2014年6月21日土曜日

子供の自殺原因「いじめ」は2%,という記事への反応への反応

短い記事になるかと思いますが,一応このブログでは反応しておこうと思いました.

子供自殺原因、いじめ2%=初の実態調査公表-文科省
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201406/2014061900923&g=soc

で,その記事に対するネットのコメントの例を画像として左図に示してみました.

これは2014年6月20日現在のヤフーニュースの画像です.
撮ってきて良いものかどうか迷いましたが,想像以上に低次元のコメントが並んでいるので,ご参考までにと思い掲載させてもらっております.

えーと・・,
これについて私から言えることは,もうこの国の大勢,少なくともネット閲覧者の多くが,想像を絶するほどに◯◯だということです.
※上記の◯◯には,考えられる最も侮蔑的表現を想像で入れてもらって結構です.


本当に諦めました.やっぱりこの国はダメかもしれません.
やばいです.
「日本代表がグループリーグ突破できるかも」なんて騒いでる人達が可愛らしいくらいです.
※もちろん私もグループリーグ突破を夢見ている者の一人ではありますけど.あくまで夢だよね.

どういうことかと言うと,『子供の自殺原因において「いじめ」は2%である』という調査結果のことを「信じられない」「もっと多いはずだ」「隠蔽している結果だ」というもので埋め尽くされているのです.

皆さんの訴えたいことは分からんでもないのですが,クレームらしきコメントがあまりに酷いので思わずブログの記事にしてしまいました.
少なくとも,もうちょっと根拠に基づいたクレーム,建設的な批判をしてほしいものです.これではただの◯◯です.

どうやら,世論の皆様がお気に召す結果ではなかったようです.
ということは,もっと多めに数字を出しておけば良かったのでしょうか.
どれくらいだったら世論は納得するんでしょうね.
20%くらいでしょうか?
それはちょっと多すぎるかな.
10%くらい?

ここまで大問題になる前から,事あるごとに私は「子供の自殺は,いじめよりも進路や家庭の問題を取り上げる方が重要」ということを説いてきていました.
統計データを見る限り,そういうアプローチが重要であることが示されているからです.
今にして思えば不謹慎かと思うようなネタを記事にしてきたこともあります.

ただし,自殺の問題というのは非常に複雑ですので,簡単に答えが見つかるものではありません.
真面目に話す場においては,慎重な物言いが求められるところです.

ですが・・・,
もう完全にぶっ飛んじゃってるとしか思えない大衆世論に向かって,敢えて私から一応言っておきたいことがあります.

自殺の原因を,ある一つの特定の事に絞ろうと思うな

ということです.

「いじめ」とか「進路」とか「家庭」の問題 “だけ” で,その子供が自殺に追い込まれるとご想像ですか?

どれだけいじめられたとしても,温かく迎え入れてくれる,理解ある家族,友人,教師がいれば,自殺するほど追い詰められる可能性は低くなるはずです.
これは,少なくない人が実感したことがあるのではないでしょうか?
※「無い」という人は幸せな人です.

同様に・・,
どれだけ進路に悩んでも,温かく迎え入れてくれる,理解ある家族,友人,教師がいれば,自殺するほど追い詰められる可能性は低くなるはずです.
また,どれだけ家庭に問題を抱えていても,温かく迎え入れてくれる,理解ある友人,教師,親戚がいれば,自殺するほど追い詰められる可能性は低くなるはずです.

「そもそも,いじめがなくなれば自殺も減る」
なんて言い出す人もいます.
そうかもしれません.
別に私はいじめを減らそうという活動自体に反対しているわけでも,いじめを推進しているわけでもありません.

ですが,やっぱり言っておきたいことは
いじめは無くせるものではないし,解決できるものではない.
ということです.

いじめというものは,起きるものです.
その発生自体をコントロールすることは不可能だと私は考えています.
問題となるのは,発生してしまったいじめを,いかにコントロールするかという点です.

「いじめ」が原因で自殺をはかる子供が2%,という数字.
これは以下のように解釈できるのではないでしょうか.

いじめを受けてはいるが,それを守ってくれる親友がいなくなった.もしくは,親友に裏切られてしまった.
こうした場合,その子にとっては「いじめ」を受けていること自体よりも,親友だと思っていた者の裏切りが強力な自殺への動機になりうるでしょう.
それが家族であったなら,自殺への動機が「家庭問題」になるうるのです.

そうした場合,その子供の自殺の背景に「いじめ」はあったのかもしれませんが,自殺へと導く最後のひと押しとはならないかもしれません.
それが2%という数字に(つまり,低く)なっている可能性があります(こういうのは推察でしかないですけどね).

これに「進路」とか「病気」とか「恋愛」といったことが複雑にからむのかもしれません.
実際,子供の自殺の原因に病気(健康問題)とか恋愛(男女問題)は強力に作用しているんです.
文部科学省からわざわざ出さなくても,毎年警察庁が統計を出していますので,そちらを確認することを推奨します.以下は2013年度版です.
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/H25/H25_jisatunojoukyou_02.pdf

ネットのコメントの中に「子供の自殺の全体の割合はどうなんだ」なんてのがありましたので.そういう意味でも確認することを推奨します.
「学校関係」のことが自殺の原因として多いことはたしかなんですが,その割合は全体からすれば決して大勢ではないことが分かります.
その多くが,家庭や健康,男女問題といった学校外のことなのです.

とは言え,何度も繰り返しますが,自殺の原因をなにか特定の一つの事に求めることは危険だと思います.
特に,「いじめによる自殺」というものをきちんと考えるのであれば尚の事,「いじめ」そのものを無くそうとすることよりも,まずは,いじめを見つけた者がどのような行動をとるべきなのか,それをこそ問うべきです.

いじめは「学校関係」のことだから,学校や教師に任せておけばいい.責任はそこにある.それは文科や教育委員会の所管だ.
そういう態度こそが,「いじめ」を助長する態度であると私は思うのです.
なぜなら,子供はそうした世論を敏感に感じ取ります.それが「大人への道」だと受け取ります.
いじめが起きたら,それは私達(生徒)の事ではなく,当該事案を所管する大人がやることだ.と受け取ります.

学校現場における「いじめ」を助長しているのは,まさにこうした世論と態度なのだと苦言を呈しておきたいのです.


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