2016年12月4日日曜日

テレビは無いけどテレビに出たことはある

今回は思い出話.

テレビのない生活も15年になりますが,その間にテレビに出ること2回です.
なかなか貴重な体験をさせてもらいました.
1つはNHK.もう1つは朝日放送です.

NHKは学生時代です.
なぜか私の母校でやってる課外(サークル)活動が珍しいということで,NHKの番組プロデューサーの目に止まったらしく,それで取材に来ました.
その課外活動をやっている一人に私も含まれていまして,それでテレビ番組のなかの企画の一つとして写ることになったんです.

夕方の生放送番組で,全国をつないで各地域のネタを放送するというスタイルのものだったと思います.
その時既に私はテレビを廃棄していたのでよく知りませんが,朝昼夕と似たような形式の番組はよくありますよね.

私達学生が活動している様子を,「カメラで流しながら撮るだけだから」っていう打ち合わせをしてからスタート.
あぁいう番組って,結構適当にやってます.一応「ここを撮ります」って準備はするものの,あとは行き当たりばったりな感じです.
実際,私のところまでカメラが回ってきた時,なぜかアナウンサーが私にマイクを向けてインタビューを始めたのです.

そりゃビックリですよ.「え? 俺?」って.
話が違うじゃないか.
周りの友人達もギョッとした顔をしている.私もギョッとしている.
蜘蛛の子を散らすように・・,という日本語はよくできているなと感心した次第です.

生放送だし,このカメラの先に何百万人の目と耳があるかと思うとやっぱりビビります.
アナウンサーがなんか聞いてくるから,それに応える.何言ったのかよく覚えていません.でも,意外と流暢に言葉が出るものなんだなという感覚は記憶しています.
そのあたり,アナウンサーも応えやすい質問の仕方を心得ているのだなと思います.

あとで「突然ゴメンね」って謝られました.
時間が思いのほか余ったから,とっさに「学生の声」として拾ったらしい.

もう一つの朝日放送は,バラエティ番組でした.
これは大学で研究員をやっていた頃です.

バラエティ番組の企画で,芸人たちの体力テストをやるってことになったらしく,それで所属研究室の教授に同伴して出演することになったのです.
今度は生放送じゃないから気が楽です.

当初大学からは「テレビ出演に関する相談のため来客がある」とだけしか聞いていなかったので,とりあえず番組のプロデューサーの話を聞くだけ聞いてみようという感じで私と先生が対応しました.

現れたプロデューサーは開口一番,
「お二人は,◯◯◯という番組をご存知ですよね!」
って自信満々に聞いてくるんです.
私と先生は,
「いえ,知りません」
と答えました.ホントに知らなかったから.

なんでも,関西ローカルだけど視聴率が高いということで有名なバラエティとのこと.
たしかに,私と先生以外の人達はよく知っていました.

ガッカリした様子を隠さないプロデューサーは,そこから今回の番組の企画を資料を見せながら説明します.
芸人に体力テストをやらせるからってんで,その際に解説や測定値の評価をしてほしいとのことでした.
そんなもの,目立ちたがり屋の医学系大学教員に出演を頼んだら喜んで引き受けるだろうに,なんで私達のような本気の研究者を訪ねてきたのか不思議でした.

で,当時まだオブラートに包んだ物言いが出来なかった私は,これをプロデューサーにそのまま聞いちゃってるんです.「どうして私たちのような研究者にこんな話を持ってきたんですか?」って.困った若者です.
これについては,「ちゃんとしたスポーツの研究者を取り上げて番組を作りたいんです」とかいう,いまだ謎な理由を挙げていました.

ともかく,「な〜んだ,結構簡単な仕事じゃないか」と思って私と先生は引き受けたのですが,後にこれが案外大変なことだと分かります.

実は,番組内で芸人たちとからみながら測定・評価をするというものだったのです.

基本,私の先生が前面に出て進行したのですが,終始,「助手」という位置付けで私もちょくちょく出るものでした.
さすが,先生は場馴れしてるなぁと関心したものです.
私もかなり芸人たちからいじられたのですが,あとで「頼むから全部カットして」って懇願したし,私達芸人じゃない人とのやり取りはカットされやすいようですね.

あと,とても面白かったのが芸人の素顔.
カメラが回っている時と,そうでない時の落差が半端じゃない人がいます.カメラが回っていないと,うつ病患者じゃないかと思うくらいボーっとしているのですが,カメラが回り始めると弾けるようにはしゃぐ.この人は躁うつ病ではないかと心配です.

物凄く丁寧な対応をする芸人さんもいました.結構名の知れたベテラン芸人さんなのですが,撮影現場に入るなり,スタッフ一人ひとりに挨拶をしてまわります.
我々のところにも来て,先生だけでなく,なんと私にまで「君も今日,一緒にやってくれるんやてな.ホンマありがとうな.お願いします」と丁重に声かけをしてくれるのです.これには驚きました.

気配り上手が芸能界では大切だと耳にすることがありますが,そういうものなのかなと思わされます.
実るほど頭を垂れる稲穂かな.
上り下りの激しい芸能界では,いざって時にこうした気配りが効いてくるのかもしれません.

実際,録画している現場ってそんなに面白くないんです.
なんだかギャーギャー騒いでるけど,脇で見ているこっちは退屈です.
こんなやっつけな展開で本当にバラエティ番組として成り立つのか心配になるくらい.

あとで面白くなるように編集するようですね.
芸人さんやカメラマン,プロデューサーの会話を聞いていると,なんかそういうこと前提でやってる感じもあります.
だからプロデューサーやスタッフの方々に好かれていれば,なるべく面白くて活躍しているように仕立ててくれるのかもしれません.
見栄えや映る時間も,結局は編集次第ですから.

さて,番組が放送されると,じゃんじゃんメールが来るんです.
「お前,テレビに出てるぞ!」って.
先生もビックリしたらしいです.こんなに影響が大きいとは思ってもみなかったらしい.

さすが,プロデューサーが自慢するだけのことはありました.