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アホアホマンに見る「アホな政治」
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前回の記事である,■突然ですが,メールにお応えしますで取り上げたなかに,
「保守・右翼の言動があまりに酷い件」
がありましたが,せっかくなので関連したものをもう少し続けてみます.
「せっかくなので・・」というその実,今回の話題は知り合いの先生と一月くらい前に話題にしていたことで,「これ,近々ブログに書いときますよ」と談笑していたものです.
皆さん,「アホアホマン」というのをご存知ですか?
古すぎて何年前だか覚えていませんが,テレビ番組『ダウンタウンのごっつええ感じ』でやられていたコントです.
ご存知無いという方は,「参考」として以下のURLを御覧ください.
単純に面白いコントであるとは思うのですが,何が面白いのかっていうと,ここに出てくる「アホアホマン」で描こうとしているテーマです.
このコントを考えた人(ダウンタウン?松本人志?)は,アホアホマンを通して何を描こうとしているのか?
それは「究極のアホとは何か?」ではないかと思うのです.
このコント,現在のテレビではきっと放送できないんだろうなという内容です.アホアホマンは知的障害者に見えますしね.今なら「障害者を侮辱している」などと言われかねません.
このコントで示されているのは「アホが正義のヒーローになってしまうと,それはもう笑うしかない」という,ある種の悲しみを含んだものに映ります.
そう言えばダウンタウンの松本人志は,「笑いの裏に,悲しみがある」とも言っています.
http://www.nhk.or.jp/professional/2010/1016/(←NHKウェブサイト『仕事の流儀』より)
知的に劣る者が正義のヒーローになったらどうなるか? それはもう「悲しい」ことになるわけです.いっそ笑うしかない.
そして,
「アホが正義のヒーローになるという状況は,むしろ現代社会においてあり得るのではないか? 」
と,そうした問題意識がこのコントのベースにあるように思えてなりません.
「正義のヒーロー」というのは,明晰な頭脳と行動力が必要とされる代表的な存在です.
現実の社会において「正義のヒーロー」と同じ明晰な頭脳と行動力が求められるものと重ね合わせてみると,このコントの面白さがさらに増します.
もっと言えば,このアホアホマンで描かれている「アホが正義のヒーローになる状況」は,既に現在の日本(に限らず世界中)で実際に起きているのではないか.
つまり,アホアホマンとは,現実において「正義のヒーロー」と祭り上げられた者・組織が引き起こしている出来事をデフォルメしていることにならないか.
そんなふうに考えさせられるのです.
例えば,上記のURLにもあるアホアホマンのコントには,こんなのがあります.
(敵と対峙して戦っているシーンにて)
浜ちゃん「よぉ―っし,アホアホマン!『アホアホハンド』でやっつけろ!」
ナレーション:アホアホマンは,アホアホハンドを装着することによって,鋼鉄をも貫く100万パワーのパンチ力となるのですな.
(そして攻撃シーン)
アホアホマン「キーック!キーック!」
浜ちゃん「なんでやねん!なんで足やねん!パンチやろ!」
と,まさにアホですね.せっかく強力な武器を用意しても,それを使わない.そして使い方を間違えている.
アホが正義のヒーローをやってはいけないのです.
これはコントの中だけの話でしょうか?
いえ,私にはこのコントで描かれているものが,現代社会や政治経済においても同じことが起きているとしか思えないのです.
実際に起こっていることをアホアホマン風にしてみますと,
浜ちゃん「よぉ―っし,アホアホマン!『アホアホアロー』でやっつけろ!」
ナレーション:アホアホアローとは,3本同時に放たれた矢が相乗効果を生み,鋼鉄をも貫くことができる必殺の武器なのですな
アホアホマン「えい!」(2本の矢が飛んでいく)
浜ちゃん「なんでやねん!なんで2本しか撃たへんねん!全部撃たな意味ないやろ!」
と,そんな感じです.
他にも,それを見て爆笑と同時にゾッとしたのが以下のコントでして,これってまさに政治的に筋の通っていない,その場しのぎの “アホな” 「補助金」とか「優遇措置」を表現しているように見えるのです.
最近では「沖縄基地問題」とか「保育所問題」に通底する「アホさ」が読み取れます.
この一連のシーンは,全編を通して最も神がかっていると思いました.
(深さ30mの穴に,女の子が落ちてしまった危機的状況において)
浜ちゃん「ゆうこちゃんが穴に落ちちゃったんだよ.助けてよ!僕はゆうこちゃん無しじゃ生きていけないよ!」
アホアホマン「アホアホドール!」
ナレーション:これを,ゆうこちゃんだと思って生きていくのだ
浜ちゃん「やかましわボケ!アカンねんこんなフニャフニャでは.助けてくれよ!穴に落ちてるんだよ」
アホアホマン「うん!アホアホロープ!」
ナレーション:アホアホロープとは,超合金で作られた10万トンの重さにも耐えられるロープなのだ
(20cmくらいのヒモを取り出す)
浜ちゃん「短いやないか!短い!30mやで,もっと長いの長いの!」
アホアホマン「うん!アホアホロングロープ!」
ナレーション:アホアホロングロープとは,10万トンの重さにも耐えられるロープで,なんと,さっきの倍の長さがあるのだ
浜ちゃん「だから短い!まだ短い!もっと長いの!」
アホアホマン「アホアホチェーン!」
ナレーション:アホアホチェーンとは,ダイアモンドと同じ硬さで出来た金属の輪と輪を,非常に弱いプラスチックで結んだチェーンなのだ
浜ちゃん「アカンやないかこれ!切れるがなこれ」
「助ける」ことになっていない政策を揶揄しているとしか捉えられない笑いです.
ありますよね.どうしてこんなに複雑な手の抜き方をしてるんだろうか,という補助.
そこまで複雑にするなら,いっそ手を抜かなきゃいいのに,と思えるような政策.
なんにせよ,アホアホマンは全編をしっかり見ることをオススメします.
非常に示唆に富むシーンが目白押しです.
このコントの作者はそこまで意図して作っているわけではないのかもしれませんが,「アホな正義のヒーロー」をテーマに作り込む過程で,そこに「アホ」に関する普遍的な哲学が宿ることもあるでしょう.
「保守・右翼の言動があまりに酷い件」
がありましたが,せっかくなので関連したものをもう少し続けてみます.
「せっかくなので・・」というその実,今回の話題は知り合いの先生と一月くらい前に話題にしていたことで,「これ,近々ブログに書いときますよ」と談笑していたものです.
皆さん,「アホアホマン」というのをご存知ですか?
古すぎて何年前だか覚えていませんが,テレビ番組『ダウンタウンのごっつええ感じ』でやられていたコントです.
ご存知無いという方は,「参考」として以下のURLを御覧ください.
単純に面白いコントであるとは思うのですが,何が面白いのかっていうと,ここに出てくる「アホアホマン」で描こうとしているテーマです.
このコントを考えた人(ダウンタウン?松本人志?)は,アホアホマンを通して何を描こうとしているのか?
それは「究極のアホとは何か?」ではないかと思うのです.
このコント,現在のテレビではきっと放送できないんだろうなという内容です.アホアホマンは知的障害者に見えますしね.今なら「障害者を侮辱している」などと言われかねません.
このコントで示されているのは「アホが正義のヒーローになってしまうと,それはもう笑うしかない」という,ある種の悲しみを含んだものに映ります.
そう言えばダウンタウンの松本人志は,「笑いの裏に,悲しみがある」とも言っています.
http://www.nhk.or.jp/professional/2010/1016/(←NHKウェブサイト『仕事の流儀』より)
知的に劣る者が正義のヒーローになったらどうなるか? それはもう「悲しい」ことになるわけです.いっそ笑うしかない.
そして,
「アホが正義のヒーローになるという状況は,むしろ現代社会においてあり得るのではないか? 」
と,そうした問題意識がこのコントのベースにあるように思えてなりません.
「正義のヒーロー」というのは,明晰な頭脳と行動力が必要とされる代表的な存在です.
現実の社会において「正義のヒーロー」と同じ明晰な頭脳と行動力が求められるものと重ね合わせてみると,このコントの面白さがさらに増します.
もっと言えば,このアホアホマンで描かれている「アホが正義のヒーローになる状況」は,既に現在の日本(に限らず世界中)で実際に起きているのではないか.
つまり,アホアホマンとは,現実において「正義のヒーロー」と祭り上げられた者・組織が引き起こしている出来事をデフォルメしていることにならないか.
そんなふうに考えさせられるのです.
例えば,上記のURLにもあるアホアホマンのコントには,こんなのがあります.
(敵と対峙して戦っているシーンにて)
浜ちゃん「よぉ―っし,アホアホマン!『アホアホハンド』でやっつけろ!」
ナレーション:アホアホマンは,アホアホハンドを装着することによって,鋼鉄をも貫く100万パワーのパンチ力となるのですな.
(そして攻撃シーン)
アホアホマン「キーック!キーック!」
浜ちゃん「なんでやねん!なんで足やねん!パンチやろ!」
と,まさにアホですね.せっかく強力な武器を用意しても,それを使わない.そして使い方を間違えている.
アホが正義のヒーローをやってはいけないのです.
これはコントの中だけの話でしょうか?
いえ,私にはこのコントで描かれているものが,現代社会や政治経済においても同じことが起きているとしか思えないのです.
実際に起こっていることをアホアホマン風にしてみますと,
浜ちゃん「よぉ―っし,アホアホマン!『アホアホアロー』でやっつけろ!」
ナレーション:アホアホアローとは,3本同時に放たれた矢が相乗効果を生み,鋼鉄をも貫くことができる必殺の武器なのですな
アホアホマン「えい!」(2本の矢が飛んでいく)
浜ちゃん「なんでやねん!なんで2本しか撃たへんねん!全部撃たな意味ないやろ!」
と,そんな感じです.
他にも,それを見て爆笑と同時にゾッとしたのが以下のコントでして,これってまさに政治的に筋の通っていない,その場しのぎの “アホな” 「補助金」とか「優遇措置」を表現しているように見えるのです.
最近では「沖縄基地問題」とか「保育所問題」に通底する「アホさ」が読み取れます.
この一連のシーンは,全編を通して最も神がかっていると思いました.
(深さ30mの穴に,女の子が落ちてしまった危機的状況において)
浜ちゃん「ゆうこちゃんが穴に落ちちゃったんだよ.助けてよ!僕はゆうこちゃん無しじゃ生きていけないよ!」
アホアホマン「アホアホドール!」
ナレーション:これを,ゆうこちゃんだと思って生きていくのだ
浜ちゃん「やかましわボケ!アカンねんこんなフニャフニャでは.助けてくれよ!穴に落ちてるんだよ」
アホアホマン「うん!アホアホロープ!」
ナレーション:アホアホロープとは,超合金で作られた10万トンの重さにも耐えられるロープなのだ
(20cmくらいのヒモを取り出す)
浜ちゃん「短いやないか!短い!30mやで,もっと長いの長いの!」
アホアホマン「うん!アホアホロングロープ!」
ナレーション:アホアホロングロープとは,10万トンの重さにも耐えられるロープで,なんと,さっきの倍の長さがあるのだ
浜ちゃん「だから短い!まだ短い!もっと長いの!」
アホアホマン「アホアホチェーン!」
ナレーション:アホアホチェーンとは,ダイアモンドと同じ硬さで出来た金属の輪と輪を,非常に弱いプラスチックで結んだチェーンなのだ
浜ちゃん「アカンやないかこれ!切れるがなこれ」
「助ける」ことになっていない政策を揶揄しているとしか捉えられない笑いです.
ありますよね.どうしてこんなに複雑な手の抜き方をしてるんだろうか,という補助.
そこまで複雑にするなら,いっそ手を抜かなきゃいいのに,と思えるような政策.
なんにせよ,アホアホマンは全編をしっかり見ることをオススメします.
非常に示唆に富むシーンが目白押しです.