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井戸端スポーツ会議 part 17「健康,スポーツ現場,結局,アミノ酸はどうなった?」

私が学生の頃は,「アミノ酸」が一大ブームになっておりました.
その時の状況,皆さんも覚えておいででしょうか?
2000年前後の頃ですね.

とにかく,あらゆる製品へ「アミノ酸」を入れることに必至になっていた食品会社の方々.大変苦労されたことでしょう.

私が所属していた研究室のゼミ活動でも,そんな企業のアミノ酸製品の効果をたしかめる実験をやっていたことを懐かしく思います.
めちゃめちゃ苦労して実験した割には,全く効果はありませんでしたしね.

そんなアミノ酸を謳い文句にした製品も,最近ではさっぱりになってきました.
一般の方々にも,やっとその「効果」が無いことが周知されてきたからでしょう.

ですが,中にはまだアミノ酸に効果があるのではないかと期待する人たちもいるかと思います.
スポーツビジネスの世界では,アミノ酸でもう一儲けできるはずだと頑張る姿が見えるのですが・・.
では,スポーツ科学の世界ではどうなのか?

一般の方々は調べようとする機会も発想もないでしょうから,ここでちょこっとお示ししておきたいと思います.

スポーツ科学と言われて,皆さんが比較的アクセスしやすい存在なのは「国立スポーツ科学センター 通称:JISS(ジス)」なんだろうと思います.

そのJISSのHPにこんなページがあります↓
分かりやすい名称です.

ところが,「サプリメント@JISS」などというページを用意しているにも関わらず,サプリメントのことについての情報がありません.
いえ,全くないと言えば誤解されるでしょうから,もうちょっと丁寧に優しく言うと,
サプリメントがどのようなものか? という記述はあるのですが,肝心要であるはずのサプリメントにどのような効果があるのか? それとも無いのか? どのような製品があるのか? どのように使用するのか? といった事への科学的・客観的な記述がないのです.

これでは「税金の無駄使い」と言われても仕方ないかもしれませんね.

・・・とは言え,サプリメントに関する客観的かつ実際的な情報を,「国立スポーツ科学センター」という立派な名前の組織のHPになぜ掲載していないのか?

これでは日本のスポーツ選手や学校体育のためになっているとは言えないじゃないか,という文句もつけたくなるところですが,実はこれには内部事情がいろいろとあるんだそうです.
※ヒント:国立スポーツ科学センターに隣接している施設の名称は,な〜んだ?

なので,さきほどのページには以下へと進むリンクが有り,

そこでは,アメリカとオーストラリアのスポーツ科学センターが出している情報へのリンクを用意してお茶を濁しております.
つまり,JISSでは出せないから,外国のスポーツ科学センターのHPを読んでネ,ってことなんです.

で,そんなオーストラリア・スポーツ研究所(AIS)のHPへのリンクはこちら↓
オーストラリア・スポーツ研究所

アミノ酸に関する記述はほとんどありません.
実は,アミノ酸なんてのは,それほど重要視するようなサプリメントではないのです.
アミノ酸に対するスポーツ科学における扱いが分かってもらえるかと思います.

こういう情報をJISSも提供できるようになればいいのに・・.
と,いつも思っているのですが,内部の人達いわく,「難しい」んだそうです.


※上記で紹介しているウェブサイトに関する記述は,2015年4月24日現在の内容を元にしています.