2014年8月6日水曜日

続・STAP細胞研究の件

以前,「論じるための材料が揃っていないから」ということで記事にすることをためらっていたくせに,その騒動が収まる気配がないということに興味をもって感想を書いた記事があります.
STAP細胞研究の件
です.

この度,その収まらない騒動の中で一人の研究者が自殺をするという事態に至ったので,ここでも一つ,論じることはせずとも感想を述べておきたいと思います.

そのニュースについては,以下のサイトなどで
http://www.asahi.com/articles/ASG853DJ9G85PIHB005.html?iref=com_rnavi_srank


とは言え、私としてはこういった「自殺」の話をあれこれつつき回すことは避けたいところではあります.
件の大学教員の自殺ですが,今回のSTAP研究騒動が自殺の原因の大きな要素になったことは,ほぼ間違いないことなのでしょう.
ですが,他の記事でも書いているように「自殺」という行動に至らせた要因について,何か一つに特定して論じることはできない可能性があります.
子供の自殺原因「いじめ」は2%,という記事への反応への反応

ですので,この大学教員の自殺についてSTAP研究騒動との関連で論じるのは難しいですし,慎重でなければならないと思います.
少なくとも事情を知ることができていない私は論じることはできません.

ただ,今回の自殺とSTAP研究との関連性がどれほどのものか不明であったとしても,この機会にもう一度ブログ記事として著しておきたいと思い,ここに記しておきます.

今回の騒動を眺めていて感じたところを改めて書くと,とにかく度が過ぎたバカ騒ぎを皆して続けたという点です.

この騒動の中心に据えられている研究リーダーの女性についてもそうです.
論文執筆においては擁護しきれないほどにポカをやらかしていることが分かってきたのですが,詳細が分かっていないその他の何から何までをひっくるめて叩きまくっているのが,はっきり言えば私としてはムカつきます.

そして肝心の「STAP細胞」の有無ですが,まだ調査中だというのに煩く騒ぎ立てました.
黙って調査結果が出るのを待てよ,と.

だいたい,何をそんなに大勢の人々がいきり立っているのか,そのエネルギーの源は何なのか,それが私としては興味深いところです.
なんだか,阪神が負けたからって(勝ったからって)道頓堀に飛び込む人たちとダブります.
阪神ファンであればオモロイなぁで済みますが,今回の騒動でいきり立っている人々を見ると,
なんかその・・,呆れを通り越して憐れみが込み上げてくるんですよ.

ホントに興味深いんです,なんでこんなに皆さんが騒ぐのか.
実際のところ極一部の人だけが騒いでいるのでしょうが,その一部の人々の騒ぎようがマジでハンパねぇって感じです.

マスコミとしては,一連の出来事について視聴率や販売部数を伸ばすために大騒ぎにしたんだ,という言い訳が成り立つのかもしれません.
たしかに,彼らからするとそれで飯を食っているのですから仕方ない部分もあるのでしょう.

けど,こうした一連の騒動を大衆に見せて何か啓蒙できたことってあるんでしょうか?
「国民が収めた税金で研究しているのだから.それが無駄になっているのだから・・・」という意見もあるのでしょうが,だからってバカ騒ぎを起こしていいこととは別です.
国民がバカ騒ぎしなくたって,今回の研究は科学的な手順を追って粛々と葬られます.それが科学という営みです.良くも悪くも.

本件は,とある研究チームが論文不正をした,って話です.もしかしたら捏造しているかも,っていうニュースです.
たかがそれだけのことで,新聞の一面を全部使って天変地異が起きたような大事件として扱っていることは,見ていて微笑ましいものです.
あぁ,この国は終わってるなぁって.

門外漢の人たちが言えることとしては,
「行き過ぎた成果主義はこういう弊害を生むんですね.日本の健全な科学の発展のためにも,理研はより良い改善をしてください」
という感想を持つくらいでしょう.私もそう思っています.

理研としても,そして日本の科学界としても,不正があったことは日本の科学界全体の信頼性に波及することですので,対処しないわけがない話です.
逆に「特に対処はしない」ってことだったら,大いに騒いでもらって結構かと思いますが,そうじゃないですから.
あんたらに言われなくてもやっとるわ.というのが本音です.

ところで,これでSTAP細胞が再現できることが分かったら,研究チームを叩きまくっていた人たちは一体どういう事を言い出すんでしょうか.
きっと,
「科学は結果が全て.でも論文に不正があったことには変わりがない」
なんてことを言い出すのでしょう.
そりゃそうですけど.
そりゃそうなんですけどねぇ・・.
その時多くの日本人が,科学は結果が全てじゃないし,論文の不正というものが何を意味するのかということと直面するのでしょうが,残念なことにそれをきちんと理解できる人は少ない,ということになって,きっと気味が悪い空気が日本中を包むことになると思います.

まぁ,これは完全に妄想の話ですから,まずは静かに調査結果を待ちましょう.

けど,いきり立っている人の中には,
「じゃあお前,もしSTAP細胞が無かったらどうなんだ?」などという,これだけ話してもトンチンカンな文句をつけてくる方もいるかもしれません.

そういう話じゃないんです.
STAP細胞は有るのか無いのか,論文はどこまで不正なのか,といったことを詳らかにした上で,十分に検証がなされたその上で評価をしなければならない,という話です.
今回のSTAP研究騒動は,なんだか様々なものがごちゃ混ぜになってしまい,ごちゃ混ぜのくせに単純な解決を図ってしまっているという危うさがあります.