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井戸端スポーツ会議 part 59|こうすれば良かった東京オリンピック2020

せっかくコロナ禍に開催するんだから,こうすれば良かったというものを後出し提案 これまで「2020年東京オリンピック」にそれほど興味ない私だったので,ブログでも話題として触れなかったんですけど,昨年延期になって,しかも今,いよいよ開催まで1ヶ月を切ったということで話題にしてみたいと思いました. さきほど「興味ない」と言いましたが,それは東京オリンピックそれ自体のことで,「近代オリンピック」の開催そのものには学術的・文化的か観点から興味はあります. もともと私の専門領域が体育・スポーツですし. あと,私はコロナ禍で東京オリンピックを開催することに反対はしていません. 中止になったらなったで別に構いはしないのですけど,極力開催する方向で進めた方が,我々人類のためになるかと思っています. 理由はこちらの記事にありますので,関心のある方はご一読ください. ■ コロナ禍でオリンピックを開催する理由を示せない人が多いから,私が代わりに答えよう ■ 人間はスポーツする存在である リモート開催すればいいんじゃね? これは,東京オリンピックが昨年「延期」になった際に,周囲の人たちとの井戸端会議で私案として話していたことです. 冗談半分,否,冗談2割くらいです. それはつまり, 「東京オリンピックは,オリンピックをリモート開催した世界初の大会として歴史に名を残そう」 っていうものです. ブログで話すのは初めてかと思います. 現代のオリンピックは,商業主義にまみれており,オリンピック本来の理念から遠ざかっている,っていうのはご存知の方が多いかと思います. 今回のコロナ禍は,そうした世界情勢を「言い訳」として,この商業主義を振り払って開催できるチャンスでもありました. 「コロナが蔓延しちゃってて仕方がないので,すみませんがこの方向でやらせてもらいますよ」 っていうことです. オリンピックを開催するっていうのはね,政治家とかビジネスマンにとっては自分の利益しか頭にないのかもしれませんけど,本当は人類にとって非常に重要なイベントなんです. 主催都市の知事である小池百合子なんて,オリンピックを「中止します」って言い出すタイミングをずっとはかっていたフシがありましたよね. どのあたりで「中止!」って言えば,自分の支持率が上がるかなぁって. 一方で,オリンピックをビジネスチャンスだと考えている人たちは

科学者や専門家のあいだで見解が分かれている,っていうのは当たり前のことだ

前回の記事, ■ コロナ禍で罵り合う保守系言論人についての話 に関連して,今回の「新型コロナ騒動」のような事態に向き合う上で大切だと思うことを1つ. 上記記事で紹介した評論家の方々が口にするものに, 「科学者や専門家のあいだでも見解が分かれている.科学的なコロナ対応なんてものは不可能」 だとか, 「飛行機の操縦についてはパイロットに任せるべき.飛行機が墜落しそうだからって,素人がしゃしゃり出て口をはさんではいけない」 といったものがあります. もちろん,これはある文脈においてはその通りだと思うし,私も似たような表現を使うこともあります. しかし,こうした考え方は,新型コロナ対応における評論のすべてに当てはまるものではありません. まず,何かの事柄について「科学者や専門家のあいだで見解が分かれている」というのは当たり前のことです. 見解が一致していることの方が珍しいでしょう. ましてや,「だから科学的なコロナ対応は不可能」とか,「蓄積されたデータを分析しても未来予測はできない」などと断じることは非常に危ないと思います. これは新型コロナに限らず,あらゆる問題で同じことが言えます. この点について,日本だけでなく,多くの国々で混乱を生んでいる原因は, 「様々な領域からの科学的な見解を,広く多角的に開示した上で議論し,意思決定する」 という手順をとらなかったことです. たしかに煩雑で面倒な手順だし,緊急事態においてこれらの手順をすっ飛ばして仕事をしたかった,という言い訳は当然あるのでしょう. しかし,これをすっ飛ばしたことのツケは非常に大きかった. 繰り返しますが,未経験の事態や現象を前にして,科学者や専門家の見解が一致することなどありません. ましてや,その解決策や対応方法についての具体案など,てんでバラバラでしょう. ですから,今回の新型コロナ騒動のような危機に際して,国・政府がやらなければいけなかったのは, (1)様々な領域の科学者や専門家に意見を出させて, (2)それらの見解を国民に向かって公開・開示し, (3)その上で国家・政府として,カクカクシカジカの理由でこの方策を採用する といった手順をとることでした. 逆に,結論としての「方策」だけを国民に提示しても,政府に雇われた専門家以外の専門家から異議申し立てが出るのは当たり前だし,専門家じゃない人からの不服・不満

コロナ禍で罵り合う保守系言論人についての話

藤井聡・中野剛志・適菜収・佐藤健志ほか なんかそんな状況になっているらしい,ってのを最近知りました. 私はYouTubeとかで藤井聡氏の「コロナ感染状況の解釈」や「コロナ対策」を目にすることが多く,そこでチラっと藤井氏の口から「ボクのことを批判して離れていった言論人もいて・・・」などいう言葉を聞くことがあったわけですが,どうやらそれがこれのようです. 藤井聡氏の言論仲間であった,中野剛志氏,適菜収氏,佐藤健志氏などが,藤井氏のコロナ対策を否定的に批判していたとのこと. これ,もう1年近く前(2020年8月)のネット記事らしいんですが,全然知りませんでした. どうりで,この御三方の言論をここ1年ほど目にしなかったわけです. ■ 新型コロナがあぶり出した「狂った学者と言論人」【中野剛志×佐藤健志×適菜 収:第1回】 ■ 「緊急事態宣言」は本当に意味がなかったのか?【中野剛志×佐藤健志×適菜 収:第2回】 ■ 西浦批判の繰り返しこそ「全体主義への大衆煽動」【中野剛志×佐藤健志×適菜 収:第3回】 ■ 国家の軽視と新型コロナの軽視は同根!【中野剛志×佐藤健志×適菜 収:第4回】 ■ 現実を直視できない日本と新型コロナのゆくえ【中野剛志×佐藤健志×適菜 収:最終回】 私自身,コロナ騒動についての考え方は藤井氏と近いものがあるので,どっちかって言うと中野氏らの藤井批判にはちょっと違和感があるわけで. もちろん私も,藤井氏の言説をまるごと全部肯定するわけでもありません. 中野氏らが指摘する,藤井氏のおかしな言説にも首肯できるところが結構あります. 特に,感染防止策として「目鼻口を触らないことを徹底する」といったものは,さすがに無理があるだろうと. ただね,この批判合戦って,お互いがお互いに要点を外し合ってるっていうところがあると思うんですね. 御三方は藤井氏に対し,「どうして藤井氏は西浦教授をこんなにも執拗に批判するのか」などと語っていますが,私からすれば,このセリフをそのまま御三方にも問いかけたい. なぜこんなにも藤井氏を徹底否定してかかるのか. 藤井氏(および京都大学グループ)らは,当時の政府が招集した感染症対策の専門家たちの提言について,別の角度からの代替案や改善法を提示したり,批判をしているに過ぎません. たしかに藤井氏の口調が高圧的に映るところがありますが,事態が事態だ

コロナ禍でオリンピックを開催する理由を示せない人が多いから,私が代わりに答えよう

大変長らくブログ更新せずにおりました. というのも,ブログでの情報発信に飽きてきたような気がしていたのですが,気を取り直してまた再開することにします. あんまり長い記事を書くのはやめて,短いのを書いていくことにします. じゃそんなわけで,この話題で. 依然として,オリンピック開催の可否でもめてます. 先日もこんな記事を書きました. ■ コロナ禍でオリンピックを開催する理由を示せない国は,拉致被害者も救出できない オリンピック開催と拉致被害者救出とにどんな関係があるんだと思われるかもしれませんが,いやいや,大有りです. 詳しくはそっちの記事をご覧ください. さて,こんな状況ですから,オリンピック開催について否定的な人が多いですよね. 政府分科会もこんなことを言ってます. ■ 尾身会長「パンデミックの中での五輪開催は普通でない」 (NHKニュース 2021.6.3) 3日の参議院厚生労働委員会で、政府の分科会の尾身会長は、東京オリンピック・パラリンピックについて、「本来は、パンデミックの中で開催するということが普通でない。それを開催しようとしているわけで、開催するのであれば、政府もオリンピック委員会もかなり厳しい責任を果たさないと、一般の市民もついてこないのではないか。開催するなら、そういう強い覚悟でやってもらう必要がある」と強調しました。 「この状況下でやるんだったら,開催理由を明確に示せ」 とも言われています. で,それについて日本の総理大臣はこう答えています. ■ 菅首相 五輪は「平和の祭典」「壁乗り越え努力、世界に発信」 (毎日新聞 2021.6.3) 私は個人的にはオリンピック開催には賛成です. ただし,いろいろと条件がある. まず,さすがにこんな状況ですから,「無観客」で開催する必要はあるでしょう. 政府も総理も繰り返し述べている,「安全対策を万全にして行う」というのも. オリンピックだからって,開催地でレッツパーリーする必要はありません. 粛々と「オリンピック・ゲーム」を執り行なえばいいんです. そうなると, 「どうしてそこまでしてオリンピックを開催しなければいけないのか? その理由を示してくれ」 っていうのがありますよね. 菅総理は「平和の祭典だから」とか「壁を乗り越え努力することを世界に発信する」などと言ってますが,これはコロナ禍でオリンピックを開催す