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5月, 2013の投稿を表示しています
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どうしても教職課程の改善をしたいなら
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前回の投稿中に以下の内容を盛り込むと長文になり過ぎると思いましたので,こちらに分けて書かせてもらいます.  教職課程や教員養成の改善についてのお話です.   「課程」や「研修」を充実させることが重視される流れに,「それだと学校や大学の負担が増えるだけで,効果は低い」ということを前回の記事で取り上げました.  事前に,  ■ ようするに,余裕のない現場が大学に求めている  を読んどいてもらうと分かりやすいかと思います.   ザッとおさらいしておくと,  教育や教育改革の話題は,焦点がボヤけたまま議論されるので右往左往してしまいがちでして.  「教員の質が下がっている」とか,「養成や研修を充実させる」といった政策の話をするのであれば,教員に求められる能力と責任,そして権利・権力を明確にしなければなりません.   端的に言うと,今の学校の教員は,求められるものや責任が増えて複雑になっているのに,権利・権力が削がれてしまっているのです.それも尋常じゃないほどに.  それなのに,(教育職という)反論できない構造である教員サイドに甘えて,「求められる能力」とやらがドンドン積み上げられている.それが現状です.   何度か記事にしましたが,例えば「いじめ問題」にしても,誤解を恐れずに言えば,  「教員が関与できないシステムを大衆が望んで作り上げた」  にもかかわらず,いざ刺激的な事件が連続して報じられると  「教員が関与しなかったのは何故か?」  という議論がしゃーしゃーとまかり通ることです.   本当ならマスメディアがこうした議論に対し,  「しかし,生徒の間に教員が入っていくことを拒む教育環境や学校文化を,長年にわたってジワジワと作ってきたのは我々だとも言える」  と報じればよいものを,そうしないものだから大衆が求める嗜好に合わせて「悪者は誰か?」という不毛なドンチャン騒ぎに終始します.   そうは言っても,マスメディアという言葉の意味を辿れば,mass(大衆)のmedium(媒体)なのですから,マスメディアは大衆・世論が求めるものを広めるものとしての機能を“残念ながら”果たしてしまっているとも言えるわけで.   この話はこの話で長くなるので,  ■ 大津いじめ問題で大衆の愚かさに絶望しています  ■ 喫煙ルーム(黄柳野高校のこと)  を読んでもらうとして,本来のテーマに戻りま...
ようするに,余裕のない現場が大学に求めている
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昨日,隣の研究室の先生からこんな話題を提供してもらいました.   「教員養成、6年じっくり 愛知教育大、修士まで一貫コース」  教員の質の向上をめざし、国立愛知教育大(愛知県刈谷市)が、全国唯一となる大学院修士課程までの「6年一貫コース(6一コース)」を開設している。大学院での研究と並行して、学校での長期間の授業実践を盛り込んでいるのが特徴だ。意欲の高い学生が集まるが、研究成果を教育にどう生かすかを模索している。  朝日新聞 2013年5月24日  私のところも教員養成をしているので,関係がない話題ではありません.   教育関係者や教育系大学の方々にとっては常識ですが,このニュースの背景には「教員の修士レベル化」というものがあります.教員のレベルを上げるために,免許取得条件に「修士以上の学位を有する」っていうのを必須にしてしまおう,というものです.   そういう潮流を見越して,またはこの理念に賛同して,大学4年間と修士課程2年間,計6年間かけて教員養成をする大学が出てくるのではないか,と思っていたら,早速そういう大学を見つけました.というニュースなのです.    隣の先生にもお話しましたが,この手の話に疎い人のために簡単に解説しておくと,  昨今,教育現場での事件・事故がクローズアップされることから,より質の高い教員が求められておりまして.   そんなわけで,教員の質を高めるにはどのような策が必要か?  そして,教員養成をどのようにすれば効果的か?  が議論されているのです.   さしあたって教員養成改革のメインストリームとしては,  (1)教職課程の修士レベル化 ←上記の流れ  (2)教職課程の質的向上  (3)研修の充実  (4)インターン期間の導入 ←第二次安倍内閣で浮上  (5)免許更新制 ←第一次安倍内閣から開始  といったところです.    上記のことについては,2006年の中央教育審議会(いわゆる中教審です)での議論が,  ■ 今後の教員養成・免許制度の在り方について(答申)  として文部科学省のHPに掲載されていますので,詳細が気になる人は参考にしてみてください.   なお,くだりの「教職課程の修士レベル化」は民主党が進めていたものです.当時(2012年8月)の資料として以下のものがあります.  ■ 教職生活の全体を通した教員の資質能力の総合的な向上...
補足:エクセルの散布図にラベルを表示させる方法
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 前回の記事の補足です.   前回,標準得点を利用したテスト結果や測定データのフィードバック方法を紹介しましたが,  ■ 標準得点と散布図を用いた分析と評価方法  ここで以下のようなグラフ(散布図)を,     以下のように,プロットされた点のところにラベル(名前とか)を貼り付ける操作をしたものを示しました.     上記以外にも,かなり以前の記事  ■ 続・農業のこと  で,以下のような図もお示ししたことがあります.     こういう,散布図の「データポイント」に「ラベル」という文字を表示させているものを見る機会は多いのですが,いざ同じように作ろうとすると,初心者には難解な作業だったりします.  仕方なく,散布図上に「テキストボックス」で書き込んだりしてるのではないでしょうか.   “よく見る” わりに,実は難しい.  ということで,今回の記事ではこのグラフの作成方法に触れておきたいと思います.  他のサイトでも紹介されているのですが,これも縁だと思って見ていってください.       私がWindows版(Excel 2007)でもMac版(Excel 2011)でも同じ結果になることを確認している方法をご説明します.  それ以前や以降のバージョンでも,なんとかなるんじゃないでしょうか.   まず,散布図を作りたいデータが入ったエクセルのシートを準備してください.  例として,前回と同じエクセルデータを用意してみました.こんな感じです.    このデータで作成した散布図に,Aさん〜Kさんの名前,つまりラベルを貼り付けよう,というものです.   では,上記の用意ができたら以下のマイクロソフトのサポートページに行ってください.  http://support.microsoft.com/kb/213750/ja   こういう画面が出てくるかと思います(2013年5月22日現在).    ここに書かれていることを読んでもらえればOKなのですが,もう少し詳細に,“とりあえず作成するため” の最短コースを以下にお示しします.   ずずぃーっと,このページの下の方にスクロールしてもらいますと,こんな表示の部分が出てきます.     そしたら,この灰色背景部分の「コード」を,以下のように “選択” して “コピー” してください.  ※お示ししている図はMacのSafariで...
標準得点と散布図を用いた分析と評価方法
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今月の記事として,  ■ 点数・得点を段階評価するためのエクセルシートの作成  ■ 標準偏差を用いた段階評価の仕組み  ■ 四分位とパーセンタイルでの段階評価をエクセルで作成 を紹介しました.  どちらもテストや測定結果を対象者(クライアントやチーム)に返却(フィードバック)する際に威力を発揮するエクセルの分析・評価方法です.   今回も平均値と標準偏差を使ったフィードバック方法として利用できるものをご紹介します.  「標準得点」を使った評価です.  後半で紹介する「散布図」との併用で,解釈が楽な上に視覚にも訴えることができる優れものです.参考にしてみてください.   では,  例として使うデータは以下のものです.    早速,このAさん〜Kさんのデータを標準得点化します.   標準得点(z得点という)の算出式ですが,  標準得点(z) = (測定値 − 平均値)÷ 標準偏差  で計算します.    エクセルの例では以下のように入力します.    まずは垂直跳びの標準得点化のために,D列2行目に  =(B2-$B$13)/$B$14   を入力します.  その調子で,脚筋力の標準得点化,     E列2行目には   =(B2-$B$13)/$B$14     そんな感じで,この2つをオートフィルします.   これでAさん〜Kさんの垂直跳びと脚筋力のデータの標準得点を算出することができました.  以下の図では,桁数を小数点第一位に調整しています     ところで,この標準得点ですが,平均値と標準偏差を基にして,そのデータが平均値からどれだけの標準偏差のぶんだけ離れているかを算出したものです.   そんなわけで,この標準得点の平均値と標準偏差を算出してみると,     上図のように,平均値は0,標準偏差は1になるという性質を持っています.   どうってこと無いように思うかもしれませんが,この標準得点は非常に便利な数値なのです.  代表的な利用例をを以下に紹介します.  それが冒頭でも述べた「散布図」によるものです.   では,算出した標準得点で散布図を作成しましょう.     このようにして,     散布図を作成しました.     これを,きれいに正方形にしたのが以下のものです.  うるさく見える線も消して,スッキリさせ...
昔の記事を読みなおす「デザインの勉強」
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前回に続けて,昔の自分の投稿記事を自分で読みなおしてみる記事です.   今回は, 深澤直人 著『デザインの輪郭』 を引き合いにして,「たまご」を語っている記事.  ■ デザインの勉強   工業デザイナーとして著名な深澤氏.その彼のデザインの源流といいますか,それが「たまご」の形なんだそうで.    あと,電子レンジで作れる「ゆでたまご器」も取り上げています.  以下にアマゾンで購入できるものを紹介しておきましたので,よかったら買ってみてください.   かなりの便利グッズです.   オススメする理由は以下の通り.  1)茹で湯を用意しなくて良い.  ※つまり,その茹で湯を用意するための時間を節約できる.忙しい朝や,私のような無精独身男性には最強のツールとなります.   2)しかも湯で時間が短い  ※2個用であれば,だいたい10分くらいです.   3)そんなに高くない  ※以下をご覧の通り,2個用であれば1,000円を切ります.   4)電子レンジと少量の水があれば調理できるので,職場でも重宝する  ※鍋やコンロを使わなくなった私の生活においても,数少ない温かい食事を得ることができます.塩の購入を忘れずに.   この「ゆでたまご器」のデメリットは,私や深澤氏もこだわる「湯で加減」の調節が,電子レンジの特性を熟知していないといけないし,難しい.という点でしょうか.  レンジと友達にならないと微妙なゆで加減は達成できません.   加える水の量と玉子の大きさ,レンジの出力などを考慮しながら取り出すタイミングを計る様子は,まるで「たたら製鉄」の職人のようです.         そうは言っても,  「茹で上がってくれればそれでいい」という場合には,そんなに気にすることではないでしょう.   この「ゆでたまご器」は,運動栄養学の実験の被験者をやるにあたって,タンパク質摂取量を信頼性のあるものでコントロールするために購入したのがきっかけで,そのまま使い続けています.   鍋無し,ガス無し,調理する気無し,という,食事状況のコントロールをするのが非常に面倒くさい被験者である私のために,実験担当者が提案した最後の砦.  その実験担当者の方に紹介してもらい,今に至ります.   この他にも便利なものがあれば紹介しようと思います.    あ,そうそう.  「デザイン」のことを放ったらかしではな...
昔の記事を読みなおす「派遣に思うこと」
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今回,黄柳野高校の一件でブログを始めて間もない4年前の記事を読みなおす機会となりました.  「昔はこんなふうに物事を捉えていたんだなぁ」  と感慨にふけるとともに,自分で言うのもなんですが,勉強になる記事もあったりで.   今一度読みなおしてみながら,現在の私なりの考察も入れてみます.  手軽に昔の自分と向き合えるブログって,結構楽しいツールなのかもしれません. 4年前の私との対話です.   当時の私は20代半ば,某大学の助手をやっていましたね.  さて今回は,  ■ 派遣に思うこと   を取り上げます.   どういう記事だったかと言うと,「派遣労働」に関する新聞ニュースを引き合いにして,派遣労働について当時の感想を述べているものです.  秋葉原での通り魔殺人事件が発生した時でもあり,派遣労働者の扱いをめぐる議論が喧しい時期でした.   この記事全体の私の主張ですが,今の考えとさして変化はありません.  当時の私は,   派遣に関する問題点がいろいろと取り沙汰されていますが,そもそも「人材派遣」という雇用方法がここまで活発になった背景は,“必要な労働力を必要な分だけ安い給与で確保できる” という点が企業にとって美味しかったから,もっと言えば,そうでなければこの数年間の不況を乗越えられなかった企業がたくさんあることです.  なんてことを述べています.  続けて,   派遣切りに対する企業への批判が起こっています.不況を乗り切るために安い給与で雇い働いてもらった人達なのだから,苦しい時こそ派遣社員を守れと.  しかし切られなかったとしても,切らなきゃ沈む舟に乗っていては近々一緒に沈むことになるわけで,そこをどうこう言っても仕方がありません.企業としては法律の範囲内で自分が沈まないようにマネジメントしただけのことですから.  派遣を雇って儲けたあくどい企業なんてごく一部.今が不況でないのならその話も通用しますが,ずっとこのかた不況続きなのですから,正社員も一緒に切るような事態に派遣を守ることなんてできません.  ということで,   上記のニュースについて思うことは,派遣を禁止にしても失業者が増えるだけで意味無しかと.限られた業種以外というのがどこまでなのか詳しくは不明ですが(民主党案では製造業は禁止だそうです),こういう後先考えない政策よく出すなと.  その上で,   派...
無事であればいいのですが...
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既にこのブログを検索している人がいるように,昨日,黄柳野高等学校で火災が発生しました.   ショックです.  どうやら遺体も出た模様で,今現在,身元確認が急がれています.  行方不明の生徒でなければいいのですが.   この火事で燃えてる寮,私の住んでいた部屋ですし.  あぁ,こんな形で自分の第二の故郷が燃えるとは.   出火の原因はまだ分かっていません.  でも,例の件があるから世間では「喫煙」が疑われるんじゃないでしょうか?  ■ 喫煙ルーム(黄柳野高校のこと)   原因の特定がされていないのでなんとも言えないんですけど.   それでも...,  かなりデリケートな話ですが,(再度)この機会に敢えて申し述べたいと思います.  (以下,過去の記事の続きです.今回の出火原因を推測したりするわけじゃないので,誤解なきよう)   ニュースでこの校長先生の顔を見ると,いたたまれない気持ちになります.  「昨日の夜,校舎の裏でタバコの吸殻を拾った.君たちはタバコによる火事の恐ろしさを考えなければいけない.これは健康だとか,他人の迷惑だとか,そんなことより大事なことだ.火事になったら取り返しのつかないことになるんだ」  私が生徒だった十数年前,全校集会で烈火の如く怒っていた校長先生の姿を,今も鮮明に思い出せます.   まだ出火原因がわかりませんが,そのタバコによる取り返しのつかない状況と,同じ状況になってしまいました.   もし生徒による “隠れ喫煙” が原因の出火であれば,数年前に「喫煙室騒動」で黄柳野高校を叩きまくっていた人は,どの面下げて論じるんだろうと.   厳罰化すれば,事は潜伏し,不可視化する.  学校教育は,法律と生徒との信頼のギリギリのところでやり取りしている.  行儀の良い学校しか知らない人はどうだか分かりませんけど,多くの学校の普通の感覚なら,分かりそうなものです.   つまり,喫煙を厳罰化することで,隠れて吸う生徒が出てくるのは当たり前だし,それによって指導もしにくくなるわけです.  思い出してください.この高校が「禁煙指導室」を用意していたのは,禁煙指導と隠れ喫煙による火災を防ぐためのものだったのですから(上記の過去記事を参照のこと).   「そもそも,喫煙する方がおかしい!」  とでも言うのでしょうか?  あ,ちなみに私も高校生の時はそう言ってましたよ...
四分位とパーセンタイルでの段階評価をエクセルで作成
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これまでは標準偏差を用いた段階評価を作成する方法とその仕組みをご紹介してきました.  ■ 点数・得点を段階評価するためのエクセルシートの作成  ■ 標準偏差を用いた段階評価の仕組み   今回は,中央値やパーセンタイルを基準とした計算での段階評価方法を作成してみます.    Amazon広告          例としてのデータは以下のようなものです.    分かりやすく,Aさんから順番にデータを降順にしております.   ところで,手っ取り早くパーセンタイルでの評価をしたいというのであれば,以下のように,     「その対象が全体の中で上位・何%に位置しているか?」という表現もできます.  この評価は,「PERCENTRANK」という関数で,以下のようにすることで出来ます.     ところが,この評価方法では,  「君はこのチームの中では上位61%に位置している.75%になるまで14%だ.がんばれ!」  と言われても,「お,おっ,おぅ..」  となってしまいます.   そこで,以下のように区切って評価することで分かりやすくなるかもしれませんね.     どのようにすればいいか解る人は,手順を踏んでやれなくもないのですが,このように4つに段階評価する方法としては,四分位させる関数がエクセルに入っていますので,それが便利です.   エクセルでの四分位関数は「QUARTILE」という関数です.それを以下のように組んでいきます.     最大値を算出するのは,  =QUARTILE(B:2B15,4)  です.  最後の数値「4」というのは「最大値」を算出するためのもの.  以下,この部分は「3」にすれば「75%」が,「2」にすれば「50%(中央値)」が,「1」にすれば「25%」が,「0」にすれば「最小値」が返ってきます.   そのようにしているのが以下の図です.             そんなわけで,ここで作成した基準値を使って,あとは前回までの記事のようにIF関数を使って判別させていきます.   なお,最大値と最小値の基準値は使いません.ま,四分位の関数の紹介ということで.    今回は,4段階評価ということで,おしゃれに「◎◯△×」で表してみました.    これをオートフィルでコピーすれば,     以下のように,簡単に4段...