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危ない大学が轟沈する2023年(2025年)までラストスパート

業界を引退した私には実感が分かりませんが,皆さんどうですか? このブログでは,過去に何本か「危ない大学」シリーズを書いています. 例えば, ■ こんなホームページの大学は危ない ■ 「教職員用」危ない大学とはこういうところだ ■ 危ない大学におけるバスの想ひ出 ■ 結局,あの大学って高度なブラック大学として名を馳せているらしい そこでは,「まじめに大学をやれ」っていう話をしているのですけど,当時の私がどうしてそんなにも「大学とはなにか」と訴えていたのかといえば,結局のところ, 「チャラいことせず,まじめに大学教育に取り組んでいないと学生募集が苦しくなるよ」 っていう,極めてゲスい話なのです. 決して,高尚な教育論を説いていたわけではありません. そういう記事を書き始めてから,かれこれ10年以上の歳月が経ちました. その間,残念なことに私の予想通りの大学経営状態がアチラコチラで見られています. 実際,具体的にはこういう予想を4年前(2019年)に記事にしています. ■ 大学関係者が知っておくべき,2025年頃に受験者数が激減する未来予想図 もちろん,少子化と世帯所得減少の影響で受験者数が徐々に減っていくことにはなるのですけど,それ以上に大きな影響が2025年頃に発生するんです,っていう話でした. ざっくりと要点を言えば, 「2025年頃は,大学進学の恩恵をあまり感じていないロスジェネ世代の子供の多くが受験生になる頃で,この世代はそもそも世帯所得が低く,奨学金制度を使ってまで大学への進学を勧める家庭が少ない可能性が高い」 というものです. で,さらに言えば, 「日本経済の状況いかんによっては,その4年後(2029年頃)になると,大学に進学した人とそうでない人(高卒就職組)の差が取り沙汰されるようになり,(私の直感によれば)社会人生活の充実度に『大学を卒業する』ことのメリットはあまり無いのではないないかと評価される恐れがある」 っていうことです. で,この記事を書いた次の年に発生した「新型コロナ騒動」によって,日本経済は大混乱に陥り,大学教育とその経営にも大きな影響がありました. なので,よっぽど行政がうまい舵取りをしない限り,大学経営にもネガティブな影響が発生するだろうということで,この「2025年予想」を以下のように修正. ■ 「大学が壊滅する2025年」が早まりそう...

体育が嫌いな生徒を想定していない学校体育

体育は個人の権利を蔑ろにしている さて,今回の記事も朝日新聞ポッドキャストからネタをいただきます. 学校体育です. まがいなりにも,私は体育の専門家です. 大学では体育・スポーツ科学についての講義やゼミだけでなく,実際に実技授業もやっていました. それに,中高の教員免許も持っていますし,実際に高校で体育の授業をやったことも何年かあります. もっと言えば,保健体育の教職課程の授業も担当していました. なので,今回の朝日新聞のネタは刺激的なものと言えます. ■ 言えなかった「体育が嫌い」 苦痛だった持久走、忘れられない怒声 (朝日新聞 2022.10.9) 大阪府吹田市の大学生、江口康太さん(21)は就職活動中、複数が協力する「グループワーク」で、「もやっとした気持ち」を抱いた。 求められたのは「チームワーク」。嫌な役回りにも積極的に取り組めば評価が上がる。 思い出したのは、小学校の体育の体験だ。 朝日新聞ポッドキャストのほうでは, ■大嫌いだった体育は「個人の権利を蔑ろにしている」生きづらさを考える#973 というタイトルで配信されています. 上記記事を元にして,記者らの子供時代の体験を交えて,自分たちも体育が嫌いだった理由などを掘り下げるというものです 何を隠そう,私もどちらかっていうと体育が「嫌い」なほうでした. 朝日新聞の記事タイトルでもある, 「言えなかった『体育が嫌い』」 というのも,まさにその通りでして. 子供にとっては,なんだか「体育が嫌い」と表明することが憚れる雰囲気があるんですよね. それを言っては子供じゃないとか,男がすたる的な感じです. ポッドキャストのなかでも出演者が指摘しているのが, 「体育の授業では,とにかく教員の指示に従うことが優先されて,スポーツや運動の動作指導やコツの指導を受けた覚えがない.それで授業を展開していることになるのか?」 といった趣旨のことです. 持久走であれば,ただひたすら走らされ,サッカーであれば,ただひたすらサッカーをさせられ,運動会であれば,ただひたすらイベント開催に向けた集団行動のリハーサル. 自分の運動能力がどれほどのものか大々的に公表され,そして公開処刑される場. それが学校体育なのです. まぁ,たしかにそんなところがありますよね. 私が体育が嫌いだったのも,そういうところです. じゃあ,自分が教員の立場にな...

「あの大学」の記事がなぜか急上昇?

ここ数日,「結局,あの大学って高度なブラック大学として名を馳せているらしい」という記事のPVが増加中 ブログの統計情報によると,Twitterから参照されているみたいですね. これです. ■ 結局,あの大学って高度なブラック大学として名を馳せているらしい いったい,どこのどちら様ですか,この記事を紹介しているのは(笑) その記事の内容を要約すると, 大学評論家などから「◯◯大学の成功は約束されている!」などと絶賛されていた新設大学の教員として,実は私が採用の運びになっていたんだけど,あまりにも建学の精神がダメダメ過ぎたもんだから採用通知を蹴ってみたところ,やっぱり,高度なブラック大学として有名になっていましたよ っていう話です. その教員採用までの流れを,小説のボツシーンで掲載しています. ※ちなみに,その小説というのはこちら. ■ 大学の小説 小説内では,「あの大学」は『飛鳥大学』ということになっています. あ,もちろん飛鳥大学なんて大学はありません. 劇中に登場するものは全て仮名です. ただまあ,飛鳥大学っていうのは,分かる人には分かっちゃうだろうなぁとは思うけどね. さてさて,この機会にあらためて「飛鳥大学」の最近の様子をネットで調べてみたんです. やっぱり惨憺たる評判ですね. けど,飛鳥大学の学生さんや教員の皆さんが悪いわけじゃないですから. あえて言えば,経営陣がこの状況をどうにかするべきなんですけど. でもさ,私としてはそもそも「建学の理念」みたいなところがダメだったからなぁ. そこがダメだと自動的に全部ダメになる. すべての大学に必ずある「建学の精神」とか「建学の理念」っていうやつ,あれってとても大事ですよ. 分かるようで分からない,なんだかフワッとしてるやつとか一番危険. たいてい,新設大学の建学の理念てフワッとしてる. なぜかっていうと,古臭いカビの生えた理念を掲げるのが恥ずかしいって思っちゃう心理と,そんなものを今どき掲げてもパッとしないって考えてしまう浅はかさから発生するのです. 結果として,現代的と言えば聞こえはいいが,要するに「近視眼的かつ短期的なメッセージ」になっちゃうわけ. で,そういう理念と精神の上に立っているわけだから,つまりはそんな大学になっちゃうんですね. 完全に「学生募集用」として振り切ってるほうが,なんぼか救いがある. ため...

ブログやめてないですよ|先輩教員から後輩教員たちへの有益な助言

ご無沙汰になってしまいました. ほぼ1ヶ月くらいブログ更新してません. ウクライナ情勢がヤバそうだから核戦争対策をしてたわけでもないですし,北京五輪に熱中していたわけでもありません. たんに,書く気が薄かったんです. 例のネコも膝の上で寝てるし. ■ 最近ブログが書けないのは,だいたいネコのせいだ あとね,仕事が結構忙しいんです. ちょっと栽培計画とか作業が失敗しちゃって慌ただしくなって,それに確定申告が重なったりして. こっちもまだ不慣れなもんだから,特に夜の時間が削られる. 気楽なネタを書くことにします. 後輩から「猛烈に迷惑な大学教員をとっとと消したい」という相談がありました ぶっそうな話題ですが,実際,そんな状態にある大学・学部学科があるようです. 詳細を書いちゃうと大学や個人が特定されるのでやめときますが,とにかく, 「迷惑な大学教員がいるから,その人をなんとかしたい」 とのこと. いわゆる,「自分は仕事ができる」と思い込んでいるタイプの意識高い系バカの典型で,周囲の教職員・学生への迷惑を顧みず,ひたすら自己中心的に学内を引っ掻き回すことによって,誰も得しない状況を生み出しているんだそうです. 昨年までは,「そんな迷惑な教員がいるんですよ」っていう感じの笑い話程度だったんですが,いよいよ退っ引きならない状態になってきたらしい. この状態をなんとか改善したい,っていうか,この迷惑教員をさっさと消したい,っていうのが彼らの希望です. なんで私にそんな話が来たのか?っていうと,実はその「迷惑教員」というのは,かつて私が勤めていた大学の上司だからです. 当時から相当にヤバかったので,この後輩たちの訴えもよくわかるし,状況の想像も容易です. そんなわけで,この「迷惑教員」をよく知る私に, 「この教員を大学から消す方法を教えてほしい」 という相談があったわけですよ. ただね,私はかつてブログ記事で, ■ 厄介な教員は切り捨てても良いか? っていうのを書いて,「厄介な教員であっても簡単に切り捨ててはいけない」という話をしています. けど,これも程度の問題というのがあって,件の迷惑教員は,その程度を遥かに凌駕するほどのダメダメ教員であることは私がよく知っているんですが. そんな厄介な迷惑教員にどのように対応すればいいか? 実はこれも,かつてブログ記事にしたことがありました...

私が赴任していた大学が,今年の入試で撃沈していた件|責任者は責任をとってほしい

まさか,もしやとは思っていたけど・・・ 昨晩,その「中の人」とオンライン飲み会をしたんですけど,どうやら私が奉職していたことのある大学が,今年の入試戦線で早々に撃沈していたとのことです. 私がご縁のあった大学はいくつかありますが,どの大学も今年に関しては大丈夫そうでした. 今どき,どの大学もたいてい「入試情報」とかで受験者数や倍率などを公表しています. 先日の記事である, ■ 冷や汗ものの大学入試|ひとまず来年までは大丈夫 でも書きましたが,このコロナ禍にあって,むしろ関東に居た頃の大学の学部学科は,受験者数が増加していました. ですから,今年の大学入試の傾向としては,たしかに受験者数は減少しているものの,大学入試と来年度入学生に及ぼす影響は比較的小さいと考えられます. これは私が適当にしゃべってることではなくて,専門的に分析しているメディアさんも,そんなことを述べています. ■ 2021年度入試、私立大の志願者数は2年連続の減少、倍率低下が予想される (大学ジャーナルオンライン 2021.2.10) 国公立大学2次試験の出願は受付最終日の15時現在で前年の同時期と比べて4%減少しています。大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の出願者数も前年比96%ですので、最終的な2次試験出願者数は前年より4~5%の減少となりそうです。国公立大学全体で見ると学校推薦型選抜の募集人員が23人減少していますが、総合型選抜の募集人員は1643人も増加しています。その分、一般選抜の合格者数は減少するため、志願者数が減少しても倍率はそれほど変わらないものと思われます。 つまり,コロナ禍にあっても,中堅どころの大学以上であれば,コロナの影響はほぼ無いに等しいのです. ただ,今回話題としている(以前私が勤めていた)大学は,もともと経営方針がチャラかったので,嫌な予感はしていたんです. で,中の人に聞いてみたら,やっぱりダメだったらしい. その人,さっき紹介した, ■ 冷や汗ものの大学入試|ひとまず来年までは大丈夫 の記事も読んでくれたようなのですが, 「まるでうちの教授会に出席していたかのような内容だね」 とお褒め(?)の言葉を頂戴しました. 入試担当の先生や職員さんが, 「今年はコロナの影響を受け,どこも軒並み受験者数を減らしており・・・」 と述べていたようです. いや,そりゃどこ...

結局,あの大学って高度なブラック大学として名を馳せているらしい

「成功は約束されている!」と言われた新設大学の今 今から8年前,私が当時赴任していた大学を辞めて,どこかに移ることを考えていた時です. 手当り次第に教員公募に応募しまくっていたら,2つの大学で面接・模擬授業にこぎつけました. そのうちの一つが,これから新設するという大学の教員募集だったんです. 新設大学ということで,ちょっとヤバそうだなとは思ったものの,当時としては, 「もう大学教員という仕事に見切りをつけようかな・・・」 って考え始めていた時期だったので,とりあえず今いるクソみたいな大学とは別のところで仕事してみて,それからでも遅くないかなっていう感じでした. 私もまだ全然若かったし. まだ大学校舎はありませんから,面接はその学園が運営する短期大学で行いました. 会議室に通されたら,大学設置担当の職員と,新設大学の学部長予定という人と面接になりました. ところで,先般,大学の現状に関する小説を書きました. ■ 大学の小説 実は,この小説には7年前に書いていた原作版がありまして,そちらには今回のウェブ版ではカットされた,主人公の「転職活動」の場面があります. PDFで配布した原作版を持っている人だけしか知らないことですが,今回,そのシーンを以下にご紹介します. (実際のところ,記事投稿として新しく文章を打つより,コピペのほうが楽だと思ったからです) 私が経験した教員採用面接を, 当時覚えている限りでほぼ完全再現したもの ですので,いろいろと参考になると思います. やや長いですが,暇つぶしにどうぞ. なお,ウェブ版に合わせて,原作版から各種名称や設定などを修正しています. また,登場人物や組織名などはフィクションです. ちなみに,これをカットした理由は,小説の主題とちょっと外れてるかなって思ったし,関連するシーンを含めると冗長になるからです. 『どこへ出しても恥ずかしい』ウェブ版でカットされたシーン ******** 2012年6月16日 13時20分  梅雨の季節であるが、今日はカラリと晴れ渡っている。  橿原一如は飛鳥女子短期大学の最寄り駅に立っている。 「こういうのって、転職活動っていうのかな」  スマートフォンのグーグル・マップを使って、面接会場として指定された飛鳥女子短期大学を目指した。  バスが出ているそうだが、歩いて15分ほどだとパンフレットにはあったか...

危ない大学教員2020|コロナ禍でこそ目立つヤバい教員の特徴

あれから8年が経ったけど,チェックリストや指標はまだ有効なのか? もう8年になるんですね. このブログでは「危ない大学」だけでなく,そんな大学に数多く生息している「危ない大学教員」も紹介してきました. ■ こんな挙動の教員がいる大学は危ない より具体的なエピソードとしては,小説版で楽しむことも出来ます. ■ ブラック大学の日常を著した小説 ■ 大学の小説 こういう危ない大学教員のことを,我々は 「どこへ出しても恥ずかしい」 と言います. そんな,どこへ出しても恥ずかしい大学教員について,チェックリストを用意していましたが,それは2020年現在も有効なのでしょうか? 上記の小説に登場する教員(永山先生)のモデルとなった人は, 「あのチェックリストはまだまだ有効.っていうか,実際,今でも僕はあれを元に人物査定をしている」 って仰ってました. そのチェックリストとは,こちらです. (1) 就職斡旋が積極的 (2) やたら「実践!」「現場!」と叫んでる (3) 「コミュニケーション能力」をつけさせようとしている (4) オープンキャンパスによく出る (5) 高校訪問(営業)によく行く (6) バスを運転している (7) 学生寮の巡回に出ている (8) 1〜2年生の学生にウケが良い この中でも,「受動的な危ない教員」ではなく,「能動的な危ない教員」に該当するのは, 1番,2番,3番,8番です. それ以外にも,こんな記事も書きました. ■ 危ない大学に奉職してしまったとき「厄介な教員対策」 そこでのチェックリストはこちら. (1)無能なのに,やたらと競争心むき出しで周りにつっかかる (2)私は本学の中でもキレ者の教員だ,と思い込んでいる (3)大学運営について独自の理論を持っている (4)大学運営陣のスパイをやっている たんなる「嫌な奴リスト」じゃないかと思われるかもしれませんが,その通りだと思います. その他,それらしい記事はこちら. ■ こんな大学の教員は危ない part 1 ■ こんな大学の教員は危ない part 2 それらで紹介したチェックリストはこちらです. まずはPart 1のほう. (1)バスの運転を楽しんでしまっている (2)学内にカフェを作るってことで意気揚々としている (3)iPadだけで仕事をしようとしている (4)実践・現場こそが大事と言っている (5)...

ブラック大学の日常を著した小説

お待たせしました,小説をアップしています 先日, ■ 小説を執筆中|予想外に長引いている という記事を書きましたところ,知り合いからメールをもらったり,匿名でコメントをいただきました. 誠にありがとうございます. 大変長く作業がかかってしまいましたが,ようやくアップロード完了しましたので,ここにお知らせします. 以下のリンク先,または,ブログ内のページリストから「大学の小説」を選択してください. ■ 大学の小説 小説のタイトルは, 「どこへ出しても恥ずかしい」 です. どんな小説なのか? 私自身が経験した,ブラック大学直前の大学における1年間を著したものです. そのほとんどが,私の取材による「事実」を基にして書かれています. もちろん,何から何までそのままではありません. 複数の人物を一つにまとめたり,あるいは一人を複数の人物に分けたり. 時間を入れ替えたり,まとめたりといったことをしています. なので,まるっきり同じ出来事を知っているからといって, 「あっ,この事件はあの大学のアレだ」 「この人物はあの人だ」 などと触れ回らないでください. それ,たぶん,違います. この小説は以前,事実とまるっきり同じ内容で書いて,知り合いに配布したことがありました. 読者の多くは,この当該大学における教職員さんです. そのうちの一人は,あまりに事実に則していて,それでいて事件の裏事情を知ってしまったこともあって,当時そこで働いていた気分を思い出し,1日ほど寝込んでしまったと,笑って話してくれました. ブラック大学での勤務経験がある人は,取り扱い注意な小説です. ただ,できるだけコメディになるよう描いています. 世の中,笑いが大事だと思うんですよ. 大学教員を目指している人には,ぜひ御一読をオススメします このブログの読者には,「大学教員になりたい人」が結構多いんです. 今回の小説は,そんな人にぜひ読んでもらいたいですね. 現在の日本における,一般的な大学の日常を知ることができます. もしかすると,実はあなた自身が「どこへ出しても恥ずかしい」という教員なのかもしれないからです. そうでなくても,この「どこへ出しても恥ずかしい」教員は増加の一途をたどっています. 大学教...

小説を執筆中|予想外に長引いている

どうも.ブログ更新が滞っている今日このごろです. 実は,ここ2ヶ月ほど小説を執筆しています. 執筆というか,修正作業中です. 空き時間をそれに取られて,ブログを書く気分になれないのが原因です. かつて,このブログでは「大学教育」とか「ブラック大学」の問題を取り上げることが多かったんです. 最近はすっかり少なくなりましたが. そんな私が,時々ブログ内で触れている「最近の大学問題」について,小説仕立てにしてみようと思ったのがきっかけです. もともとこの作品は,2014年4月頃から,1ヶ月ほどの間に書いたものでした. 約25万字(A4用紙300ページくらい)で,結構な量です. ボリュームに対して,かなりのハイスピードで書き上げたんですね,と知り合いの人たちは言ってくれましたが,私としては, 「もう既に小説のネタである『事実』があるのだから,それをただ記述しただけ」 としか思っていません. 実際,作家先生のように考え込んで書いた覚えはなく,スラスラと事実をタレ流した文章群と言えます. そう,この作品は,いわゆる「事実に基づいています」という小説です. この小説,まさに, 「あ...ありのまま 今 起こった事を話すぜ!」 というもので,私の大学教員生活をそのまま書き起こしたものでした. 特に,私が経験してきた「危ない大学」と「危ない教員」の実態を紹介しながら,「大学教育とはなにか?」を考えるものになっています. 当時,この小説を読めたのは,10人ほどの知り合いです. その小説の舞台となった大学の教員・職員さんや,私の研究グループの仲間が読んでいます. で,最近になって,私も大学教員を辞めたし,いっそ,この小説を世に出してみてはどうかと,ある人から提案を受けたんです. 大学教員を目指している人や,大学生や高校生が読んだら,有益な示唆を得られるものだと言われました. じゃあ,そうしましょうということで,身内以外の人が読んでも分かってくれるような文章に修正してみようと思い,それに取り組んでいます. ところが,これが結構な重労働. やっぱり,「身内が読む用」として書いていたので,登場人物の名前や地名を変えてはいるものの...

大学における働き方改革への懸念

大学の働き方改革に不安を抱いている人がいる 大学教員や研究員の仕事は,一般的な業務内容とは異なる性質を持っています. その結果,いわゆる「働き方改革」の方針にそぐわない事態が発生するのです. それを端的に示すニュースがこちら. ■ “勤務ではない研究” 大学教員の働き方を考える (NHKニュース 2019.8.20) 「土日に職場に出てきても『自主的な研さん』であれば、休日出勤には該当しない。大学も教員もそういう意識でした。好きでやっているのですから」 休日出勤の賃金が払われない”勤務ではない研究”を続けてきたある大学教員のことばです。 しかし、いま、こうした働き方は違法だとして労働基準監督署から是正勧告を受ける大学が相次いでいます。 先日,ブログのデザインを一新しました. それに合わせて,各記事に「コメント欄」を設定したんです. すると,早速コメントをお寄せいただけるようになりました. で,そのなかの, ■ 新・大学改革論|大学改革が好きな人たち という記事において,大学における「働き方改革」に対し懸念を抱いている方からコメントを頂いています. その方曰く, 大学を取り巻く改革の中でも最悪、事業仕分け以上に有害なのが「働き方改革」だと思っています。 私たちは大学院時代から朝早くから夜遅くまで土日もなく研究に打ち込んできました。 大学改革で雑務が増えても、持ち前の勤勉さで何とか雑務と研究を両立していくことも出来ました。 しかし、働き方改革はその「勤勉さ」を真っ向から否定するものです。 一部の民間企業では残業をさせないために18時になったら強制的にPCをシャットダウンするとか、ドローンを飛ばして残業をしていないかどうか監視しているようですが、このようなものを大学に持ち込まれたら研究はどうなるのでしょうか? まして、大学改革に伴う膨大な雑務と研究をどうやって両立しろというのでしょうか? ご存知の通り,大学などの特殊で専門的な能力を必要とする職業においては, 「裁量労働制」 という労働方式がとられています. 裁量労働制についての説明は割愛しますが,ウィキペディアから引用すれば, 労働時間と成果・業績が必ずしも連動しない職種において適用され、あらかじめ労使間で定めた時間分を労働時間とみなして賃...

「こんなホームページの大学は危ない」の答え合わせ

2012年に書いた記事なので,もう7年前になります. ■ こんなホームページの大学は危ない 当時「危ない大学」と噂されていた(その後,実際に潰れた)大学のホームページに見られる共通項を,面白おかしく論じたものです. あれから7年. 現在の「危ない大学」たちのホームページを見てみると,ここで紹介されていたものを隠すようになっていることに気がつきます. そう・・・. 危ない大学にお勤めの皆様は,あの記事で論じたことをやっても逆効果であることを自覚されたようです. 自慢になってしまうかもしれませんが,こうした近年の大学ホームページの変化に,私の記事が貢献しているのかもしれません. なぜかって? 実はあの記事,当時はバズって何万PVもされていた記事なんです. 掲示板サイトでも取り上げられていて, 「自分とこの大学のホームページが,これに当てはまっているか確認しろ」 といった調子で拡散されていました. その後も閲覧数は伸ばしているので,結構な数の大学教員や職員に見てもらえたはずです. 民間企業・広告業界と同じ発想で,安直に「学生募集」と「大学の魅力」を訴えるホームページを作ってみたものの,それでは肝心要の, 「大学としての格調と権威」 を捨て去ることになり,むしろ学生募集や魅力アップにつながらないことを訴えました. 我ながら良い仕事をしたと思います. 当時,入試倍率の低下や定員割れという事態にバビった大学経営者が,付け焼き刃で作ったホームページの特徴が以下のようなものでした. 例の記事から以下に引用します. ◆構成 (1) やたら派手 (2) 非常に見やすい (3) 入試情報がたくさんある (4) 教員紹介がない(非常に簡略) ◆使用写真 (1) 写真が多い (2) 学生がジャンプしている写真がある (3) 学生の顔をアップで写した写真がある (4) 写真がやたらと(フラッシュなどで)動く ◆アピールポイント (1) 夢を叶える (2) 面倒見の良さ (3) 社会で役立つ知識 (4) 大学へのアクセス (5) オープンキャンパス情報満載 (6) 学内イベント(公開講座や発表会)の「事後報告」が多い (7) ローカルな行事開催や受賞について取り上げている (8) ...

文科省は大学をイジメる前にやるべき事があるだろ|日本の大学の特徴を再確認しよう

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地方私大が相次いで閉校している ・・というニュースです. 今回は,このニュースの解説を兼ねて 「今後の日本の大学改革」 の話をします. ■ 地方私大の閉校相次ぐ 自治体が誘致、計画の甘さ浮き彫りに…進む淘汰 (西日本新聞 2019.5.15)  少子化の影響もあり学生数が確保できず、閉校に追い込まれる私立大学が全国的に後を絶たない。1980年代から2000年代にかけ、多くの自治体が地域活性化を目的に盛んに大学を誘致したが、計画の甘さが浮き彫りとなり淘汰(とうた)が進みつつある。  来年度の学生募集停止を決めた保健医療経営大(福岡県みやま市)は当初、合併前の旧瀬高町が用地を無償譲渡し、開校する予定だった。当時の町長は660人の学生が集まると想定、学生アパート建設などで約16億円の経済効果を見込んでいたが、07年3月の合併に伴う市長選で無償譲渡に反対した候補が当選、貸与に変更した経緯がある。市議の一人は「開校前から学生が集まるか疑問だったが、その通りの結果になった」と話した。 大学数の推移ですが,2017年データでは国・公・私立あわせて780校です. 今から10年前,ちょうど私が大学教員になった頃に,現在の状況が完成しました. 文部科学省(2017年)のデータより作成 その頃から,「大学が多すぎる」「これからは大学が潰れる時代だ」などと表立って言われるようになりました. ただ,その後はサッカーJリーグのJ1・J2チーム入替のように,年に2〜3校追加される代わりに2〜3校潰れるという感じで,ずっと横ばいです. 今回の西日本新聞のニュースには,この10年間で廃校になった大学がまとめられています. 画像元: 地方私大の閉校相次ぐ 自治体が誘致、計画の甘さ浮き彫りに…進む淘汰 (西日本新聞 2019.5.15) 「地方私大閉校相次ぐ」とのニュースですが,実際にこのニュースを聞いた感想はいかがでしょうか? 実のところ,全然たいしたことないと思いませんか? 実際,そうなんです.だって, まだ大学数は「減少」していない んだから. 「毎年,大学が潰れている!」 って言われると,まるで年間10校くらいのペースで潰れているのかと思いきや,実際は2〜3校.多くても5校. ...

焼け石に水の「大学修学支援法」|この程度では大学崩壊を止められない

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大学修学支援法が成立 先般,「大学等における修学の支援に関する法律(大学修学支援法)」が参院本会議で可決し,成立しました. ■ 大学修学支援法が成立 2020年度から授業料減免制度 (教育新聞 2019年5月10日) 低所得者世帯の学生を中心に、大学、短期大学、高等専門学校、専門学校の授業料などを無償化する「大学等における修学の支援に関する法律」(大学修学支援法)が5月10日、参院本会議で可決、成立した。消費税率の10%引き上げ分を財源に、2020年度から高等教育の授業料減免制度の新設や給付型奨学金の拡充を実施する。 新設される授業料減免制度は、住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯の学生を対象に、授業料や入学金を減免する。 これに関連し,先日の記事では, 「大学は,2025年頃から受験者および学生数が激減する未来が待っている」 ということを解説し, その対策として学費を大幅に値下げする ための作戦を立てておかなければいけないという話をしました. ■ 大学関係者が知っておくべき,2025年頃に受験者数が激減する未来予想図 どうして2025年頃なのかというと,「2025年」,つまり あと5〜6年ほどすると,18歳以下の子供を持つ親の多くが, ロストジェネレーション世代.就職氷河期世代になるからです. | 生活が苦しいロストジェネレーション世代は我が子を大学に通わせるか? この世代は 格差問題 を抱えています.それに, 「賃金増加」が見込めない世帯,もともと世帯収入の少ない ところが多いのです. それに,彼らは「大学進学による旨味を経験していない世代」です. ■ 早大卒43歳でも“ヒラ社員”のまま…「7割が中年ヒラ」世代の衝撃 (SPA! 2018.11.27) この“失われた20年”は経済のマイナス成長もあった時代です。デフレで売り上げが低迷するため、組織は大きくならない。役職のポストは横ばいなので、そこに大量に採用されたヤル気のないバブル世代が居座り続けるんです。さらに内部留保が積み上がる一方で、ヒラ社員の賃金は下がるか停滞。 これにより,学費を払える世帯が減ります. たとえ払える見込みがあったとしても,払った学費分のリターンがあるかどうか熟慮する世代です. つまり,自分の子供に大学進学を躊躇しや...

2019年版:本当に危ない大学とはこういうところだ part 2

■ 2019年版:本当に危ない大学とはこういうところだ part 1 の続きです. 2018年問題を生き抜こうと必死の「危ない大学」は,ある一定の法則性を持つことになります. ■ 2018年問題 (wikipedia) 予想はしていたけど,やっぱりいよいよ今年から本当にヤバいという大学は,皆似たような特徴が現れます. 学生,教員,事務員,幹部,いろいろな立場がおありでしょうが,それぞれの立場でさまざまな目で御覧ください. 私はと言うと,この「危ない大学教育界」を諦め,大学教員をやめることにしたので,吹っ切れていろいろ語れる立場です. まだ諦めきれなかった時代の記事も合わせて読んでもらえたらと思います.本文末にリスト化してますので,そっちもどうぞ. まず,前回ご紹介したのは以下のようなものでした. (1)事実上,図書館がない (2)なんでもない理由で教員や職員のクビが飛ぶ (3)若手教員が「◯◯委員長」とか,果ては学科長とか教務部長をやっている (4)特定の政治家の名前を目にすることが多い (5)ホームページがやたら地味 (6)「私,この授業の専門じゃないんだけど」と堂々と言い訳する教員がいる 詳しくは前回記事をどうぞ. では,以下よりパート2です. (7)大学教員がバスを洗っている もはや,「教員がバスを運転している」とか「大型免許を取得しないと来年クビになる」なんてレベルを超越した大学です. それって施設課の仕事じゃね?っていう反論の余地はありません. この前,学会でお会いした先生が, 「僕,大学のバスを洗う担当なんですよ.勘弁してほしいですよ」 って言ってきたので,吹き出して笑ってしまいました. 以前は用務員のオッサンがやっていたそうなのですが,その人が,今は別の仕事もやらなきゃいけなくなって,バスの洗車くらい誰か他の人がやってくれ,ってことになったそうです. だったら施設課とか管理課とかがやりそうなものですが,過去記事でも述べたように,危ない大学ではこういった部署から切っていく傾向があります. 結果,若手教員でバスの運転もしているコイツがやればいい.ということになったんですね. 洗浄剤をホースの水で洗い流している時には,なんだかホッコリした気分になれるのです...