2012年2月29日水曜日

エクササイズからスポーツへ

「運動(エクササイズ)とスポーツの違いはなんでしょう?」
という質問を学生にすることがあります.

「体育とスポーツの違いは?」と続けて問うこともあります.

この違いについては「なんとなく」分かったつもりになっている人が多いものの,いざ答えるとなると意外と難しい問いでもあります.

その違いはWikipediaや専門書を見ればわかるのですが,ざっと言うと
運動(エクササイズ)」というのは何らかの目的があって(または目的なく)行われる身体運動全般のこと.
スポーツ」はルールや規則に則って行われる遊戯的かつ競争的な身体運動を伴う活動のこと.
そして「体育」というのは,スポーツや運動(エクササイズ)を用いた(用いることが多い)教育(科目)のことです.

研究者や国によって意味に若干の違いはあれど,上記のような感じになります.


ところで,このグラフを出すのはこれで3回目になりますが,今回は「コンクリートから人へ」ならぬ「運動(エクササイズ)からスポーツへ」というテーマで一つ書きましょう.

どうせだからってんで,もう一枚グラフを用意しました.
その他,メジャーなスポーツの参加人数を平成14年(2002年)から平成22年(2010年)まで示したものです.
いずれも公益財団法人日本生産性本部 編『レジャー白書2011』からの引用です.


我が国は球技やスキー,水泳といった “スポーツ” が軒並み参加人数を減らしています.

参加人数が減っているものをピックアップしているわけではないですよ.
これ以外のほぼ全てのスポーツが参加人数を減らしています.

それとは逆に,ジョギングとかトレーニングといった,どちらかというと “エクササイズ” とか “フィットネス” という表現が似合う分野が好調です.

フィットネスは私が関わっている分野でもあるため気分はいいのですが,そんな私からして,
フィットネス・エクササイズの分野が伸びてスポーツが落ち込んでいるのは,大局的に捉えればスポーツ・レジャーの終わりの始まりだ.
と考えているのです.

というのも,前回の記事
コンクリートからスポーツへ
とつながっているのですが,ジョギングとかトレーニングが伸びている要因の一つとして,
「あまりお金をかけなくてもできる」
ということがあります.

つまり,スポーツ・レジャーにはお金をかけたくない,という意図が反映されている可能性が高いのです.

スポーツ・レジャーってのは,デフレの影響をモロに受けます.
各種企業で真っ先に切り捨てられるのがスポーツクラブチームだったりします.


少子高齢化しているのだから,“参加人数” は減っていても “参加率” は変わっていないのではないか?
というご指摘もあるかと思いますので,参加率(1年間で,その種目に参加したことがあるかどうかの割合)も示しておきます.
平成16年(2004年)〜平成22年(2010年)までの推移です.

参加率として表しても,参加人数のグラフとほぼ同様の動きをしていることが分かります.



さて,ここからが本題です.
フィットネスの好調が,実は好ましくない傾向だと私が考えている理由は,
「本当の意味で国民の健康が得られない」
からです.

近年,ジョギングやトレーニングが伸びている要因の一つとして,先程は「経済的理由」を挙げましたが,この流れを作っている要因はもう一つあると考えています.

健康日本21や生活習慣病予防(現在はメタボ対策と呼ばれている)といった,行政も介入している「健康啓蒙活動」です.

そしてこの健康啓蒙活動で指導されるのは,「テキスト的な健康運動」であり,皮肉を言えばスポーツ指導の専門家が冷遇され,お医者さんが指導する「手垢にまみれた健康運動」です.

ここで問題なのは,こうした健康啓蒙活動で推奨されるのは科学的エビデンスに基づく 「運動」 になってしまうこと.
体を動かす楽しみを味わう 「スポーツ」 ではないのです.

たしかに行政が介入する啓蒙活動ですから,どうしても “科学的エビデンスに基づく” 内容にしなければいけないことは分かります.

こうした「健康のために運動を」の流れを受けて「ジョギング」や「トレーニング」への参加者が増加している可能性が高いですね.

しかし,先程あげた「本当の意味での国民の健康」を目指すためには,それでは限界があるのではないかと思うのです.

実際,国をあげた健康啓蒙活動の一つである「健康日本21」の最終結果報告を見ても,国民に運動習慣がついたとは言えません.

健康日本21では,1回30分以上の運動を,週2回以上実施し,1年以上継続しているものを「運動習慣者」と定義し(2000年時点の調査では男性28.6%,女性24.6%だった),2010年までにこの運動習慣者を男性39%,女性35%まで増加させることを目標としていました.

しかし,2010年の最終結果報告では男性32.2%,女性27.0%で,目標は達成できていません.
まぁ,ちょっとは増えたからいいか,ということもありますが.

それでも,これから先もっと運動習慣者を増やそうと考えると,考え方の転換が必要です.
「健康を目指した運動」といった “「運動」を主体とした活動” ではなく,「運動そのものを楽しんで健康」といった “「スポーツ」を主体とした活動” への転換です.

それこそが,本当の意味での身体運動を伴う健康なのではないのでしょうか.

別に「医者が指導する運動では効果が出ない」と言っているのではありません.
運動の楽しさを伝えるのはスポーツ指導者に任せればよいのでは?ということです.

なんでもかんでも医者に任せてしまう風潮もよくないのです.
あと,医科学者ヅラしたスポーツ指導者が,“運動処方” とかお医者さんゴッコしてるのもムカつきますし....

おっと,話がズレてきたので,今日はこのへんで.
     

2012年2月27日月曜日

コンクリートからスポーツへ

先日(2月22日)の参議院での「国民生活・経済・社会保障に関する調査会」なる場において,京都大学の藤井聡先生が現在の日本における公共事業(公共投資)の重要性を説いておりました.

トンチンカンな質疑をする議員もおりましたが,こういうデータに基づく意見が為政者に届くことは大事です.

私も藤井先生のご意見は至極まっとうなものだと受け止めております.

公共事業については私自身も今から2年前,地元・高知の某工科系大学の人々と語り合いまして,その時の内容と激しく一致しておりましたので,意見を同じにする人が参議院の場で発表していることに心強い想いがしました.

その2年前の記事である
語り合う日々
でも取り上げましたが,デフレ状態に陥った社会を景気回復させるには公共事業しかないのです.

ましてや昨年の東日本大震災で地震の恐怖を改めて実感させられ,劣化したインフラの作り直しや耐震補強も必要であることを再認識させられました.

四の五の言わずに,ドカタのアンちゃんにドリルとツルハシをふるってもらいましょう.


藤井先生もどこかの場でおっしゃっていましたが,こういうことって,その道の研究者間であれば常識なんだとか.
例えば,諸外国に比べ日本は,
(1)公共事業が少ない
(2)道路が少ない
(3)山や谷が多くて建築・建設が難しい(コストがかかる)
といったようなこと.

ではなんでその「常識」が広まらないのか?
なんとなく犯人は分かってきますけどね.


こういうのってスポーツ科学の世界でも結構あって,「あまり知られていないけど実際は違うんだよ」というものとして,例えば
(1)疲労物質=乳酸
(2)10分以上運動を続けると脂肪が燃え始める
(3)柔軟性が高いとケガをしにくい
といったようなことでしょうか.
これらは全てスポーツ科学では「間違い」ということで常識ですが,未だに信じられていることが多いパチ情報です.

公共事業の話を無理矢理スポーツと関連づけてみますね.
これまた地元の話ですが「四国アイランドリーグ」です.
私もまだ学生時代だった2005年に立ち上がったプロ野球独立リーグです.

発足当初は運営陣の見通しの甘さが指摘されていましたが,実際にそうで,地元の私からすると四国活性化のために動いてくれるのは嬉しいんだけど「四国でプロスポーツは難しいよ」というところでした.

人口が少ないということもさることがなら,「インフラが整っていない」のです.
球場のアメニティはもちろん,球場への道路も整備されていないし,人々が「野球を観に行きたいなぁ」と思わせるための設備がないのですよ,田舎の四国には.

つまり,「四国アイランドリーグ」のように “地方で一旗揚げたい” と思っても,絶対に上手く行かない仕組みに日本はなっているのです.

たしかにリーグ運営陣は甘かったと思いますよ.
でも,それでも彼らの理念には熱いものがあり,地元民としても応援してあげたいのです.
ただ,いかんせん「うちの庭が狭くて申し訳ない」というところ.

高知は先日まではネット環境もブロードバンドにすらなっていませんでした.
一時期よく言われた「ITで地方から世界へ」,というのはウソ.

こんな状況にしておいて「地方を活性化」なんてよく言うよ,と.
まぁ,そういうことです.


ただ,勘違いしてほしくないのは,とくにかく山河をコンクリートで固めろというわけじゃないのです.
同じ作るにしても,魅力ある造形にしてほしいのです.

きっと,これからは公共事業が増えてくるはずです(というか,増えなきゃ日本は終わる).
せっかくですから,都市や町,村の良さを引き出すデザインに凝った工事をしてもらいたいものですね.
最近,四国村や白川郷,京都に足を運んで感動した者としての切なる願いです.

そういう部分にお金をかけるのも,これからの日本の公共事業には必要だと思います.

デザイナーの仕事も増えて,一石二鳥だと考えているのですが,いかがでしょうか?

2012年2月23日木曜日

エクセルExcelでΧ二乗検定を part2

前回の■エクセルExcelでΧ二乗検定をの続きです.

今回は「期待度数(期待値)」の部分を少しいじった分析方法を紹介します.

ところで,
大学の入学試験において学科によっては「実技試験」が課されることがあります.スポーツとか音楽とかデッサンなどが主なものでしょうか.

実は,実技試験の点数のつけ方は(きっとどこの大学も)結構しっかりしていて,受験者数が少数であったとしても,配点の分布は「正規分布」させるように指示があります.

「正規分布させる」,というのは,上の図のようなベルカーブを描いた度数に受験者人数を分布させるということです.
まあ,実際にはベルカーブを描いたように末広がりには行きませんが,人数をそれに近しいようにさせます.

例えば,100点満点中で採点するのであれば,
100~80点を1割
79~50点を4割
49点~20点を4割
19~0点を1割
といった人数(度数)になるよう受験者を振り分けながら採点します.
なぜなら,こうしておかないと大学・教員の裁量ひとつで偏りのある学生募集につながることになってしまうからです.

例をあげると,ある先生がスポーツ実技試験の中でも 「サッカー部にとって欲しい学生がたくさん受験していた」 という理由で,サッカーの実技を希望した受験生全員を100点にしてしまう,という事態が起きてしまうかもしれません.
これでは公平な入学試験とは言えません.

そうならないように,例え受験生全員が甲乙つけ難いスーパー・アスリートであっても,機械的に正規分布させるような採点を行ないます.

一昔前ならわかりませんが,最近はこのようにして採点します.
高校の先生や保護者によっては,「先生の力で,うちの子の点数をちょっと・・・」などと頼む人もいますが,残念なことに現在ではそれはできません.
最近の大学はスキャンダルに怯えていますので,外部の目もさることながら,内部の目がしっかりと光っています.


今回紹介するΧ二乗検定は,こうした“あらかじめ決められた”度数分布から逸脱していないかどうか?といったようなことを検定するケースです.

以下のように,受験者をA~Fの6段階で採点し,分布を5%,15%,30%,30%,15%,5%になるよう仕組んだという場合です.

期待値は受験者数140名をそれぞれ各ランクの分布における5%~30%にした場合の値を入力します.

実測値は,実際に採点して振り分けた度数です.
ご覧のように,A側に少し偏ってるのかなぁ..という申し訳ない感じの意図が見え隠れする採点になっております.

この採点が当初決めていた度数(人数)分布に近しく分布しているかどうか?
それをΧ二乗検定しました.
前回も紹介したように,ExcelにはΧ二乗検定によるp値を出してくれる関数があります.
図のように,B8のセルに以下のように入力します.

=CHITEST(B4:G4,B5:G5)

これで確定すると,

p値が0.05以上ということで,ギリギリですが当初決めておいた度数(人数)分布に沿う採点であることがわかりました.


とは言え,実際の入試などの採点では,分布が統計学的に有意かどうか?といったことを考えるよりも,期待値の通りの人数に割り振られているかどうかで判断する場合もあります.
そうしたほうが間違いがないからです.

どうしても1人2人といった人数をいじりたい場合は,入試部長や入試担当の人との相談とか,そういうことが多いですかね.


※その後,もう少し複雑な分析(残差分析とか)を解説した,
エクセルExcelでΧ二乗検定を part3
も書きました.

※後日,こんな怪しいブログよりも信頼性が高いものに触れてもらうよう,
独学で統計処理作業をスキルアップさせるための本
という記事を書きました.参照してください.

その中でも,以下の2冊はχ二乗検定やアンケート調査方法を学ぶ上でオススメです.

 


以下も参考文献としてどうぞ.
  

2012年2月22日水曜日

エクセルExcelでΧ二乗検定を

※エクセルで相関関係のp値を算出する手順は
エクセルで相関関係のp値を出す
を見てください.

私のこれまでの研究論文ではt検定や分散分析,相関分析など多く,過去の記事にもExcelだけでこれらの統計処理をなんとかする方法を紹介してきました.

エクセルExcelでの簡単統計(t検定)

私自身が 「Χ(カイ)二乗検定」 を使うことは少ないのですが,学生の卒論に多いアンケート調査の統計処理で利用しますので,私も自然と勉強させられました.

以前の記事にも書きましたが,人生において卒論でしか統計処理をすることがないであろう学生にSPSSの使い方を教えるのは面倒です.
なのでExcelだけでなんとかさせようという企てです.

「X(エックス)二乗検定のやり方を教えてください」 と元気に質問してくる学生にも温かく対応してあげている私ですので.
以下,えらく雑な説明だな,と感じる人もいるかと思いますが,Χ二乗検定のことを微塵も知らない人に向けた記事でもあるので,エキスパートの方はご容赦ください.

※後日,「そもそもアンケート調査のやり方自体で困っている」という人のために,
エクセルだけで統計処理する卒論・ゼミ論用アンケート調査のオススメ方 part1
を書きました.こちらもどうぞ.

Χ二乗検定というのは,「実測度数と期待度数との差を統計的に検定する」というものです.
Χ二乗を「エックスにじょう」と読む学生は,この時点で何を言っているのか分からないかと思いますので,具体的に話しをしていきましょう.

では,どんな場合にΧ二乗検定が利用されるのかというと,以下のようなデータの場合です.
何を統計処理にかけたいのかというと,
回答の比率に差があるかどうか?
つまり,
「はい」と回答した人は「いいえ」と回答した人よりも【 多いor少ない 】ということを統計学的に裏付けをとりたい
ということです.

35人(70%)の方が15人(30%)よりも多いに決まってんじゃん.バカなんですか?
と生意気にも言い出す学生もいますが,そこは優しく対処してあげてください.


こういうデータをExcelでΧ二乗検定したい場合は,上記のように入力しておきましょう.

回答パターンは2択ですね.
「はい」 か 「いいえ」 です.
2択なので,「はい」と「いいえ」のいずれかを回答する可能性は50%.
ということで期待値は「はい」「いいえ」ともに 「25」 と入力しておきます.

ExcelにはΧ二乗検定のp値を出す関数があります.

= CHITEST()

これを,以下のようにB7のところに入力しました.


=CHITEST(B3:C3,B5:C5)

【 B3:C3 】というところは実測値(観測値とも言う),
【 B5:C5 】というところは期待値を範囲参照しています.

これが意味不明な人はまた勉強しておいてください.
とりあえず,上記のようにすれば以下のように
Χ二乗検定のp値が出せます.

ご覧のとおり p値が0.05未満ですので,
「はい」と回答した人のほうが「いいえ」と回答した人よりも有意に多い,と言えます.

とりあえず今回は終わり.

次回は,もうちょっと複雑な分析をしてみましょう.

※そんなわけで,以下が次回の記事です.
エクセルExcelでχ二乗検定を part 2

※そのまた後に,3つ以上の比率の比較と調整済残差の話を解説した,
エクセルExcelでΧ二乗検定を part3
も書きました.

効果量を出したい場合はこちら
効果量(SE:effect size)をエクセルで算出する

信頼性係数を出したい場合はこちら
信頼性係数をエクセルで算出する

「そもそもアンケート調査のやり方自体で困っている」という人のためには,
エクセルだけで統計処理する卒論・ゼミ論用アンケート調査のオススメ方 part1

※後日,こんな怪しいブログよりも信頼性が高いものに触れてもらうよう,
独学で統計処理作業をスキルアップさせるための本
という記事を書きました.参照してください.
その中でも,以下の2冊はχ二乗検定やアンケート調査方法を学ぶ上でオススメです.

 


以下も参考文献としてどうぞ.
  

2012年2月19日日曜日

スポーツ復活計画 さしあたってスキー

先日まで大学の「スキー実習」で雪山にこもっておりました.
一週間経って下界に下りてきましたが,特に世の中に何か変わった様子はないようです.

受講している学生は「まだ帰りたくない」と名残惜しんでいましたが,私としてははゲレンデを離れるのが寂しいという気持ちは一切沸かず,むしろ早くネットが使える街に戻りたい,普通の大学の仕事ができる環境に戻りたいとワクワクしながらの帰り路.

こちら側としては準備にエネルギーをかなり割いている企画ですので,さっさと終わらせたい重労働.

実際,昨年の1月〜2月はこの「スキー実習」があったがためにブログを休止しておりましたし.


んで,実習はというと,
私が講習を受け持った班の学生達はスキー未経験組.
初日はいたるところで “産まれたての子鹿” や “雪だるま状態” になっており苦労しましたが,次の日からは緩い斜面なら安定して滑れるようになっておりました.
転倒せずに滑れるようになったら楽しさも倍増するものです.

4日目からは中級者コースを滑れるようになり,
「プライベートでも気軽にスキーを楽しめるように」
という当初の目標は達成.
なにより,学生にケガや強い疲労感を起こさせずに終えることができたことに満足しています.
しんどい想いをして上手くなっても,スキーを続けようとは思ってくれないでしょうから.

写真は受け持った班の学生との記念写真.
バレないよう,しっかりとぼかしております.

さてこのスキーですが,以前の記事,
事実に基づく教育を
でもふれたように,年々衰退の一途をたどっております.

一目瞭然ですね.参加人数は10年前の半分です.

実際,私としてもこの「スキー実習」という “大学の御仕事” がなければスキーをやっているかどうか怪しいもので.

「用具費や交通費が高い」,「まとまった日や時間が必要」,「初心者にハードルが高い」といったネガティブな要素がたくさんあるスポーツなのです.

「私をスキーに連れてって」とかいうTVドラマの影響を受けてブームに火がついたそうですが,当時・小学生にもなっていない私にはさっぱりの経緯です.
私としては “連れてって” などという受動的な態度でスタートしたブームだから衰退したのだと邪推しております.

他には冬季オリンピックの影響を受けて活気づくこともありますが4年に1回ですし,基本的にはバブリーな時代に台頭したスポーツなので「金をかけて当然」な雰囲気が漂っています.

さて,このスキーをどのようにして参加人数を増やしていくのか?を考えてみましょう.

まずは現状確認.

スキー実習中の宿舎の支配人いわく,
「大学のスキー実習参加者数はどこも年々減ってきました.少子化ということもあるのでしょうが,スキー実習自体を取りやめる大学も増えてきましたね」とのこと.また,
「まだスキー実習をやっている大学は,○○(本学)さんのように,そこの大学の先生が自ら教えているところですね.やっぱり外部講師やインストラクターを雇ったりしている大学は,学生の満足度も低いんじゃないですか.そういう大学はスキー実習から手を引いています」
ということです.

スキーを専門にしている非常勤講師の方と話したのですけど,今のスキー場は「コアなスキーファン」か「子連れファミリー」でほぼ構成されており,以前はたくさん見られた初心者学生グループやカップルがいないのだとか.
あと,
「修学旅行で安易にスキーを組み込んでいた時期がありました.専門家ではない先生がスキーを教えてしまい,スキーの楽しさを知らない子供たちが増えてしまった.最近,一気にスキー熱が冷めているのを感じます」
というエピソードも.

これらの状況を聞いた上での私のスキー復活案は,
学校や大学でスキー実習を積極的に組み込む.そしてそこではプロのインストラクターをしっかりつけて(特に初心者ほど),スキーの楽しさを伝える
というもの.

インストラクターを雇うというのは,宿舎の支配人の意見と矛盾するのでは?と思われるかもしれませんが.
私の解釈では,
【 外部講師やインストラクターを雇う → 学生の満足度が下がる → スキー実習をやめるようになる 】
という単純構造ではなく,
【 不況によりスキー実習の予算がとれなくなる →  インストラクターが雇えず,内部教員だけでしかできなくなる → 学生の満足度が下がる → いっそスキー実習をやめようということになる 】
という流れではないかと考えています.

つまり,インストラクターを雇っていたからダメになったのではなく,インストラクターを雇えなくなったのです.
スキー実習を続けている大学というのは,“インストラクターを雇っていなかったから” ではなく,インストラクターを雇わなくても自前の教員でまかなえていた大学,ということではないでしょうか.

学校や大学でインストラクターを雇ったスキー実習をやるには予算がかかります.
とは言え少ない予算でスキーを教えようとすると,修学旅行のエピソードにもあるように,安易に専門家ではない人や教員が子供にスキーを教えることになり,結果的に残酷なことになります.

インストラクターを雇えばスキー・スクールにお金が落ちます.
スキー実習や修学旅行におけるスキー講習というのは,スクールにとっては重要な収入源なのだそうです.
これによりスキーのインストラクターの雇用が増えます.これはスキー場を活性化することにつながります.

今後,学校や大学が内部教員だけでスキー実習や修学旅行スキーを続けるようなことになったら,皮肉にもインストラクターの職を奪い,スクールやスキー場を衰退させることになるのです.

なにより,「いっそスキー実習をとりやめよう」という流れはスキー参加人数を減らすことに拍車をかけます.
そして,スキーの楽しさを知らない生徒・学生の輩出が続くと,これも結果的にスキー参加人数を減らし続けることになります.


では積極的にインストラクターを雇ったスキー実習をやるにはどうすればいいのか.
学校や大学におけるスキー実習などの野外活動費を文部科学省(将来的にはスポーツ省)が助成できるようにするのです.

予算がない学校や大学が,わざわざスキー実習をする気になるでしょうか?
いえ,ありません.
それに,上述したように,スキー実習を企画するのは結構な重労働なのです.他大学さんが「いっそのこと,やめちまえ!」ってなるのも分からんではないのです.

学生も宿泊費やレンタル費,交通費といったものを学費とは別に捻出しなければならないのですから,必修科目になっていない限りは履修に躊躇しますね.

つまり,こういう構造は今の日本のデフレと同じものです.
スポーツもやっぱりデフレに陥っているわけで,そのスポーツ・デフレ対策にも助成金の導入が必要です.

別にこれはスキーに限った事ではないのですが,日本はスポーツの指導者をやっていても潤うことが少ないのです.
スポーツ指導者として安定した生計がたてられるのは「体育教員」くらいのものではないでしょうか.

でも,スキー,海洋スポーツ,キャンプといった活動を子供や学生が満足できるレベルまで指導できる体育教員がどれほどいるか.
体育教員は “広く浅く” が要求されます.おまけに「やっぱり生徒指導は体育教員だよね」ってな状況にすらなっています.

体育教員には一応,専門性種目というものはあるのですが,それ以外はお世辞にも専門性が高いとは言えません.
よほど熱心な先生じゃないと,野外活動や舞踊,フィットネス関係といった分野には案外疎いのです.

「体育の先生になるためには,何でも指導できるようになりましょう」
という指導を私も学生にやっていますし,非常に大事なことでもあるのですが,これに頼ってしまうと学校(子供)・大学という非常に大きなスポーツ指導市場を体育教員だけで独占してしまいます.
あちこちに専門性が高い人が転がっているのに,なかなか活用できていないのが現状です.

体育教員以外で,専門性が高い人材を活用できる流れを作れば高度な指導を提供することでき,スポーツの楽しみ方を知る生徒や学生が増加します.
それが結果的に日本のスポーツ参加人数を増やし,スポーツ経済も活性化させることにもつながるのではないでしょうか?

スポーツの指導現場にお金を助成することは,日本のスポーツを発展させるための重要な呼水なのです.
     

2012年2月9日木曜日

【やってはいけない】卒論・ゼミ論を1日で書く方法

この時期の大学はといいますと,いくつかの研究室のドアから
「今からでも卒業論文を書け.じゃないとゼミの単位出さないからな」
という怒声がこぼれてくる季節でもあります.

日本の冬の風物詩ですね.

「明日までだぞ!」
と言われてしょんぼりドアを後にした学生もいるかと思います.
そんな学生がこの記事をググって見つけていたりするのでしょうか.

以前,
卒論が終わったので紀要を書いてみた
でも紹介したように,その気になれば + 方法がわかれば卒業論文は1日でできてしまいます.

切羽詰まった学生は 「その気」 にはなっているでしょうから,問題となるのは 「方法」 ですね.

じっくり挑みたいのであれば,中田亨『理系のための「即効!」卒業論文術』とか小笠原喜康『新版大学生のためのレポート・論文術』などを参考にしてください.
少しだけ時間があるのであれば,後日記事にした,
危ない大学でもちゃんと卒論を書きたいとき
や,具体的な文章の書き方を示した
【やったほうがいい】卒論・ゼミ論をまずまずの日数で書く方法 その1
【やったほうがいい】卒論・ゼミ論をまずまずの日数で書く方法 その2
を参照してもよいでしょう.

さらに後日,やたらと学生が卒論でやりたがる「アンケート調査」の簡便な方法を記事にしました.
エクセルだけで統計処理する卒論・ゼミ論用アンケート調査のオススメ方 part1
(故あって指導教員から指導を受けられない場合は参考にしてください)

でも,1日で論文を書かなければならないうえに,

(1)今現在,卒論は全くゼロの状態である
(2)生理医学系,スポーツ・体育系の学生である
(3)ある程度寛大に見てくれる指導教員である
(4)卒論も大事だけど,今日の夜はコンビニのバイトがある

という条件の人は,以下の論文作成法に手を出してしまう可能性があります.

今回の記事では,
【絶対にこんなやり方をしてはいけない】という論文作成法を紹介します.
ただし,「なぜそれがダメなのか?」ということを取り上げるんだよ,という趣旨として読んでください.
あくまで「この論文の書き方は違反だ」という認識でお願いします.


この季節,
いろいろな大学で以下のような悪徳論文指導法が春の萌芽に先駆けチラホラ出現するので気をつけましょう.
これに水を撒くのはブラックな大学院生であることが多いようです.

数年前,関西の某体育大学には以下の方法を密かに(時に大っぴらに)学生に伝授する助手がいたようで,恐るべきことに彼は今,別の大学に移って教員をやっていると聞いております.

良い子は以下を読んでもマネしないように.

*************************
世にはびこる悪徳論文指導の

まずはテーマ決め,そして緒言(序文)づくり.
今の今まで卒論に取り掛かっていない君は適当なテーマで構いません.そんな君が良いテーマを今から1・2時間で思いつくことはできません.
きっと指導教員も君のことをバカにしているので,適当なテーマでいいから出させて卒業に持ち込もうとしています.

何でもいいから,一般常識的に知られていないけど,簡単そうな課題を1つ出しましょう.
考えてはいけません.出すのです.

テーマ決めというのは本来非常に重要です.
着眼点が試されるところですので,ある意味,論文はこの部分で良し悪しが決まるといっても過言ではなかったのです(あえて過去形).

例としてここでは,「障害者スポーツの現状」ということにして進めていきます.

ポイント一つ目
●「~の現状」というテーマにする

「~の現状」という書き方やタイトルはかなり稚拙ではありますが有用です.
「体育教師の現状」とか「地域スポーツクラブの現状」,「交通事故とそのリハビリテーションの現状」というふうにもできます.

断っておきますが,「~の現状」という研究テーマで活動している優れた研究者はたくさんいます.君と一緒にしてはいけません.

「とりあえず本研究は現状の把握を目的としたので...,それで許して」
ということです.
もっと言うと,
「私はバカだし時間もないから...,それで許して」
という訴えを含んでいます.
己の立場と能力を,ここでは大いに利用するのです.

このテーマ決めですが,大きなテーマを扱ってしまうと,その道のプロである指導教員が絶句するような幼稚な論文になってしまう可能性があります.
卒業できればOK,と考えている君にとっては高度なテーマだと思っていても,その道の人であれば当たり前のことだったりするのです.

ということで重箱の隅をつつくような細かいテーマにすれば,指導教員から君の不勉強さ・無知さを指摘されることは少なくなります.
んがしかし,あまりに細かいテーマだと無知な君では作業に支障が出る可能性があるので,これにはサジ加減が必要です.

また,その現状をどのように解決すればいいのか?というところまで踏み込むと良い卒論になるのですが,こんな時期まで卒論を書いていない君にとってはリスキーな段階に踏み込むことになるのでやめときます.
なんてったって1日で終わらせねばならぬのですから.

テーマが決まれば次は緒言づくりです.

緒言の書き方を以前
この方法で…,「緒言でつまずいたとき」
でも紹介しましたが,これは正攻法(とも言えないが...)ですので無視.
書くのが苦手であろう君が1日で2万字くらいを達成しようとするわけですから.

そんなわけで,1日卒論作成法における緒言の合言葉は,
●困っている人がここにいるから助けてあげたい
です.
まるで民◯党の歴代総理がつかってきた言葉のようですが,バカな君にもピッタリなのです.

(1)困っている人とは誰か?
(2)困っている人はどんな人か?
(3)困っている人はどんな状況で困っているのか?
(4)困らせている要因は何か?
(5)その要因はどんなものか?
を緒言に書きます.

なるべく危機感を煽る内容で,同情を誘うようなものにしましょう.
でも,前述したように「ではどうすればいいのか?」というところには触れてはいけません.

あと,自分で文章を創作しようとしてはいけません.
4年間遊んで暮らした君にそんな能力はありませんので,真摯にコピペをします.

そのコピペ資料を探すことになるのですが,
数年~十数年前に書かれたもので,参考文献を明記,かつ多用している教科書的な本を何冊か用意する

これが最も重要.4年間ダラダラと過ごしてきた君の力であっても,それを最大限に発揮して,この “福音の書” を探してください.

さっきの例のテーマに沿うということで,ここでは私の本棚にあったこの矢部京之助 編『入門 運動神経生理学』をあげときますね.これは2003年に出版されたものです.
君にとってはオカタイ本の部類です.でもオカタイ本を引っぱり出しておけば,あとが楽です.

それをコピペします.

ここでのポイントは2つ
面倒でもこの段階ではインターネットからコピペしない
参考文献を使いながら書いている文章を選んでコピペする

緒言でも楽をしようとしてインターネットの文章をコピペしてしまうと,往々にして失敗します.
後述する本論のところと密接に関連するのですが,「~の現状」というテーマで書いている限りは,数年前(昔)に出版・刊行された書籍や論文の文章をコピペしましょう.

インターネットで出回っている文章は 「いつ書かれたのか」 という時期・時間がわかりにくいので,そんな配慮ができないであろう君は最初から手を出さないことです.
出版された年が特定される紙媒体のもののほうが,君にとっては安全です.

この説明を聞いて「“そんな配慮”ってどんな配慮?」という君の場合,詳細を説明するのが面倒なので黙って本からコピペしてください.


参考文献を使っている文章というのは,以下のような文章です.
文章の最後に上付き文字で 「 29)」 と書かれていますね.これが参考文献です.
この本の後ろの方にある参考文献リストに 「 29)」 がどんな参考文献なのか載っています.以下のような感じに.
この参考文献リストの29番が,上記の文章の基になった資料ということです.
この29番をそっくりそのまま,君の卒論の参考文献としていただくのです.

これを一般的に「孫引き」と言いまして,バレてはいけない悪徳行為です.
なぜかというと,この文章の著者である矢部先生の文章を盗んでいることになるからです.

ただ,この孫引きは簡単に自分の論文の参考文献を増やすことができる作業でして,悪徳論文作成法の主力とも言えます.

卒論は体裁が大事です.君の参考文献リストにズラッとたくさんの文献が並ぶと,「なんか卒論ぽいね」ということで指導教員もお喜びになるでしょう.そういうことです.

緒言の最後の言葉は,

~~~.
このように社会的関心の高い障害者スポーツであるが,2012年現在における状況を詳しく調査したものは少ない.そこで本研究は,2010年から2011年における障害者スポーツを取り巻く現状を整理し,障害者スポーツを発展させるための基礎的資料の作成を目的とした.

てな感じにしておきます.

基礎的資料” ってなんだ?基礎的じゃない資料ってあるの?
という疑問は結構鋭い着眼点なのですが,今はそんなところに構っている暇はないので次にいきます.

緒言が終わったので,今度は本論です.
ここ最近に書かれたもので,参考文献を明記,かつ多用している教科書的な本,および最新のXX白書を用意する

最新のものであるほど効果的です.
緒言において数年前~十数年前に書かれた本を用いた真価がここで出てきます.
上述のつながりとしては矢部京之助 編『スポーツサイエンス入門』2010年出版を使いましょうか(矢部先生すみません).

そして白書的な刊行物をここで最大限に活用します.
こういう刊行物は,図書館を探せばあるはずです.

例で言えば,内閣府より『障害者白書2011年版』が出ていますし,これはHTML形式で作成されていることも多いので,文章や図をインターネットからそのままコピペできます.
笹川スポーツ財団の『スポーツ白書』『スポーツライフに関する調査報告書』も有用です.

緒言で書いたこととつなげて「xxx年の時点ではXXだったが,現在はXXだ」という論調で書いていきます.
白書的な刊行物であれば,こういう文章自体を書いてくれていたりします.
謹んでコピペさせてもらいましょう.

もちろん,コピペ・孫引きした参考文献はしっかりとメモしておいてください.

もともとバラバラの内容ですから,文章のつなげ方や表現方法に少し力が必要になってきますが,1日で仕上げなければならない君は心配するだけ無駄です.

文章の始まりと終わりで矛盾やねじれが起こらないように気をつけてください.
まぁそれでも無理やり連結させます.場合によってはミラクルな名文ができるかもしれません(ほぼ無いけど).

さあ,最後は結論ですね.
結論は慎重な内容,または絶望的な内容で

ここまでくれば文章を書くのにも慣れて,しかもハイテンションになっているでしょう.
結論も大胆かつ希望に溢れた内容を書いちゃう人もいるかと思います.
しかし,それはやってはいけません.安易に希望溢れる内容を書いてしまうと,論文が非常にチープに感じてしまうのです.
ここはひとつ,慎重な,もしくは絶望的な内容を書いてみましょう.

斜に構えて絶望を語るだけで,なぜか人はクールで知的に見えます.

「“困っている人がここにいるから助けてあげたい” と書き始めているのに,なんで絶望的な内容を書いて,解決策を書かないのか」 ですって?

それは今までなまけて卒論を書かなかった君が言う台詞ではありません.
どうせ書けないんだから.

官僚・閣僚答弁風に言えば,“助けてあげたい” であって “助けてあげる” ではありません.
結論は “助けてあげたかった” ということにしておきます.
指導教員から 「これじゃレポートを長くしただけじゃないか.何でもいいから解決策みたいなものを書いとけ」 と言われた時だけ書きましょう.

4年間を適当に過ごしてきた君の頭だと簡単にファンタジーが出来てしまうかもしれませんが,世の中そんなに甘くないという趣旨の文章の方が評価されやすいものです.

これについて立場も弁えず「そんなの何か間違ってるよ!」と感情的になった君は,バカで無能ですが正義感はあります.そこは大事にしてください.うまくすれば将来きっと良い人になります.

結論を書く方法については以前,
で取り上げましたが,ここで紹介している1番と3番を参考にしてみてください.

最後に,以下を確認します.

参考文献リストの作成は手を抜かない
ここを適当にする学生が多いのですが,神は細部に宿るものです.手を抜いてはいけません.
なかには書籍や論文のタイトルだけを並べるバカ野朗もいます.
しっかりとページ番号や出版都市まで書いておけば,それだけで指導教員は納得する場合もあります.

指示された提出書式にしっかり合わせる
表紙や図表,目次など,「こういうふうにしなさい」と指示が出ている場合は,それをしっかり守ります.

フォントは明朝体で,フォントサイズも統一する
なかには行書体やポップ体で書いてくる不届き者もいますが,明朝体で書いてください.
ようはWordの一番最初の設定で書いてもらえればOKということです.
余計なことはしないに限ります.


これで完成です.
あとは指導教員のお許しをもらうための交渉をするだけです.
検討を祈ります.

*******************

上記の論文作成方法は,切羽詰まったダメ学生が手を出しかねない1日卒論作成法です.
先生方におきましては,こういうことを学生にやらせないよう,しっかりと監督してください.

真面目な学生さんは絶対にこんなことはしないように.

後日,文章の書き方を掲載しました.
【やったほうがいい】卒論・ゼミ論をまずまずの日数で書く方法 その1

アンケート調査方法を適当に勉強したい場合はこちら.
エクセルだけで統計処理する卒論・ゼミ論用アンケート調査のオススメ方 part1


参考になる文献
          

2012年2月8日水曜日

Peak Hight Velosity (PHV) 成長速度曲線

スキャモンの発育曲線は重量の増減を基にした発育発達のグラフですが,身長の伸び具合で作成したグラフとしては成長速度曲線が知られています.

今回は,この成長速度曲線のスライド用画像を用意しました.
とある著名な生理学のテキスト「G生理学」からトレースして作成しています.

0歳から20歳までの期間の身長の伸びを示したものもありますが,第二次性徴にあたる部分をピックアップしたものが有名かもしれません.

特にこの部分を切り出して示して「Peak Hight Velosity: PHV」と紹介することが多いですね.

山の一番高いところが「PHV」です

PHVは男子よりも女子の方が早く訪れます.


グラフからも読み取れるように,ちょうど小学校高学年から中学生くらいに女子は成長速度のピークを迎えます.

一方,男子は高校生になるころに成長速度がピークになるという具合です.

私も小学校の頃,ずっと自分よりも背が低いと信じていた女子たちに,あれよあれよと言う間に抜き去られてショックを受けたことを記憶しています.


スキャモンの発育曲線と同様,これが分かったからといって何かが出来るようになるわけではないのですが,スポーツや体育をやる者としての教養です.

スポーツや体育の生理学では必ずと言っていいほど出てくる有名なグラフですよね.

これについて発表資料とかレポートを作成したいときに,このグラフをコピペしてください.
自分で文字を入れ直したい,もしくはアルファベットにしたい場合用に,文字を消したものも用意しています.

ご利用はご自由にしていただいて結構です.

2012年2月7日火曜日

宇宙に出る生き物

今更というか,
改めてというか,

ヒトの初期の幼生,つまり赤ちゃんを眺めていると,この生物から大きな可能性を感じるのです.
この生物は成長すると宇宙まで飛び出すテクノロジーを扱う種族なんだなぁ,と.

先日は同級生夫婦のお宅にお邪魔して,プチ同窓会を開いておったのですが,もうこの歳になると,まわりは皆 結婚して子供ができていたりします.

そこに連れてこられてきた幼児が,一人ポツンと部屋に残されていたりするのです.
それを私が遠目に眺めていたりするんですけど.

ちょこんと座ってオモチャをおぼつかない手でいじったりしているわけですね.

何を考えてそのオモチャをいじっているのかわかりませんが,そういう姿にえらく感動を覚えました.

彼/彼女は,そうやって何かを学び,何かを得ているんでしょう.

幼児って,サルとかイヌと同じ知能レベルだと言われることがありますが,こういう姿を見ると,明らかに違うんですよ.

何もかも真っ白にして,このヒトの幼生を観察していると,明らかに他の動物・種族とは異なるのです.
まぁ機会があったら皆さんも,もう一度あらためて見てみてください.
何かが違うんです.
このヒトという生き物には怖ろしいものを感じます.

何が違うかっていうと,いろいろな生物の文献にあたればたくさんの考えが出てくるのでしょうが,ひとまず私が抱いている考えを出すと,

限界突破を宿命づけられた生物

とでもいうのでしょうか.


ただ生きるために情報を取り込んでいるという類の “学習” ではないのです.
“考える” ために学習してるんだなぁ,と.

仮に,一切の教育を施さなかったとして,それでもこの生物はブレイクスルーをしてくるんではないかという怖ろしさです.


「人には無限の可能性がある」
というような表現がありますが,それを文学的な感覚ではなく,本当に心の底から感じました.

私自身,今まで子供をそんな目で見ることはなかったし,
そんな目で見たくもなかったのですが.

最近,なんか変わってしまったのでしょうか.
先日の事件が影響しているわけではないと思いますけど,同級生夫婦たちを見ても,
「あぁ,こうやってヒトは“人間” として繁殖・発展してきたんだなぁ.スゲーなぁ」
という目で見てしまう.
「こいつら,“家族” をやってるなぁ」と.

その場には独身野郎がもう一人いましたので,そいつと,
「オレらも,うかうかしてられへんなぁ」
と話していたものです.

変なスイッチが入ったのでしょうかね.