2016年11月5日土曜日

山本有二:鳥無き島の蝙蝠にノミネート

私の地元の方々が推した国会議員の一人が,最近のニュースを賑わせています.
現・農林水産大臣 山本有二氏です.

山本有二農林水産相「冗談」発言を謝罪し撤回。野党は委員会強行に反発し「何度謝っても冗談だ。けじめを」(産経新聞2016.11.4)
山本有二農林水産相は4日の衆院環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)特別委員会の冒頭で、強行採決に言及した自身の発言を「冗談」と述べたことについて「私の不用意な発言で、再び皆様に大変ご迷惑をおかけしたことを心からおわび申し上げる」と述べ、発言を撤回した。「農業関係者のみなさまに心からおわびする」とも述べた。
山本氏の失言に端を発する混乱から,TPP承認・関連法案採決が延期されております.
そんな一連の流れをみて,案の定,こういう推測をする人も現れました.


ひょっとして山本有二農水相はTPP反対派ではないのか。(佐藤健志氏ブログ)

はい.私もそう思います.
が,その前に地元での話を先にしたいと思います.
山本有二は高知でどのような人物として認識されているのか.

彼の選挙区は高知2区(西部).
私の地元です.地元と言っても高知に選挙区は東西の2区しかないので,高知県西部の声がどれほど反映されているかは怪しいものですが.

ともかく,高知は全国的にも極めて「保守」が強いところです.実際のところ,日本で最も保守的と言っていい.
現在は,1区から中谷元氏が,2区から山本有二氏が国政へ出ることが確定になっています.

たまにしか高知に帰らない私ですが,どう考えてもこの地域でリベラル色のある議員は当選できません.維新とか日本の心がなんとかって言ってる党も一緒です.
とにかく “新しい考え方” に懐疑的な人達が多く,何処の馬の骨とも知らない奴を当選させるくらいなら,日本共産党の方がいいと考えるのが高知県民です.「かつて坂本龍馬など幕末の志士を多数輩出した地域とは思えない」などと揶揄されることもあります.

山本有二氏について,私の両親は良く思っていません.
以前,山本氏のことについて話題になった時,
父「結局は中央に媚びる奴.信用できない」
母「肝っ玉が座っていない.もっとシャキッとしてほしい」
とのことでした.
他の地元民の方々も同じような感じです.でも彼ぐらいしか力のある政治家はいないから,仕方なく出しているといったところです.

それを如実に表すのが,彼の立場である「TPP賛成派」.
ところが高知県民の多くは第一次産業です.高知県民から票を取りたければ,TPPには反対の姿勢を示した方がいいのです.
事実,高知県は県をあげてTPPに反対しています.
TPPについて(高知県庁ホームページ)

でも山本氏は,地元民から「中央に媚びる奴」と罵られながらもTPP賛成の立場を取っています.
TPPに賛成を表明していたほうが,安倍総理に近づきやすいのだろうし,要職にもつきやすい.そう考えているのかもしれません.
で,今回実際に農林水産大臣になれました.

その上で,彼は一連の失言騒ぎを,これでもかこれでもかと引き起こしています.
まるで「わざとやってるんじゃないか」と思われるくらいに.

わざとの可能性があります.
だって,考えてもみて下さい.山本氏が今回の失言騒動によって選挙区民からそっぽを向かれることはないからです.彼が失言すればするほど,高知県民のためになっています.
むしろ喜ばれているのです.山本よ,もっと失言しろと.

「政治は結果です」と言ったのは,安倍総理です.
その通りだと思います.
どのような政策や指針を表明しているかではなく,結果となって表出していることに政治家は責任をもたなければならない.
デフレ脱却,瑞穂の国などと口では言っても,実際には消費増税し,TPPを目指し,移民を推進のため動いている政治家は,その結果を招くための政治をしていることになります.
そういう意味において,結果として今国会でのTPP承認を不可能なものにしている山本氏は,TPP反対派と言ってもいいかもしれない.

実際のところ,本人以外誰も知りようがない話です.
今,農林水産大臣である山本氏には,TPPに関し各方面からたくさんの陳情や箴言が届いていることと思います.
彼の言動は,そうしたたくさんの人々の思いが入り乱れた中から紡がれているものと考えられましょう.

今年になって,四国出身の偉人を紹介する記事のシリーズをはじめました.
「鳥無き島の蝙蝠たち」のシリーズです.

もし山本氏が大臣更迭をも辞さない覚悟でTPPを引っ掻き回しているのであれば,彼を鳥無き島の蝙蝠の一人として取り上げても良いでしょう.
本当にそうならカッコ良すぎる話ですが.どうなんでしょうね.

でもこれだけは言える.
山本氏が失言を続けてTPP承認が不可能になったとしても,一連の騒動の責任をとって大臣を辞職しても,選挙区民は次の選挙で彼をまた国政に送り出すでしょう.