投稿

4月, 2019の投稿を表示しています

注目の投稿

大学生が「%」を分からなくても絶望する必要はありません

イメージ
ネットニュースにこういうのがありました. ■ 大学生が「%」を分からない日本の絶望的な現実|日本の数学教育には致命的欠陥がある (東洋経済オンライン 2019.4.25) 記事の執筆者は芳沢光雄氏. この記事は,氏が著したの 『「%」が分からない大学生 日本の数学教育の致命的欠陥』 の内容を紹介するものにもなっているようです. 現在,Amazon「算数・数学」部門でベストセラーになっています. ただ,上記のリンク先に示した芳沢氏の記事の書き方と主張にデジャヴを覚え,自分のブログ内を検索してみましたんです. そしたら,やっぱりありました. ■ 数学が苦手な者の意見として あらかじめ言っておくと,やや批判的です. この過去記事は2010年に書いたものですので,今から約9年前.ブログを開設して間もない頃ですね. 芳沢氏が書いた 『算数・数学が得意になる本』 を読んでのレビューとなっています. 今回の記事でも書きたいことは同様なものなので,その記事から引用しつつ話していきます. 違う意味で有意義な本でした. 読み進めていっても,とにかく著者の説明に対し 「???」 な部分が多く,「もうちょっと別の言い方があるだろうに」 と,差し出がましくも適切とは思えない論旨に腹も立ってくるほど. んで,特に難解だったのが 「分数の割り算」 を説明した部分.本の帯にも紹介されているほど,この本の目玉となる部分なんでしょうが,とにかくチンプンカンプン. 「ゆえに」とか「このことから」などと,著者としては丁寧に解きほぐしているようなのですが,数学が出来ない私としては「だからなんで『ゆえに』とか『このことから』になるんだ?」と頭を悩ましてしまうわけで. 芳沢氏のやってきたことや考え方を批判したいわけではありません. でも,私が言いたいのは,氏が上記の記事中でも述べている, 「数学が苦手な生徒は,分からないところが分からない.それを理解しなければいけない」 ということは,そっくりそのまま氏にも言いたいいのです. 芳沢氏自身,数学が苦手な人が,なぜ苦手なのかを分かっていないと思います. (すみません,別に氏を人格否定したいわけではありません.建設的な話にしたいのです.どうかご了承ください) 過去記事で,そ

和田先生が「真の教員働き方改革実現に向けて」をアゴラに寄稿しました

イメージ
このブログでも何度かご紹介している,和田慎市先生がアゴラに記事を寄稿しました。 ■ 真の教員働き方改革実現に向けて |和田 慎市 (アゴラ 2019.4.28) 和田先生とはこのブログを通じて6年前(2013年)に知り合い,以来,オフラインでも情報交換をさせてもらっている方です. ■ 実際の学校教育現場:実録高校生事件ファイル 昨年には,教員志望の私のゼミ生と一緒に懇親会を開きましたし,それ以前も毎年,東京都の高校教員を交えた「教育対談(という飲み会)」を開催してきました. その時の様子はこちらをどうぞ. ■ 学校教育対談 ■ 学校教育対談(2回目) ■ 学校教育対談(3回目) ■ 学校教育対談(4回目) ■ 学校教育対談(5回目) 和田先生はこれまでにも,様々な講演会の講師やネット記事に寄稿されています.例えば, ■ 「ズボン脱がされてもイジメじゃない」それってどうなの? (iRONNA 2018.5.3) ブログも開設されていて,そこでほぼ毎日更新されています. ■ わだしんの独り言 気になる方は,ぜひ御一読ください. 今回のアゴラの記事は, 真の教員働き方改革実現に向けて  です. ご案内の方も多いかと思いますが,学校教員の仕事時間が過労死ライン(1ヶ月あたり80時間)を大幅に超過していることが常習化しているため,国(中央教育審議会)は「働き方改革」として, 残業時間の上限を原則「月45時間、年360時間」以内 とする方針を打ち出しました. これにより,教員の残業時間が減ることを期待しているようですが. 結論から言えば,それは無理です. ということを和田先生が寄稿されています. どうしてダメなのか? 和田先生の記事から引用します. 実は教師の仕事はどこまでやっても明確な終わりがないのです。クラスの児童生徒のために学級新聞を作成したり、発達障碍児のために独自の指導法を考えたりと、頼まれなくても自主的に取り組む仕事が多いからです。 従って現状のままタイムカードを導入しても、チェック後も残業することになるでしょうし、残業手当が無支給のままでは管理職や教委が実退室時間をチェックするとは限りません。 常葉大の調査によれば、静

卒論・ゼミ論で統計学的有意差が出なくて困っている時に読むブログ記事

イメージ
    卒論やゼミ論で,先生から「統計処理にかけて有意差があるかどうか確かめてこい」と言われ, いろいろ勉強して,なんとか「統計処理」がどういうものか分かってきた. ・・・という人に向けて書いています. ところが,なんとなく統計処理をしてみたところ, 「◯群と△群との間には有意な差がある」 と言いたかったのに,「p=0.0824」とかいう微妙な数字がでてきてガッカリしている人もいるのではないでしょうか. そんな時は,以下のことを確認してください. その他, ■ 統計学の記事 ■ 統計記事のエクセルのファイル も合わせて読むことをオススメします. 統計処理そのものが意味不明という人はこちらをどうぞ. ■ アンケートだけで卒論・修論を乗り切るためのエクセルt検定 (1)対応のあるデータに, 対応のないt検定を使っている 統計処理ソフトを使って分析をしている人であれば,既にこのあたりのことは考慮しているかもしれませんが,エクセルなどで簡便にやっている場合は注意が必要です. 例えば以下のようなデータ. 左側のAさん〜Eさんの測定値を調べたものは,同じ人から得られた「前回」と「今回」のデータを比較したものなので,「対応のあるデータ」と呼びます. 一方,右側のFさん〜Jさんの「Aグループ」と,Kさん〜Oさんの「Bグループ」の測定値を比較したものは,AとBで異なる集団から得られたデータなので,「対応のないデータ」と呼びます. 分かりやすくするため,上記の例データでは,比較するそれぞれの測定を同じ数値にしました. 統計処理のルールとして,対応のあるデータには「対応のあるt検定」,対応のないデータには「対応のないt検定」を行わなければなりません. すると,上記の例データのように,まったく同じ数値であっても,p値は違ってきます. 左の対応のあるデータでは,「p = 0.041」で有意差ありとなっているのに対し, 右の対応のないデータでは,「p = 0.260」で有意差なしです. ところが,時々学生に見られるのが, 「対応のあるデータなのに,対応のないt検定をかけている」 というものです. うっかりしていて,それで損をしている場合もあるかもしれません. 例えば以下のように・・・, t検定の

大学教員になるための模擬授業対策

最近の大学教員の求人・公募には模擬授業があります その他の関連記事はこちら ■ 大学教員になる準備 ■ JREC-INの賢い使い方|大学教員を目指している人へ ■ 大学教員になるための履歴書作成方法 ■ 大学教員になるための業績書の作成方法 記事をまとめたページもあります. ■ 大学教員になるためのページ JREC-IN などで大学教員の求人をみていると,5年くらい前から公募内容はこんな感じのものが急増してきました. いわゆる【応募・選考・結果・通知・連絡先】のところに・・・, 書類審査のうえ面接及び模擬授業を行うことがあります(面接に伴う旅費等については応募者の負担となります)。 これがテンプレートのように貼られています. 上記の文章は,実際には以下のように読み替えましょう. 以下は,多くの大学サイドの本音です. 書類審査で2〜4名に絞ったら面接に呼び出します. その面接では,教育経験や指導力を試す質問をします. 模擬授業を課すことになるので,そのつもりでいてください. 面接と模擬授業にかかる交通費は自己負担てことにしていますが,少しくらいは出してあげるかもね. なぜ, 「模擬授業を行う ことがあります 」 なのか? どうして, 「模擬授業を行う」 と断言しないのか? 実際のところ面接試験では模擬授業をするんだけど,実はやらないかもしれないから応募してきてほしい,って思わせておいて模擬授業やります このように長ったらしく書いた,複雑な理由によるものです. この記事を検索して読んでいるような人は,胸に手を当てて考えてもらうと思い当たるフシがあるのではないでしょうか. 「模擬授業」というのは,大学教員を目指しているようなキャラ・人種にとっては,ハードルが高めに感じてしまうのです. ですから,公募の選考方法に「模擬授業」があると,実はたくさんの人が二の足を踏みます. 特に,授業経験が浅い/無い人は相当に不安. そんな事情は大学側も百も承知なので, できるだけ幅広く公募したい人事(ガチ公募) の場合, 「模擬授業を行う 場合がある 」 などと妙なぼかしを入れて公募します. 「この求人には模擬授業があるぞ」ってことで諦めちゃうようなタイプの教員にも応募してき

大学教員になるための業績書の作成方法

イメージ
教育・研究業績書の作成方法を具体的に伝授します 「教育と研究に関する業績書を出してくれ」と言われても,一度も書いたことがない人はどうすればいいか悩むものです. しかも,こういった書類の作成方法を相談できる人はなかなかいません. ネットで調べてみても,実際に作成したことがない人のものばかりですから,肝心なポイントを外している,いい加減な情報ばかりですよね. そこで今回は,教育研究業績書としてきちんとしたものを書くための手引をご紹介します. その他の大学教員になるシリーズはこちらをどうぞ↓ ■ 大学教員になる方法(強化版) ■ 大学教員になる準備 ■ JREC-INの賢い使い方|大学教員を目指している人へ 「大学教員になるシリーズ」をまとめたページもあります↓ ■ 大学教員になるためのページ 一般的な教育研究業績書とは? 前回の記事である, ■ 大学教員になるための履歴書作成方法 にも書いたように,大学が要求する応募種類は大きく2つのタイプがあります. (1)各大学が 指示するフォーマットに書かせる (2)自由なフォーマット 最近は(1)が増えてきてはいますが,書き方を完全に指示するところは少ないですし,特の今回のような教育・研究に関する業績書は自由度が高くなります. なぜかというと,教育や研究についての「業績」をどのようにアピールするのかは,個々人に価値観に大きく差が出やすいからです. 正確性が重要視される履歴書とは違い,ここはかなりフリーダムと言えますが,実はそんな自由に見える「業績書」にもおさえておくべきポイントがたくさんあります. フォーマット(書式)それ自体はどうする? 「各自,フォーマット自由に作成して業績書にしてくれ」 と指示を出していても,完全に自由にされては困るのが大学教員用の業績書です. 業績書に必要とされる情報が,「大学界の常識」として存在します. それを外すとアウトです. 最初からそういう指示を出してくれれば初心者も安心なのですが, 大学教員の採用にあたっては例外的なものがたくさん出てきやすいこともあって, 細かいことを指摘し始めるとキリがありません. 何かと面倒なので

大学教員になるための履歴書作成方法

イメージ
履歴書の作成方法を具体的に伝授します 大学教員になるシリーズの今回は,「履歴書作成方法」です. 「具体的に伝授します!」とは言ったものの,実のところ特別なポイントはありません. ですが,大学教員になろうと考える人のなかには教育業界向けの履歴書作成に不慣れな人もいるでしょうから,基本的なところからご紹介します. その他の大学教員になるシリーズはこちらをどうぞ↓ ■ 大学教員になる方法(強化版) ■ 大学教員になる準備 ■ JREC-INの賢い使い方|大学教員を目指している人へ ■ 大学教員になるための業績書の作成方法 「大学教員になるシリーズ」をまとめたページもあります↓ ■ 大学教員になるためのページ 一般的な履歴書とは,こういう奴 です 大学教員の求人(公募)への応募で求められる「履歴書」のフォーマット(書式)は決まっていません. 「決まっていない」というのが困るところでもあります. ただ,多くの場合は「本学が指定するフォーマットで出せ」というパターンです. 求人サイトであるJREC-INなどで公開されていますので,そちらをダウンロードして使用しましょう. たいてい,エクセルかワードのファイルで用意されています. そして,「本学が指定するフォーマットで出せ」の場合は,そのフォーマットの一部に, 「◯◯大学教員個人調書」 とか, 「 様式A-2」 などと入力(印字)されているので, どこかの大学で使った履歴書を他の大学でも使うというのは厳禁です. そんな不注意なことをする人はいないと思いますが,念の為. さて,そんな各大学でフォーマットが決まっていない履歴書ですが,たいてい似通っています. そのほとんどが, 文部科学省が用意している「大学教員用個人調書」のフォーマット に似せて,あとは各大学の独自性のあるスタイルにしているのです. 大学によっては,文部科学省の様式をそのまま採用しているところもありますし, 「文部科学省のフォーマットをダウンロードして使え」 と指示をしている大学もあります. 実際に文科省のHPで手に入れたい場合は,こちらをどうぞ. ■ 申請・届出書類作成の手引、記入様式など (文部科学省) (グーグルなどで「大学 文部科学省 個人調書」と