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雑談|「35歳の少女」を見て思ったこと
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あれから25年って結構長いね
ひょんなことがきっかけとなり,YouTubeのチャンネル「柴咲コウ・レトロワグラース」を登録してるって話をしたことがあったと思います。
■柴咲コウ 公式'Les Trois Graces' Channel(YouTubeチャンネルページ)
最近も,柴咲コウが運営している会社の紹介動画が投稿されているのを見たんですけど,ちょうどそのチャンネルのページで,柴咲コウが主演している「35歳の少女」というドラマの紹介があったんです.
私はいつも動画配信サイトのHuluを使っているのですが,意識的に見てみると,目立つように柴咲コウのモノクロ・ドアップの画像が出てきます.
せっかくだから見てみたんです.
現在のところ,3話まで配信されています.
私はドラマは連続で一気見していきたいタイプなので,とりあえず完結するまで放置することにします.
でも,結構面白そうな内容です.
「35歳の○○」というドラマとしては,以前も「35歳の高校生」っていうのがありましたね.
■35歳の高校生(Wikipedia)
こちらは,教育現場にいる者として,けっこう身につまされる場面がありました.
ドラマとしての出来はどうであれ,こういうのは時代の移り変わりを楽しむきっかけになるので面白いです.
いずれにせよ,少し年齢的な幅があるものの,私と同世代の人の物語と言えます.
ちょうど演じている柴咲コウも,私と同じ世代ですし.
私も10歳の頃に,どんなことを考えていたかなぁと.
「35歳の少女」のほうの舞台である「1995年」と言えば,阪神淡路大震災,地下鉄サリン事件,野茂英雄がメジャーリーグ入り,イチローが200本安打デビューした次の年,ウィンドウズ95が登場,などなど.
いろいろドタバタしてたけど,意外と楽観的に捉えていたところがあった時代です.
私も小学生ながらに,このドラマの女の子のように,将来はきっと凄いことになる!って思っていました.
で,2020年.
なんだから別の意味で凄い時代になっていますね.
そして,意外にも「25年も経っているのに,それほど発展していない」っていうのが本音でしょう.
たしかにスマホとかパソコンとかインターネットなんかが出てきていますけど,生活の質はそれほど上がっていません.
だって,25年ですよ,25年.
四半世紀です.
とんでもなくレベルアップした社会があってもおかしくない,って思うじゃないですか.
むしろ,文明的には退化しているんじゃないかと思われます.
っていうか,経済的には明らかに退化してるんでね.
柴咲コウ世代の私たちとしては,ギリギリ90年代初期の「バブルの残香」を嗅いでいるわけで.
そこからの日本の凋落っぷりは凄まじかったですね.
そう言えば,私たちの世代を象徴する伝説のドラマが,この時期にありました.
安達祐実主演の「家なき子」です.
視聴率37%という,今では信じられないような数字を出したドラマ.
■家なき子 (1994年のテレビドラマ)(Wikipedia)
考えてみれば,安達祐実とその役である女の子も,私たちの世代ですね.
バブル崩壊の影響が徐々に現れてきて,「子供の貧困」が目立ち始めた時代.
ただ,まだこの時代の「大人」たちの多くは,
「俺達の子供の頃は,もっと貧困にあえいでいた奴がいたぞ」
と一笑に付していました.
そういう「俺たちはもっと苦労した」系の老害メンタリティが,1998年以降,現在にまで至る20年以上の「デフレ不況」の原因の一つと言えるでしょう.
現在,家なき子だった少女は,「万引き家族」として生きているのでしょう.
安藤サクラが演じた役が,この世代です.
■万引き家族(Wikipedia)
今となっては,子供の貧困は,深刻な社会問題となってしまいました.
それで思い出したんですが,私と同世代の知り合いにW大出身の大学教員がいるんですけど,その人の同級生に,外務省に勤めている人がいるらしいんです.
その先生曰く,この同級生が省が企画した研修か何かで東南アジアに行った際の感想を聞いたんだそうですが,それが,
「東南アジアには,住むところに困っている子供がたくさんいたことに驚いた.日本ではそんな子供はいないから恵まれていると思った」
などと,本気でホザイたから殺してやろうかと思ったそうです.
あのね,こういうのってね,生活レベルの格差が出てきちゃってるんですよ.
この外務省職員さん,例えば「家なき子」の少女や「万引き家族」みたいな境遇の人って,あくまでも「ドラマの設定」であって,現実の日本にはほとんど存在しないと思っているわけ.
他にも,例えばドラマの「TRICK」に出てくる仲間由紀恵が住んでいるようなオンボロアパート.
あれなんかも,「ドラマとしての過剰演出によるお笑いネタ」であって,今どき,そんなところに本当に住んでる人なんていない.いたとしても,人生を捨てている,生きる価値のない人間の住居って感じで思ってるらしいんですね.
ちなみに,私の学生時代の下宿先が,このTRICKに出てくるアパートとそっくりです.
懐かしい気分になれます.
ですけど,実はこういう生活レベルの格差について,「実態を全く知らない層」というのがたくさんいるんです.
上述した,
「今となっては,子供の貧困は,深刻な社会問題となってしまいました.」
っていうことにしたって,それをなにかの拍子に話のネタとして聞くことはあっても,実際にそんな子供なんか,見たことも聞いたこともないです,っていう層が,結構たくさんいるわけ.
それは,その人の周囲には「貧困に苦しむ階層」の人間が存在しないからです.
富裕層は富裕層だけで,貧困層は貧困層だけで生活し,教育を受けるスタイルになってしまったから.
これは特に都市部で顕著です.
かつてはクラスに何人か「超大金持ちの子供」と「日々の生活に苦しむ貧乏な子供」が同席していたんですが,今ではそんな状態は田舎の公立学校に行かないと見られません.
なんにせよ,こういうのが,日本の舵取りを司っている省庁に官僚として入っているんです.
絶望的です.
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