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オフラインの雑談で「自殺」の話をするのは結構危険だ

このコロナ禍で「自殺」の話がよく出てきたけど・・・


経済を止めたら,コロナで死ぬより生活苦で自殺する人が増えてしまう.
そんな話が昨年からずっと出てました.

実際,自殺者は増えたわけですけど.
コロナ影響か?2020年の自殺、11年ぶりに増加 : 女性と子どもの増加目立つ(Nippon.com 2021.3.24)

そんなわけで,「コロナと自殺」は関心の高いテーマの一つになっています.
そしてこれを,オフラインの雑談,つまり井戸端会議や茶飲み話にする人もいるのではないでしょうか.

しかし,これは結構な勢いで地雷になるので注意が必要です.


ご案内の通り,もともと日本は自殺大国です.
特に若年層の死因のトップが「自殺」という,非常に不名誉な社会といえます.

若い世代の「死因トップが自殺」はG7で日本だけ : 未成年自殺率、最悪を更新(Nippon.com 2020.11.6) 
年代別の死因順位をみると15~39歳の各年代の死因の第1位は自殺となっている。15~34歳の若い世代で死因の第1位が自殺となっているのは、先進国(G7)では日本のみであり、その死亡率も他の国に比べて高いものとなっている。
表:若い世代の「死因トップが自殺」はG7で日本だけ : 未成年自殺率、最悪を更新より


年間約2万人.
人口10万人あたりにして約20人です.

そんなこともあって,たまたま「あなたの親しい身内」に自殺者がいないだけで,実は身内に自殺者を抱えている人って日本にはかなり多いわけです.


私の仕事場でパートをしているオバちゃんたちも,休憩時間のティータイムで,「このコロナ禍で自殺者が増える」「経済を止め過ぎると,自殺する人が出てくる」という話題に触れたことありまして.
で,そのなかの一人が,若い人の自殺を主題にして雑談に花を咲かせていたのですけど.

しかもその話題というのが,
「主な自殺原因は何か」
とか,
「自殺した方が幸せなこともあるだろう」
とか,
「どんな自殺方法だったら苦しまずに済むか」
ってことだったんです.

ちょうどその頃は,三浦春馬さんや竹内結子さんの自殺がニュースになっていた頃でしたし.


でもね,実は,そこにいる従業員の一人に,娘さんを自殺で亡くしている人がいたんです.
その自殺した人っていうのは,私の従兄弟叔母にあたる人でもあります.二十歳頃のことだったと聞いてます.
だから私もそのことを知ってるんですけど.


ですから,「若い人の自殺」とか「自殺原因」だとか「自殺方法」だとかって話は,結構な勢いで,その場では不謹慎なんですね.
でも,その話で盛り上がってる人は,従業員の一人が娘さんを自殺で亡くしているということを知らないから,無邪気に盛り上がっちゃってるわけ.

私としては,その話題にのっかりながらも,なるべく話を逸らそうと努力しました.
でも,そんなときに限って,なかなか話題が変わらない.

終いには,
「飛び降りとか首吊は汚い状態で発見されるからダメ.一番きれいな自殺方法は,寒いところで気絶して凍え死ぬのが良いらしいよ」
とか言い出しちゃって.

あちゃー・・・・.
その従兄弟叔母の自殺方法がそれだったんです.

まあねぇ,
「知らなかったから」
で済まされることではあるものの,そもそもこんな話をオフラインの話題にするのはどうかと思うんです.

自殺を話題にするにしても,やっぱり配慮が必要です.
客観的データによる機械的な話にするとか,一般論や抽象的な話にして,具体性のないものにするとか.
話相手の身内に,自殺者がいる可能性は結構高いのですから.


こんな時期だからこそ,自殺を話題にする機会が多いかもしれません.
皆さんもご注意ください.

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