投稿

10月, 2020の投稿を表示しています

注目の投稿

「断絶への航海」に見る,新しいライフスタイルの模索

イメージ
必要なことを必要なときに必要なだけの人生・生活 昨日の記事に関連して,ライフスタイルに関するお話をしてみます. その話の下敷きになるのが, ジェームズ・P・ホーガン 著『断絶への航海』 というSF小説です. 以前も, ■ 田舎暮らしを始めた私による,「田舎暮らし」について で触れた話題ですが, 「結局のところ,人間というのは住みやすいところに住めばいいと思っています」 というのが結論. ただ,そのライフスタイルを徹底できないのが,現代人の悲しいところなんです. なぜかというと,それは現代人の多くが,自分の周囲の人間が期待,憧れ,羨ましがるステータスを獲得し,それを維持し続けることに「人間としての存在価値」を感じる文化と思想を持っているからです. それを捨ててしまいましょう. そうすれば,心の平穏を得られ,涅槃寂静の境地へと至ります. 「真・断捨離」です. それはあたかも仏教の教えや,イエス・キリストの言葉のようではありますが,実際,そのとおりだと思うし. ホーガンの『断絶への航海』は,これを人類レベルでSFにしてみた小説なのです. 『断絶への航海』は以下のような話です. ※その後,この名作小説の設定をオマージュしたメディア作品が多々出ていますので,既視感が強いと思われます. 1990年代以降,地球の人類には争いが絶えず,核戦争による滅亡の危機に瀕していました. そんな中でも宇宙開発テクノロジーは発展を続け,ついに惑星間航行技術と,ロボットによる自動繁殖技術が完成します. 時は2020年. 人類滅亡の危険性が高まるなか,人類は「自分たちの種の保存」を目的として,地球型惑星を自動探査する宇宙船を用意し,そのなかに人類の遺伝情報と,それを繁殖させ,教育するロボットを搭載して送り出します. そして20年後の2040年. アルファ・ケンタウリ付近まで到達した宇宙船は,そこにあった惑星「ケイロン」に到着し,そこで人類を繁殖させることに成功したと知らせてきました. まだ勢力争いを展開していた地球の人類は,惑星ケイロンを掌握すれば,他勢力に先んじて人類としてのキャスティングボートを得られると画策します. 「新秩序アメリカ」「東亜連邦」「大ヨーロッパ」の3勢力のうち,新秩序アメリカがいち早く宇宙船「メイフラワー2世」を開発,そして出発. ケイロンを目指します. 惑星ケイロンに到着した

雑談|「35歳の少女」を見て思ったこと

イメージ
あれから25年って結構長いね ひょんなことがきっかけとなり,YouTubeのチャンネル「柴咲コウ・レトロワグラース」を登録してるって話をしたことがあったと思います。 ■ 【その1】最近YouTubeを見るようになったんだけど,これが結構楽しい【レトロワグラース】 ■ 柴咲コウ 公式'Les Trois Graces' Channel (YouTubeチャンネルページ) 最近も,柴咲コウが運営している会社の紹介動画が投稿されているのを見たんですけど,ちょうどそのチャンネルのページで,柴咲コウが主演している 「35歳の少女」 というドラマの紹介があったんです. 私はいつも動画配信サイトのHuluを使っているのですが,意識的に見てみると,目立つように柴咲コウのモノクロ・ドアップの画像が出てきます. せっかくだから見てみたんです. 現在のところ,3話まで配信されています. 私はドラマは連続で一気見していきたいタイプなので,とりあえず完結するまで放置することにします. でも,結構面白そうな内容です. 「35歳の○○」というドラマとしては,以前も 「35歳の高校生」 っていうのがありましたね. ■ 35歳の高校生 (Wikipedia) こちらは,教育現場にいる者として,けっこう身につまされる場面がありました. ドラマとしての出来はどうであれ,こういうのは時代の移り変わりを楽しむきっかけになるので面白いです. いずれにせよ,少し年齢的な幅があるものの,私と同世代の人の物語と言えます. ちょうど演じている柴咲コウも,私と同じ世代ですし. 私も10歳の頃に,どんなことを考えていたかなぁと. 「35歳の少女」のほうの舞台である「1995年」と言えば,阪神淡路大震災,地下鉄サリン事件,野茂英雄がメジャーリーグ入り,イチローが200本安打デビューした次の年,ウィンドウズ95が登場,などなど. いろいろドタバタしてたけど,意外と楽観的に捉えていたところがあった時代です. 私も小学生ながらに,このドラマの女の子のように,将来はきっと凄いことになる!って思っていました. で,2020年. なんだから別の意味で凄い時代になっていますね. そして,意外にも「25年も経っているのに,それほど発展していない」っていうのが本音でしょう. たしかにスマホとかパソコンとかインターネットなんか

学術会議人事の話題,全然収まらないね

日本学術会議に「国民からの理解」や「国民への貢献」なんていらない 収まらん. ぜんぜん収まらん. あの日本学術会議の人事問題が全く収束しません. 菅首相や官邸にしても,早めに謝罪して訂正しておけば済んだものを. 意地になって話をややこしくしてしまったんでしょうね. 困ったもんだから, 「日本学術会議に存在意義はあるのか?」 とかいう意味不明な論点ずらしを画策し,これをネットサポーターを使って煽っているようです. でも,言い訳が毎回ブレまくってて,なかなかスマートに収拾できていません. もちろん,事の重大さを知る由もない一般大衆は,まんまとのせられて騒いでいます. 曰く, 「日本学術会議は解体して,民間団体にしろ!」 「推薦される会員の,推薦理由を開示しろ!」 「会員になる学者は,国家や国民にどのような貢献をしたのか?」 「国民から理解される団体になるべきだ」 などなど. 政権擁護を目的としているであろう,これらの言説には,どれ一つとして首肯できるものがありせん. 当たり前です. そもそも,現政府の学術会議に対する向き合い方が根本から間違っているからです. それを擁護しようとすれば,当然ながら全部間違います. この際,それぞれについて整理しておきましょう. (1)学術会議は,国民から理解されるべき 国民はもちろん,政府からも理解される必要はありません. そういう組織ではないからです. 政府は国民の代表です. 国民の意思が埋め込まれています. そういう政府や国民は,時に理性的ではない判断をし,合理的ではない計画を立てたり,科学的根拠のない話を始めるものです. それに「待った」をかけるのが日本学術会議の仕事です. 国民や政府から疎まれているくらいが,丁度いいんです. そして,そうやって疎まれる理性と論理の組織を敢えて用意しておくのが,現代の国家に必要なスタイルなのです. (2)国家や国民に貢献する人が会員になるべき バカ言っちゃいけません. 論外です. 国家や国民へ貢献するかどうかなんて,そんな短期的で短絡的な評価ができる組織ではありません. 国家や政府,そして国民の利益になるかどうか,貢献するかどうか,なんてこととは異なる価値基準,つまり「学術」として存在する必要があります. 「国家や国民の利益になっている」と解釈・評価される人が会員になるということは,国家や国民にとっ

雑談|1イニングに3つの四球と3つの牽制アウトをとったことがあります

イメージ
たまにはスポーツの話をしましょうか 昨日は「沖縄に手ブラで日帰りしたことがある」って話でした. そういうレアな経験についての話題をもう一つ. 教育問題とか政治についての話ではありませんので,そういうのを期待している人は無視してください. 私は高校時代に野球部に所属していて,2年の秋からはピッチャーをやっていました. 練習試合のことですが,そのイニングは球が荒れててコントロールが定まらず,3人連続フォアボールを出したんですね. で,その3人ともを一塁で牽制アウトにしてイニングを終えたことがあるんです. ベンチに帰りながら,こらえきれずに笑いましたね. 周囲の奴らからもツッコミが入りまくるし. コーチからは「このイニングは成績だけみたら最悪だぞ」と笑いながら言われました. 相手チームのベンチも苦笑いでしたよ. だって,放っておけばノーアウト満塁にできるはずだったのですから. でも,実のところ私は,アウト目的の牽制球が得意でもありました. 【知らない人のための注釈】ピッチャーの牽制球には,本来の牽制目的の牽制球と,アウトを取りに行くための牽制球があるんです. 素早い投球動作で,勢いよく投げることになります. 当時,読売ジャイアンツに上原浩治っていう選手がいまして,その選手がとても牽制球がうまかったんです. メジャーリーグ移籍後は,ワールドシリーズの試合で牽制アウトによるゲームセットもやらかしている,牽制球の世界的なスペシャリストです. なので,この人に憧れて牽制球を練習していました. 以下が,そのワールドシリーズでの牽制アウトによるゲームセットの動画です↓ 「牽制アウトを取る」ポイントは2つあります. (まあ,ピッチャーをやってる人には常識的なことでしょうけど) (1)走者がリードをとる際の体重移動の間隙を狙う 走者がリードを取るために足を広げてベースを離れるわけですけど,その際,体重を片足に載せきった状態で,次塁の方向に向いてしまうタイミングが必ず発生します. その時に牽制球を投げれば,どんな走者でも戻るのが困難になるんです. (上掲のYouTube動画のパターンがこれです) このタイミングの見計らい方にコツがいるんですよ. 私の場合,右投げなので一塁走者の場合は背中を向けることになります. なので走者を見るのが難しいのですが,それでも,走者がリードを取り始める最初の一

雑談|沖縄には30回くらい行ってます

イメージ
手ブラで日帰りしたこともあります もちろん,「手をブラジャー」にして行ったわけではありません. 何も持たずに,関空から那覇に飛び立ったことがあるということ. 今日,私の仕事場で,「コロナ禍のなかで家族が沖縄に行ってきた」という話題をしていたパートのおばちゃんがいまして,そんで私に, 「沖縄に行ったことある?」 って尋ねてきたので, 「30回くらい行ったことありますよ」 って答えたんです. というのも,私が通っていた大学院の研究室とその指導教員は,年に何度か沖縄で仕事がありました. で,それに私も駆り出されることが多かったんです. 研究室と言っても,教員1人が運営するタイプの大学で,私がいた時は院生も2名〜3名. ちょっと自慢になりますけど,私は結構いろいろと器用に調査機器の操作や分析,イベント運営ができた院生だったので,指導教員も好んで利用していたようです. もう20年近くになります. 今では年に1回くらいですが,以前は2〜3回は行ってましたね. なので,かれこれ30回近くになってると思います. 沖縄だけじゃありません. 全国行脚のように,あらゆる都道府県を廻りました. ところが,今年に入って私の仕事が代わったこともあって,それが難しくなってきたんです. もちろんコロナ禍という事情もありますが. だから移動を伴う業務をやめて,オンラインでやろうって話になってるんですけど,私がその時間拘束への対応が確約できなくなってきまして. なので,昨日,全国行脚業務のためのオンライン・ミーティングでそんな話をしたところです. さてさて. そんな中でも,沖縄は現地スタッフが仕事熱心ということもあって,よく行く地域の一つです. なかでも傑作だったのが,冒頭で述べた「手ブラの沖縄」です. 私が院生(M2)の頃,院生室で暇してたらケータイの電話が鳴り出しました. 指導教員からです. そしたら, 「じゃあ明日の朝,沖縄に来てくれるかな?」 って,まるで『笑っていいとも』のテレフォンショッキングみたいなノリで依頼されたんです. もちろん,明日の朝に出る飛行機に「席」がなければダメですよね. 電話で受け答えしながら,大急ぎでネットで調べてみると,なんと関空発のJALの朝一にあったんですね,席が「残りわずか」で. 「交通費は後で全部出すから,とりあえず動ける人間が大至急必要だから来てくれ」 って

HEPFIVEで発生した,転落巻き添え死亡事故への反応について

「不運な悲しい事件が起きました」だけにしときましょうよ 今日は短くニュースを取り上げます. ■ 転落巻き添えで女性死亡 「あまりにも気の毒」「理不尽だ」 知人ら沈痛 (産経新聞 2020.10.24) 大阪・梅田で23日夕、商業施設「HEP FIVE(ヘップファイブ)」(10階建て)から転落した男子高校生(17)とぶつかり、兵庫県加古川市の大学2年の女子学生(19)が死亡した事故。「かわいらしくておとなしい子だった。あまりにも気の毒で言葉もない」。女性と娘が同級生だったという50代女性は、突然の悲報に沈痛な表情を浮かべた。 こういう事件が起きると, 「自殺するなら他人の迷惑のかからないところで死ね」 とか, 「飛び降りた奴の遺族が賠償しろ」 などと言い出す人がいますよね. あぁいうのって,もはや犯罪的な言動だから取り締まった方がいいと私は思います. ちょっと頭がラリってるとしか考えられない. 今回の件にしても,そもそも,「転落」した少年の行動が「自殺」であることが確定したように騒いでいますけど,まだ不明ですよね. 誰かに突き落とされたのかもしれないし,もっと別の要因があるのかもしれないし. それに,仮に自殺だったとして,自殺するような状況の人に「周囲に迷惑をかけるな」って言ったところで,事態が改善するわけではないでしょう. その「周囲」に恨みを抱いて事に及ぶケースだってあるはずです. 社会を構成している我々ができることは,自殺者を増やさない対策を考えることであり,自殺を思い留まらせる環境,自殺による巻き添えを発生させにくい環境づくりのはずです. 環境づくりの例としては,最近では,駅の電車飛び込みを防ぐために,ホームにフェンスが付きましたよね. 飛び降り自殺に限らず,上高層部からの落下物から歩行者を防護する屋根(ひさし)が付いている建築物もあるでしょう. ああいうのを制度化・義務化するのが,その具体策だと思います. ところがどうでしょうか. 「自殺するなら他人の迷惑のかからないところにしろ」 などという言動は,これに逆行しています. 苦しむなら自分だけで苦しめ. その苦しみを周囲に撒き散らすな. そういうメンタリティの人間がうろついている社会において,自殺者は増えるんじゃないのか? と,そんなふうにも考えられます. よく, 「現在の日本人には愛国心がない」 「共同体意

教育改革は,善意や志ではなく「恨み」や「復讐」によって進行する

イメージ
きっと多分そういうこと 前回の記事にコメントを入れてくれた方がおられます. その記事はこちら. ■ 自分が理解できないから「おまえは間違ってる」っていうの,やめてほしいですよね 上記のタイトルについて,その典型例を紹介してくれています. 曽野綾子氏の, 「学校を出てから、二次方程式の解の公式なんて一度も使う機会はなかった」 とか,橋下徹氏の, 「学校で英語を十年習って、喋れるのはグッドモーニングだけ」 というやつ. 「数学嫌いがよく学校の数学の授業に恨みを抱くかのようなことを口走りますね。 」 という指摘もしてくれましたが,これぞまさしく,といった感があります. 「自分が理解できなかったものは,間違っている」 「自分が必要性を感じなかったから,不要なもの」 さらには, 「教えてくれなかったから出来なかったのだ」 「今後の社会で必要なものを教えることが大事」 そんな調子で発展してきたのが日本の教育改革です. つまり,前回の記事の最後にも述べたように,教育改革というのは「恨み」や「復讐」から生まれています. 大学改革もそうです. 「今の私を形作っているのは,学校や大学であり,その教員たちなのだ」 という認識. その解釈の帰結として, 「今の私が思うような人生を歩んでいないのは,学校や大学,その教員たちのサービスが不十分だったからだ」 というものになります. 学生募集のための営業活動や,学生や保護者からのクレーム対応をしている教職員の方々からお話を伺うと,大学に対し,それはもう酷い訴えをしてくる人がいるようです. 就職支援や資格取得についての無理な要望. 授業の単位なんかお金で買えるだろうという認識. 授業が分からないのは教員が悪いから. 授業を受ける気になれないのも教員が悪いから. 果ては,大学に通う気になれないのは,大学に魅力がないから,なんてのもある. もちろん,そういう部分をなるべくサポートしてあげたいと大学側も思っているし,それに対応しなきゃ学生募集と大学経営がままならなくなっちゃうという側面があるのも事実. 実際,大学に足を運ぶ気にさせるため,学内の魅力アップのために各種アメニティ(カフェとか)やイベント(コンサートとか)を充実させようという動きは活発ですし,終いには,「焼きたてのパン」を提供しようと考える大学もでてきています. ■ 焼きたてパンの大学 でもね

自分が理解できないから「おまえは間違ってる」っていうの,やめてほしいですよね

大学改革は順調に進んでいます このブログでも,大学改革のバカ騒ぎを指摘し続けて,早10年以上になりました. そういうのを私が書き始めた当時は, 「大学改革は百害あって一利なし」 などとネット等でおおっぴらに言ってた大学教員は,極少数だったんですよ. 世の中全体が「大学改革推進」の流れでしたからね. 当時は私も20代で,責任の弱い立場だったからでしょう. もっと背負うものがあったら,躊躇しているかもしれない. 改革反対派として有名どころでは,神戸女学院の内田樹先生とかかな. (ただし,内田先生にしても,元々は改革推進派だった,とご自身が著書で述べられています) さて,そんな大学改革ですが,大学業界人の多くの皆さんも,昔からなんとなくその胡散臭さには勘づいていて. こうした大学改革に,異様なテンションで嬉々として取り組んでいる教職員を冷ややかな目で見ていたことと思います. ところがどっこい. 「どうせそのうち飽きてきて,改革ごっこは終息するだろう」 などと高を括っていたら,あれよあれよと言う間に,巨大な渦になってしまいました. 特に2000年代後半からの大学改革の動きは,学術業界にトドメを指すものになりました. もともと大学改革の動きは90年代初頭から始まっているものですが,2006年に発足した安倍晋三内閣がこれに燃料を投下します. 教育基本法改正と,それに伴う大学改革のスピードアップです. ■ 教育基本法 (Wikipedia) この燃料がとても良く燃えました. 大炎上となって,今や,学校や大学は焼け野原です. その後,民主党政権下でもこの動きは止まらず,政治家も世論も「教育改革」の大合唱. 大学だけでなく,小中高そして幼保や学習塾などの教育業界全体が沈み続けます. 2012年から返り咲いた安倍晋三政権は,さらに教育現場を疲弊させ,研究現場を破壊してきました. 皆の合言葉は, 「日本を立て直すためには,教育改革が待ったなし」 というものでした. 特に右翼・保守系の人たちが熱心です. 当時,教育を改革することで「悪くなっている」ことについては,完全に無視していましたよね. 以前から言っているように,右翼や保守が教育を語ると碌なことがありません. ■ 日本の右翼が教育問題について軽薄である歴史的な理由 ■ なぜ教育者に右翼・保守が少ないのか ■ ウヨクの知能を諦める(愛国

日本学術会議の「軍事的安全保障研究に関する声明」が曲解されていることについて

私も迷惑を被ったとは言え,一般への理解が歪曲されているのもダメだと思う 私も最近はときどきテレビニュースを見るようになったんですが,そこで日本学術会議が出した「軍事的安全保障研究に関する声明」が取り沙汰されることがあります. で,それが結構間違ったものを伝えている人が多いんですね. 特に,今回の人事問題を養護したがる立場,学術会議を改革したい立場の人が,意図的ではないかと思うくらい悪質な言説を流しています. もちろん,単純に不勉強なだけかもしれませんが. ネットニュースでも,そのコメント欄などで, 「日本学術会議は,日本で軍事研究を禁止する声明を出している」 とか, 「軍事研究と普通の研究の違いなんて明確じゃないのに,世界の現実にそぐわない声明を出していてバカバカしい」 といった趣旨の記述を見ることがあります. でもこれ,かなりの勢いで間違いです. 私も今回の人事問題に関するブログ記事で,この軍事研究に関する声明が「迷惑」だったことに触れたこともあります. しかし,日本学術会議を叩きたい一心で,この声明の趣旨や実態について理解せずにデタラメな議論が展開されるのもダメだと思います. そこで今回は,この「軍事的安全保障研究に関する声明」が,一般的な研究者にとってどのようなものなのか解説することにしました. 先般,突然発表された声明ではない まず重要なこととして,この声明は2017年に突然発表されたものではない,ということです. その趣旨は,1950年の「戦争を目的とする科学の研究は絶対に行わない」旨の声明として,既に出されてます. ■ 軍事的安全保障研究に関する声明 (日本学術会議ホームページ) でもこの声明,結構な勢いで「へぇー,そうなんですかぁ〜」って感じで放置されているものでした. もちろん,誰もその声明を本気で受け取ったりしていません. なぜって,「戦争を目的とする科学の研究」なるものを,誰も定義できないからです. 一般の方々が思いつく疑念なんて,現場の科学者だったら百も承知. ですが,適当にあしらっていてもヤバい時代に突入したことも事実なんです. そこで2017年には,より具体的にどういう研究が「戦争を目的とする科学研究」なのか? について提示し,それを大学等の研究機関がきちんとコントロールしてください,という趣旨になっているのです. 前掲したリンク先に,その

結局,あの大学って高度なブラック大学として名を馳せているらしい

「成功は約束されている!」と言われた新設大学の今 今から8年前,私が当時赴任していた大学を辞めて,どこかに移ることを考えていた時です. 手当り次第に教員公募に応募しまくっていたら,2つの大学で面接・模擬授業にこぎつけました. そのうちの一つが,これから新設するという大学の教員募集だったんです. 新設大学ということで,ちょっとヤバそうだなとは思ったものの,当時としては, 「もう大学教員という仕事に見切りをつけようかな・・・」 って考え始めていた時期だったので,とりあえず今いるクソみたいな大学とは別のところで仕事してみて,それからでも遅くないかなっていう感じでした. 私もまだ全然若かったし. まだ大学校舎はありませんから,面接はその学園が運営する短期大学で行いました. 会議室に通されたら,大学設置担当の職員と,新設大学の学部長予定という人と面接になりました. ところで,先般,大学の現状に関する小説を書きました. ■ 大学の小説 実は,この小説には7年前に書いていた原作版がありまして,そちらには今回のウェブ版ではカットされた,主人公の「転職活動」の場面があります. PDFで配布した原作版を持っている人だけしか知らないことですが,今回,そのシーンを以下にご紹介します. (実際のところ,記事投稿として新しく文章を打つより,コピペのほうが楽だと思ったからです) 私が経験した教員採用面接を, 当時覚えている限りでほぼ完全再現したもの ですので,いろいろと参考になると思います. やや長いですが,暇つぶしにどうぞ. なお,ウェブ版に合わせて,原作版から各種名称や設定などを修正しています. また,登場人物や組織名などはフィクションです. ちなみに,これをカットした理由は,小説の主題とちょっと外れてるかなって思ったし,関連するシーンを含めると冗長になるからです. 『どこへ出しても恥ずかしい』ウェブ版でカットされたシーン ******** 2012年6月16日 13時20分  梅雨の季節であるが、今日はカラリと晴れ渡っている。  橿原一如は飛鳥女子短期大学の最寄り駅に立っている。 「こういうのって、転職活動っていうのかな」  スマートフォンのグーグル・マップを使って、面接会場として指定された飛鳥女子短期大学を目指した。  バスが出ているそうだが、歩いて15分ほどだとパンフレットにはあったか

国立大学に弔慰を求めた件|学術の自由ってのを一般人が知らな過ぎてヤバい

「税金で賄われているから」って,国家・政府のために仕事してはいけないということが,なんで理解できないのか? 発足以来,菅政権がバースト状態に突入していて,ツッコミが追いつきません. 超高速売国・亡国路線へと突っ走っています. おっと,その認識は間違いですね. もう既に,安倍政権が日本を滅ぼしました. 滅んでいる国に,売国・亡国路線へ抵抗する力などありません. より詳しく言えば,日本をこれでもかと売りに売って,亡きものにした売国奴が安倍晋三. 菅義偉は,そうしてゴミカスとなっている日本を焼却処分してしまおうという算段です. そういう意味で,今回の話は意味深長かと思います. ■ 中曽根元総理の葬儀 文科省が弔意表明を求める通知 (テレビ朝日2020.10.15) 17日に行われる中曽根康弘元総理大臣の合同葬儀に合わせて文部科学省が国立大学などに弔意を表明するよう協力を求める通知を出していたことが分かりました。 17日に行われる中曽根元総理の合同葬儀を巡っては、政府が2日、葬儀に合わせて各府省で弔旗の掲揚と午後2時10分に黙祷(もくとう)をすることを閣議了解しました。それに伴い、加藤官房長官から萩生田文部科学大臣宛てに関係機関への周知を求める文書が出されました。これを受けて文科省は13日、国立大学などに加藤長官の文書を添付したうえで、「この趣旨に沿ってよろしくお取り計らい下さい」と記した通知を出しました。また、各都道府県教育委員会には「参考までにお知らせします」として、同様の文書が送付されたということです。 この手の話は,もう予定調和的なので驚きもしないんですが,実際に起きてみるとやっぱり驚きます. 嫌がらせなのか,例の一見で失態したことを誤魔化すため,意固地になって「学術」の現場を改革しているポーズを取り繕いたいのか. なんにせよ, 「国家や政府の支援を受けている組織・団体は,国家と政府の指示を受け入れるべき」 という図式をつくるための布石であることは明々白々です. 私に言わせれば,国立大学こそ,国家・政府から独立して仕事してなきゃいけない教育機関だろ,とは思うのですが. もし政府の指示にホイホイ従うんなら,それは大学じゃなくて学校です. いるんですよね, 「大学は税金で賄われているんだから,国家・国民,政府の要望に答えるべきだ」 「特に国立大学は,国家や政府の命令どお

政権への「支持率調査」っている? そもそも政権を支持する必要ってあるの?

イメージ
菅政権の現在の支持率調査がニュースになっています. ■ 菅内閣支持51.2% 携帯引き下げなど一定評価 時事世論調査 (Yahooニュース 時事通信 2020.10.16) そこそこ高い支持率を獲得しているとのこと. 内閣支持率を,それも頻繁に調査することになんの意味があるのか? っていう話はずっとありますが,人々の関心を惹くからってことで調査しているものと思われます. この人達にしても,それでご飯を食べているんだから仕方ありません. ただ,政権への支持をひとつの「関心事項」として報道しているうちに,国民全体に, 「内閣の支持率は関心を持って見るべきものである」 というマインドを植え付けてしまう危険性があります. 実際,メディアが内閣支持率について報道するから,それで気になっているという人は多いでしょう. さて,政治については,「選挙は廃止して,抽選にしろ」などと,やや突飛な考え方を持っている私ですから,内閣支持率にしても私なりに考え方がありまして. それはつまり, 「どのような政権であっても,国民は時の政権を支持などしてはいけない」 ということです. 選挙で選ばれた政治家であれば尚の事. 常に疑ってかかり,いつも批判し続けるのがデフォルト設定であるべきです. むしろ,それが国民の義務だと思います. 「この政治家は選挙で選ばれたのだから,市民・国民の多くから支持された人なんだ」 と考えるのは,代議制民主主義を採っている日本の政治として間違っています. 終いには, 「良いことをした政治家を褒めるメディアがあっても良いはずだ」 などとトチ狂ったことを言い出す政治評論家もいます. 政治家や政権を褒めることで,一体誰が得をするというのか? 本来なら,誰もいやしません. 強いて言うなら,その政治家や政権を「支持」することで甘い汁を吸えている人でしょう. たんなる支持率アップのための工作に過ぎません. 「いやいや,それは言い過ぎだ.政治家も褒めてあげることでモチベーションが上がる」 と言い出す人もいます. 冗談じゃない. モチベーションアップのために政治家を褒めてどうする. 政治家は学生じゃありませんし,新入社員でもない. そりゃ,激励とか励ましの声を届けるのは良いでしょう. でも,褒めたり支持したりするのはダメです. 政治家は,国民の支持を得て政策をしてはいけないのです. そ

のんびり月なんか見てる場合じゃねぇ!

さっきブログ記事更新したんだけど それで,寝る前にニュースでも見てからにするか・・・,って思ったら,こんなのがありました. ■ 弔意表明を最高裁に依頼、内閣府 中曽根元首相の合同葬 (Yahooニュース 共同通信 2020.10.15) 内閣と自民党による故中曽根康弘元首相の17日の合同葬に合わせ、内閣府が最高裁に、弔旗の掲揚や黙とうによる弔意表明の協力を依頼していたことが15日、分かった。最高裁は全国各地の裁判所にこの依頼を通知している。文部科学省は国立大などに同様の通知を出したことが明らかになっている。  政府は2日、合同葬当日に各府省が弔旗を掲揚するとともに、午後2時10分に黙とうすることを閣議了解。内閣府は協力を依頼する事務次官名の文書を2日付で最高裁宛てに出した。最高裁は8日付で各地の高裁、地裁、家裁などに「内閣府事務次官から別添のとおり協力の依頼がありました」との文書を送った。 少しの間くらい,マシな振る舞いはできないんですかね. これがホントの「平壌運転」なんでしょうね. 本場の平壌にいる黒電話が,比較的マシな奴に見えてくる不思議. 昨日まで,しつこく「日本学術会議人事」に関する警鐘記事を書いていたんですけど. それでもやっぱり世間では, 「問題の本質は日本学術会議の存在意義である」 という,残念な思考能力しか持ち合わせていない人が多いことを嘆いていたところです. そんな気分を転換してくれる,綺麗な月を眺める記事をさっき書いたところなんですが,ぎょっとするような内容です. 速報記事ではありますが,とんでもないニュースですね. 中曽根さんって,たしかに著名な首相ですけど,だからってこんな扱いになるのはダメなんじゃないの? っていうか,やっぱり今の自民党や菅首相って,完全に独裁体制に入ってますよね. 日本学術会議人事の失態について,いろいろと擁護してきた信者の方々もいるかと思うんですが,さすがに今回のはド真ん中直球のストライク・アウトでしょ. 自分の都合,自民の都合しか考えていない,考えられないんですよ. もはや日本文明の末期です.

秋は夕暮れ|今日はあけぼの

イメージ
枕草子では,「秋は夕暮れ」ですが 清少納言は『枕草子』で,各季節における最良の時間帯を示しています. 春はあけぼの(明け方),夏は夜,秋は夕暮れ,冬はつとめて(早朝),が良いというのです. 結構普通なエッセイだよな,と思ったものですが,普通を粋に伝えることは難しいものです. 秋は夕暮れ。夕日の差して山の端いと近うなりたるに、烏の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。 清少納言『枕草子』 今,季節は秋. 夕暮れはたしかに美しいものです. 鳥はカラスやトビが目立ちます. 特にトビがのんびりと円弧を描く姿はきれいですね. なお,私の地域では雁はほとんど見かけません. 私の自宅からの西の空がこちら. 秋ですから,稲刈りの時期でもあります. 先日,うちの田んぼも稲刈りが終わりました. 今年もそこそこの出来です. すみません,稲刈り作業中の写真などはありません. 普通に稲刈り機でササッと終わらせています. ところで,今月の最初は中秋の名月でしたね. ■ 中秋の名月|なんだか世の中の事がどうでも良くなってきますよね これまでは以下のように,夜空を見上げながらお酒を飲むという,快適な時間を過ごせていましたが,そろそろ肌寒い頃となってきました. これからは昼寝が気持ちいい季節でしょうか. ですが,私の個人的な趣味としては,冬に厚着&ホッカイロでドーピングして,澄んだ空気の夜空を眺めるのが好きなんです. その時にまた記事にしますね. 秋は夕暮れとは言いますが,今日は「あけぼの」に一瞬の名月が見れました 月は夜に眺めるものですが,朝が早い私は,日の出前から外をうろついています. そんな,曙の時間. 昨日今日と細い「有明の月」が見れています. 今日は特にきれいだったので,カメラで撮影しときました. これは午前5時45分頃です. 個人的には,満月よりもこういう月の方が好きですね. それに,こういう有明の月は,きれいに見えている時間がほんの一瞬しかありません. あっという間に日が登ってきて,薄らいじゃいますから. 希少価値も非常に高いです. 私にとって思い出深い有明の月は,まだ関西で大学教員をやっていた時のこと. 上司から依頼された,果てしなくどうでもいい仕

日本学術会議の件で,もうちょっと言いたいこと

要するに,現在の政治・世論は学術を蔑ろにしてるってこと 日本学術会議の人事問題について,過去記事でいろいろと述べてきました. ついでなので,もうちょっと触れておきたいことがあります. むしろ,私にとっての本件の本丸はこっちかもしれないと思っているんですけど. これまで,学術活動における国・政府からの支援について,国民の税金を充てているにも関わらず, 「なぜ国や政府は,学術活動に口出ししてはいけないのか?」 を説明してきました. ■ 学術会議人事事件|なぜ学者がこんなに抗議声明を出すのか 端的に言えば,学術に市民感覚や世論,それらの後押しを受けている政治家・政府が口や手を出すと,碌なことにならなかったという, 人類の歴史 があるのです. ですから,民主主義国家では特に気をつけて,「学術」をそれらから独立させています. 金を払っているのは俺たちなのに! 俺の支援があるから活動できているのに! などという不満が出てこようとも,そういう朝三暮四の猿のような感情を廃し,学者たちを自由に研究させておいた方が,長い目で見れば国家や国民,そして人類のためになるのです. これは,すべての一般国民が知らなくてもいいですが,せめて政治家は知っておかねばなりません. ましてや総理大臣や文部科学相は. ところが,これが結構ヤバいというのが現在の日本. だけじゃなくて,世界的にもそんな傾向がみられます. 既に学術業界は,政府や世論に忖度して活動している 過去記事でもちょっと触れましたけど,もう既に日本の学術は政府や世論に忖度しています. 例えば,日本の学術活動を支えている非常に大きな部分である「科学研究補助金」では, 「政府が推進していることや,世間で流行していることを申請書に書けば通りやすい」 という噂が,まことしやかに流れています. 私は科研費の審査に携わったことはありませんが,以前,審査側にいた人からそんな話を聞いたことがあります. あと,大学が主催する科研費対策セミナーでは,堂々とそれが「採用されるためのコツ」として講習されているんです. 何度か科研費を当てている人も,意識してそれを記述するようにした方が採用されやすいと述べていました. 具体的な例としては,グローバルとか多文化共生とか,ソサイエティ5.0とかアンチエイジングとか. 「実は私の研究は,そんなことと関連しているんですよ」

学術会議人事事件|なぜ学者がこんなに抗議声明を出すのか

それは学者には左翼や反日勢力が多いからではないか? と考えている人に説明します 先日の記事を書いてから思ったんですけど,あの記事の内容だと納得してくれない一般の方も多いんじゃないかと反省しました. ■ 菅首相も,そろそろ自分の失態を認めた方がいい段階になったと思うよ なぜなら,ネット世論では, 「日本学術会議の存在意義や推薦人事が問題視されているから,それを是正・改革するためにガースーは今回,あえて騒動を引き起こしたのだ」 という言説が飛び交っており, 「これに抵抗している学者やメディアは,左翼や反日勢力だ」 などと騒いでいる人が多いため,もともとの問題点がぼやけちゃってるんです. これについては以前,私はこんな比喩で表しました. とある家に泥棒に入った奴が捕まったところ,その家がヤクザの家だった. でも,その家がヤクザであることと,泥棒に入った奴の罪は別問題です. その家がヤクザだったからって,泥棒に入った奴の罪が軽くなるわけではない. ましてや,ヤクザをこらしめるために泥棒に入ったという理屈は成り立たない. ということです. 日本学術会議の人事の現状や存在意義に関する是正・改革と,今回の人事事件とは別問題. 日本学術会議の在り方を問題視したいんだったら,最初からそういう問題提起をすればいいのです. もっと言えば,菅首相や政府,そしてネトウヨはしきりに, 「この組織の人事システムが問題だから」 と息巻いていますが,だったらなぜあの6人だけを拒否し,他の99人を採用したのか意味不明ですよね. だって,人事システムが問題だというのであれば,今回の106人全員を拒否するのが理にかなうはずです. っていうか,そうしないとダメでしょう. そこから導かれるのは, 「国家や政府に都合のいい学者だけ採用したいと考えているのではないか?」 ということです. これが学術界の逆鱗に触れている,っていうこと. で,問題となるのは,なぜこれが学術界の逆鱗に触れているのか分からない人が,結構いるんじゃないかという懸念です. 別の言い方では,「政治が学術に口を出してはいけない」というのもありますね. どうして口を出してはいけないのか? むしろ,そんなに学術を自由にさせては,左翼や反日勢力が勝手放題になるんじゃないか? といった不安を持っているネトウヨも多いかもしれません. そのあたりを理解して

厄介な教員とは|大学にはびこる意識高い系バカ

大学教員をやっている後輩がいます. その人は夫婦で大学教員やってるんですけど(勤め先は異なる),奥さんが勤め始めた大学の教員に,極めて厄介な奴がいるとのこと. あまりに厄介過ぎて,学内でかなり問題になっているようで. そんな話がさっきSMSで届きました. で,この厄介な教員なんですが,実は例の私が書いた小説のモデルとなった人物です. 彼が,「この先生,小説内に登場してたりしますか?」って尋ねてきたので,「出てるよ」と答えました. 不思議なご縁があるもんですね. さて,厄介な教員といっても,主人公の「藤堂道雄」ではありません. そいつといつもつるんでいた,「水本誠二」です. ■ 大学の小説 さて,そんな水本誠二ですが・・・. 実はコイツこそが最悪の教員です まるで主人公である藤堂道雄が「最悪教員」に解釈されがちですが,実は彼は3番目の悪人. 劇中の登場人物で,最も悪質な教員,それが水本誠二なんです. 小説タイトルである,「どこへ出しても恥ずかしい」とは,彼のことも指しています. 劇中でも,ある登場人物が水本誠二を「本学における最大の癌」と評しています. 私としても,小説を執筆しながら,当時を思い出して怒りがこみ上げてきました. そういう意味でも,思い入れがあるキャラクターとも言えますね. とにかくカロリーが高いものが大好きで,ひたすら甘いものを頬張っていました. 甘いものや脂っこいものを食べながら,教員間の悪口を言うのが常でした. そうやって話す内容はどれもこれも下品で卑猥. とてもじゃないですけど,女性の前では話せませんし,ネット上にも晒せません. 実際,小説における水本誠二のセリフは,ネット掲載用として猥褻度を下げています. 本当はもっとヤバいことしゃべってますので. あと,世間で話題となっていることを,表面だけなぞって知ったかぶりするのが得意です. iPadが大好きで,これを大学教育で活用しようと必死になっていました. もちろん,iPadの使い方はヘタクソだったし,ITに関する知識も表面的なレベル,消費者レベルしか持ち合わせていないから,ただただ「iPadを使って授業」をしているだけ. ノートPCではなく,わざわざiPadでパワーポイントを映写することに拘っていましたね. そのくせ,操作方法に手間取ったり,エラーが発生してきちんとできず. そんなわけで,授業の魅

菅首相も,そろそろ自分の失態を認めた方がいい段階になったと思うよ

イメージ
例の日本学術会議の件です まだやってるんですね. こちらとしても立て続けに記事にした話題でもあるから,一応は後日談をフォローしていました. でもこの騒動,収まる様子がありません. むしろ,「日本学術会議は左翼の巣窟だ! 税金が無駄に使われている! この際に徹底的にメスを入れろ!」という話でニュースサイトのコメント欄も大騒ぎです. 尤も,政府・自民党としても,ネット世論をその方針で誘導するしか思いつかないんじゃないかと. けど,あんまり騒ぎ過ぎると逆効果になるかもしれません. だってそもそも,事の発端として,そして原理原則的に「悪い」ことしているのは政府・菅首相ですから. 正論で責められたらお終いなのですから,さっさと謝罪しておいて, 「あらためて,日本学術会議の在り方を問い直します」 などとリセットすればいいのに. 自分の失態を絶対に認めたくない,意地クソの悪い政府・官邸・自民党,そして首相のキャラクタが出ているようで不快です. 実際,そろそろ菅首相の方がグロッキー気味になってきました. ■ 菅首相、推薦リスト「見てない」 会員任命で信条考慮せず―学術会議会長と面会も (時事通信 2020.10.9) 首相によると、会員任命を最終的に決裁したのは9月28日。「会員候補リストを拝見したのはその直前だったと記憶している。その時点では最終的に会員となった方(99人)がそのままリストになっていた」と述べ、6人の排除に関与し得る立場になかったと強調した。6人が政府の会員候補リストから漏れた経緯や理由、誰が判断したのかが引き続き焦点となる。 いやいやいや,この人何言ってんの? 意味不明ですから. 任命者である菅義偉首相,「あなた」が学術会議の会員を任命する立場であり,そして今回,前例無き「拒否」をしたって話でここまで盛り上がっているんですよ. それがここにきて, 「私が決めたんじゃない.私が知らないところで既に決まってたんだ」 などと言い出しました. オイオイ,どうすんの,これ? ネトウヨの人たちも,どうすんのよこれ? 今回の「任命拒否騒動」は,「菅首相が学術会議の在り方にメスを入れるため」にやったんじゃないの? もともと,以前から学術会議の推薦会員が気に入らなかった,って話で息巻いてたじゃないですか. それを,「違う」ってことにするんだ. もちろんこれは,菅首相サイドが, 「