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笑ってはいけない「いじめ防止対策推進法」

ブログの更新が気乗りしなくなって数ヶ月近くが経ちました. が,ここらへんで気合を入れ直していこうと思います. 今回のテーマは,少し時期が遅い話題ではありますが「いじめ防止対策推進法」についてです. というのも,これまでに学校教育の場におられる方々から,いろいろとお話しを聞かせていただきまして. 大事なことですから,タイムリーに話さなくても意思表明くらいはしておきたいと考え,ここに述べさせていただきます. この「いじめ防止対策推進法」ですが,そこに書かれていることの多くが学校に「あれして,これして」といった感じで「いじめ防止対策」を求めるもので(いじめ防止対策の推進法だから当然だが),学校現場においては法律に書かれていることへの対応が進んできているのだそうです. ところで,この法律の「第四条」に以下の記述があります. 第四条 児童等は,いじめを行ってはならない (いじめの禁止) 笑ってしまった人は,アウトー! (ちなみに私は初見では盛大に笑ってしまった) そんなフザけた文言があるわけない,と思った人は, 別添3 いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号) (文科省HP) にちゃんと書いていますので確認しておいてください. まるでギャグ漫画のネタのような法律ですが,事実です. 「なんてことを!笑ってる場合じゃないんだ.不謹慎だ」 という人もいましょうが,ここは一つ,冷静にいきましょう. 昨年(2013年9月)から施行されている法律ですので,その前後にたくさんのニュースやブログが書かれています. すでにたくさんの肯定的/否定的な評価がなされていますので,いろいろと他の記事と重複するところもありましょうが,私なりの見解もひとつ. まず, この法律は機能しません. なぜなら,この法律があろうとなかろうと,学校では「いじめ」への対策はされる(されている)からです. というか,法律で定めるようなことに馴染まないと言ったほうが適切です. 「これまで,いじめ防止対策がされていなかったから,今回のような法律ができたんじゃないのか」 というご批判もあるかもしれませんが,残念ながらトンチンカンな指摘です.ベクトルが違います,と言ったほうがいいかも. 私はこの法律が無意味だと言っているのではありません.機

計算方法が分かれば良い...,のかな,どうだろ

明けましておめでとうございます. 今年も続けるかどうか迷いましたが,やっぱり続けることにしました. 6年目. まさか6年も続くとは思いませんでした,なんてセリフを毎年繰り返しているようにも思います. さて,ここで問題です. 70÷0.8= その答えはなんでしょうか? 答え:87.5です. 馬鹿にしてるわけではありません. 今日,私の授業の最終テストとして出した問題の一部に,上記の計算をするところがあったのです. もうちょっと言うと,「70という値を元に,この100%の値を算出せよ」という趣旨で,よく読めば「70は100%中の80%に相当する」という状況が導ける問題だったわけです. 80%である70から,100%を算出しようと考えれば 70÷0.8 を計算すれば良い.というのは当然のことなのですけど. ところが,結構な数の学生が, 70÷0.8=88.8(または,89) 答え:88.8 などと書いて出してくるのです. いやいやいやいや. 君ら,あの◯◯大の学生でしょう? (本学学生の偏差値は国内でも上位に位置する) 100%の値を算出するのに,「70÷0.8」をすれば良いというところが全員分かったのは良しとしましょう. が,それよりもメチャクチャ簡単なはずの70÷0.8という計算そのものを間違えちゃってる. 以前, ■ 数学が苦手な者の意見として で書いたことですが, 数学教育は,「計算する力」を高めることも大事ですが,それ以上に,「式を考える力」も大事だという点を取り上げました. 決して計算力を高める指導が不要だと言っているわけではなく,どのような計算をすれば物事を説明できるのか?という部分に焦点をあてることも重要ではないか,ということです. 暗算なんかの計算スピードはめちゃくちゃ速い人なのに,「なんでこんなデータ分析をするんだ!」と怒りたくなる卒論指導をしたこともありまして. 計算する力と,式を考える力は別物だな,と思うに至っておりました. が,今回の一件で,学生の計算する力を疑うようになりました. たまたまミスった.というのであれば良いのですが.結構多かったからなぁ. よく,こういう若者の学力低下を煽るニュースがあって,私はそれに対しては冷静かつ慎重な考察をしなければいけ