2010年3月12日金曜日

Goolgeについて


アメリカの悪口を記事にしていましたが,別にアメリカに恨みがあるわけではありません.
非常に力強い国だと思いますし,さまざまな可能性を秘めた文化を持っていることは疑う余地のないことです.

特にITビジネスについては他国とは一線を画しています.
その代表が検索サイトを中心としたソフトウェアを開発する企業「Google」.
Googleという会社を知らない人は珍しくなりましたし,「ググる(インターネットで調べる)」という言葉を生むほどの影響力を持っており,実際,2009年度の売り上げは2兆円を超えている怪物企業です.
ダイハツやスズキといった自動車メーカーが1兆7000万ほどですから,それよりも高い売上高を誇ります.

しかし,このGoogleという会社がどのようにして利益を上げているのか,その仕組みを理解している人は少ないのではないでしょうか.
Googleは一部(GoogleEarthの機能)を除き,提供されるサービス全てが基本的には無料で使えるものばかりです.
それに,Googleらしさといえばそのシンプルなインターフェースと使い勝手.Yahooなどのように派手なサイトではないのです.
こうした手法の,いったいどこで利益を得ているのか?たしかに謎の部分が多いビジネスモデルですね.

これについて詳しくまとめているのが,牧野武文 著『Googleの正体』です.インターネット・ビジネスについてもやさしく解説されているのでオススメです.

Googleの収入源は一つ.広告サービスです.
ここらへんは有名なのでイメージし易いかと思いますが解説しておきます.

Googleの検索エンジン(サイトの検索機能)は,世界中のネット利用者が検索し閲覧したデータを蓄積し,クリック数や閲覧数が高いサイトを上位に持ってくるという「ロボット型」です(人の手で上位に持ってくる検索エンジンを「ディレクトリ型」と言います.Yahooが使っています).
Googleの検索エンジンは,入力したキーワードと上位に表示されるサイトとの整合性が高い,つまり,欲しい情報と検索結果の関連が強いことで評価されています.
Googleに広告料を払っている会社としても,自分たちがターゲットにしたい顧客が検索してくれる可能性が高いということから,広告料を払う価値が高まります.

Googleが広告主から受け取る広告料は,その広告主のサイトをクリックした数で決まります.
1クリックあたり数十円だと言われています.
それで2兆円を稼いでいるわけです.
試しに何かを検索してみてください.
検索結果の最初の3行と画面右端にスポンサーへのリンクがあるはずです.これがGoogleの主な収入源です.
地味ですが塵も積もれば山となるもので,たくさんの人がGoogleを使えば使うほどクリック数は増えるわけですから,収入も増えます.

一方,Yahooなどはこういったモデルではなく,自前のポータルサイト(いわゆるYahooトップページ)に載せてある広告バナーの設置費やコンテンツ利用料を主な収入源としているという違いがあります.
同じネットの広告サービスでも大きく違うのです.


Googleのサービスは全て無料で行なわれている,ということを先に書きましたが,これがGoogleの経営モデルにとって非常に重要なKeyになります.
YoutubeやGoogle MapにGmail,挙げ句にExcelやWord,PowerPointと同等の機能を無料提供し,そしてついに近々,PCのOSを無料サービスすることも計画しています.
しかし,上に挙げたサービスはいずれもGoogleにとって大赤字のサービスです.
ソフトウェアの開発は人的資源が必要ですが,それを無料で垂れ流していたら100%の赤字.
いったい社員への報酬をどこから取ってきているのか?

つまりこういうことです.上記のようなサービスを提供することで,Googleの利用者を増やし,そのサービスにさりげなく広告を載せることで広告サイトへのクリック数を増やす.そして広告料を稼いでいる.
Google Mapを使ったら,その周辺のレストランや居酒屋,ホテルなどの情報が一緒に付いてきますよね.あれです.

Googleはいったい何を目指しているのか?
これについて牧野氏は「『検索』を基盤にし,インターネット環境さえあれば全てのことが可能な世界をつくる」ことではないかと匂わせています.

最近,Googleは携帯電話の世界にも手を出しました.
ニュースには「グーグル携帯,苦戦」という見出しがありますが,Googleにとっては先進国でのグーグル携帯の売れ行きなど気にしていません.おそらく実験台やモニターとして見ているでしょう.
狙うのは「パソコンは買えないけど携帯電話が必要な発展途上国の人」に安価(無料でもいいくらい)で携帯電話を提供し,Googleの機能とサービスを利用させて広告料を稼ぐことです.

インターネットが利用できない,つまりGoogleのサービスを受けていない人は,すでに「パソコンを買えない貧困層」しか世界にはいないのです.
Googleの携帯電話業界への参入には,こうした意図があるのではないかと牧野氏は睨みます.

ITビジネスの神髄をここに見た!
というところでしょう.

これらの動きは特に,PCのシェアでは圧倒的優位を誇ってはいるが,OSの評判が良くないマイクロソフト社にとって,とてつもない驚異になります.
かたや1万5千円のOS.かたや無料のOS.結果は見えているわけです.
マイクロソフトはIT企業としての王者ですが,その本質は古典的な「物作り」とシェア拡大の「マーケティング戦略」で支えられています.

しかし,Googleはこれに無料サービスを基本とする新しい手法で切り崩しにかかります.
質も高い上に無料のサービス.
ネットや検索技術との親和性が高いOSとソフトに,マイクロソフトがどれだけ太刀打ちできるのか,ここ数年が勝負になります.

いやー,おもしろい企業ですね.
行く末を見守りたいものです.

とりあえず,その企業方針に一口のっかる意味でも,次に買う携帯電話はGoogleが開発したOS「Android」を搭載した機種を考慮してみようと思います.