にその雰囲気に浸りやすいというものだそうです.
つまり,幸福感に共感できるかどうかということですね.

どっちかというと幸福感を感じやすい人の方が多数派のようですが,私は少数派.

そして案の定,私はそういう「幸せな映画」というのがどちらかと言うと嫌いです.
無料とかアマゾンプライムになっていれば見ることもあるでしょうけど,お金払ってまでは見ない.
映画館では尚の事見ない.

仕舞いには,ブログ記事でも
大学生用:時間をつくって映画を見よう

と題して,「共感するな,理解しろ」と主張しました.

大学生たるもの,勉強を兼ねて映画を見るなら「共感」ではなく「理解」しようとすること.
そう思って書いていたのですが,どうやら多くの人々にとって映画とは共感するもののようです.
共感させるつもりで製作されてもいるでしょう.

つまり,私はそういう「共感してほしい」と構える映画は見ない方がいいということです.
きっとイラつくだけ.
逆に,理解を求める映画を見る方が,それこそ遺伝的に幸福感が得られやすいと思います.