2016年5月5日木曜日

かつて,カタカナ語を使う者はバカだった

前回の記事で「安易にカタカナ語を使おうとする者」について取り上げました.その続きです.

挑発的なタイトルですが,ようするに前回の記事で言いたかったことをそのまま言ったまでです.

かつて,カタカナ語を使っている者はバカにされていました.
今はどうか?
今は多くの人がバカになってしまったので,とりたててバカにされることが少なくなったのです.

赤塚不二夫さんのアニメ『おそ松くん』に,「イヤミ」というキャラクタがいます.
http://dic.nicovideo.jp/a/イヤミ
「シェー!」で有名です.

彼は「進歩的であることを気取ったカタカナ語を使う者」の権化として描かれ,読者である庶民の笑いのネタになっていたのです.
それが証拠に,彼は己を「おフランス帰りザンス」と言うほどフランスかぶれなのに,自分のことを「ミー "me"」と呼びます.哀しいですね.
そこには,進歩的であることの象徴である「フランス」と,戦後日本の宗主国・アメリカの言語である「英語」が具現化されているのかもしれません.
ここには,背伸びして「俺は他の奴らとは違う」と信じたい男(日本人であること喪失したい日本人)の哀しみが現れています.
残酷ですが,それが見る者にとっては面白いのです.あぁ,こいつ痛い奴だなぁって.

このイヤミというキャラクタにはモデルがいるそうです.
芸人の「トニー谷」だとされています.奇抜な風貌で外国語混じりの口調の芸を披露していたのだそうです.■トニー谷(wikipedia)
似たような芸風で人気なのが「ルー大柴」です.■ルー大柴(wikipedia)
ちなみに,私はルー大柴を尊敬しています.

両者とも,意味・用法がデタラメな英語交じり口調で笑いをとっているわけですが,かつての日本は彼らを「こいつバカだなぁ」と笑っていられました.
しかし,今や一億総ルー化に向かっています.ルー大柴を笑えなくなったらこの国は終わりです.
(既に一部のグローバル化した幼稚園や小学校ではそれを見られるそうですが)

「俺は『イヤミ』やルー大柴とは違う.本当に進歩的な人間なんだ.だから癖で仕方なくカタカナ語が出てしまうんだ」
と自負する人もいるでしょう.
たしかにご本人はそれで良いかもしれません.しかし,こういう人こそが,この国を,この社会をメチャクチャにしていきます.

ところで,今でも鮮明に覚えているのですが,以前,ある教員が私にこう言ってきました.
「これからはインターナショナルなグローバリゼーションにフィットする人材を育成する時代だから,学生とのインタラクティブな授業やレクチャーを展開して,シンクするマインドをトレーニングをすることがマストだ」

吹き出して笑いました.
「ルー大柴か!」ってツッコミを入れようかと思いました.
その教員は笑っている私を見て「?」っていう顔をしていたので,慌てて「いえ,別に・・,はい,そうですね」という態度に急遽切り替えました.
もしかしたら私に「トゥギャザーしようぜ!」って言ってほしかったのかもしれませんが.


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