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令和の米騒動について 関係省庁および業界の皆様へ:友人知人への融通契約販売に要注意

令和の米騒動が収まりません.

農林水産省は,騒動が始まった昨夏から,
「新米が出回りはじめれば落ち着く」
「冬になれば安くなる」
「年が明ければ安定する」
などと言い続けてきましたが,どうやらそんな状況ではないようです.

新米出回っても高いまま コメ価格、11月は6割上昇 農水省は静観(朝日新聞 2024.12.20)


そして今年になると,こんなニュースも出ています.

米価もくろみ外れて高止まり 備蓄米放出、政府が迫られた方針転換(朝日新聞 2025.1.24)

私が住んでいるところでも,年々減ってきた米作りをしている方々へのお裾分け・直接購入の話が盛んで,スーパーや米屋に並ぶ商品の少なさに困っている人たちも多いものです.
今や,米作りをしている方々は貴重な存在です.

生産地域や生産者の近辺ですら「米がないからどうしよう」などと騒いでいるのですから,農水省の言説に対しては,
「どういうデータを元にしてそんな事言ってるんだ?」
と苛立つところもあるわけで.

昨年から私も農協出荷だけでなく,小売店や卸への直接販売・契約販売を展開するようになった関係で,契約販売を主体にしている米農家さんや,その卸売業者さんたちともコミュニケーションをとるようになりました.
そんな方々とお話してみると,昨年の秋頃から2025年度(つまり,2025年秋に収穫するお米の納入先)の契約が恐ろしい勢いで進んでいて,例年なら年明け1月から2月くらいに決まり切っていたのが,今年度は向こうから契約を持ちかけるものが多くて10月上旬には終わってしまったと(喜んで)言ってました.

もっと言えば,これは契約販売を主体にしている米農家さんだけではないのです.
いわゆる,
「自家用米(自分自身が食べるお米)を主に生産していて,その余剰分(「余り」といっても,実際には自分が食べる分の2〜5倍くらい作っている場合が多い)を,農協や地場産品売り場に出荷して,毎年,半ば自主義務的ルーティーンワークとしてお小遣い稼ぎ程度にしている小規模米農家」
と呼ばれるタイプの農家さんに対しても,この「契約販売」を持ちかける動きが活発なようです.

別にこれは飲食店や食品加工業者だけの動きではなくて,一般家庭からの注文契約も多いようで,
「今,お米が高いでしょう? もしお米を作る予定があったら,来年は私のところにも分けてよぉ」
といった雑談・井戸端会議のなかで契約・約束するような形でおこなわれているものです.

実態調査しているわけではないので確定的な話はできんのですけど,おそらく,こういうのって,ここ高知県西部だけの動きではなく,全国的な動きである可能性は高いものと考えられます.

この推測が当たるとすると,来年はさらなる米不足,価格高騰を引き起こすことは間違いないことになります.
今までなら市場出荷からスーパー,米屋に並んでいたお米のほとんどが,農家から直接購入する「契約販売」としての流通になるのです.

その結果,おそらく,今年の秋に収穫されるお米は,スーパーや米屋に流れにくくなります.

繰り返しになりますが,これは米の生産地域,生産者の近辺で起きている現象です.
そんな人達が,スーパーや市場を飛ばして,「お米の確保のために,友人知人の米生産者から融通してもらう」という動きになっているんです.

怖いのは,こういう動きはデータ化されにくいんだろうな,ということ.
だって,「今年お米を作る農家はどれくらいか?」とか「作付面積はどれくらいか?」といったデータを集めても,その農家が実際に「出荷」する量の推計に反映されない可能性があるわけです.
農水省や農協からすると,てっきりいつも通りの収穫・出荷量を予定していたら,実は「友人知人への融通としての契約販売」に流れてしまっていて,実際の出荷量が激減している,っていう事態が予想されるのです.

それに,都市部のご家庭でも,「今年2025年は,農家さんから直接安くお米を手に入れるために,購入契約しておこう」などと考える人もいるとされています.
農家から直接でないにしても,こうした動きを専門的に扱う卸売業者もいますので,その利用を考えている人も増えていることでしょう.

米が欲しければ,なるべく上流で確保しろ,っていう時代になるのかもしれません.


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