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政権への「支持率調査」っている? そもそも政権を支持する必要ってあるの?

菅政権の現在の支持率調査がニュースになっています.
菅内閣支持51.2% 携帯引き下げなど一定評価 時事世論調査(Yahooニュース 時事通信 2020.10.16)

そこそこ高い支持率を獲得しているとのこと.



内閣支持率を,それも頻繁に調査することになんの意味があるのか? っていう話はずっとありますが,人々の関心を惹くからってことで調査しているものと思われます.
この人達にしても,それでご飯を食べているんだから仕方ありません.


ただ,政権への支持をひとつの「関心事項」として報道しているうちに,国民全体に,
「内閣の支持率は関心を持って見るべきものである」
というマインドを植え付けてしまう危険性があります.

実際,メディアが内閣支持率について報道するから,それで気になっているという人は多いでしょう.


さて,政治については,「選挙は廃止して,抽選にしろ」などと,やや突飛な考え方を持っている私ですから,内閣支持率にしても私なりに考え方がありまして.

それはつまり,
「どのような政権であっても,国民は時の政権を支持などしてはいけない」
ということです.

選挙で選ばれた政治家であれば尚の事.
常に疑ってかかり,いつも批判し続けるのがデフォルト設定であるべきです.
むしろ,それが国民の義務だと思います.

「この政治家は選挙で選ばれたのだから,市民・国民の多くから支持された人なんだ」
と考えるのは,代議制民主主義を採っている日本の政治として間違っています.

終いには,
「良いことをした政治家を褒めるメディアがあっても良いはずだ」
などとトチ狂ったことを言い出す政治評論家もいます.

政治家や政権を褒めることで,一体誰が得をするというのか?
本来なら,誰もいやしません.
強いて言うなら,その政治家や政権を「支持」することで甘い汁を吸えている人でしょう.
たんなる支持率アップのための工作に過ぎません.

「いやいや,それは言い過ぎだ.政治家も褒めてあげることでモチベーションが上がる」
と言い出す人もいます.
冗談じゃない.
モチベーションアップのために政治家を褒めてどうする.
政治家は学生じゃありませんし,新入社員でもない.

そりゃ,激励とか励ましの声を届けるのは良いでしょう.
でも,褒めたり支持したりするのはダメです.
政治家は,国民の支持を得て政策をしてはいけないのです.

そんなに国民の支持が大事なら,政治家を廃して,すべての政策を投票で決めればいいことになります.
その方が,なんぼか安上がりでスピーディーです.
実際,そういう民主主義政治を目指す動きもあるらしい.

こういうのが,民主主義政治を堕落させる元凶です.
E-デモクラシーそれ自体は,今後も検討していく必要がありますが,それによる直接民主政治にはかなり警戒しておいた方がいいでしょう.


まずもって,代議制民主主義における政治家は,支持者のために政治をするのではありません.
その地域や国全体のために働くのです.

今,日本国民の多くは,この原則を見失いがちです.
もう一度,代議制民主主義の基本に立ち返った方が良いでしょう.

これについて細かく話しだすと長くなるので,私のブログを読みはじめて間もない方は,こちらの過去記事を読んでおいてください.


もちろん,すべての人に同じ心構えを求めるわけではありません.
どうしても無理な人,つまり,特定の政党や政治家を支持しちゃう人っているものです.

最近のアイドルも,ファンや客が「好みの娘」に向けて投票する選挙で決まるらしいですから,政治家に対してもそんな目を向ける人がいても仕方ありません.

そういう人を見つけたら,可哀想な目で暖かく見てあげるべきです.

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