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大学教員になるための業績書の作成方法

教育・研究業績書の作成方法を具体的に伝授します


「教育と研究に関する業績書を出してくれ」と言われても,一度も書いたことがない人はどうすればいいか悩むものです.

しかも,こういった書類の作成方法を相談できる人はなかなかいません.
ネットで調べてみても,実際に作成したことがない人のものばかりですから,肝心なポイントを外している,いい加減な情報ばかりですよね.


そこで今回は,教育研究業績書としてきちんとしたものを書くための手引をご紹介します.


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大学教員になる準備
JREC-INの賢い使い方|大学教員を目指している人へ


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一般的な教育研究業績書とは?


前回の記事である,

にも書いたように,大学が要求する応募種類は大きく2つのタイプがあります.
(1)各大学が指示するフォーマットに書かせる
(2)自由なフォーマット

最近は(1)が増えてきてはいますが,書き方を完全に指示するところは少ないですし,特の今回のような教育・研究に関する業績書は自由度が高くなります.

なぜかというと,教育や研究についての「業績」をどのようにアピールするのかは,個々人に価値観に大きく差が出やすいからです.

正確性が重要視される履歴書とは違い,ここはかなりフリーダムと言えますが,実はそんな自由に見える「業績書」にもおさえておくべきポイントがたくさんあります.


フォーマット(書式)それ自体はどうする?


「各自,フォーマット自由に作成して業績書にしてくれ」
と指示を出していても,完全に自由にされては困るのが大学教員用の業績書です.

業績書に必要とされる情報が,「大学界の常識」として存在します.
それを外すとアウトです.

最初からそういう指示を出してくれれば初心者も安心なのですが,
大学教員の採用にあたっては例外的なものがたくさん出てきやすいこともあって,
細かいことを指摘し始めるとキリがありません.

何かと面倒なので,「大学業界の慣習を知らない奴はハネる方針」でいきたいのが「採用側」の本音なんですよ.


細かいこと抜きにして,結論から行きましょう.
「自由に書いてこい」との指示があったら,文科省が指定する「大学教員個人調書」を使ってください.
これを使えば間違いありません.

以下のリンク先にあるエクセルファイルです.
申請・届出書類作成の手引、記入様式など(文部科学省)

または,
「大学 文部科学省 個人調書」
とネット検索しても入手可能です.


すると,以下のようなエクセルファイルが手に入ります.
そのシートの中に「教育研究業績書」があるのです.

そのエクセル画面をスクリーンショットしたのが以下です.




これを自作してもいいのですが,せっかく文部科学省に「完成形」でアップされているのですから,こちらで作成して印刷するのでOKです.

この業績書に従って作成していきましょう.


【ポイント1】大学の指示に従う


「こうやって書いてくれ」という指示が求人情報に入っていることがあります.
それにはちゃんと従いましょう.

大学が用意したフォーマットを使う場合には,求人ページや「業績の書き方」を指示するものが必ず用意されていますので,それを見ながら作成します.

比較的よくある特別な指示は,
「学位論文は業績から除くこと」
とか,
「ここ5年以内(20XX〜現在まで)の業績に限る」
あとは,
「業績の発表年は昇順(or 降順)にせよ」
といった指示ですね.

これを確認せず(見逃して)作成すると,あとで作り直しが大変ですし,もし気づかずに送ってしまうと,
「書類作成能力がない使えない人材」
として選考対象に入りません.
(作成方法を間違えている資料は選考しない,と明記している求人もあります)



【ポイント2】とりあえず文部科学省の作成方法に従ってみる


文部科学省が用意している「教育研究業績書」には,作成方法が解説されています.
それを紹介しているのが,以下の文部科学省のページです.
その93ページから解説されています.

画像:http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ninka/__icsFiles/afieldfile/2010/02/19/1289294_02_1.pdfより

履歴書作成の記事では,文部科学省が用意した「履歴書の作成例」を紹介しましたが,
教育研究業績書には「作成例」が例示されていません.

ここが大学教員の業績書作成の難しいところでもあるからです.

記事の冒頭でもお話したように,教育や研究についての「業績」をどのようにアピールするのかは,個々人に価値観に大きく差が出やすいので,
「こういうふうに書きましょう」
と例示しにくいんですよね.

一応,文部科学省の指示を列記しておきます.


(1)「研究分野」と「研究内容のキーワード」について


文部科学省 の指示にはこうあります.
研究分野」の欄には,科学研究費補助金の「系・分野・分科・細目表」の分科レベルの名称を用いて,研究分野の主なものを3つ以内で記入してください。「研究内容のキーワード」の欄には,同表の細目を参考に,研究内容を表すキーワードを5つ以内で記入してください。なお,分科レベルに該当がない場合は,適宜記入してください。
簡単に言えば,
「ご自分が納得するよう,好きなように書いてください」
ということです.

ただし!
既に大学に奉職している人はどうでもいいのですが,応募書類がこれでは困ります.
「自分だけが納得している研究分野やキーワード」を書くのは避けましょう.
他の分野の人(採用者)にも分かるように書く必要があります.

あと,無理のない範囲で求人内容に沿うようにすることも大事です.

例えば,「地方経済」「地域再生」の専門家を採用しようとしているのに,
「実は俺,その分野は積極的に取り組んでいないし,自信があるのは別のことなんだよな」
という理由で「地方・地域」といった領域をキーワードから外すのはマイナスにしか働きません.

理屈をこね回して,自分の研究業績がいかにも「地方・地域と関係がある」ことにして,求人内容に沿うように努力します.

大学教員を目指す人の中には,変なこだわりがある人が多いので,意外とこの部分を放ったらかしにして応募してくる人がいます.

でも,採用する側の人は,「その専門家ではない」ことが多いので,細かな違いは解りません.
そして,最も大きな理由は,
「求人内容に沿う人材を採用しないと,教授会とか理事会で反対される」
(つまり,人事担当とコネのある人を,無理やり通そうとしているのではないかと疑われる)
ので,研究分野が違っていそうな人を選考できないのです.


ちょうどこれにピッタリ該当する話を,私の先輩から聞いたことがあります.
その人が人事担当をした時,知り合いの人(優遇してでも採用したい人)が応募してきたそうなんです.
ところが応募種類を見ると,求人していた分野とは違う,本来のその人の「研究分野」を素直に業績書に書いていたそうなんですね.

「あいつホンマにアホやと思ったわ! 採用する側の身にもなってみぃ! あんな業績書やったら,会議にかけられへんやん! どんなに俺が「この人もいいと思います」って押しても,他の先生が「でも分野が遠いですよね」ってなったら落ちるんよ
と呆れ顔でした.

笑い事ではなく,大学業界では頻発する「すれ違い」「勘違い」なので注意してください.


(2)「教育上の能力に関する事項」と「職務上の実績に関する事項」について

このあたりから,書き方の自由度がメチャクチャ大きくなります.

文部科学省の資料には以下のようにあります.


①「事項」の項には,各区分に該当する担当予定授業科目に関連する教育上の能力及び職務上の実績に関する事項を過去から現在まで簡潔に記入してください。

②「年月日」の項には,当該事項に係る実施時期,発表時期,従事期間等を記入してください。

③「概要」の項には,当該事項に係る内容の概要のほか,当該活動における地位や役割,成果も記入してください。



「教育上の能力に関する事項」の例
ア 「1: 教育方法の実践例」について
○ 授業外における学習を促進する取り組み,授業内容のインターネット上での公開等
○ 司法研修所等の教育機関における教育経験


イ 「2:作成した教科書,教材」の例
○ 授業や研修指導等で使用する著書,教材等


ウ 「3: 教育上の能力に関する大学等の評価」
○ 採用決定の際等における評価内容
○ 各大学における自己点検・評価での評価結果
○ 学生による授業評価,教員による相互評価等の結果

エ 「4:実務の経験を有する者についての特記事項」
○ 大学から受け入れた実習生等に対する指導
○ 日本薬剤師センター等の職能団体の依頼による研修指導等
○ 訴訟・審判・監査・与信・企業提携・研究開発等の専門的な実務に関する教育・研修
○ 大学の公開講座や社会教育講座における講師,シンポジウムにおける講演等

オ 「5:その他」
○ 大学教育に関する団体等における活動,教育実績に対する表彰等
○ 国家試験問題の作成等



「職務上の実績に関する事項」の例
ア 「1:資格,免許」
○ 医師,歯科医師,薬剤師,看護師,教員等の資格で担当予定授業科目に関連するもの

イ 「2:特許等」
○ 特許,実用新案等で担当予定授業科目に関連するもの

ウ 「3:実務の経験を有する者についての特記事項」の例
○ 大学との共同研究
○ 訴訟・審判・監査・与信・企業提携・研究開発等の担当実績
○ 各種審議会・行政委員会,各種ADR等の委員
○ 行政機関における調査官等
○ 研究会・ワークショップ等での報告や症例発表
○ 調査研究,留学,海外事情調査等
○ 上記を裏付ける報告書,手引き書,マニュアル,雑誌等

エ 「4:その他」
○ 職能団体等からの実務家としての卓越性に関する評価・推薦等
○ 論文の引用実績等



上記の内容を参考に,自分のやってきた事をカテゴリ別にして書いていきましょう.


ちなみに,最近の大学は「教育上の能力」への視線が厳しいです.
大学生から「授業評価アンケート」をとって,その評判があまりよろしくない教員には指導が入るようになりました.

ですから,
「この部分をきちんとクリアできていますよ」
というアピールは結構重要です.


では何をすればいいのかというと,最重要アピールは,

「これまでに自分がやってきた授業方法の工夫を紹介する」

です.
これが「無い」人は,選考対象にすらならない場合もありますので重要です.


自分がこれまでやってきた非常勤講師やセミナーでの「講義」「授業」の方法が,いかに現代の大学現場で求められているものに適合しているかを主張する必要があります.


ただ漫然と「典型的な授業」をしていました.
だから私には教育経験があります.
というのでは,マイナスにしかなりません.


「大学教員を目指している」という人の中には,昔ながらの,

「やる気のない教員による,下手クソでつまらない授業」

こそが大学の授業であり,しかもそういう,

「いい加減な授業をやっていても許されるのが大学教員」

だと思っている人がいます.


しかし,残念ですが,それはもはや過去のこと.
最近では許されなくなり,授業を魅力的なものにする工夫をアピールすることが求められています.

それをアピールするところが,この,

「教育上の能力に関する事項」

だと思ってください.


まさかそんなつもりで非常勤講師の仕事をしたことがなかった.
現代の大学で求められている授業スタイルなんて知らない.
といって,旧態依然とした授業でも大丈夫だと思っていた人は要注意.

そんな人は,この「教育上の能力に関する事項」部分には,

これまでに担当してきた授業科目名を羅列して
シラバスにも書いている学習目標を「概要」のところにコピペ

しているんじゃないですか?



そんな人は,これからの大学人事で「採用」される可能性は非常に小さいです.

なんせ,採用する側の選考基準の多くは,この部分の工夫と充実度なんですから.
もっと言えば,この部分は書類だけでは分からないので,本当にそれができているかどうかを,面接の時に「模擬授業」として確認するのです.


「そんなこと言っても,私が非常勤講師やセミナーで担当している授業では,いろいろ制約があって,独自の授業スタイルなんてできないんですよ」
と泣き言を言う人もいます.


だからこの際,誤解を恐れずに言いますね.

それを実際にご自分の授業で実践していなくてもいいのです.

あなたが,現代の大学で求められている授業改革のムーブメントに無関係ではないことをアピールできなければいけないのです.


そのあたりのことを確認しておきたい人は,知り合いの(比較的まじめな)大学教員から現在の講義事情を聞いておくか,以下のような書籍で紹介されているので,おさえておきましょう.

   


業績書づくりだけのために購入するのがもったいないと思う人は,これら関連書の「目次」だけでもザザッと見渡して記憶しておいてください.

自分の授業だったらどんなことができるか対策するのです.

来年,再来年に向けて大学教員になることを目指している人もいるでしょう.
そういう人は,「ここ(授業の工夫)に書ける内容」を戦略的に実践することが大事です.

具体的には,教科書や教材の作成です.
特に「教科書」の作成は,分野によっては非常に強力な武器になります.
(人文系で重要視されていると思われる)
自費出版でもいい.
多少無理してでも教科書を作っておくと,かなり強力なアピールになります.

インターネットに自信があれば,授業とネットの連携を考案してみるのも良いでしょう.
それこそネットで検索すれば,さまざまな取り組みをみることができます.

最悪,実際にそういう授業を「成功」させなくてもいいんです.
構想をもっておくことが大事なんです.



(3)「研究業績等に関する事項」について


まずは文部科学省の解説からどうぞ.


①「研究業績等に関する事項」には,書類の作成時において未発表のものは記入できません。

② 「著書,学術論文等の名称」の項について
ア 研究等に関連する主要な業績を,「(著書)」,「(学術論文)」,「(その他)」の項目に適切に区分し,各業績を発表順に通し番号を付して記入してください。

イ 著書については,書名を記入してください。

ウ 学術論文については,国際学術雑誌,学会機関紙,研究報告等に学術論文として発表したものの題名を記入してください。学位論文については,その旨を明記してください。

エ その他については,総説,学会抄録,依頼原稿等にあっては当該記事のタイトルを,報告発表,座談会,討論等にあっては当該テーマをを記入してください。

オ 美術関係等の業績として作品集を提出する場合は,別途1部提出してください。なお,作品集については,審査終了後に返却が可能ですので,提出時にその旨を申し出てください。

カ 査読付きの論文については,題名の後に「(査読付)」と記載してください。


③「単著・共著」の項には,当該著書等に記載された著作者が単独である場合には「単著」,著作 者が複数いる場合には,監修,編集,編著,共著,部分執筆等の関わり方によらず「共著」と記 入してください。


④ 「発行又は発表の年月」の項には,当該著書等の発行又は発表の年月を記入してください。


⑤ 「発行所,発表雑誌等又は発表学会等の名称」の項について

ア 著書については,発行所を記入してください。

イ 学術論文等については,発表雑誌等の名称,巻・号,掲載ページ等を明記してください。

ウ 報告発表等の場合には,学会大会名,開催場所等を明記してください。


⑥ 「概要」の項について

ア 当該著書等の概要を200字程度で記入してください。

イ 当該著書等が共著の場合には,本人の担当部分の章,節,題名,掲載ページを記入するとともに,本人の氏名(下線を付すこと。)を含め著作者全員の氏名(多数にわたる場合は主要な共著者の氏名)を当該著書等に記載された順に記入してください。また,本人の担当部分の抽出に困難があるときは,その理由を記入してください。


ここは単純作業の連続です.

人によっては何十ページにも渡るものになります.
100個以上の業績がある人も結構いるはず.


途中で面倒になることもあるでしょう.
でも,諦めずに地道にミス無く書いてください.


業績チェックでは,漏れなく丁寧に確認している大学も多いので,
「どうせちゃんと見てないだろう」
と思って適当にやっちゃうとアウトをくらいます.


研究業績は,多いに越したことはありません.
しかし,それは普段の取り組みです.

業績書に書く段階でどうこうできるものではありませんので,素直に書くしかない.

ここは「履歴書」と同じで,変に盛ったり誤魔化して書いてはいけません.


そして,これも履歴書と同様,

人事担当者が確認しやすいように分かりやすく書く

ことが重要です.

あまりに分かりにくい書類だと,面倒になって放り出される危険もあります.

ぼかしたり誤魔化したりせず,チェックしやすいように記述することが大切です.


ちなみに,
「概要」のところに何を書けばいいのか? 
どこまで詳しく書けばいいのか?
悩む人もいます.


文部科学省の解説には「200字程度」とされています.
しかし,研究内容や書籍内容を詳しく書いていくと,200字程度では収まらないという人もいるでしょう.


その通り.
だからメチャクチャ簡単に内容を説明する程度でOKです.

こういうのって,たいていの人は学会発表や抄録からコピペしようとするものです.
私もそうでした.

例えば,
本研究は,医療事故と医療従事者の勤務時間および職務環境の関連性を明らかにすることを目的とした.調査方法はアンケートとインタビューを用いた.調査対象は,◯◯市と◯◯市の病院および医療機関8ヶ所であり,対象者は医師70名,看護師230名,その他医療従事者160名であった.その結果,医療事故の発生率と勤務時間に有意な相関関係が認められた.一方,医療事故と職務環境には関連性は認められなかった.

そんな調子で書いていくと,「概要」の部分の行数を食ってしまい,論文や学会発表の件数が何十件とあると,膨大なページ数になりますよね.
私もこんな感じで研究業績を書いていくと,軽く60ページは超えてしまいます.

けど,さすがに研究業績の「概要」の部分を,一個一個丁寧に見る人事担当は非常に少ないです.

その研究がなんとなく理解できればOKです.

思い切ってバッサリ削っていくのです.

例えば,上記で例示した文章も,以下のように削れます.
医療事故と医療従事者の勤務時間および職務環境の関連性を明らかにすることを目的として,8ヶ所の医療機関でアンケートとインタビュー調査を行った.その結果,医療事故の発生率と勤務時間に有意な相関関係が認められた.

前述の文章は300字超えですが,こちらは100字程度になりました.
でも,これで十分です.

よく「200字程度で概要を書け」という指示が多いですが,
研究業績が多い人がそれをマジメに守ると,トンデモナイ量の書類になります.

ですから,だいたい100字〜150字くらいで大丈夫です.

実際,私もそういう書類でちゃんと採用されましたから.
この部分の文字数をきちんとカウントしている人事担当はいないでしょう.


それに,ちゃんとした大学の先生なら,200字で研究内容を網羅できる文章を書くことなんてできない,またはその限界を理解しています.
むしろ,200字よりも少ない字数で研究の要点と概要が書けた方がスマートです.


あと,学会発表の件数が多い人もいますよね.
学会発表は「その他」のところに書くことになりますが,ここの概要も一つずつ100字〜200字くらいで書いていたらトンデモナイことになります.

それに,学会発表は研究業績としては些末なものです.
ここにはほとんど関心が無い大学や人事も多いんですよ.

目安としては,学会発表が20件以上あるのであれば,「概要」のところには必要最低限の情報だけ載せるのでよいと思います.
共同研究者や発表形式(口頭 or ポスター)を書いたら,あとは50字くらいのメモ程度です.
その研究のタイトルの,第2案を書くイメージです.

ちゃんとした研究者なら,ここを大幅に削っても理解してくれます.


なになに?
「そりゃ,あなたの業績書は60ページになるのでしょうけど,私の業績書は工夫して書いても10ページくらいにしからないぞ!」
ですって?

たしかにそれが不安になる人もいるでしょう.


しかし,業績書のボリュームで採否が決定するわけではありません.

業績書はボリュームではなく,あくまでも,
「その人事に最適な業績を有しているか?」
が焦点となります.

なので,
100個の論文を持っている人よりも,
5個の論文を持っている人が採用されることは多々あります.
(いやマジでホントに)

あとになって,
「今回採用されたアイツは,俺よりも業績が少ないのに,なんでだ!」
って怒る人がたくさんいますが,

採否の決定は「業績の量」ではなく,人事に最適な業績かどうかです.

そこを勘違いしないように作成してください.

盛るにしても,「量」を盛るのではなく,人事に合わせて「質」を盛ることが大事です.



最後に,共同研究・共著論文によくある「分担執筆」の場所をどのように書くのか? について


多くの研究論文は,章立てて分担執筆されることはありません.

特に理系研究の場合は「分担執筆」するものではないので,共同研究者として実験や調査に協力して,筆頭著者が書いた論文を研究者同士で,

「ここはもっとこう書いた方がいいのでは?」

「この記述は間違っているよ」

といった感じで論文を仕上げるのが普通ですよね.


こういう場合,
「分担執筆した部分を書け」
について,どういう回答をすればいいのか悩む人もいるでしょう.

その場合は,各論文の概要の文章の最後に,

(共同研究につき、本人担当部分抽出不可能)

と記述してください.
まともな研究者であれば,これで事情を分かってくれます.
っていうか,そもそもこんな文章も不要ですが,文部科学省のバカ役人がそうやって書けと言うので仕方ありません.


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