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繰り返し数(N数)が異なる群を,Excelを使ってTukey法で多重比較する
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長いタイトルになり,長い月日が経過しましたが,そういうことをしてみたいと思います.
いわゆるTukey-Kramer(テューキー・クレーマー)法というやつです.
以下の記事を読んでも不安がある場合や,元の作業ファイルで確認したい場合は,
このリンク先→「統計記事のエクセルのファイル」から,
「繰り返し数が異なる群のTukey法による多重比較」
のエクセルファイルをダウンロードしてご確認ください.
繰り返し数(N数)が同じ群でのTukey法による多重比較は,3ヶ月前に書いた
■ExcelでTukey法による多重比較
をご覧ください.
というか,その続きとして書きますので,以下のエクセルの作業状況を写した画像を見て意味不明な人は,先に上記の記事を読むことを強くオススメします.
上記の画像は,
F12の【35.24】という値よりも,C12~17に示した値が大きれば,そこの組み合わせに有意性が認められる,ということを示したものです.
具体的には,A群とC群,C群とD群に有意性が認められています.
では,以下のような繰り返し数が異なるデータであれば,どのような計算をするのでしょうか?
以前のデータと違い,A群は5群,B群とC群は6群,D群は4群です.
以前紹介したTukey法ですと,全ての計算式を 【N数は5】 ということで統一していますので,今回のようにN数が異なる場合には採用できません.
以前のKramer法で用いる5%水準は,【スチューデント化された範囲の表】における,
※以下,その「表」.クリックしたら大きなサイズで見れます.
群数: 4
ν(データ数): 5
である,「 5.22 」を採用していましたが,今回のTukey-Kramer法では「ν」を,
総データ数 - 群数
の数値で読みとります.
今回の例題ですと,
21 - 4群 = 17
ですので,
群数: 4
ν: 17
である「4.02」を採用します.
以下がそのエクセルの画像です.
あと,C13~C18までの各群の組み合わせについては,以前と同様,平均値の引き算をABS関数で絶対値にしています.
で,この各群間の「平均値の差」を検定する「統計量」の計算式ですが,各群のN数が異なるので前回のような式では算出できません.
なので,組み合わせ毎に式の中でN数の違いを考慮したものを使います.
エクセルに入力するものとしては,
=4.02(表の値) × SQRT(分散の平均値 × (1÷i群のN数 + 1÷j群のN数))
です.
「i群」とか「j群」っていうのは,比較しようとしている2群のことを表しています.
順に,その式と入力済み画像を出していきます.
A群とB群
=F12*SQRT(G10*(1/5+1/6))
A群が5,B群は6だから,それに対応していることが分かるかと思います.
次はA群とC群
=F12*SQRT(G10*(1/5+1/6))
ここは条件は一緒だから,算出された値は変わりません.
A群とD群
=F12*SQRT(G10*(1/5+1/4))
ここはD群のN数が4なので,そのようになっています.
B群とC群
=F12*SQRT(G10*(1/6+1/6))
どちらもN数は6です.
B群とD群
=F12*SQRT(G10*(1/6+1/4))
こんな感じです.
最後にC群とD群
=F12*SQRT(G10*(1/6+1/4))
これらの値と,先に計算した「平均値の差」とを比べてみましょう.
これらの値よりも,「平均値の差」の方が大きければ,その組み合わせに有意性が認められるということです.
有意性が認められる組み合わせを赤字にしてみました.
さて,
例によって,Tukey法の算出方法はもう一つのあります.
多くは語りません.以下のようになります.
=C13/SQRT(G10*(1/5+1/6))
以降,先に紹介した計算式と同様です.
念のため,どのような計算をしているか書いておくと,
= ( i群平均値 - j群平均値 ) ÷ SQRT(分散の平均値 × (1÷i群のN数 + 1÷j群のN数))
この式で算出された値が,「スチューデント化された範囲の表」から取り出した【4.02】よりも大きければ,その組み合わせが有意であるということです.
式のカタチが違うだけで,算出しようとしていることは違いませんので,当たり前ですが結果は変わりません.
そんなわけで,以上です.
参考になるかもしれない関連記事を以下に示しておきます.
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■ノンパラメトリック版Tukey法による多重比較「Steel-Dwass法」
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■スチューデント化された範囲の表の補間
※統計的有意にこだわらないのであれば,
■効果量(SE:effect size)をエクセルで算出する
がオススメです.
手計算で算出するのが面倒な人は,思い切ってエクセル統計の購入をオススメします.
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