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この方法で…,「緒言でつまずいたとき」

前回紹介した,ジョシュア・ペイピン 著『この方法で生きのびろ!』シリーズを模したタイトルで一つ.

論文やレポートには「緒言」や「序論」「はじめに」という文章を用意する場合があります.授業内でのレポートではあまり要求されることはありませんが,卒業論文や修士論文などでよく目にするものです.

ですがこの「緒言」,なかなかの強敵でして何を書けばいいのか解らなくて困る学生も多いものです.私が担当している大学の授業の中でも指導することがありますが,前任校の修士の学生からも問い合わせがあったりするわけで.

「緒言」というのは,以下で何を主張し記そうとしているのかを紹介する部分なのですけど,執筆者本人がこの「何を主張したいのか」について深く整理できていなければ書けません.
実際,多くの学生(私も含め)のほとんどが,自分が書いている論文やレポートについて何を書こうとしているのか解っていない場合が多いので,これから何を書こうとしているのか紹介できるわけありません.

そこで,最初から「緒言」を書くことを諦めてしまう方法が良策です.緒言は一番後に回します.

一般的に論文やレポートは,・緒言・本論(準備,結果,考察など)・結論という流れで書かれますが,先に「結論」や「考察」を書いてしまうのです.
「結論」や「考察」を書けたということは,当たり前ですがその論文やレポートの結論が出たということですから,緒言も書き易くなるはずです.

論文やレポートだけでなく,社会ってのは結果に合わせて前提を作るものです.
むしろ前提通りにいく事なんて僅かなもので,結果次第でどうにでも取り繕わなければなりません.

「Aだと考えていたがBだった」と書きたいんだけど,結果がCだった場合,「Dだと考えていたがCだった」と書き直せばいいのです.
場合によっては,「Bだと考えていたがCだった」と書く図太さと柔軟性も持ち合わせるべきでしょう.

書き手の都合は読み手には関係ないですから,うまいことまとまればOKってことにしましょう.




2011年7月3日「結論が出ないとき」も合わせてご覧ください

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