コロナ禍でオリンピックを開催する理由を示せない人が多いから，私が代わりに答えよう

大変長らくブログ更新せずにおりました．

というのも，ブログでの情報発信に飽きてきたような気がしていたのですが，気を取り直してまた再開することにします．

あんまり長い記事を書くのはやめて，短いのを書いていくことにします．

じゃそんなわけで，この話題で．

依然として，オリンピック開催の可否でもめてます．

先日もこんな記事を書きました．

■コロナ禍でオリンピックを開催する理由を示せない国は，拉致被害者も救出できない

オリンピック開催と拉致被害者救出とにどんな関係があるんだと思われるかもしれませんが，いやいや，大有りです．

詳しくはそっちの記事をご覧ください．

さて，こんな状況ですから，オリンピック開催について否定的な人が多いですよね．

政府分科会もこんなことを言ってます．

■尾身会長「パンデミックの中での五輪開催は普通でない」（NHKニュース 2021.6.3）

3日の参議院厚生労働委員会で、政府の分科会の尾身会長は、東京オリンピック・パラリンピックについて、「本来は、パンデミックの中で開催するということが普通でない。それを開催しようとしているわけで、開催するのであれば、政府もオリンピック委員会もかなり厳しい責任を果たさないと、一般の市民もついてこないのではないか。開催するなら、そういう強い覚悟でやってもらう必要がある」と強調しました。

「この状況下でやるんだったら，開催理由を明確に示せ」

とも言われています．

で，それについて日本の総理大臣はこう答えています．

■菅首相　五輪は「平和の祭典」「壁乗り越え努力、世界に発信」（毎日新聞 2021.6.3）

私は個人的にはオリンピック開催には賛成です．

ただし，いろいろと条件がある．

まず，さすがにこんな状況ですから，「無観客」で開催する必要はあるでしょう．

政府も総理も繰り返し述べている，「安全対策を万全にして行う」というのも．

オリンピックだからって，開催地でレッツパーリーする必要はありません．

粛々と「オリンピック・ゲーム」を執り行なえばいいんです．

そうなると，

「どうしてそこまでしてオリンピックを開催しなければいけないのか？ その理由を示してくれ」

っていうのがありますよね．

菅総理は「平和の祭典だから」とか「壁を乗り越え努力することを世界に発信する」などと言ってますが，これはコロナ禍でオリンピックを開催する理由にはなりません．

そもそも質問に答えられていないし．

さてその理由ですが．

まず，「スポーツ」を舐めてはいけません．

これは人類が有する極めて重要な文化です．

スポーツは海外の文化であって，もともと日本にスポーツなんて無かったはずでは？

などと言いたくなる人もいるでしょうが，そういう狭い意味の話ではなく，これは「スポーツ」と見做される人類の文化活動全般のことを指しています．

詳しくは，このブログの過去記事で書いてますのでそっちも読んでください．

■人間はスポーツする存在である

そのタイトルで示したように，人間というのはスポーツをする存在です．

スポーツを失った人間は，ただの獣でしかない．

スポーツは，人間が人間であるための重要な要素なのです．

その代表的な全人類的イベントになっているのが，渦中の「近代オリンピック」です．

近代オリンピックがあるんですから，かつては「古代オリンピック」というイベントもありました．

■古代オリンピック（Wikipedia）

スポーツとは，ただの遊びの延長や，気晴らしの余暇活動のことを指すのではありません．

元来，人類における神聖な文化であり，神聖な魅力を有するイベントです．

人間は，スポーツに徹底的に取り組む必要があります．

それが人間の存在意義の一つだからです．

その代表的な存在であるスポーツ選手，いわゆる「オリンピアン」の活動は，全人類が守らなければいけない重要なことと言えます．

オリンピアンは，その活動動機や詳しい内情がどうであれ，建前としては，

「オリンピックでのゲーム（試合）のために日々の生活を捧げている人」

なのです．

そんな人達の活動の場をおいそれと奪うことは，あってはなりません．

日々の生活を「スポーツ」に注力する存在を守ることは，我々人類の，そして人間としての努めなのです．

「そもそも私はスポーツにもオリンピックなどにも興味はないし，神聖視もしていない」

などと言われても困ります．

そんな個人の感想など知ったことではありません．

人間の歴史はスポーツによって紡がれてきました．

ホモ・サピエンスは，その生命活動を「スポーツ」にすることで，人間として存在しています．

たちの悪い風邪が流行ってるくらいで，中止していいものではないのです．

実際のところ，オリンピックは平和の祭典などではありません．

人間の祭典です．

我々人類の共有物として，スポーツに打ち込む人間を確保しておくことが，現代のオリンピックの意義とも言えるでしょう．

そうしたスポーツの価値の共有が，結果的に「平和の祭典」になるのであり，これを執り行うことによって「壁を乗り越え努力することを発信」へとつながります．

だから，コロナ感染が怖いというのなら，観客を入れずにやればよろしい．

オリンピックにおける「試合」以外のものは，基本的に便乗ビジネスですから．

現地観戦とかグッズ販売とかパブリックビューイングとか．

本来なら不要なものなので，感染のリスクがあって，納得できないと言い出す人がいるなら，それらは躊躇なく取っ払いましょう．

それに，スポーツの試合をするだけなら，すでにプロ野球もサッカーも陸上競技も水泳も，なにもかもが開催可能であることが示されています．

プロ野球とか，普通に観客を入れて毎日やってます．

この期に及んで，どうしてオリンピックの試合がダメなのか．

オリンピック開催でこれだけ揉めるのは，この「便乗ビジネス」で得られる利益を手放したくない人たちの，往生際の悪いロビー活動が見え隠れするからでしょう．

そこは主催者が，毅然とした態度で開催する上でのルールを示せばいいだけのこと．

オリンピックに乗じてレッツパーリーしたがる奴がいたとして，それがどうしても気に入らないっていうなら，これにも毅然とした態度で対応すればいい．

つまり，これらは実施上のマネジメントの問題です．

オリンピック開催の是非を問うようなものではありません．