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続・女性の成功

ブログ更新頻度が下がっております.時間がとれないんです.
なので,以前書いたことがある記事に付け足すものはないかと思案してみました.

ということで,今回は「女性の社会進出」に関する記事を掘り起こしてみることにします.

4年前(2010年)に,
女性の成功
という記事で書いていた「女性の社会進出」というテーマについて,先般,評論家の佐藤健志氏が『女性閣僚と風俗嬢の間』と題して考察していました.これが非常に面白いんです.
有料コンテンツですが,よかったらこちら↓をどうぞ.
■ちょくマガ(角川):http://chokumaga.com/magazine/free/152/8/
佐藤氏の評論に注目している一人ですので,私は有料であっても読んでみました(安いし).

私が書いた上記の2010年の記事というのは,晩酌しながら酔っ払って書いていた覚えがあり,次の日になったら「ありゃちょっと言い過ぎだったかな」と反省した記憶もあります.
2010年と言えば大学で教鞭をとり始めた時期でもあり,「じゃあお前,社会進出を目指して学費を払っている女子大生にそんなこと言えるのか」って感じでもありますしね.

ここ最近はクオータ制やらなんやらで女性の社会進出がにわかに話題となってきたところでもあり,私としても「なんだかなぁ」と感じていたところへ佐藤氏の評論はストンとハマった思いがします.

女性の社会進出を推し進めようとするところに垣間見える不自然さと無理矢理感を論じたのが以前の私のブログ記事です.
どういう事かまとめて言いますと,
昨今喧しい「女性の成功・社会進出」とはつまり,女性もこれからは男社会,男の論理,すなわち経済的成功,社会的権力や威信を獲得することによって評価されることを求めることに他ならないということを意味しており・・,いやでもチョット待ってくれ,あれだけ「男社会」や「男の論理」を批判していたのに,その男性中心主義の上に乗っかった成功を喜ぶんですか?それって女性の価値を高めていることになっているのですか?
 ってことなのです.

佐藤氏はこれについて,そうした不自然で無理矢理な「女性が輝く未来」を求めた先には,とうてい「女性が輝いている」とは言いがたい状況を作り出す未来があるのではないかと論じます(もう既にそうなっている).
男性中心主義での勝者・権威者の要件とも言える,
(1)経済活動への参加度
(2)金稼ぎの効率性
を求めて(求めさせて)いくと,女性はとある効率性の高い経済活動へと参加する心理的ボーダーラインが下がっていくのではないかというのです.
それが水商売であり,特に風俗業だということを中村淳彦 著『日本の風俗嬢』を紹介しながら話を展開しています.

自分らしい生き方,夢,自己実現などという “まとも” な言葉で飾られてはいるものの,その「成功」の本質とは「効率よくお金を稼ぐ」ことと「周りから羨ましがられるポストに就く」ことに収斂される.それが「輝く女性」「女性の成功」なんだということになります.
ところが世の中そんなに甘くはないわけです.「男性のように輝きたい女性」が羨む男性だって,そんなに簡単にこの2つが手に入るわけではありません.
であるならば,その2つを求めるために「女性」を売ることだって,「輝いている女性」とは言えないだろうか.水商売や風俗嬢こそ,効率よくお金を稼ぐという成功モデルの要素を持った手段じゃないか.
そんなふうに,あたかも自己弁護のように割りきって,もう一つの輝くための要素である「羨ましがられるポストに就く」ための助走,準備,修行だということにして風俗嬢へと身を投じる女性が増えているというわけです.その最たる例が女子大生です.

佐藤氏は,最近の女子大生には,大学生活を継続するために風俗嬢になる人がいることも紹介しています.別に贅沢品や遊ぶ金欲しさのためではなく,まじめに勉強するために風俗嬢をやる人が増えているのです(特に下宿をしている地方出身者に多いとのこと).

はい.これはどうやら本当のようです.本学の学生たちからも聞きました.
ついでに,「先生,絶対に風俗とかに行っちゃダメですよ.学生がいるから」というアドバイスも頂きました.

遊ぶ金欲しさにやっている人もいなくはないでしょうが,たしかに今どきの女子大生には少ないでしょうね.贅沢に遊んでられるほど余裕が無いのが今どきの大学生なんです.
逆に,もう少し余裕を持てないものかと可哀想になったりもします(まぁ,私達の時くらいから言われていることですけど).

ということで,「よーっし,これからは女性を真に輝かせる教員になってやるぞ」と意気込んでみましたところ,来年の私のゼミを履修希望する学生は全員男子になるようです.