2016年6月27日月曜日

大学院進学を考える人へ「実写版・パトレイバー」

Huluという動画サイトで,アニメ作品である「機動警察パトレイバー」が配信されています.
機動警察パトレイバー(wikipedia)

1989年の作品ですが,高知県出身の私はもちろん見たことがありません.こういうアニメは高知ではテレビでやっていないからです.
つい最近まで存在も知りませんでした.

もともと漫画とアニメで有名になったロボット系のSF作品なのだそうですが,それを実写にするっていうことで話題になったようで.
それもこのHuluという動画サイトで取り扱われているということで,「どれどれどんなものか」と見てみたわけです.
それが『THE NEXT GENERATION パトレイバー』
THE NEXT GENERATION パトレイバー(wikipedia)

2014年4月から2015年の5月までの1年がかりで7回に分けて劇場公開したとのこと(これもリアルタイムではその存在を知りませんでしたけど).
今回,Huluでその完結編である『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』が配信されるとのことで,せっかくなので全話通して見てみたんですよ.

結論から言って,めちゃくちゃ面白い.
マニアックな面白さが散りばめられていて,逆に言うと,見る人を選ぶんじゃないかと思います.
実際,各所で語られている映画レビューの評判はすこぶる悪い.
でも,見る人を選べばかなりハマるはずなんです.

誰にオススメできるかと言われれば,間違いなく「大学院生」です.
この物語の舞台となっている「特車2課 第二小隊」というところ,完全に「大学院の研究室」なんですよ.

大学院進学を検討している学部生から,よくこんな質問があります.
「大学院ってどんなところですか? 院生ってどんな感じですか?」
これについて以前もご紹介したのが,小説である森博嗣 著『喜嶋先生の静かな世界』.かなり大学院の雰囲気を味わえる作品としてオススメしています.そのものずばり大学院生を扱った作品ですし.

ですが今回ご紹介する『パトレイバー』は,一見すると大学院とは関係なさそうです.
でも,ここに流れている雰囲気は大学院の研究室のそれと完全に一致しています.

主演女優の真野恵里菜さんっていうんですか.彼女の演技が上手いのかどうか知りませんけど,絶妙な「院生っぷり」を見せています.相方である福士誠治さんとの掛け合いがたまりません.

筧利夫扮する後藤田隊長は,研究室の指導教員か助手みたいな感じ.雰囲気はゼミ指導中の私とそっくりです.
切迫した場面で彼がよく言う「冗談だ」にはものすごい既視感を覚えます.

それ以外にも出てくるキャラクタはどれも大学院に進学したら出会える人たちばかりです.大学院に行った人ならきっと頷けるはず.
気の強い美人の帰国子女.大酒飲み.性格の悪いギャンブラー.研究室の全てを知る生き字引的存在.などなど.
それらに相当する人たちが盛り沢山です.

彼らは時間を持て余しているのに時間に追われています.これも大学院.
コンビニに生活の全てをかけていて,そこで事件が起きます.これも大学院.
カップラーメンの食べ方に妙なこだわりを持っています.これも大学院.
たまに皆でソーメンとかバーベキューとかやると大盛り上がり.これも大学院.
出張先で艶っぽい出来事が発生します.これも大学院.

世間の人々から「役に立っているのか?」と問われることはしばしばあるも,実際のところ役に立ってなんかいやしないし,かなり大規模なお金を湯水の如く使っている側面もあるんだけど,対価に見合ったことをしているかと問われると答えは「否」.
じゃあ自分たちの存在は不要なのかと言われれば,そうではないんだという直感めいた抵抗感が芽生えるところも,大学院のそれと一緒です.

不思議な連帯感があるんですよ.研究室仲間や大学院生には.
気怠い毎日のなかに,何か大切なものがあるような.

そう言えば,途中で小説家の森博嗣を取り上げましたが,「パトレイバー」の監督は押井守です.
実は以前,この二人の作品を記事にしたこともありました.
「スカイ・クロラ」小説と映画を比較してみた
こんなところにも類似性があるのでしょう.