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新・大学改革論|大学改革が好きな人たち
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大学改革に込められた皆の想い
前回の続きです.
■新・大学改革論|必要性に迫られているわけではなく,たんなる気分転換
前回は,現在進行している「大学改革」が始まったのが1991年であり,
「どんだけ長いことやってんだよ.ここまできたら「改革」じゃなくて既に「通常運転」だろ.っていうか,改革すればするほど大学崩壊してるだろ」
について具体例を挙げながら整理しました.
次はこれからの大学像について語ると言っていましたが,もう一つ追記したいことがありました.
今回は,大学人の多くに「大学改革」を好き好んで取り組む人たちがいる理由を解説します.
それをおさえておけば,今後のことも理解しやすいからです.
慎重にまじめに取り組んでいる人達がいる一方で,チャラい感じで取り組んでいる人達もいます.
問題なのは,こうしたチャラい奴らの多くに「大学改革が好き」というケースが散見され,強烈な我田引水を企んでいる場合が多いことです.
まさに,
「活動的なバカより恐ろしいものはない」
のです.
活動的なバカに「大学改革好き」が多い理由
人は,多かれ少なかれ現状に不満を持っています.
これを改善しようとすることは,自然な欲求です.
ところが,活動的なバカは「だから改革しよう」と言い出します.
もしくは,改革しようとする勢いに便乗したがります.
改革とは何か.
『デジタル大辞泉』によれば,
従来の制度などを改めてよりよいものにすること。とあります.
つまり,制度そのものに手を加える重大な事案なのです.
しかし,活動的なバカが改革したがるのは,
「私が普段から不都合に思っていること」
「こうすればもっと私が働きやすいのに」
「なんかよく分かんないけど,ムカつく」
という非常にあっさりした理由です.
そこから導き出される大学改革も,結局のところ我田引水にすぎません.
大学教育界全体を見渡したものではないのです.
「日本の将来」,「学生の将来」などと未来志向な言葉で飾り立てますが,今,目の前で対峙している学生,取り組んでいる研究を考慮した,地に足のついた議論はしないのが「改革好き」の特徴です.
だから,大学改革の議論を好む人達は,
「ボクが考えた最強の大学」
を恥ずかしげもなく提唱します.
実際,「ボクが考えた最強の大学」の寄せ集めが,「大学設置基準の大綱化」から始まり現在に至っている,この国の「大学改革」の姿と言えます.
ゆえに,毎年次から次へと「誰かの思いつき」や「その場のノリ」で決まったような改革案が,突貫工事のように30年間繰り返されてきました.
それはまるで,どこぞの落ちぶれた観光地に残っている,増設を繰り返したホテルのようなものです.
原形が残らないほどのプレハブによる建て増しと,ジュースを買いに自動販売機を探していたら,本館と別館の間で迷い込んじゃうほどの迷路.
こうした大学改革を推進してきた人はどのような人種なのでしょうか.
それは,大きく分ければ3タイプいます.
(1)研究成果を認めてもらい,研究しない教員を罰したい人種
(2)教育こそが大学の存在意義だと主張したい,研究活動をしたくない人種
(3)研究も教育もできないけど,大学改革の旗振り役におさまった人種
以下に,それぞれ解説しましょう.
(1)研究成果を認めてもらい,研究しない教員を罰したい人種
「大学改革」において,実は最も罪深い「活動的なバカ」がこの人種です.
我田引水の極み.
頭が良いだけのバカとも呼ばれます.
彼らは,自分自身は研究活動を頑張っているタイプです.
それなりに業績もあって,学内や所属領域では一定の地位がある.
かつての大学現場では,そうした研究活動を頑張っている教員には,一つの不満がありました.
研究活動を全くしていなくても,ぬくぬくと大学教員をやっている人が一定数いたのです.
っていうか,今もいますけどね.
自分の研究業績に自負のあるバカは,研究活動をしていないのに同じ給料をもらい,休日もノホホンと過ごす教員が憎くてたまりませんでした.
そこまで極端でなくても,
「大学教員のレベルとは,研究業績の多さで測られるべきだ」
と考えるのがこの人種です.
そこで,「大学改革」を利用して,こうした「研究活動をしている/していない」に差をつけてほしいと願ったのです.
研究している人にはより多くの研究費を与え,研究業績の多さに応じてポイントがつく.
それは「研究」というフレームだけで考えれば正論かもしれませんが,大学業界,教育界全体で考えれば逆方向のエネルギーを生みました.
前回の記事で解説したように,この,
「研究している人に研究費を与え,研究業績の多さに応じてポイントがつく」
を採用した結果,日本の研究レベルは凋落の一途を辿り,日本の大学は研究活動を展開する上で最悪の環境を生んだのです.
なぜか?
当たり前ですが,
「研究している人に研究費を与え,研究業績の多さに応じてポイントがつく」
という制度を用意したら,それまで研究していなかった人も含め,多くの人が「研究費獲得」と「業績評価」を求めた行動をとり始めます.
そのなかには時代の波に乗れた華々しい研究をする人も出てきますが.
しかしその一方で,どうでもいい研究,レベルの低い研究,不正データに基づく研究も氾濫するようになります.
結果として,
「研究業績を評価基準にすれば,私の評価は上がるはず」
と期待していた人の当てが外れる事態になったのです.
残念でしたね.
あなたのその「研究肌の教員」という優越感を得られる肩書は,研究活動に熱心ではない教員が存在したからこその立場だったのですよ.
最も活発に改革活動を展開しているのがこの人種です.
研究業績には自信がないけど,
ゼミの希望者が多い.
授業の評判がいい.
学生と仲がいい.
卒業後も元学生がよく訪ねてくる.
といったことを発言の拠り所としています.
この手の人種は,前述した「研究肌の教員」と犬猿の仲だったりしますので,判別が容易です.
「研究なんてのは個人的な趣味.学費は学生の教育のために使うものだろ」
というのが彼らの一般的な態度と言えます.
しかし実際のところは,自分が研究できない人間であることを隠すための言い訳だったりします.
そんな彼らの前に現れた,「教育に力を入れる」という大学改革の方針は,渡りに舟でした.
研究なんかしたって,学生全員が研究者になるわけではない.
卒論をまともに書けなかった奴が,今では社長をしている.
授業は学生の将来に役に立つもので構成されるべきだ.
大学改革に乗じて,ここぞとばかりに持論をまくしたてています.
しかし,彼らに散見される問題点は,「大学の存在意義」「学生は大学で何を学ぶのか」を放ったらかして「学生のために」と議論することです.
ようするに,どこまでいっても「ボクが考えた最強の大学」であり,持論で塗り固められた大学像と,その実現プランでしかないのです.
なお,大学の存在意義についての詳細は,
■大学について
■大学について2
に書いたので,そちらをどうぞ.
畢竟,彼らの言う「学生のための教育」とは,「単位取得」と「就職」です.
実際のところ,質の高い授業やゼミを展開しているわけではありません.
自分の専門性を無視して,「キャリア教育」とか「自己啓発」の要素を混ぜた授業を展開する傾向にあります.
別にこういう教員が極少数いても構わないんですけど,それをまるで大学の真の存在意義であるかのように論じるのは暴力的です.
最も悲しい存在がこの人種です.
かつての私なら殺意を覚えていましたが,最近は歳をとったせいか,悲しい人達なんだなぁと憐れみの目を向けるようになりました.
むしろ,こうした大学人としてなんの取り柄もない人を救うために「大学改革」が始まったんじゃないかと思えるフシもあります.
大学改革って面倒くさいんです.
だから,教育熱心で研究熱心な人たちにとっては邪魔でしかありません.
しかも,繰り出してくる改革案や答申も,呆れて物が言えないくらいの代物.
なので,呆れて何も言わなかったんですね.
そもそも,これが良くなかった.
一度始まった運動には慣性が生じます.
国が動かす政策であれば尚の事.
簡単にやめるわけにはいかない.
なので,各大学は「改革担当者」を特別に用意して処理しなければいけませんでした.
しかし,大学改革を担当する人たちは,そこに自分の居場所を見つけてしまったのです.
実際,彼らの多くは研究にも教育にも才能がなく,熱心でもないから手持ち無沙汰でした.
肩身が狭かったんですね.
そんな時に,国の肝煎り政策を担当するようになったのです.
大学改革担当者になれば,あたかも自分が大学運営を主導している気分になれます.
国からこんな要望が出ているぞ.
これに対応するためには,本学はこんなことができます.
またこんな要望が出てきたぞ.
え? 何を言っているのか複雑で分からないですって?
承知しました,そこは担当者である私が詳しく解説しましょう.
こんな調子で,学長や理事長とも会議をする機会が増え,ある意味で出世コースにもなったのです.
こんな美味しい仕事,やめられるはずがありません.
実は,そんな本人たちも,この大学改革に意義も効果も無いことを知っています.
たんなる文部科学省のお仕事.
政治家たちの,その場限りのパフォーマンス.
それに右往左往する,活動的なバカ教員を意識的に操っているのも彼らです.
むしろ,「大学改革」で謳われている内容が,本格的に達成されてしまうと一番困るのは担当者たちです.
そして,大学改革が止まったら仕事がなくなるのも担当者たちです.
次から次へと意味不明な改革案が登場する理由は,達成困難で無駄な仕事を作れば作るほど,自分たちが輝くからです.
そんなこと続けることに,大学教員として恥ずかしくないのか? と思うかもしれません.
思うわけないじゃないですか.
だって,彼らは研究能力も教育能力もないのですよ.
論理立てて合理的に考えることができないし,教育的思想を持ち合わせているわけでもないのですから.
大学改革を取り巻く人々はこんな感じです.
そんなわけで,次回こそは,「どうせ改革するなら,こんな改革にしよう」について書きます.
※というわけで,書きました.
■新・大学改革論|我田引水の改革案はやめよう
ところで最近,大学改革を懐疑的に論じる書籍が増えましたよね.
我田引水の極み.
頭が良いだけのバカとも呼ばれます.
彼らは,自分自身は研究活動を頑張っているタイプです.
それなりに業績もあって,学内や所属領域では一定の地位がある.
かつての大学現場では,そうした研究活動を頑張っている教員には,一つの不満がありました.
研究活動を全くしていなくても,ぬくぬくと大学教員をやっている人が一定数いたのです.
っていうか,今もいますけどね.
自分の研究業績に自負のあるバカは,研究活動をしていないのに同じ給料をもらい,休日もノホホンと過ごす教員が憎くてたまりませんでした.
そこまで極端でなくても,
「大学教員のレベルとは,研究業績の多さで測られるべきだ」
と考えるのがこの人種です.
そこで,「大学改革」を利用して,こうした「研究活動をしている/していない」に差をつけてほしいと願ったのです.
研究している人にはより多くの研究費を与え,研究業績の多さに応じてポイントがつく.
それは「研究」というフレームだけで考えれば正論かもしれませんが,大学業界,教育界全体で考えれば逆方向のエネルギーを生みました.
前回の記事で解説したように,この,
「研究している人に研究費を与え,研究業績の多さに応じてポイントがつく」
を採用した結果,日本の研究レベルは凋落の一途を辿り,日本の大学は研究活動を展開する上で最悪の環境を生んだのです.
なぜか?
当たり前ですが,
「研究している人に研究費を与え,研究業績の多さに応じてポイントがつく」
という制度を用意したら,それまで研究していなかった人も含め,多くの人が「研究費獲得」と「業績評価」を求めた行動をとり始めます.
そのなかには時代の波に乗れた華々しい研究をする人も出てきますが.
しかしその一方で,どうでもいい研究,レベルの低い研究,不正データに基づく研究も氾濫するようになります.
結果として,
「研究業績を評価基準にすれば,私の評価は上がるはず」
と期待していた人の当てが外れる事態になったのです.
残念でしたね.
あなたのその「研究肌の教員」という優越感を得られる肩書は,研究活動に熱心ではない教員が存在したからこその立場だったのですよ.
(2)教育こそが大学の存在意義だと主張したい,研究活動をしたくない人種
最も活発に改革活動を展開しているのがこの人種です.
研究業績には自信がないけど,
ゼミの希望者が多い.
授業の評判がいい.
学生と仲がいい.
卒業後も元学生がよく訪ねてくる.
といったことを発言の拠り所としています.
この手の人種は,前述した「研究肌の教員」と犬猿の仲だったりしますので,判別が容易です.
「研究なんてのは個人的な趣味.学費は学生の教育のために使うものだろ」
というのが彼らの一般的な態度と言えます.
そんな彼らの前に現れた,「教育に力を入れる」という大学改革の方針は,渡りに舟でした.
研究なんかしたって,学生全員が研究者になるわけではない.
卒論をまともに書けなかった奴が,今では社長をしている.
授業は学生の将来に役に立つもので構成されるべきだ.
大学改革に乗じて,ここぞとばかりに持論をまくしたてています.
しかし,彼らに散見される問題点は,「大学の存在意義」「学生は大学で何を学ぶのか」を放ったらかして「学生のために」と議論することです.
ようするに,どこまでいっても「ボクが考えた最強の大学」であり,持論で塗り固められた大学像と,その実現プランでしかないのです.
なお,大学の存在意義についての詳細は,
■大学について
■大学について2
に書いたので,そちらをどうぞ.
畢竟,彼らの言う「学生のための教育」とは,「単位取得」と「就職」です.
実際のところ,質の高い授業やゼミを展開しているわけではありません.
自分の専門性を無視して,「キャリア教育」とか「自己啓発」の要素を混ぜた授業を展開する傾向にあります.
別にこういう教員が極少数いても構わないんですけど,それをまるで大学の真の存在意義であるかのように論じるのは暴力的です.
(3)研究も教育もできないけど,大学改革の旗振り役におさまった人種
最も悲しい存在がこの人種です.
かつての私なら殺意を覚えていましたが,最近は歳をとったせいか,悲しい人達なんだなぁと憐れみの目を向けるようになりました.
むしろ,こうした大学人としてなんの取り柄もない人を救うために「大学改革」が始まったんじゃないかと思えるフシもあります.
大学改革って面倒くさいんです.
だから,教育熱心で研究熱心な人たちにとっては邪魔でしかありません.
しかも,繰り出してくる改革案や答申も,呆れて物が言えないくらいの代物.
なので,呆れて何も言わなかったんですね.
そもそも,これが良くなかった.
一度始まった運動には慣性が生じます.
国が動かす政策であれば尚の事.
簡単にやめるわけにはいかない.
なので,各大学は「改革担当者」を特別に用意して処理しなければいけませんでした.
しかし,大学改革を担当する人たちは,そこに自分の居場所を見つけてしまったのです.
実際,彼らの多くは研究にも教育にも才能がなく,熱心でもないから手持ち無沙汰でした.
肩身が狭かったんですね.
そんな時に,国の肝煎り政策を担当するようになったのです.
大学改革担当者になれば,あたかも自分が大学運営を主導している気分になれます.
国からこんな要望が出ているぞ.
これに対応するためには,本学はこんなことができます.
またこんな要望が出てきたぞ.
え? 何を言っているのか複雑で分からないですって?
承知しました,そこは担当者である私が詳しく解説しましょう.
こんな調子で,学長や理事長とも会議をする機会が増え,ある意味で出世コースにもなったのです.
こんな美味しい仕事,やめられるはずがありません.
実は,そんな本人たちも,この大学改革に意義も効果も無いことを知っています.
たんなる文部科学省のお仕事.
政治家たちの,その場限りのパフォーマンス.
それに右往左往する,活動的なバカ教員を意識的に操っているのも彼らです.
むしろ,「大学改革」で謳われている内容が,本格的に達成されてしまうと一番困るのは担当者たちです.
そして,大学改革が止まったら仕事がなくなるのも担当者たちです.
次から次へと意味不明な改革案が登場する理由は,達成困難で無駄な仕事を作れば作るほど,自分たちが輝くからです.
そんなこと続けることに,大学教員として恥ずかしくないのか? と思うかもしれません.
思うわけないじゃないですか.
だって,彼らは研究能力も教育能力もないのですよ.
論理立てて合理的に考えることができないし,教育的思想を持ち合わせているわけでもないのですから.
大学改革を取り巻く人々はこんな感じです.
そんなわけで,次回こそは,「どうせ改革するなら,こんな改革にしよう」について書きます.
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■新・大学改革論|我田引水の改革案はやめよう
ところで最近,大学改革を懐疑的に論じる書籍が増えましたよね.
関連記事
■反・大学改革論
■反・大学改革論2(学生からの評価アンケート)
■反・大学改革論3(学生はお客様じゃない)
■反・大学改革論4(喜んでる教員)
■過去記事の「大学が危ない」はどこまで実現しちゃったか
■昨今の大学用語辞典
■大学教員は「キャリア教育」をどのように考えるべきか
■新・大学改革論|必要性に迫られているわけではなく,たんなる気分転換
■新・大学改革論|我田引水の改革案はやめよう
■新・大学改革論|これからの時代に授業は不要
■新・大学改革論|信頼性の高い学術コミュニティを用意する
■新・大学改革論|なぜ大学改革は間違うのか?
■新・大学改革論|地に足のついた,公平で合理的な,あまり嬉しくない改革
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コメント
大学を取り巻く改革の中でも最悪、事業仕分け以上に有害なのが「働き方改革」だと思っています。私たちは大学院時代から朝早くから夜遅くまで土日もなく研究に打ち込んできました。大学改革で雑務が増えても、持ち前の勤勉さで何とか雑務と研究を両立していくことも出来ました。しかし、働き方改革はその「勤勉さ」を真っ向から否定するものです。一部の民間企業では残業をさせないために18時になったら強制的にPCをシャットダウンするとか、ドローンを飛ばして残業をしていないかどうか監視しているようですが、このようなものを大学に持ち込まれたら研究はどうなるのでしょうか?まして、大学改革に伴う膨大な雑務と研究をどうやって両立しろというのでしょうか?
返信削除現在の働き方改革,ヤバいですよね.私がお慕いしていた先生(だいぶ前に定年退職されました)も,「教員は工業的な労働者とは毛色が違うんだよ」と言って,文部科学省や大学経営陣からの要求を突っぱねるために,あの手この手を弄したとのこと.小中高の先生方も同じ悩みをもっているようですが,「教員(研究者)」に必要な働き方改革とは,教育機関としての「成果」を上げるものであるべきです.もちろんそこには時間や金銭的な無駄が発生しやすいのですが,時間設定とかコスパといった概念とは一線を画する分野のはずですよね.
削除どこに質問してよいのかわからなかったのですいません。
返信削除カイ2乗検定で,CHITEST関数でエリアを指定すると、ブログの画面のようになったのですが、カイ2乗和を出して、CHISQ.DIST.RT関数でやると違った値になってしまいました。どちらが正しいのでしょうか。
恥ずかしいので匿名にしてしまいました。
コメントありがとうございます.カイ二乗和というのは,どのようにして算出した値ですか?なんとなく仰っしゃりたいことの意味は解せるのですが,念の為ご確認ください.例えば,「エクセルExcelでΧ二乗検定を(事実上のパート1)」で例題にしているものですと,「8」になる値のことでしょうか?宜しくお願い致します.
削除すいませんでした。自由度の設定をうっかりしていました。
返信削除(3-11)×(3-1)=4
としたら大丈夫でした。
自由度の設定でしたか.なんにせよ,解決してよかったです.
削除失礼します。
返信削除この記事で紹介されているTukey法は「Tukey's HSD Tset」および「Tukey-Kramer Test」の内どちらなのでしょうか。
また「ABS (平均値の差) / SQRT(各群の分散の平均値/繰り返し数)」で表される値を統計学の用語ではなんと言うのか、教えていただけないでしょうか。
この記事によるTukey法を文章で友人に説明したいのですが、どう説明すればいいのか悩んでいるので、相談のコメントを送らせて頂きました。確認よろしくお願いします。
操作に不慣れで何度も送信してしまいました。申し訳ありません
返信削除何度もすみません。
返信削除「この記事」というのは、「ExcelでTukey法による多重比較」のページのことです。
失礼しました。
ご質問ありがとうございます.
削除その記事で紹介しているのは,HSD法と呼ばれている方法です.Tukey-Kramer法は「繰り返し数(N数)が異なる群を,Excelを使ってTukey法で多重比較する」という記事で紹介しています.関連記事に入れていますので,興味がございましたらご参照ください.
あと,「ABS (平均値の差) / SQRT(各群の分散の平均値/繰り返し数)」についてですが,これに用語があるかどうか私は知りません.例えば,Wikipediaなどではスチューデント化された範囲の表に照らすことから「q」と表記されています.もしご存知の方がおりましたら,コメント等にてご指摘いただけると助かります.
相関係数の差の検定に関するエクセルを使用させていただきました。誠にありがとうございます。2点教示頂きたいことがあります。
返信削除対応のある場合の相関係数の差の検定の検定名は何とかいいますでしょうか。Meng testでよろしいのでしょうか。
また、対応のない場合の相関係数の差の検定の検定名は何といいますでしょうか。
お手数をお掛けして申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
コメントありがとうございます.対応のある/ない相関係数の差の検定について,私自身この業界から身を引いて久しいこともありまして,一般的な名称は存じ上げません.研究論文を漁れば,現在の通例的な名称が出てくるかもしれませんが,その元気がありません.
削除対応のある相関係数の差の検定については,匿名様がおっしゃるように,「Mengらの方法」などと表記して,念のため参考文献をつけておけば良いかと思います.
対応のない検定の方は,検定手順が「相関係数をフィッシャーのZ変換をして有意性を分析する」というものですので,その旨を書いてしまえばいいです.ただ,分野によってはそれだけだと怒り出す査読者もいるので,御園生善尚 編『統計学大要』養賢堂(1975)を参考文献にすると良いかと思います.
今回の質問はオフラインやメールでも相談をよく受けるのですが,今までは上記のもので大丈夫でした.ただ,もし新しい知見や改定事項などありましたら,ぜひご指摘いただけると嬉しいです(今後の皆様,学生・研究者のためになります).
なお,本ブログ記事のひとつに「卒論・修論のための「統計」の部分の書き方」(https://imnstir.blogspot.com/2019/06/blog-post_6.html)がありまして,そこでも書いていますのでご参考ください.
早急かつ詳細に教えてくださり、誠にありがとうございます。
削除大変勉強になりました。
細かく解説していただいて、大変助かります。
返信削除統計は始めたばかりで、初歩的な質問ですが、よろしくお願いします。
マンホイットニーのU検定において、分散を出す際に用いる
=((A5*A11)*(A5+A11+1))/12
の数式で、12で割っていますが、12の由来は何でしょうか。
N数+1ということでしょうか。
素人な質問で申し訳ありません。
すみません長らく放置してしまいました.質問ありがとうございます.
削除マンホイットニーU検定の「12」という数字ですが,これはU検定を算出する上での固定の値です.由来は分かりませんが.
統計学の書籍やWikipediaなどでも「12」を確認できますので,そちらもご参考ください.