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コンクリートからスポーツへ

先日(2月22日)の参議院での「国民生活・経済・社会保障に関する調査会」なる場において,京都大学の藤井聡先生が現在の日本における公共事業(公共投資)の重要性を説いておりました.

トンチンカンな質疑をする議員もおりましたが,こういうデータに基づく意見が為政者に届くことは大事です.

私も藤井先生のご意見は至極まっとうなものだと受け止めております.

公共事業については私自身も今から2年前,地元・高知の某工科系大学の人々と語り合いまして,その時の内容と激しく一致しておりましたので,意見を同じにする人が参議院の場で発表していることに心強い想いがしました.

その2年前の記事である
語り合う日々
でも取り上げましたが,デフレ状態に陥った社会を景気回復させるには公共事業しかないのです.

ましてや昨年の東日本大震災で地震の恐怖を改めて実感させられ,劣化したインフラの作り直しや耐震補強も必要であることを再認識させられました.

四の五の言わずに,ドカタのアンちゃんにドリルとツルハシをふるってもらいましょう.


藤井先生もどこかの場でおっしゃっていましたが,こういうことって,その道の研究者間であれば常識なんだとか.
例えば,諸外国に比べ日本は,
(1)公共事業が少ない
(2)道路が少ない
(3)山や谷が多くて建築・建設が難しい(コストがかかる)
といったようなこと.

ではなんでその「常識」が広まらないのか?
なんとなく犯人は分かってきますけどね.


こういうのってスポーツ科学の世界でも結構あって,「あまり知られていないけど実際は違うんだよ」というものとして,例えば
(1)疲労物質=乳酸
(2)10分以上運動を続けると脂肪が燃え始める
(3)柔軟性が高いとケガをしにくい
といったようなことでしょうか.
これらは全てスポーツ科学では「間違い」ということで常識ですが,未だに信じられていることが多いパチ情報です.

公共事業の話を無理矢理スポーツと関連づけてみますね.
これまた地元の話ですが「四国アイランドリーグ」です.
私もまだ学生時代だった2005年に立ち上がったプロ野球独立リーグです.

発足当初は運営陣の見通しの甘さが指摘されていましたが,実際にそうで,地元の私からすると四国活性化のために動いてくれるのは嬉しいんだけど「四国でプロスポーツは難しいよ」というところでした.

人口が少ないということもさることがなら,「インフラが整っていない」のです.
球場のアメニティはもちろん,球場への道路も整備されていないし,人々が「野球を観に行きたいなぁ」と思わせるための設備がないのですよ,田舎の四国には.

つまり,「四国アイランドリーグ」のように “地方で一旗揚げたい” と思っても,絶対に上手く行かない仕組みに日本はなっているのです.

たしかにリーグ運営陣は甘かったと思いますよ.
でも,それでも彼らの理念には熱いものがあり,地元民としても応援してあげたいのです.
ただ,いかんせん「うちの庭が狭くて申し訳ない」というところ.

高知は先日まではネット環境もブロードバンドにすらなっていませんでした.
一時期よく言われた「ITで地方から世界へ」,というのはウソ.

こんな状況にしておいて「地方を活性化」なんてよく言うよ,と.
まぁ,そういうことです.


ただ,勘違いしてほしくないのは,とくにかく山河をコンクリートで固めろというわけじゃないのです.
同じ作るにしても,魅力ある造形にしてほしいのです.

きっと,これからは公共事業が増えてくるはずです(というか,増えなきゃ日本は終わる).
せっかくですから,都市や町,村の良さを引き出すデザインに凝った工事をしてもらいたいものですね.
最近,四国村や白川郷,京都に足を運んで感動した者としての切なる願いです.

そういう部分にお金をかけるのも,これからの日本の公共事業には必要だと思います.

デザイナーの仕事も増えて,一石二鳥だと考えているのですが,いかがでしょうか?