2013年9月5日木曜日

D層の研究

見渡して(読み漁って)みると,私と同じことを考えている人って結構いるんですね.
専門のことばかりやってたら見落としがちですが,ここ最近は,
「我が意を得たり」
そう思わされることが多いです.

まぁ,専門バカと言われる我々としては,ときどき立ち止まって周りを見渡す時間を作ることが必要です.

前々回の記事でもそんな話でしたが,
実際の学校教育現場:実録高校生事件ファイル
今回は適菜収 著『日本をダメにしたB層の研究』あと,同著『日本を救うC層の研究』を取り上げます.
この書籍も出版されたのは1年前のものです.完全にスルーしておりました.
私よか過激なこと主張しているので,まだまだ私は穏健派です.

適菜収という方の著書を読むのは初めてではないんじゃないかと思い出していたら,やっぱりありました.ニーチェ 著,適菜収 訳『キリスト教は邪教です!』.
続・キリスト教を学ぶ
で取り上げたことがあります.

さて,話を戻しまして,
「B層とかC層ってなんなんだ?」というところですが,左図のようなものだそうで.
元はというと,「2005年,小泉内閣の進める郵政民営化政策に関する宣伝企画の立案を内閣府から受注した広告会社・有限会社スリードが,小泉政権の主な支持基盤として想定した概念である(wikipediaより)」とのこと.

その実際の資料は以下のようなもの.
郵政民営化・合意形成コミュニケーション戦略(案) 有限会社スリード(←PDFにリンク)
そこにはB層のことをこのように表現しています.「具体的なことはわからないが,小泉総理のキャラクターを支持する層」

つまりですね,「構造改革に積極的で頭が悪い人」という「B層」なるものが日本には結構な人数いるので,そこをターゲットにして政権運営すればOK,というものです.

当時もこれに対する批判がもちろんあって,日本共産党の佐々木氏からは「国民を愚弄しているのではないか?」という批判があったようですが,まぁ,けっこう的を得ているのではないかと興味深いものではあります.

私はというと,たぶん「D層」です.頭は良くないけど,改革とかあんまし興味ないし.
そんなわけで,この記事も「D層の(による)研究」とさせていただきました.
いつの日か「C層」になりたいものです.

科学者やってるくせに,先進的なものに対して消極的なのか?というところでしょうが.
性格についてですから,お仕事とは別です.
魚が嫌いな漁師というのも聞いたことがありますから,そういうものです.

話がそれちゃいますが,例えば関東に移ってからの「飲み屋」も老舗にしか行きません.関東の飲み屋ってあんまり美味しくないんですよね.けど,長く愛されているお店は失敗しないという哲学のもと判断しております.
お気に入りは池袋駅前なのに古くからある料理が美味いところです.店の大将とも仲良くなったので,最近は一人で行くようにもなりました.

話を戻しましょう.
人間をこんなふうに「層」として分けて分析するということで,あまり期待していなかったのですが,ぺらぺらと本屋で立ち読みする限りでもマジメに分析して書いてる本だと感じました.おもわず関連書籍の『C層の研究』と同時購入.
さて,そんなB層ですが,適菜氏の著書によると以下の様な特徴があるとのこと.

資料や図中では「IQが低い」とされていますが,これは単に無知だとか学歴が低いという解釈ではありません.
広い意味において「バカ」で「頭が悪い」ということです.露骨にY軸のところに「頭の悪さ」とか「バカ度」なんて書けませんから,こういう表現なのでしょう.
ここの微妙なニュアンスは大事です.

適菜氏いわく,B層はむしろ丹念に新聞を読み,ニュースに目を通し,日本文化や国家を誇っていますが,残念なことにバカなのです.
B層は改革,維新,革新的といった事に流されます.
既得権益の打破を声高に主張します.
まずは行動が大事だと言い出します.
んで,すぐデモに参加します.
B層は日本を飛び出そう,打って出よう,とします.
そして英会話教室に通います.
B層は民主主義や人権,法の下の平等を熱心に説きます.
それなのに,いじめの加害者を吊るし上げようとします.
B層は伝統文化を守ろうとするくせに,その行動が本質的な意味における伝統的な日本文化と逆行していることに気がつきません.

長々と適菜氏が指摘するところをご紹介しましたが,本当に「我が意を得たり」の心境です.
ようするにB層はよく考えずに「気分」で動くのです.
行動するための判断基準は “ほんのちょっとだけ考えられる範囲で合理的” かどうか.

何から何まで適菜氏の主張に賛同できるわけではないのですが,概ね同意です.
この何年間かブログで主張してきたことと,ほとんど一致しますし.ビックリしているくらいです.

ところで,上で紹介したものは「右」だとか「左」といった “ポジション” とはなんら関係ありません.
てっきり自民党が関わっているから「右の人」についてのことかと思われますが,そうではないのです.
B層であれば,右も左も本質的には同じようなことを言い,同じようなことをしているに過ぎません.

典型的なのが「グローバリズム」です.

左の人は究極的には国境を無くそうとしていますよね.国や民族なんて関係ない.ヒトはグローバルに生きていくんだ,と.つまりグローバリズムを目指しているのです.

一方で,最近は日本の右の人も「世界に打って出る」「今はグローバルな時代だ」と言い出しました.
なもんで,日本の法律や慣習を国際基準に合わせるのだそうです.これってつまりグローバリズムです.

一昔前は「日本を飛び出そう」というスローガンは,香ばしい左の人のファンタジーでした.今や右の人も言い出しています.
「日本は世界に打って出れば,必ず勝てる」んだそうです.
勝ってどうするつもりなのでしょうね.
あ,そうか.「気分」が良くなるのか.