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危ない大学が轟沈する2023年(2025年)までラストスパート

業界を引退した私には実感が分かりませんが,皆さんどうですか?


このブログでは,過去に何本か「危ない大学」シリーズを書いています.
例えば,


そこでは,「まじめに大学をやれ」っていう話をしているのですけど,当時の私がどうしてそんなにも「大学とはなにか」と訴えていたのかといえば,結局のところ,

「チャラいことせず,まじめに大学教育に取り組んでいないと学生募集が苦しくなるよ」

っていう,極めてゲスい話なのです.
決して,高尚な教育論を説いていたわけではありません.

そういう記事を書き始めてから,かれこれ10年以上の歳月が経ちました.
その間,残念なことに私の予想通りの大学経営状態がアチラコチラで見られています.


実際,具体的にはこういう予想を4年前(2019年)に記事にしています.

もちろん,少子化と世帯所得減少の影響で受験者数が徐々に減っていくことにはなるのですけど,それ以上に大きな影響が2025年頃に発生するんです,っていう話でした.

ざっくりと要点を言えば,

「2025年頃は,大学進学の恩恵をあまり感じていないロスジェネ世代の子供の多くが受験生になる頃で,この世代はそもそも世帯所得が低く,奨学金制度を使ってまで大学への進学を勧める家庭が少ない可能性が高い」
というものです.
で,さらに言えば,
「日本経済の状況いかんによっては,その4年後(2029年頃)になると,大学に進学した人とそうでない人(高卒就職組)の差が取り沙汰されるようになり,(私の直感によれば)社会人生活の充実度に『大学を卒業する』ことのメリットはあまり無いのではないないかと評価される恐れがある」

っていうことです.


で,この記事を書いた次の年に発生した「新型コロナ騒動」によって,日本経済は大混乱に陥り,大学教育とその経営にも大きな影響がありました.
なので,よっぽど行政がうまい舵取りをしない限り,大学経営にもネガティブな影響が発生するだろうということで,この「2025年予想」を以下のように修正.

そこでは,新型コロナ騒動によって2025年予想がもっと早まって,「2023年」頃からヤバい事態になるんじゃないかと述べました.

そんなわけで,今年がその2023年になりました.
私の予想によれば,今年が勝負の年になる可能性がありますね.

そういう意味では,今年(2022年度)の学生募集の結果は,次年度を占う重要なものになるでしょう.

さて,どうですか?
すでに轟沈状態になっている大学の皆さん,(私的には)その大学に未来はないと思いますので,なんか別のことを考えましょう.
そこに居続けることは,非常に危険な行為です.

具体的には,教員公募に応募するか,知り合いに引っ張ってもらうよう頑張るか.
なんにしても,今から大逆転を期待するのは難しいと思います.

一方で,
「私の大学は,コロナ禍においても受験者数・入学者数は減っていないよ」
という人もいるかもしれません.

いえ,それでいいんです.
そういう大学にお勤めになっているのであれば,それは誠に結構なことです.

過去記事でも繰り返していますが,受験者数や入学者数に大学間で格差がついてしまうこと,それが「危ない大学問題」なのです.
目先の学生募集に走って,小手先のテクニックやチャラい宣伝に頼ってしまうと,結局は大学間競争でふるいにかけられる側になってしまう.
だからずっと「まじめに大学をやれ」っていう話をしてきたのですよ.


理想的には,どの大学でも同じようなクオリティの教育が受けられることと,それでいて垣根が低く学術的価値の高い経験が積める機関を目指したほうがいいと考えていました.
今でもそれは不可能な話ではないと思っていますが,まぁ,別の形で実現する方が無難かもしれないとも思っています.
それを記事にしたのが,こちらの「新・大学改革論」のシリーズです.

コメント

  1. 初めまして。現在、当方後期高齢の研究愛好者ですが、
    先生のblogのhttp://imnstir.blogspot.com/2014/04/p.htm.を、
    当時たまたま拝見し、統計に疎い当方、更に年配のお方に、40年間の
    がんや指定難病や川崎病の患者数動態と花粉飛散数の変動との間の相関性を計算するのに活用いただきまして、先生のhttpをM&Mに
    いつも記述して、既に11論文をpublishedしております。
    一度は先生にお礼のmailを差し上げたいと存じてまいりました。
    ようやく連絡申し上げます。個人的に先生とmailのやりとりができればと存じております。先生に、お礼のついでに、「今年は兎にかく花粉避け生活を。COVID-19が下火になっても、マスク着用と空気清浄機の稼働を。」をお伝え致します。awaya@home.email.ne.jp 045-861-4502

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  2. いつもご覧いただきたいありがとうございます。当ブログが研究活動のお役に立っておりましたら幸いです。メールは「プロフィール」のところから送信できます。

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