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ようやく「足」を運んで取材した情報が出てきたようです

とても腑に落ちる情報を提供しているジャーナリストの人がいましたので,皆さんに共有です.

【緊急配信】小泉進次郎大臣の備蓄米放出の裏でとんでもない事実が発覚しました(須田慎一郎の虎ノ門ニュース)(YouTube 2025.6.7)



先般,今の日本に米価高騰の原因をまじめにエフォート高く取材している人がいない...,という記事を書いたところでした.

どいつもこいつも,どれもこれも,適当な情報を適当に流しやがって,と不満だったのです.
ちゃんと流通現場に足を運んで取材した形跡がなく,どっかの専門家から聴いたとか,チャットGTPかなにかで調べただけなんじゃないかと疑いたくなる情報しか見当たりません.

そしたら昨日,上述したYouTube記事を発見.
覗いてみたのですけど,なかなか詳しく取材されていて,どうやらデータ解釈も丁寧にされているようです.

私が身を置いている農業現場からしても,かなり腑に落ちる内容となっております.


詳細は動画をご覧いただくとして,動画内で紹介されていることをまとめると以下のようになります.

今回の米価格の高騰は,2020年の新型コロナウイルスにおける飲食店の営業自粛に端を発する.
営業自粛により,卸業者に極度の米余り状態が発生し,流通でダブついた.
当然のように米価格は暴落し,これにより生産者は2021年から主食米の栽培をやめて,補助金の出る飼料米に切り替えた.
その結果,2022年収穫米から米不足が始まった.
翌年2023年は,猛暑などの気候の影響を受け,主食用として流通する米の量がさらに減少.
2024年,そうした状況下で南海トラフ地震臨時情報が発表されたことで米の買いだめ行為が発生し,小売店から米が消える状態が恒常的に発生.
その後は,卸業者から小売店に流れる米が不安定になり,米価高騰に拍車がかかった.

ということのようです.

取材した須田慎一郎氏は,これら一連の結果を招いた責任は農水省と農水族議員にあると断じています.
なぜなら,農水相は2019年以降の米流通の動向を把握していたはずであるし,しかもその間には,小売店や卸から農水省や農水族議員に対し,米不足と危機についての陳情などが入っていたそうです
にも関わらず,これらを無視したと言われても仕方がないことをしてきたとのこと.

これら須田氏が発表した情報の真偽は,その他のジャーナリストや報道機関などによって徐々に精査されていくかと思います.
なので,現時点では確定的なことは言えませんが,私は肌感としてもこれらの情報は納得できるものが多いです.


一言で言えば,少なくとも今回の米価高騰に「犯人」などいなかったのです.


私は今回の騒動で,これが最も納得できないことでした.
つまり,この米価高騰に暗躍する「犯人」がどこかにいるんじゃないか? という態度で挑む報道やコメントに溢れていたことです.

農業現場に身を置いている者としては,もし仮に「犯人」がいるとして考えてみても,その目星がまったくつかなかったんです.

なのに世間では,まず「米農家」を怪しみ,次に「JA」に疑いをかけ,そして今は「卸業者」を叩いている.
どこかで誰かが暴利を貪り,悪事を企んでいるのだという姿勢で見ているようでした.


須田氏が提供したデータから解釈できるのは,シンプルに「米が不足」していたことと,その原因とは,コロナ禍と天候とトリガー(南海トラフ地震)だったということ.
そして,これらに対処できた唯一の存在は農水省であり,そこを牛耳っている族議員なのだから,彼らに責任があるというのが須田氏の論ですが,これについてはまだ材料不足なのでひとまず置いときます.

私としては,米の流通販売は完全に「自由化」しているのですから,今回の事態は甘んじて受け入れるしかないと思っています.

だって,おかしいじゃないですか.
かつて,JAがすべての米を管理していた時に,「米の流通を自由化しろ」ってことで今の体制になったのです.
この自由化された米流通のなかで,農家とJAと卸業者がそれぞれ自由に動いてきて,その結果ずっと米価は安くなっていた.
そして昨年から高騰を始めた.
ただそれだけのこと.
これまでずっと安く買えていたんだから,そのツケがまわってきただけなんです.

ようやく価格が高くなったのに,今度は安くするために介入しろっていうの,理不尽極まりないでしょ.

もう何度もこのブログでは繰り返していることですが,米の流通は完全自由化されているんだから,フェアに米価を下げる方法はただひとつ,「米を買わない」ことです.
それしかありません.


そう言えば,「減反政策が諸悪の根源」のような言われ方をしていますが,私はこれについても異論を唱えたいのですが.
いかんせん複雑だから,また別の記事にします.
とはいえ,一言で言えば「減反政策はソフトランディングの政策であって,じゃあ代わりに減反指示を出さずに放置してたらどうなっていたかというと,補助金が出ないんだから米農家が自然と倒産・離農していって,結局は減反になっていた(同じことだった)はずですけどね」ってことです.
むしろ,どこかのタイミング(2000年代あたり)で雪崩を打って離農する米農家が出てきて,令和の米騒動なんかより遥かに大混乱に陥っていた可能性だってある.


おまけ
今回のYouTube動画は,それだけでも非常に参考になるのですが,合わせてこちらの情報もご覧になると,米価高騰問題への解像度が上がると思います.
オススメです.

これらを見てもらえば,農業や米流通の現場にいる人たちからすれば,まさに「犯人」などいないことが類推できると思います.


1つ目は,JAに米農家ユーチューバーが取材したものです.
■JAは本当に悪なのか? JA全農とっとり 県本部長と徳本修一がガチ議論


2つ目は,大規模米農家のトーク番組です.
前後半あるうちの前半部ですが,これだけでもだいぶ参考なるはずです.
■【スーパー米農家が語る、コメ高騰の真相】メディアが騒ぎすぎ/縁故米の激増/異常高温とイネカメムシ/引退増加/備蓄米で価格は下がる?/米騒動から米暴動へ/農地解放からの解放/農地集約一点突破/相続の課題

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