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大学教員になるための模擬授業対策

最近の大学教員の求人・公募には模擬授業があります


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JREC-INなどで大学教員の求人をみていると,5年くらい前から公募内容はこんな感じのものが急増してきました.

いわゆる【応募・選考・結果・通知・連絡先】のところに・・・,

書類審査のうえ面接及び模擬授業を行うことがあります(面接に伴う旅費等については応募者の負担となります)。

これがテンプレートのように貼られています.


上記の文章は,実際には以下のように読み替えましょう.
以下は,多くの大学サイドの本音です.

書類審査で2〜4名に絞ったら面接に呼び出します.
その面接では,教育経験や指導力を試す質問をします.
模擬授業を課すことになるので,そのつもりでいてください.
面接と模擬授業にかかる交通費は自己負担てことにしていますが,少しくらいは出してあげるかもね.

なぜ,
「模擬授業を行うことがあります
なのか?

どうして,
「模擬授業を行う」
と断言しないのか?



実際のところ面接試験では模擬授業をするんだけど,実はやらないかもしれないから応募してきてほしい,って思わせておいて模擬授業やります


このように長ったらしく書いた,複雑な理由によるものです.


この記事を検索して読んでいるような人は,胸に手を当てて考えてもらうと思い当たるフシがあるのではないでしょうか.

「模擬授業」というのは,大学教員を目指しているようなキャラ・人種にとっては,ハードルが高めに感じてしまうのです.

ですから,公募の選考方法に「模擬授業」があると,実はたくさんの人が二の足を踏みます.
特に,授業経験が浅い/無い人は相当に不安.


そんな事情は大学側も百も承知なので,できるだけ幅広く公募したい人事(ガチ公募)の場合,

「模擬授業を行う場合がある
などと妙なぼかしを入れて公募します.


「この求人には模擬授業があるぞ」ってことで諦めちゃうようなタイプの教員にも応募してきてほしい.
つまり,本人に模擬授業の自信がないだけで,比較的問題ないという人に期待したい.
っていう思惑があるんです.


それに・・・・,
けっこう著名な先生や,有名な先生,知り合いの先生が応募してきたら,

模擬授業 = その教員の授業のやり方を評価する

というスタイルでの求人だと,
「なんだか失礼な気がするから,あとでどうとでも言い訳がつく文言にしておきたい」
という微妙な理由もあったりで.


しかし,マジで授業や指導力に問題がある人を採用することは,昨今の大学事情からして不可能になってしまいました.

そんなわけで,特に若手教員(准教授以下の人事)では,とりあえず,
「まともな授業」
「今どきの授業」
ができるかどうか確認するのが現在の大学求人です.


もっと言えば,模擬授業を課さないにしても,面接試験の段階では,
「教育者としての資質」を問うものや,
「授業方法の工夫」といった視点での質問がたくさん出ます.


前置きが長くなりましたが,まとめれば,最近の大学教員の求人では
「教育者としての覚悟」と,
「今どきの大学で求められている授業方法の工夫」
について造詣がある人を採用するのです.




模擬授業ではこれに気をつけておけばOK


では,具体的な「模擬授業対策」を説明します.


※匿名ブログのいい加減な情報だと思われてしまうことは否めませんが,念の為申し添えておきます.
私は大学教員公募における模擬授業を2回経験しています.
2回とも合格しており,そのうちの一ヶ所は,後日,面接担当だった先生から「模擬授業が他の候補者より良かったから選んだ」と言ってくれました.
私へのリップ・サービスだった可能性もありますけど,いずれにせよ以下のような点に注意して模擬授業を展開しています.


模擬授業のねらい


大学の模擬授業では,「小・中・高等学校」の教員採用試験でやっているような模擬授業はやらなくて構いません.
つまり,
「実際の授業」
「学生に教えるようなスタイルでの授業」
はやらなくて良い場合が多いです.

「場合が多いです」というのも微妙な言い回しですが,こればっかりは先方さんの指示に従いましょう.

大学によってはもしかすると,模擬授業の指示書として,

「実際の授業と同じように展開してください.出席確認や,グループワークなどは行わず,◯◯(課題)についての講義形式の授業を,学生がいることを想定しておこないます.なお,当日は面接担当者のみで,モデル学生等は用意しておりません」

といったものがあるかもしれません.
その場合はそのようにする必要があります.


一般的には,以下の指示やスタイルの模擬授業が多いです.

(1)時間:15分〜40分
(2)授業方法:講義形式でのパワーポイントおよび黒板(ホワイトボード)使用
(3)対象者:教員および職員
(4)課題授業:着任時に担当することになる授業
(5)講義内容:初回の授業,課題授業の第1週(オリエンテーション,ガイダンス)を想定


随分ざっくりとした内容だと思われるかもしれませんが,これくらいじゃないと「大学の授業」の模擬授業はできないんです.

評価者側として模擬授業で何を見たいのかというと以下のものです.

(1)学生への向き合い方(ハラスメント気質,対人エチケット)
(2)短時間で当該授業の要点を魅力的に説明できるか(プレゼン能力)
(3)授業の工夫(私語対策,魅力づくり)

これらを確認したいがために模擬授業をやらせています.

逆に言えば,それに対応した模擬授業を展開できれば,本命候補者を逆転できる可能性もあります.


模擬授業は自己アピールの場


学生を想定した模擬授業だからと言って,本当にその通りにやる必要はありません.
(もちろん,学生がいることを前提とした授業をやれと念押しされた指示がある場合は,その限りではありませんが)

たいてい,着任した時に担当する授業をやらされるはずですので,あなたの専門領域の授業のはずです.

授業内容とからめながら,自己アピールを自慢話にならない程度に行ないます.


面接では,面接官からの質問に対する受け答えがメインになりますが,模擬授業ではこちらから一方的にアピールができます.
むしろ,そういう場なのです.



短い時間内に完結させる


本来なら90分〜100分が大学の授業ですが,模擬授業だからといってその時間配分に対応させる必要はありません.
おそらく90分間丸々やらせることもありませんし.

その多くが15分〜40分くらいです.

大学側から模擬授業の時間設定に関する理由や指示がないのであれば,こちらから言っておきましょう.

開始前にあらかじめ,
「本来なら90分の授業なのですが,ここではその冒頭をやります(途中/終わり方でもいい)」
などと,状況設定を伝えます.

こうすることで,受け手側どういう授業状況なのか分かりますので,素直に聞いてくれます.
当たり前といえば当たり前ですが,大事なことなので留意しておいてください.

そのなかで,「自己アピール」の授業をしてください.

やりやすいのは,「授業の冒頭」という設定にして,
「到達目標」
「この領域の魅力」
「授業内容がどのように役立つか」
を話すという展開します.

間違っても,
「出席確認」
だとか,
「成績評価の配分」
といった無意味に時間を食うことはしないでください.

たしかに,こういう地味なところは小中高の学校教師の採用試験では大事です.
「出席確認の際の声掛けがきちんとできるか」が問われます.

しかし,大学教員用の模擬授業はそうではありません.
そんなところをどれだけ丁寧に奇抜に紹介しても,評価にはつながらないので,
「まともな授業」
を見せることが大切です.




質問や声掛けに要注意


授業なのですから,教員側から生徒への質問やコミュニケーションがあります.

それを模擬授業でもやっていいか?

が気になる人もいるでしょう.
実際のところ,それをやっても大丈夫です.

しかし,質問されることを嫌う面接官もいるので注意しておいてください.
ましてや,面接官の反応が悪いからって,
「ほら,授業では質問にきちんと答えましょう」
などと張り切って学生(面接官)を問い詰めるのは厳禁です.

こういう圧迫型の授業はNG.

別の大学の知り合いの先生から聞いたのですが,
この手の「勘違いした熱意のある」模擬授業をする人がいたようで,その人は採用第一候補だったけど,そこで除外したそうです.

やっぱり
模擬授業とは言え,大学教員の方々を前にして展開しているのに,学生と同じような「上から目線の接し方」をやれてしまえるキャラクターの人物は避ける
ということだそうです.

なんだか理不尽に感じられるかもしれませんが,そういうものです.

それに,もともとこういう圧迫型の授業は本当にダメです.
学生とトラブルを起こす教員であることは間違いないので,必ず避けられます.

他にも,話のネタになると思ってやりがちな,
「出身地を聞く」
「人種の話をする」
「体型・容姿の話をする」
「成績の話をする」
「個人を特定できる話題をする」
といったものもアウトです.

最近の大学の先生たちは,この手のエチケットに敏感です.
実際に大学現場ではトラブルを生んでいるので,やめましょう.

既に高齢の教員であれば諦めてくれますが,これから採用しようという若手教員は厳しくチェックされるので注意してください.



授業を工夫していることをアピールする


大学教員になるための業績書の作成方法

の記事でも紹介しましたが,昨今の大学では,
「工夫された授業を展開する」
ことが必須になっています.


「大学の授業って,適当な感じでいいんでしょ?」
って思っているようでしたら,これからの大学では採用されませんので注意してください.
そういうつもりで業績書づくりや模擬授業をやる人が,結構います.
最近の大学はこの部分をきちんと見てくるので対策しておいてください.


では,授業の工夫とはなにか?


仰々しく構える必要はありません.
おさえるべきポイントは3つです.

(1)居眠りできない授業(学生の作業量が多い)
(2)SNSやゲームができない授業(教員を注視する必要がある)
(3)私語ができない授業(講義環境のコントロール)

どうすればいいのか? につては,領域や授業内容,教員のキャラクターやスキルによって全く違ってきますので,具体例を示すことは難しいです.

しかし,これを言い換えれば,

「パワポのスライドを映写しながら,立て板に水のごとくしゃべる授業」

を模擬授業でも展開すると,マイナスにはなっても,プラス評価は受けません.
他の候補者が,もっと魅力的な授業を展開するとそっちにとられます.


実際のところ,
「パワポのスライドを映写しながら,立て板に水のごとくしゃべる授業」
は,現在のほとんどの大学教員がやっています.

しかしこれだと,
(1)居眠りできる授業(学生が作業しなくていい)
(2)SNSやゲームができる授業(教員を気にしなくていい)
(3)私語ができる授業(講義環境が野放し)
であることをアピールしているようなものです.

「工夫」とは,トークが上手くなるとか,奇抜なスライドを映写するといったものではないのです.

あなたが展開する授業の「構造」にオリジナリティを出し,学生の学習意欲を惹起させるものにするのです.

言うは易く行うは難しですが,そこに全力を出します.



現代の大学における「授業方法の工夫」を知りたい人はこちらを参考にしてください.
   


業績書づくりだけのために購入するのがもったいないと思う人は,これら関連書の「目次」だけでもザザッと見渡して記憶しておいてください.

自分の授業だったらどんなことができるか対策するのです.


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