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スポーツ現場の体罰問題,無くせるものなのか?

農業問題の次は体罰問題を扱おうとしていた矢先に飛び込んできたニュースです. 今日は先にこの問題の方を扱います. ■ 浜松日体高校男子バレーボール部の顧問が,部員に体罰 以前,大阪桜宮高校においてスポーツ(バスケットボール)指導中の体罰が原因とされる生徒の自殺がニュースとなり,大きな話題となりました. これをうけ,体育・スポーツ系の我々が所属する学会でも,「スポーツ現場での暴力」が重要テーマとして位置づけられ,シンポジウムが開かれていたところであります. 以下のサイトを参考にしてください. ■ 日本体育学会第64回大会「緊急シンポジウム」 そのすぐあとの出来事でもありますから驚いているところです. (というか,この手の体罰は全国で日常的に発生していると思われる・・) 上記のシンポジウムに参加した感想も含めて述べさせていただきます. まず,シンポジストは当然ながら「スポーツと暴力は相容れないもの」「体罰反対・暴力反対」を繰り返す発表と発言に終始します. まぁ,しょうがないよね. 「暴力にも価値がある」なんてドライな発言をしたら,どんな扱いをうけるか知れませんから. というのも,会場にはマスコミが入っていたのと,そのシンポジウムをDVDとして記録していたからです. 不用意な発言はマズイわけで・・. ただそんな中で,急遽,演者としてお越しいただいた元ソフトボール女子日本代表監督の宇津木妙子氏は, 「私は体罰をしていました.暴言を吐いたこともあります」 と述べ, 「選手としっかり向き合っているか.それが大事です.失敗したこともあります.選手に深い傷を負わせたこともあります.でも,しっかりと向き合うこと,それが大事なんです」 と,けっこう勇気のいる発言をなさっていたのが印象的です. 体罰擁護とも違う,指導者論のようなものを私は汲み取りました. さて,このスポーツ現場(に限らないが)の体罰や暴力ですが,今の日本のスポーツ環境のままでは絶対に無くなることはありません. どんなに体罰・暴力反対の声を大きく上げても,です. 件のシンポジウムですが,シンポジストよりも来場席からのコメントのほうが鋭いものが多く(気が楽だから当然か),私と意見を同じにする発言もありました. その一つが, 「暴力的な指導を無くそうにも,“暴

ほんのちょっと本気で農業のこと(農協:JAは悪の組織なのか?)

現在,農業協同組合(通称:農協,JA)が弱体化しています. かつての力強さはありません. このJAですが,「農業問題の一つとして農協,つまりJAがありますよね」などとよく聞くのに, 「 実は私,JAのことをあまり知らないけど,皆が『JAは悪の組織だ』というので,そういうもんだろうと思っていた 」 という人は多いのではないでしょうか. もともと農業問題は国民の関心が低く,高くなる時というのは食料物価が高騰した時くらいです. 一番身近な問題のはずなのですが,「どうせ誰かがなんとかするから大丈夫」という気持ちが大きいのでしょうか? JAについて,農家以外の方々は知る機会が少ないでしょうから,この機会にどうぞ. JAがどうして叩かれるのか?JAは何をする組織なのか? それを整理すると,実は農業問題の一翼が見えてくるのです. これまでの記事を整理するためにも,ぜひお読みください. JAがどういう組織なのか?は,Wikipediaや農協のサイトを見てもらえれば一目瞭然ですので,そっちに譲ります. 簡単に言うと,農家による共同組合です.まんまですが. ゆえに,農林水産省との直接的な関係はありません.でも実際は農林水産省の意向を農家に伝える係として機能しています. 小難しい話ばかりでもなんなんで,JAをヒーローものとして書いてみましょう. 話を分かりやすくする手段としては効果的ですから. 第一話 JAマン誕生 JAマンは,農家の生活を守るために生まれた正義の味方である. 自然を相手にする農家は,努力だけではどうにもならない部分が多々あり,生活が安定しないため,それを助ける(相互扶助)ために誕生したのだ. その昔,富国強兵に向けて経済力が高められるなか,儲けるすべがない農家は取り残されていった.それを助ける(所得再分配)ためにもJAマンは立ち上がったのだ. 第二話 サイガイマンとの戦い 農民「うわー.オラの畑をサイガイマンが荒らしてるー!」 サイガイ「ざまぁみろ.これでお前の畑は使い物にならなくなったぞ!」 ???「まてーい!」 サイガイ「誰だ!?」 JAマン「サイガイマン.貴様の農家への攻撃も,これで終わりだ!」 農家「あ!JAマン!」 JAマン「いくぞ!『JAマネー!』 ⇒JAマネーとは,相互扶助を目

もうちょっと本気で農業のこと(農家が農業をしないわけ)

マスコミや識者(もっと言うと,日本)が農家をバカにしていることは,これまたマスコミや識者の多くが指摘する補助金や権益に見て取ることができます. 前回の記事は,「 農業は安全保障は当然のこととして,日本国の象徴であり,日本文化の根幹であるにもかかわらず,国民が農家のことを斜陽の ビジネスモデルであると勘違いしていることが,農業問題の本質である 」とういうことを,少々感情的にお話しました. 今回は,それが農家を取り巻く政策にも見て取れるというお話です. この話については, 神門善久 著『日本農業への正しい絶望法』 が詳しいです.神門先生は,農家の事情が非常によくわかっていると思いますし,「あぁ,やっぱりね」と納得させられることが多い本でした. 農家にまつわる既得権益や悪事をまとめてみました. ・農地売却による大儲け ・補助金目当ての農業 ・戸別所得補償制度 ・跡取り優遇 「農家が農業をしなくなった」と指摘されるニュースです. 農家に対しても「根性がない,節操がない」という精神論・道徳論がぶつけられて然りなのかもしれません. しかしここでは敢えて,農家の関係者である私から反論させていただきたいと思います. まず1つ目の問題点.農地売却についてですが,これは 「農業をするよりも,農地を売却した方がはるかに収益がある」という点です. 例1) 1ヘクタール(100m×100m)の農地を持っている農家がいたとしましょう.0.5ヘクタールでも十分大きな土地です. そんな土地が都市の近郊にあり,道路も整備されているとしましょう.水はけもよく,日当たりも良い.というか,えてして農地というのはそういうところにあります.それが農業をする上で必要だからです.つまり,良い農地というのは,良い宅地,良い商業地なのです. とっても魅力的な土地ではありませんか.そのうちどっかの企業や不動産会社が買い取りたいと狙ってくるでしょう. というわけで,その農家はその農地で一生懸命農業をしません.いつ売れるとも知れませんが,いざ売却するとなったら,手入れしてたら苦労が水の泡ですから.何もしない方が濡れ手に粟です. 場合によっては放置状態です.そういう農地,ちゃんと観察したらよく見かけますよね. まさに私が今住んでいるようなところ(埼玉県)は,ジョギングしてたら

もうちょっと本気で農業のこと(問題の本質は農家をバカにしていること)

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農業問題の何が問題なのか見えてこない. それが農業問題の問題であります. ですから今回は,その問題が多くの日本国民・自身にあることをご説明します. 過去の2つの記事をまとめると,「食料安全保障は言うほど切迫していない.でも危険性はゼロじゃないから,世界大飢饉を想定してハイテク農業の研究を進めましょう」 ということです. 農林水産省より(2010) ですから,ここから先は「安全保障」などと肩肘張らず,もう少し落ち着いて考えることにします. ここで,あらためて農業問題と呼ばれていることを整理してみます. (1)食料安全保障と自給率 (2)高齢化と担い手不足 (3)農地の売却 (4)農協の悪事 そんなところでしょうか. ボチボチとやっていきますが,とりあえず前回と前々回では,(1)についてでした. そして今回は(2)についてです. 高齢化と担い手不足.これを端的に言えば,  「 なぜ日本人は農業をしなくなったのか? 」 ということですよね. データをみましょう.上図にあるように,1960年に約600万戸あった農家は,2010年には約250万戸まで減っています.時々ニュースなどで見るかと思いますが,これは恐ろしい数字です. なぜでしょうか. 先に結論を言ってしまえば,そして,あえて刺激的なことを言えば, 「 日本人が農家をバカにしているから 」 です.漁業や林業も同様です.全ての元凶はそこに辿り尽きます. 「何を過激なことを.たんに奇抜なことを言いたいだけだろ」と仰りたいのでしょうが,私はいたって本気です.  農家ではない皆さん,自身の胸に手を当てて考えてみてください. これは合理的な話ではありません.情緒的な話です.イメージです. どうしてもというなら,そんな調査結果がありましたのでご参考ください. ■ http://enq-maker.com/result/fWIQfMp 農家に生まれているわけではないから,やりたくってもできない.と心の底から言えますか? マスコミや識者にしても農業問題について色々と取り上げますがが,ハッキリ言って,まったくと言っていいほど農業や漁業のことを国の根幹に関わる大事な分野だという認識はありません. 数ある産業のうちの一つとして,弱者,過酷な労働環

ちょっと本気で農業のこと(ハイテク農業を考える)

前回の記事を一言で言うと,「日本の食料安全保障は食料自給率100%を目指さなければいけないほど切迫しているわけではない」とういことです. これについて早とちりする人は「日本の農業が衰退する」とか「TPPに入るのか?」とか「輸入に頼っていては危ない」と言い出します. 日本の農業が衰退するかどうか,TPPに入るかどうか,輸入に頼るかどうか,これらはそれぞれ「農業問題」としてオーバーラップした課題ですし,各者の主張はそれぞれ良いことを言っているのです. しかし,ドカッーン!と何か一つの政策をブチ上げることで全部解決できるようなことではありません. 目の前のことを叩けば,別のところが飛び出してくる.それを叩くとまた別のところが飛び出してくる.永遠にイタチごっこです. (これについて今私が言えるのは,「叩くでない.押すのじゃ」です) それだけ 農業問題は複雑極まりないもの です.だからマスコミも詳しく扱うのを嫌っているのでしょう. 面白いテーマじゃないし .ほとんど核心に迫るニュースはありませんから. ゆえにTPPで農家を脅迫すれば「何か面白いことが起きるのでは」と期待しているのではないですか.こういうのを無責任といいます. どれか一つの問題点を掘り下げたところで,農業問題は見えてきません.このブログでも,特定の記事だけではなく我慢して以下の記事を読んでください. ■ 食料自給率と食料安全保障 ■ハイテク農業を考える(この記事) ■ 農家が農業をしないわけ ■食文化と生産物(未) さて今回は, 食料自給率を100%にできない日本が,万が一世界が大飢饉もしくは流通網壊滅という状態になったときのことを考えて,今のうちに注力しなければならないこと です. その前にまず,非常に現実的かつ当然やらなければならない食料安全保障政策としては,安定して輸入し続けるための「平和的外交」と「途上国への食料生産方法の指導支援」ということになります.これに越したことはありませんから. そうは言っても,輸入に頼りきりはマズイだろうということで,2020年を目処に食料自給率50%を目指していますが,それでも50%なわけですから, 「世界中が飢饉に陥ったらどうするんだ?日本国民の50%を餓死させるのか?」 ということになりますが.まぁ,そうです.間違いじ

ちょっと本気で農業のこと(食料自給率と食料安全保障)

これまで私のブログでは,農業について簡単にしか触れてきませんでした. ■ 農業のこと ■ 続・農業のこと 農業ブームへの冷や水とハイテク農業の可能性,TPP問題や食料自給率の一側面だけをなぞるだけ,しかも農業問題の源流をたどることをしていない,薄い記事でした. そこで今回は,少しコクのある農業の記事にしてみます. この農業問題についての,世間のニュースや論議を聞いていると,「皆さんそれぞれ言いたいことは分かるんですが,ちょっと農業のことを簡単に考えすぎてやしませんか?」という感想を持つことが多いのです. 農業問題は簡単なことではないので,記事一本だけで説明しきれることではありません.ですので今回だけでなく,連載してみようと思います. 「教員をやっているお前は,農業の何を知っているんだ?」というところでしょうが,私は農家の生まれです. 実家を含めた私の出身地域は,他県の大規模ハイテク農家と中国からの輸入という価格低下競争についていけず,採算が取れないということで軒並み潰れていったところです. 深い理由もなく嫌われている悪の組織「農協(通称,JA)」の戦闘員の皆さんが「イー!イー!」など頑張ってくれているのですが全然良くなくて,「世間ライダー」の前に力及ばず,荒廃の一途を歩んでおります. そんなわけで親からは「ここ(の地域)で農業はもう無理だから,それぞれ別の仕事を探しなさい」と言われ,兄弟二人,運動生理学とロボット工学という,まさに「農業」の「の」の字も無い仕事へと就いています. しかも,農協からお金をいただいて進学した(農家への学費補助という既得権益)わけですから,さしずめ農協の力を借りて二人は,バイオ・ライダーとロボ・ライダーへと改造されたのです. (元ネタが古過ぎ・マニアック過ぎてわからない人には申し訳ございません) ですが,「農業」にはせる想いというのは兄弟二人まだありまして,盆正月に会った時なんかには,「これからの農業」を議論しています. 前置きが長くなってしまいました.話を戻しましょう. まず今回の記事では,日本における食料自給率と食料安全保障の関係について取り上げます. よくあるのが, 「実は日本は農業大国だ.日本の農業は世界に打って出れば勝てる.悪しき農協を打倒するためにも,TPPをつかっ

既得権益の打破を打破

昨日の話にもう一つ付け加えることがあります. 「右」も「左」も関係なく,マスコミとかB層と呼ばれる人に多いフレーズが,「既得権益の打破」です. しかも,したり顔・ドヤ顔で言うもんだからイラっとします. たしかに,その権益にどっぷり浸かってモラルの欠片もない状態になっており,その他の国民に多大な悪影響を及ぼしているというのであれば,「既得権益の打破」を考える余地があるでしょう. しかし,そもそも「既得権益」という言葉は,たんに「権益」を「既得」していることを指す言葉であり,「既得権益という状態」があるわけではありません. ちょっと言葉遊びをしてしまいましたが,ようは既得権益を打破したとしても,その後,その権益が誰かに渡る,もしくは別の形の権益が生まれるわけで,つまりはそれが次の既得権益になるだけのことです. あと,大事なくせに考慮されないこととして, 「 そもそも,その団体や職業組織に,なぜそのような既得権益が存在しているのか? 」 が放ったらかしのまま,無思慮に打破しようとしていることが危なっかしいったらありゃしません. 当たり前ですが,ある日突然「既得権益」が発生するわけではありません. 必要に応じて権益が用意され,それが今から見たら既得になっているわけで . だから既得権益なのです. 例えば,我々の業界である「教育」にも様々な既得権益があります. 収入が安定している,解雇されにくい,業務チェックが甘い,教材費とか研究費などの取引を内々でなんかやってそう. 天下り先になっているっぽい,などが代表的なものでしょうか. それでは,なぜそのよう既得権益(と言えるかどうか怪しいが)が存在するのでしょうか. 山のように理由が考えられますが,これはその他,農業・漁業や土木,医療といった代表的なものと同様,そうした 既得権益がないと国民の多くが困るから です. 全ての天下りや予算の取引が良いものだとは言いません.しかし,そうした天下りや予算調整をすることが,結果的には学生や国民のためになっている場合は多いものです. 何から何まで否定するのも,それはそれで違うと思います. 雇用の例であれば,教員が簡単に解雇されたり,業務評価によって収入がコロコロ変わるような制度だと,どっしりと腰を据えて生徒や学生と向き合おうとしなくなります.

D層の研究

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見渡して(読み漁って)みると,私と同じことを考えている人って結構いるんですね. 専門のことばかりやってたら見落としがちですが,ここ最近は, 「我が意を得たり」 そう思わされることが多いです. まぁ,専門バカと言われる我々としては,ときどき立ち止まって周りを見渡す時間を作ることが必要です. 前々回の記事でもそんな話でしたが, ■ 実際の学校教育現場:実録高校生事件ファイル 今回は 適菜収 著『日本をダメにしたB層の研究』 あと, 同著『日本を救うC層の研究』 を取り上げます. この書籍も出版されたのは1年前のものです.完全にスルーしておりました. 私よか過激なこと主張しているので,まだまだ私は穏健派です. 適菜収という方の著書を読むのは初めてではないんじゃないかと思い出していたら,やっぱりありました. ニーチェ 著,適菜収 訳『キリスト教は邪教です!』. ■ 続・キリスト教を学ぶ で取り上げたことがあります. さて,話を戻しまして, 「B層とかC層ってなんなんだ?」というところですが,左図のようなものだそうで. 元はというと,「2005年,小泉内閣の進める郵政民営化政策に関する宣伝企画の立案を内閣府から受注した広告会社・有限会社スリードが,小泉政権の主な支持基盤として想定した概念である(wikipediaより)」とのこと. その実際の資料は以下のようなもの. ■ 郵政民営化・合意形成コミュニケーション戦略(案) 有限会社スリード (←PDFにリンク) そこにはB層のことをこのように表現しています. 「具体的なことはわからないが,小泉総理のキャラクターを支持する層」 . つまりですね, 「構造改革に積極的で頭が悪い人」という「B層」なるものが日本には結構な人数いるので,そこをターゲットにして政権運営すればOK ,というものです. 当時もこれに対する批判がもちろんあって,日本共産党の佐々木氏からは「国民を愚弄しているのではないか?」という批判があったようですが,まぁ,けっこう的を得ているのではないかと興味深いものではあります. 私はというと,たぶん「D層」です.頭は良くないけど,改革とかあんまし興味ないし. そんなわけで,この記事も「D層の(による)研究」とさせていただきました. いつの日か「C層」になりた

基準となる相関係数との差を検定する

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以前の記事では, ■ 相関係数の差を検定したいとき ■ 対応のある相関係数の差の検定 を紹介してきました. 以下の記事を読んでも不安がある場合や,元の作業ファイルで確認したい場合は, このリンク先→「 統計記事のエクセルのファイル 」から, 「基準となる相関係数との差を検定」 のエクセルファイルをダウンロードしてご確認ください. 今回は,基準となる相関係数との差を検定する方法をご紹介します. つまり,左図のような検定です. 左図上のように,なにかしら基準となる相関係数があらかじめ調査されており,その相関係数と比較して左図下のような値と差があるかどうかを検定するというもの. もう少し詳しく左図を使って説明すると,たとえば仮に,一般的な大学生における国語と英語のテスト成績の相関が「0.650」だったとしましょう(左図上). そして今回調査した対象の大学生80名では,「0.490」だったとします. 「なんか今回調査した大学生はテスト成績の相関係数が,一般的な大学生よりも低いんじゃないかなぁ..」,と思ったので,これを検定したいというものです. この検定方法は, 基準値と比較して今回の測定値がどれほどか? というものですから,ちょうど, ■ あまり知られていないt検定 で紹介したようなt検定と考え方は一緒です. この検定の便利なところとしては,基準値となる相関係数の詳細データがなくても,相関係数さえ分かっていればOKというところですかね. ではさっそくエクセルでの計算方法を説明していきます. 以前の■ 相関係数の差を検定したいとき では,以下のようなものを紹介しましたが, 今回もこれと似たようなものになります. 先に上述した例を検定した結果を示します.こんな感じです. N数80名での相関係数0.490は,基準となる相関係数0.650と比べて有意に低いことが分かりました. 前回と同じく,“水色のセルの部分” は,既に分かっている数値を手入力で構わないところです. 基準となるデータの相関係数(冒頭の例で言うと「一般大学生のテスト成績」)と,今回調査したデータのN数と相関係数(冒頭の例で言うと「今回調査した大学生のテスト成績」)を,それぞれ入力しておきま