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「あの大学」の記事がなぜか急上昇?

ここ数日,「結局,あの大学って高度なブラック大学として名を馳せているらしい」という記事のPVが増加中


ブログの統計情報によると,Twitterから参照されているみたいですね.
これです.

いったい,どこのどちら様ですか,この記事を紹介しているのは(笑)


その記事の内容を要約すると,
大学評論家などから「◯◯大学の成功は約束されている!」などと絶賛されていた新設大学の教員として,実は私が採用の運びになっていたんだけど,あまりにも建学の精神がダメダメ過ぎたもんだから採用通知を蹴ってみたところ,やっぱり,高度なブラック大学として有名になっていましたよ
っていう話です.

その教員採用までの流れを,小説のボツシーンで掲載しています.
※ちなみに,その小説というのはこちら.

小説内では,「あの大学」は『飛鳥大学』ということになっています.
あ,もちろん飛鳥大学なんて大学はありません.
劇中に登場するものは全て仮名です.

ただまあ,飛鳥大学っていうのは,分かる人には分かっちゃうだろうなぁとは思うけどね.


さてさて,この機会にあらためて「飛鳥大学」の最近の様子をネットで調べてみたんです.
やっぱり惨憺たる評判ですね.

けど,飛鳥大学の学生さんや教員の皆さんが悪いわけじゃないですから.
あえて言えば,経営陣がこの状況をどうにかするべきなんですけど.


でもさ,私としてはそもそも「建学の理念」みたいなところがダメだったからなぁ.
そこがダメだと自動的に全部ダメになる.
すべての大学に必ずある「建学の精神」とか「建学の理念」っていうやつ,あれってとても大事ですよ.

分かるようで分からない,なんだかフワッとしてるやつとか一番危険.
たいてい,新設大学の建学の理念てフワッとしてる.

なぜかっていうと,古臭いカビの生えた理念を掲げるのが恥ずかしいって思っちゃう心理と,そんなものを今どき掲げてもパッとしないって考えてしまう浅はかさから発生するのです.
結果として,現代的と言えば聞こえはいいが,要するに「近視眼的かつ短期的なメッセージ」になっちゃうわけ.
で,そういう理念と精神の上に立っているわけだから,つまりはそんな大学になっちゃうんですね.

完全に「学生募集用」として振り切ってるほうが,なんぼか救いがある.

ためしに有名所の建学の理念と比べてみるといい.
その違いは明らかです(学術的な常識が通用する人が読めばだが...)


ちなみに,飛鳥大学の建学の精神はホームページで見ることが出来ますが,それとは別に,私はその「教員採用面接」において,学長から直接うかがうことができました.

それはつまり,
「学生の就職を最優先する大学」
なのだそうです.

それを聞いて,「あぁ,これはダメだな」と思いました.

勘違いしてほしくないのは,私は別に「就職なんかどうでもいい」と言いたいわけじゃないのです.
就職を優先しようという「精神」,それが結果的に大学としてのレベルを落とし,学生・卒業生のレベルを落とし,巡り巡って人類社会のレベルを落とすことにつながりますよ,っていう話です.

そもそも,面接で聞いた話によると,こうした「学生の就職を優先する」という理念と精神を掲げる理由は,「生き残りをかけた大学間競争に勝つため」だった.
つまり,「学生のため」などと口先では嘯いているものの,結局のところ自分たちの利益のためなのです.


ですから,私が今後期待したいのは,こういう「生き残りをかけた大学間競争」から距離をおいたところで教育をしようという大学・学部学科です.
言い換えれば,学生募集や注目度アップを狙わないところですね.

そこにいる教授陣がやりたいようにやれる体制こそが,実は最も教育的な潜在パワーを発揮するのですから.

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