2012年1月18日水曜日

センター後日

例のセンター入試ですが,やっぱりトラブルが多発していたようです.

「これ,絶対ミスが出ますよね」
と教員同士でヒソヒソ話していたことが現実となったようです.
例年と比べ複雑なやり方になっていたからです.

うちの大学では大きなトラブルはありませんでしたけどね.自慢するべきことではないかもしれませんが,一応.

いろいろマスコミが報道しているのをかい摘んで見てみます.

14日に行われた大学入試センター試験の「地理歴史」「公民」で問題冊子の配布ミスが相次いだ問題で、大学入試センターは18日、規定の60分を超えて試験時間が延長されるなどしたのは全国81会場に上り、受験生3462人に影響したと発表した。
(2012年1月18日 読売新聞)

うちの大学でも試験時間のスライドがありました.記事にもあるように地歴・公民のところで,5分ほど繰り下げて開始になった会場があります.
私が担当した試験会場も,受験者への作業指示と問題冊子配布にかかった時間が試験開始ギリギリでして,「1分繰り下げましょうか?」というところでした.

延長されていなくても、試験開始時間を遅らせたケースなどを含めると、影響を受けたのは計7515人に上る。再試験の対象人数も、センター試験史上最多。
(2012年1月18日 読売新聞)

この数字に本学のケースも含まれているのですね.

この読売新聞ですが,社説でも息巻いておりまして,「センター試験 混乱の原因検証し再発防止を」と題して,
受験生の将来がかかる試験だ。あってはならない不祥事である。
―中略―
だが、結果的に説明と注意喚起が不十分だった。次回以降、周知を徹底すべきだ。
大学入試センターは、政府が進める独立行政法人改革の中で、他の大学関連機関との統合なども検討されている。こんな不手際が続くようなら、その存在意義が問われても当然だ。
被災地の宮城県の会場では、大学側のミスで英語のリスニング用機器が届かず、試験開始が2時間遅れた。これも緊張感の欠如の表れだ。猛省してもらいたい。

うーん,でもこれ大学入試センターだけの落ち度ではないところもあり.
“緊張感の欠如の表れだ” とか体育会系なこと言われても違和感がありますし.
“猛省してもらいたい” などと精神論・根性論を社説で語られても困ります.

48会場では10分以上開始が遅れ、4053人に影響が出たが、試験時間は確保されており、ある意味で折り込み済みだった。しかし81会場で起きた試験開始後に、問題を配布するミスは「全くの想定外」(柴田統括官)だった。ここまで試験官に周知が徹底されなかったのはなぜか。吉本理事長は「検証して明らかにする」と繰り返したが、最初の科目は地歴とする「試験官の先入観があったのかもしれない」との見方も示した。
(1月18日 産経新聞)


試験官の先入観ですか.
私は地歴・公民の会場を担当したのが今回が初めてですから,そんな先入観なるものはありませんでしたけど.
この問題の主な原因は「試験官」ではなく,その大学の「センター入試担当者(責任者というか)」が深く理解できていなかったことによると思われます.

私なんか「よくもまぁこんなにしっかりと理解できていますね」と,うちの大学のセンター入試担当者に感心したものです.

私自身,結局わからないまま突入したような部分もあったりしましたから.実は.
軸になる人がしっかり把握できていること.これが重要だと思われます.

センターでは、15日夜の会見で、「試験は大学との共同実施。(大学にも)責任はあると思う」としていた。こうした発言に大学から批判の声が上がった。
(1月18日 産経新聞)

大学入試センターさんの気持ち,わからんでもないです.
実際,大学側や試験官もしっかりと入試の全体像を把握して,業務内容を徹底して覚え,対処方法もイメージトレーニングしておけばよいわけで.
しかも,一見そんなに難しい仕事とは思えない代物ですから,くだりの地歴・公民の試験にしても,ちゃんと監督要領を読めば大丈夫なはずでして.
「これくらいの仕事,ちゃんとやれよ!これだから大学のセンセーは社会不適合なんだ!仕事できんのだ!」
とでも言いたいのかもしれません.

ただ,ですね.
一切のミスが許されず,ちょっとした手違いであっても大きな影響が出るようなものを,しかも全国一斉,同時刻,時限性で行うということがどんなに難しいことか.

はっきり言いましょう.
ひねくれ者で凝り性な性格である大学教員と,マシーンのような性格である大学職員でなければ,センター入試なんて到底できるものではありません.

「原因究明と改善策を」ということですが,正直なところ,もうセンター試験をやめたらいいんではないかと思います.
改善策といっても,それはわかりきっていることで,とにかく “シンプルに” で済むことです.

こういうミスが許されない作業の鉄則は,現場でいろいろ考える余地はできるだけ少なくすることです.
とにかく機械的にやらせることです.それこそ監督しながら居眠りできるくらいね.

問題冊子を2冊配る者と1冊の者が混在,トイレ休憩できる休み時間とできない休み時間が混在.しかも対応がグレーの部分有り.
こういうやり方だとミスは絶対に起きます.たくさんは起きないけど,今回くらいのトラブルは起きます.
今回の数はたくさんではないと思います.当然の数です.

やらせる側からすれば,
「考えてやれば分かるだろ,バカか?」
と思えるようなこともあったでしょう.

でも,バカでもできるよう,考えなくてもよい作業にしなければなりません.