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昔の記事を読みなおす「デザインの勉強」

前回に続けて,昔の自分の投稿記事を自分で読みなおしてみる記事です.

今回は,深澤直人 著『デザインの輪郭』を引き合いにして,「たまご」を語っている記事.
デザインの勉強

工業デザイナーとして著名な深澤氏.その彼のデザインの源流といいますか,それが「たまご」の形なんだそうで.

あと,電子レンジで作れる「ゆでたまご器」も取り上げています.
以下にアマゾンで購入できるものを紹介しておきましたので,よかったら買ってみてください.
かなりの便利グッズです.

オススメする理由は以下の通り.
1)茹で湯を用意しなくて良い.
※つまり,その茹で湯を用意するための時間を節約できる.忙しい朝や,私のような無精独身男性には最強のツールとなります.

2)しかも湯で時間が短い
※2個用であれば,だいたい10分くらいです.

3)そんなに高くない
※以下をご覧の通り,2個用であれば1,000円を切ります.

4)電子レンジと少量の水があれば調理できるので,職場でも重宝する
※鍋やコンロを使わなくなった私の生活においても,数少ない温かい食事を得ることができます.塩の購入を忘れずに.

この「ゆでたまご器」のデメリットは,私や深澤氏もこだわる「湯で加減」の調節が,電子レンジの特性を熟知していないといけないし,難しい.という点でしょうか.
レンジと友達にならないと微妙なゆで加減は達成できません.

加える水の量と玉子の大きさ,レンジの出力などを考慮しながら取り出すタイミングを計る様子は,まるで「たたら製鉄」の職人のようです.
  

そうは言っても,
「茹で上がってくれればそれでいい」という場合には,そんなに気にすることではないでしょう.

この「ゆでたまご器」は,運動栄養学の実験の被験者をやるにあたって,タンパク質摂取量を信頼性のあるものでコントロールするために購入したのがきっかけで,そのまま使い続けています.

鍋無し,ガス無し,調理する気無し,という,食事状況のコントロールをするのが非常に面倒くさい被験者である私のために,実験担当者が提案した最後の砦.
その実験担当者の方に紹介してもらい,今に至ります.

この他にも便利なものがあれば紹介しようと思います.


あ,そうそう.
「デザイン」のことを放ったらかしではなんなんで,もう少し書いときます.
深澤氏の著書も含め,デザイン関係の書籍はちょいちょい読むようにしております.
なんでかというと,科学研究やスポーツを考える上で,「デザイン」という観点から何かヒントがないかなぁと直感的に感じておりまして.
門外漢ですが,視点や考え方をチェックするようにしているのです.

デザインの“これ”が,科学の“こういったこと”に役立ちます.
というようなものではありません.
物事の本質的な部分を引っ張り出してくるために,「デザイン」を考えることは大事なのではないかなぁと思っているのです.

例えば,原研哉 著『デザインのデザイン』の冒頭にも述べられていることを以下に引いてみます.

コップをデザインすると考えた場合に,「コップ」とは何かを考えることになります.
参考のため,たくさんのコップを眺めてみたとします.でも,たくさんのコップを見れば見るほど,「コップ」とは何かが分からなくなってしまうのです.
「コップ」の口を広げていくと,どんどん「皿」に見えてきます.でも,どこからが皿で,どこまでがコップなのか,その境界線は曖昧です.

つまり,コップをデザインしようと研究すればするほど,逆にコップとは何かが分からなくなってしまう.しかし,それこそがデザインを考えることなのだと.

機能美と言われますが,「機能」のことだけを考えたものが優れたものとは言えないわけで.
これについて工業デザイナーである深澤氏は『デザインの輪郭』で,
僕がこれを考えたように見えると言われますが,それは僕が考えたわけではなくて,そうなるべき姿であったということの結果だと思います.
と述べています.
機能 “させるため” にデザインしたのではなく,機能 “するため” にはこのデザインであった,ということでしょう.
一見同じように捉えられるかもしれませんが,違うのものです.
そもそも「機能」とは何か?ということも大事ですしね.

我々の分野であれば,「実験デザイン」とか「体力トレーニング・デザイン」といったものも,実はこのような観点から見ることはできないだろうか.そういうことを考えているわけで.

例えば,体力トレーニング・デザインなんかはその典型でして,体力づくりやスピードアップ,脂肪燃焼といったトレーニング目標を達成するために,それを “機能させるため” のトレーニングデザインにしてしまいがちです.
一週間当たりに何日,何回,何セット,コレとコレとコレをやりましょう....

これが世に言う「科学的トレーニング」.
でも,こうしたトレーニング科学に基づくトレーニングって,実はそれほど機能するわけではないのが現場の直感.
ハマる人と,そうでない人がいまして(そして,ハマらない人が多いから生活習慣病がこんなにも多いし,運動実施者がこんなにも少ない),ビジネスとして携わっている指導者やトレーナーからすれば,そこに悩んでいるのです.

ならば,機能させるトレーニングではなく,機能するトレーニングを研究してしまおう.
最近はそう考えることが多くなりました.
そのためのツールや視点も,ちょっとずつ揃ってきましたが,これについては知的財産なので内緒です.
公的に世に問うようになったら,またその時に.