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Scammon curve


いわゆるスキャモンの発育曲線(臓器別発育曲線)ですね.

※後日,パワポのスライド用画像を作成しました.
勝手に使ってください.
Scammon curve2

これについて過日,某ジュニアスポーツに関する学科に所属する大学の先生から質問を受けました.

“リンパ型” が10~14歳時において200 %近くになるのはなぜか?

突然,携帯電話に
「これから学生に教えるから,大至急教えてくれ」 とのこと.
そう,授業開始直前だったんです.

もう!ジュニアスポーツの専門家なんですから自分で...,
とは思いましたが, “専門家” と看板を掲げていても,意外と盲点だったということはあるものです.
授業前なので急ぎ説明しました.


このブログを見ている人(たぶんスポーツ関係の人が多数でしょう)だったらどう回答しますか?

私はその時,
「この時期の子ども達はリンパ型臓器(つまり免疫系臓器)が,成人よりも倍近く発達している」
というふうに答えたんですけど,なかなか理解してもらえませんでした.
用語・キーワードというか,解釈の観点が合わなかったのでしょう.


で,授業終了後.
学生から授業についての質問を受けたんだそうですが,やっぱりリンパ型が200 %近くまで急上昇するあの曲線がわからないという学生が多いそうです.

成人の臓器の状態を100 %として表している曲線であることが,なんだかイメージしにくいようです.

どう答えればよかったんでしょうか?
今後,同じような質問を私がされるかもしれませんので(今回は大学の先生でしたが),いろいろ自分で考えてみました.
それでですね,ひとつの方法として神経型や一般型を例にとれば良いんではないか思いました.

「神経」 というのは脳,「一般」 というのは筋や骨格,つまり体格のことです.
これは見た目にわかる変化ですので,まずそれらが成人するまでにたどる成長の度合いを追う曲線だということをイメージしてもらいます.

神経型の曲線につていは,赤ちゃんや幼児は頭が大きいし,その時期は急激に言葉や身体動作を憶えるようになります.
一般型の曲線では,産まれてからすぐは見る見る大きくなり,少し経った後,再び中学生の時に体つきがガラッと変化する様子を思い出してもらえると分かりやすいんではないかと思います.

そして,これらの変化の途中で,成人を超える時期がないことも確認します.
小学生の時に身長170cmだった人が,成人すると160cmなんてありえませんし,
子どもの頃よりバカになったり (もしかするといるかな?),頭振ったら中で何かコロコロ音がする人も見たことありません.
そういうヒトは何かしらの疾患を抱えています.

でも,「リンパ型」 つまり免疫系臓器では,それが起きていることを理解してもらうのです.
まあ,免疫系臓器って,体格や生殖器と比べ,見た目でわからないので理解しにくいんでしょう.
なんかいいエピソードとか例え話とかないですかねぇ.

それに,リンパ型の発育特徴を知ってても 「だからどうした?」 っていう部分が多いことも確かだし,知ってて損はないけど得することもあまりなし.

ヒトはそういうふうに成長するもんだ,つべこべ言うな.と言っても通用しそうです.