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スチューデント化された範囲の表の補間

Tukey法とかSteel-Dwass法の計算をするのに,「スチューデント化された範囲 studentized range」の表を何度か紹介してきました.
以下の2枚です.



画像の元ファイル(Excel)で確認したい場合は,
このリンク先→「統計記事のエクセルのファイル」から,
「スチューデント化された範囲の表」
のエクセルファイルをダウンロードしてご確認ください.



この表の「ν(自由度)」の数値ですが,例えば上記の表であれば「21」以降の数値は「24」「30」「40」「60」「120」以外の「α」値が分からない,という事になってしまいます.

Tukey法を計算したくても,N数が「43」とかだったらα値が分からないわけです.


そこで今回は,このスチューデント化された範囲の表に書かれていない自由度(ν)の部分のα値を算出する方法を簡単に示したいと思います.


今回の例としては,上記の有意水準5%の表で,

【3群】で【 自由度(ν):22 】

のところのα値を知りたいということにしておきます.

補間するために必要なのは,知りたい値の自由度に一番近い上下の「自由度」と「α」の値です.

今回の例で言うと,以下のような状況になります.

ということで,知りたい【 自由度:22 】のα値ですが,以下のように計算していきます.
一気に1つのセルで計算しきってもいいのですが,整理していきます.


まずは計算Aということで,このような式をどっかのセルに入れます.

=(1/B3-1/B4)/(1/B2-1/B4)*C2



お次は計算Bとして,こんな感じに.

=(1/B2-1/B3)/(1/B2-1/B4)*C4


それぞれエクセルの表中の数値を参照して計算していますので,知りたい値が変われば「スチューデント化された範囲」の表の値に合わせて各々の値も変わります.


最後に,C3のセルに計算Aと計算Bの値を合算しておきます.

ということで,


「3.55」が3群で自由度:22の時のα値です.


ちょっとした計算ですが,知っているとお得ですね.

参考文献:永田靖・吉田道弘『統計的多重比較法の基礎』


※後日,こんな怪しいブログよりも信頼性が高いものに触れてもらうよう,
独学で統計処理作業をスキルアップさせるための本
という記事を書きました.参照してください.


外部サイトにも有益なリストがあります.こちらも参考にしてください.
大学生が自力で「統計学」の勉強をするための良書10選
1ヶ月で統計学入門したので「良かった本」と「学んだこと」のまとめ