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菅義偉内閣における河野太郎についてちょっと話しておく

 彼の保守層人気と担わされた役割とはなにか


先般,菅義偉内閣が発足しました.

で,そのなかの注目閣僚として「河野太郎」がいます.

彼について,今のうちに気になることを述べておきたいと考えています.


自民党および菅内閣における,彼の存在意義についてです.


河野太郎の人気は,特に自民党支持者におけるウヨク系で顕著です.

自称右翼・保守層とされる人たちですね.


しかし,先日のブログ記事でも指摘したように,彼は本来は右翼・保守層が嫌うはずの人間です.

実際,「行政改革担当大臣」という役職を,(建前上は)菅総理の肝煎りで指名されているくらいの改革派.


そして,「自民党を支持する,自称愛国右翼・保守層」が眉をひそめそうな主張をしている政治家なのです.

細かいことはウィキペディアを見てもらうとして,典型的なところをピックアップすると以下のようになります.

河野太郎(Wikipedia)

・小さな政府(国家の権力を低下させる)の主張者

・女性天皇・女系天皇の主張者

・外国人労働者の受け入れ拡大に賛成

・二重国籍の容認および日本国籍の付与条件の緩和を推進

・靖国神社参拝には反対

・選択的夫婦別姓に賛成

・日中友好の推進者

・反原発論者であり,核燃料再処理開発にも反対

・喫煙(タバコ)の規制に賛成

・印鑑の廃止に賛成

・外務大臣在任中にTwitterへ「ああ、ベーコンは、結局、^%£$+*•!%🌀✔️✖️🎶💱」と投稿するほど,精神に異常をきたす場合がある


以上のように,とてもじゃないですが,自民党を積極的に支持する「愛国保守」の方々の多くが「好む」ようなタイプの政治家ではないのです.

もし上記のような主張をしているのが「鳩山由紀夫」とか「蓮舫」とかだったら,「ほれ見たことか,これだから左翼政治家はヤバいんだ!」などと言い出しかねないものですよね.


河野太郎が愛国保守たちから好かれていて,あまつさえ「次期総理」と騒ぎ立てるほど支持されている理由は,
「韓国に強気に出ているから」
というものです.
韓国徴用工問題で,韓国側に対し「極めて無礼だ」と発言したというやつですね.


ですが,常識的に考えて,「韓国に強気だから」という,たったそれだけの理由で次期総理まで担ぎ上げようとする愛国保守は,あまりにバカ過ぎるというものでしょう.



実は河野太郎を担ぎ上げているのは「愛国保守」にプラスして「自民党勢力維持派」だと思う


愛国保守がバカ過ぎるのは想定の範囲内です.
しかし,もう一つ想定しておかねばならないことは以下のことです.

すなわち,河野太郎を担ぎ上げようとしているのは,
「将来的にも自民党の勢力と権力を維持し続けようと画策している人達」
だということです.

それは政治家だけでなく,秘書官や事務職員などから構成される,ぼんやりとした「組織」なのかもしれません.
さしずめ,自民党内部におけるアノニマスみたいなもので,
「硬い結束力は持たないが,党内および世論に漂うなんとなくの空気を感じ取り,それを政策立案と広報に活かそうとする勢力グループ」
だと推察しています.

彼らには,「日本をより良くするために政治活動をしているんだ」という認識は,おそらく皆無です.
そうではなくて,「当選するために政治活動をしている」「政権を維持するために政治活動をしている」というのが,偽らざる認識だと考えられます.
ですから,彼らにとって重要なのは,「正しい政治政策」ではなく,「正しい世論察知」ということになります.

彼らは,現在の世論や社会情勢が少しずつ,
「選択的夫婦別姓に賛成」
「女性・女系天皇に賛成」
「低賃金の外国人労働者を希望する職場の増加」
「国籍問題に悩む場面が増加」
といった流れになっていることを察知しています.

ですから,いつまでも夫婦同姓の原則や,凝り固まった天皇制に固執していると,世論が大きくなびいた際に,自民党としての勢力を低下させたり,政権政党から陥落する危機があると考えているでしょう.

その時,
「実は自民党は夫婦別姓を推奨しています」
「女系天皇でもOKです」
「もやは国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去っているのです」
と主張することができたら,その際の大勢世論の支持を獲得することが出来るわけです.

しかも,それを「愛国保守」と称するカテゴリの人々から支持されれば,いつまでも,
「左翼の野党共と戦う,愛国保守政権・自民党」
を名乗ることができます.

安倍晋三内閣だけ見ても,常識的に判断すれば極左政治の政権だったのに,これを支持する人達の多くは自称・保守でした.
そんな倒錯状態が,8年近くも続いていたのです.

これはひとえに,
「左翼・改革派の政治を,右翼・保守的な政治として世間に認知させた」
というテクニックによるものです.

河野太郎は,その手法のために用意された閣僚だと,私は考えています.
この見立てが正しかったか否かは,おそらく2〜3年くらい経てば見えてくると思います.

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