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コロナ禍でオリンピックを開催する理由を示せない国は,拉致被害者も救出できない

ブログ更新頻度が下がってるし,過去記事の引用が増えてると思う今日このごろ.
興味をひく話題がないなぁと思っているところです.

今回も過去記事の引用で.

前回の記事でも紹介してますが.
やっぱり今の日本はこの覚悟が足りないと思うんですね.

その記事では,伊藤祐靖 著『邦人奪還 自衛隊特殊部隊が動くとき』を取り上げて,国家と国民,そして政治家が,「有事」においてどのような覚悟を必要とするか述べました.

小説はというと,北朝鮮に拉致された被害者を奪還しようと,国がどのように動くかシミュレーションしたものです.
とても参考になります.



その記事では,こんなことを書いてます.

何人犠牲が出ようと,たとえ救出できずに,拉致被害者・自衛官共々全滅しようとも,「やらねばならないからやる」という決断をするのが政治家の仕事です.
そして,それが国家の役割.

小説中の政治家を笑うことは出来ません.
この覚悟が日本人の多くに無いんですよね.

軍事的安全保障に限らず,ありとあらゆる分野で.

今回の新型コロナ騒動もそうです.
こういう事態において政治家がしなければいけないのは,「何人の犠牲者が出るか開示して政策をとること」,すなわち,政治的な舵取りで何人の犠牲者を出すか示すことです.
そうでないと,政策の打ちようがないし,その責任もとれない.

拉致被害者の奪還,そして新型コロナ対策もそうですが,さらに言えば「オリンピック開催」も同じです.

オリンピックを開催することによって発生する犠牲.
それはコロナ禍であろうとなかろうと,必ず何かが存在します.

今回のコロナ禍は,それが明瞭・明確になっただけであって,政治家は,自分が採用する政策や方針が人々や社会にどのような影響を及ぼすか冷静に考えておかねばなりません.


私はオリンピック開催に反対するつもりはありません.
開催すればいいと思います.

オリンピックを開催することは,開催地における新型コロナ患者が増加することを上回る,文化的・人類的な意義があると考えているからです.

問題は,それを開催地の主催者や政治家がちゃんと発信できていないことです.

まずは東京都知事の小池百合子.
こいつが最大の癌です.

次に総理大臣,菅義偉.
あとは大会組織委員会長の橋本聖子.
五輪担当の丸川珠代あたりでしょうか.

実際のところ,政治家の多くはスポーツ文化に興味ないし,オリンピックの意義なんて考えたこともないのだろう.
橋本聖子にしても怪しいものだ.


北朝鮮拉致問題では,タカ派気取りのウヨクたちが結構安易に,
「特殊部隊を送り込んででも奪還すべきだ!」
などと言いますが,件の小説はそれに冷水をかけるものです.

奪還を命じられた特殊部隊に多大な犠牲を出しても実行するのか?
もっと言えば,報復として日本の都市がミサイル攻撃されても実行するのか?

他国に軍隊を侵入させてオペレーションを展開することは,そのような反撃と犠牲が発生するものです.

つまり,拉致被害者1人を救出することの引き換えとして,たとえ日本人が何十人,何千人,何万人と犠牲になろうとも,
「それでも救出することに意義がある」
と言えなければいけません.

そしておそらく,今の日本国に,こうした覚悟はありません.

拉致被害者の奪還については,安倍晋三に期待されていたフシがありましたよね.
しかし安倍は,拉致問題については見事なまでに全くのノータッチで総理時代を駆け抜けました.
多分,日本全土を射程に入れたミサイル攻撃態勢が完成している現在の北朝鮮に,手も足も出なかった,っていうか,相手にされていなかったのでしょう.

別に,安倍晋三だけが悪いと言っているわけじゃありません.
じゃあ,安倍がもし「皆さんの頭上にミサイルが降ってくるかもしれないけど,国家の威信として拉致被害者を救出します」などと言って,国民はそれに納得しただろうか.
しないよね.


これと同じことが,オリンピックです.
たかがオリンピック開催の理由を明示できず,代わりに,ぼんやりとした開催に向けた流れを作っているだけです.

そんな国が,拉致被害者を救出なんぞできるわけがないのです.




関連書籍
伊藤祐靖 著『邦人奪還 自衛隊特殊部隊が動くとき』

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