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新型コロナウイルスの件|怯えたり怒ったりするより,まず落ち着こう

新型でなくても「肺炎」で死ぬ人は多いし,依然,インフルエンザの方が目下の脅威です


もしかすると新型コロナウイルスに端を発する肺炎問題で,私の最後の仕事である「大学スノーボード実習」が中止になるんじゃないかと心配になっていました.
幸いなことに,なんとか無事に開催される運びとなっています.

とは言え,噂のクルーズ船みたく同じ屋根の下で濃厚接触する日々が始まることに違いはないので,学生にも感染症予防の指示は徹底されています.

でもまあ,そんなこと言っても何かしらのかたちで感染する可能性は高いのですから,あとは各自の免疫力・回復力次第となります.


さて,新型コロナウイルスのニュースが世間を騒がせていますが,このウイルスは,ようするに「風邪」「肺炎」を引き起こす原因の一つであることに違いはなく,それがどれほど危険なものか考えてみる必要があります.

現実問題として,グローバル化が進んだ今どき,完全に封じ込めることなど不可能なのですから,いつかは全世界に広まります.
そういうもんだと思って諦めるしかありません.

あとは,このウイルスの危険度の話になります.


よく小説や映画,サブカルのネタにされるような超絶凶暴なウイルス(ゾンビ化したり致死率100%)ではないことはたしかです.
感染しても,普通に回復する人の方が多いようですし.

昨今の日本国内における感染者増加の様子を見ても,おそらくもう多数の感染者がいることが推測されます.
たぶん,1000人〜2000人規模で存在してるんじゃないかな.

で,そのほとんどが「新型肺炎」とは自覚せずに,今まで通りの「風邪」として治癒しちゃってる可能性もありますよね.

たしかに感染しない方がいいし,発症したくないのはヤマヤマなのでしょうけど,そこまでヒステリックになるようなものではないと考えられます.


もちろん「新型」なのですから,未知の部分が多くて不安になることは多いでしょう.
もしかすると,とんでもなくヤバい後遺症を残したり,ある日突然ゾンビになったりするかもしれない,新型だから.

でも,そんなこと考え始めたら既存のコロナウイルスやインフルエンザウイルスや,その他諸々の細菌・ウイルスに総じて同じことが言えるわけですから,一般人である我々は考えるだけ無駄です.


「新型肺炎」ではない,現行の肺炎で亡くなった人は何人いるのか?


普段,私は一般的なニュースや情報番組を見ていないので,以下のような情報が世間に知られているのか不明です.
「新型」だというからには,その驚異レベルが,一体どれだけの水準になれば「脅威」だと考えられるのか,その材料がほしいと思ってしまいます.
それを比較検討するために,厚生労働省が出している日本人の死因がこちらです.
人口動態統計月報年計 - 厚生労働省(2018年データ)



このように,「肺炎」は日本人の死因の第5位で,毎年約10万人が肺炎でお亡くなりになっています.

なお,肺炎の原因のほとんどは「細菌性(肺炎球菌とインフルエンザ菌)で,コロナウイルスやインフルエンザウイルスといった「ウイルス性の肺炎」で死亡しているのは全体のおよそ3割(約3万人)です.
特に65歳以上の高齢者に多く,普段から注意しなければならない病気の一つといえます.
実際,今回の新型肺炎も高齢者の死亡率が高いようですし.

日本では毎年3万人くらいウイルス性の肺炎でお亡くなりになっています.
なので,ざっくりとした予想としては,今回の新型コロナウイルスは今年の日本国内で1000人くらいの死者を出すものと考えておけばいいでしょう.


逆に,5000人〜1万人の死者を出すようだと,コロナウイルスとしては異常に強力だと考えられます.

1月の記事でも取り上げましたが,中国国内のコロナウイルスの死者数とは桁外れに,実はアメリカではインフルエンザが猛威を奮っています.
死者1万人超、アメリカで「インフル猛威」のなぜ(東洋経済オンライ 2020.2.14)

なお,日本でのインフルエンザによる死亡数は約2000人〜3000人で,インフルエンザを原因とした肺炎での死亡者数(超過死亡という数え方をする)は約1万〜1万5千人です.

ですから,今回の新型コロナウイルスが,これまでのインフルエンザウイルスと同じくらいの毒性をもっているなら,それと同程度の約1万人の死者を出したら「ヤバい!」という事態になります.


そうなると,今後の世界人類は,インフルエンザウイルスとコロナウイルスの両方の脅威をもって生きていかねばならなくなるのです.

ただ,事態を楽観的にみれば,両者とも同じ予防法で対処できそうなことと,普段から健康的な生活を心がけていれば良いことです.


震源地となった中国では,湖北省・武漢をはじめとして各地を交通封鎖することで対処していますが,日本ではできないと思います.
なので,ふわっとした対処と自然に任せるしかありません.

現状,毒性や脅威性はインフルエンザウイルスと同じくらいだとされていますので,今年の日本の目標としては,
新型コロナウイルスによる死者を1万人以内にとどめる!
といったところで頑張ることになりそうです.


ずっと以前(90年代)から,情報番組などで,
「国際化の果てにあるグローバル化した世界では,感染症の瞬発的な流行(パンデミック)による人類存亡の危険性が高まる」
と言われていましたが,実際にそのようになってきたようです.
これと似たような事態は,当分の間は覚悟しておかねばならないでしょう.


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