2017年8月4日金曜日

井戸端スポーツ会議 part 48「サングラスはかけた方がいいよ」

子供のスポーツ現場における「サングラス」がニュースになっていました.

"サングラス"を禁止する甲子園の時代錯誤(ヤフー・ニュース2017.8.4)
世界保健機構(WHO)は「子どもは紫外線による健康被害を受けやすい」として、帽子や日焼け止め、サングラスの使用を呼びかけている。特に学校には「子どもを紫外線から守るうえで学校が担う役割は決定的に重要」と警鐘を鳴らす。では日本の「部活動」の現状はどうだろうか。「子どもはサングラスなんかでカッコつけるな」と思っているとすれば、それは時代錯誤でしかない
私なんかは,主に大学のスポーツ現場しか見ていないものですから,学生たちがサングラスをかけて部活動をする姿に
「最近はサングラスをかけられるようになったんだなぁ」
と羨ましく思っていたのですが,どうやら小中高の学校教育現場では普及していないようです.

私が学生だった15年くらい前から,既に大学の先生方が「これからは子供のスポーツ現場にサングラスが必要だ」と問いていらっしゃったので,このニュースは意外でした.
今では大学だけでなく,学校でも普及しているものだと思っていたんです.

スポーツを専門にしている身ですが,意外と「一般的な」子供のスポーツ現場を目で見ることがありません.
上記の記事で槍玉に挙がっている甲子園にしても,学生の頃から見なくなりましたし.

一方,私は仕事柄,子供のスポーツ現場だと地域トップレベルの選手やチームを見ることが多いんです.そうなると,種目によっては小中学生でもサングラスをかけてプレーしている姿が散見されます.
なので,大学生はもちろん,小さい子供のスポーツ現場でもサングラスは普及していると思っていました.

これはつまり,トップレベルの選手を扱うコーチは,サングラスに対する理解が高いのでしょう.
例えばイチロー選手をはじめ,多くの一流野球選手が守備に入る時にサングラスをかけているのを見れば,サングラスはスポーツのパフォーマンスを支える便利なグッズなんだな,と考えるのが普通の感覚です.

限られた情報源からの推測でしかないんですが,甲子園に出場する強豪校にしても,試合ではかけていなくても,練習ではかけている可能性は高いですよ.
じゃあ,なんで試合ではかけないのか?
そりゃ世間様が「高校球児がサングラスなんかかけるな!」と言い出すからです.

結局,子供のスポーツ現場における「サングラス」への無理解というのは,
1)世間様のサングラスに対する無理解
2)指導意欲が低いくせに世間様を気にする指導者
3)世間様の反応を商売とする主催者によるスポーツ大会運営
によるものだと考えられます.

これに対して上記記事では,大学教員に取材してこんなこと述べています.
「原因は『オシャレ』ではないか」とみている。日焼け止めは一種の化粧品であり、サングラスはファッションであるから、教育の場にはふさわしくない――こんなロジックがあるというのだ。同氏によれば、部活動で日焼け止めを禁止している学校もあるという。
たしかに「オシャレ」は「理由」ではありますが,「原因」ではありません.
原因は何かと言うと,子供のスポーツ指導現場において「ストイックさ」が求められているからです.ストイックさが求められる中にあって,
「お互いを尊重し合って真剣勝負することが求められるスポーツ活動において,パフォーマンスに直結しないものは不要.相手に失礼だから」
という理由が成り立ちます.
ようするに,サングラスや日焼け止めは,スポーツのパフォーマンスを高めないだろ?ということ.

続けて記事を書いた記者はこんなことを言う.
(高校野球において)とりあえずサングラスを全面解禁してみたらどうだろうか。長髪と派手なユニフォームを制限しているからサングラスだけ解禁するわけにいかない?
ならばいっその事、髪型とユニフォームも完全自由化すればいい。
夏の甲子園でオシャレが全面解禁になればインパクトは絶大だ。日本全国の部活動にも影響が及び、オシャレだからという理由で紫外線対策がないがしろにされるような状況は改まるかもしれない。
子どもの健康が第一なのであれば、オシャレくらい認めてもいいのではないか。自由にオシャレさせることで子どもの個性が伸びるならば一石二鳥だ。
こりゃいくらなんでも暴論です.
たかがスポーツだと思って,調子に乗ってこんなこと言い出す人がたくさんいます.困ったものです.
じゃあ,同じことをテニス・ウィンブルドン大会や水泳,大相撲に対しても言ってみればいい.

もっと言えば,子供のスポーツ現場に口出しする前に,大人から率先して変えるべきです.待ち行く人々に「サラリーマンのユニフォームであるスーツをやめて,サングラスや髪型も自由にしてオシャレになろう」と問いて回るのが先ではないでしょうか.
自分にはそのつもりがないのに,子供とその指導者に要求するのは人間のクズですよ.

とは言え,子供のスポーツ現場にサングラスが普及していないという事態は問題です.
ですが私は,「オシャレ」という理由でダメなものを,「オシャレでもいいじゃないか」という反論で迎え撃っても碌なことにならないと言いたいだけです.

そもそも,サングラスを「オシャレ」とする認識がおかしい.
なので,「サングラスをかける」ことがオシャレなどではなく,ストイックさを求めた結果であることを認識させる必要があります.もともと,日本の(に限らず)スポーツ教育とはそういうものだからです.

つまり,「サングラスをかけたらパフォーマンスが向上するよ」ということを訴えるべきなんです.言い換えれば,「サングラスをかけてプレーするくらい競技に打ち込んでいる」と捉えてもらうようになることが理想です.
スキー競技などでゴーグルをつけずに滑っていたら「あいつフザけてんのか?」ってなりますよね.それの夏バージョンということ.

ちなみに,サングラスとスポーツ・パフォーマンスの関係を調査した研究は,国内外問わず意外と少ないんです.いつか私が実験してみたいと思っているのですが,片手間にしても面倒なので取り組めていません.誰か研究してくれないですかね.まあ,金無し暇無しの昨今の大学教員では難しい話です.

そうは言いましても,強い日差しや雪面などで光が乱反射する環境下において,サングラスやゴーグルをかけることで視覚認識能力の低下が抑制されることは火を見るより明らかですから,きっと多くの屋外スポーツのパフォーマンスに好影響があると考えられます.

そう言えば,私が高校野球をやっていた頃から「打者用手袋(バッティンググローブ)」が解禁になりました.
バッティンググローブってご存知ですか? 以下のようなものです.
それまではサングラスと同様,ケガを保護するなどの理由がない限り使用は禁止されていたんです.
指導現場においても「バッティングの感覚は素手で身につけるもの」とか「オシャレ目的でつけているんじゃないのか」などという批判がありました.当事者だったのでよく覚えています.

でも,バッティンググローブを装着することはメリットしかないんです.明らかにバッティング性能は上がります.
事実,プロ選手は皆使っています.だから私も「だったら使わない手はないだろ」と思って使っていました.
それに,かつては「猛練習の証」だとされた手マメを作ることもないし,全力でスイングできるようになるので本当の意味での練習の質は上がります.当然,競技力も高まりやすい.
だから理解ある指導者はすぐに取り入れていたと思います.
「オシャレだから」などとしょうもない理由で禁止していた指導者も,周囲が「パフォーマンスアップに効果的」と言い出すようになったら認めます.

サングラスにしても,そういうロジックで普及させればいいんです.
「目を守る」などと軟弱な理由をつけて普及させようとするから蹴り返されます.
スポーツは「勇ましさと豪快さ」を象徴する活動です.「保護」を優先するようなものは嫌われる.これは仕方ないことです.
だから「パフォーマンスアップ」との抱き合わせで進める必要があります.


ところで,私は昨シーズンからスキーのゴーグルを新調したのですが,店員に勧められて「偏光レンズ」のものにしました.
そのもの商品ではないのですけど,こういうの↓です.

新しく売り出されているゴーグルは,くもり止めがしっかりしていることに驚きます.
それに,いちいち日焼け止めを塗るのが面倒になってきた昨今,私はバラクラバをかぶって滑るようになりました.
バラクラバっていうのはこういうの↓です.

このバラクラバを使うと息が拡散してしまい,ゴーグルを曇らせちゃうんですね.
でも,くもり止め対策がしっかりした現在のゴーグルとバラクラバだと(ちょっと値が張るけど),そういう心配がまったく無いんです.企業の商品開発努力に感謝.

くもり止めも凄いんですが,偏光レンズがとても快適.
店内でつけてみた感じはそうでもなかったんですけど,ゲレンデだとその違いを実感します.
普通のレンズよりも雪面の凹凸が分かりやすいし,なにより滑っていて楽.目が疲れません.
ネットでも「偏光レンズが良い」という情報は出回っていますが,やっぱり実感してみないといけませんね.

実は以前,「偏光レンズ」とされる安物(2000円)のサングラスを使ったことがありますが,普通のサングラスとの違いが解らなかったんです.それに,かけ心地が悪くて30分くらいしたら外したくなるようなものでした.たぶん私の顔の形との相性もあったんでしょうけど,内部で反射してチラつくんです.視線を止めているぶんにはいいのですが,歩いたり走ったりすると,目の前で反射像がチラチラ,チラチラ.これが強烈にストレス.

スキーのゴーグルを購入する時もそれで少し躊躇したのですが,人の良さそうな店員がオススメするし,メーカーである「スワンズ」は信頼できるというし,良い製品の偏光レンズならば快適なのだろうと思って購入したら正解でした.

だからこの際,サングラスも偏光レンズのものにしました.
もともとオークリーの「レーダロック」で2種類のレンズを交換しながら使っていたので,偏光レンズだけを購入する手段にしています.
 

お値段が高いです.2万円以上します.
でも,新しくフレームごと買うより,今使っているレンズ形状で問題ないんだから,そのレンズの性質だけ替えるようにしたかったんです.以前のような失敗はしたくなかったので.どんなに安くても,使い物にならないんじゃ意味がない.

値段に見合った効果があるかと言われると,ちょっと首をかしげてしまうかもしれません.「オークリー」というブランドの値段が上乗せされている可能性大.
まあ,そこまで劇的な効果を期待しているわけではありませんし.でも,とても満足していますよ.
やっぱり普通のレンズと比べると視界は段違いです.眩しいところで見えやすいし,目が楽.

サングラスを買うのであれば,偏光レンズはオススメです.
ただ,レンズの「性質」よりもフレームやレンズの「形状」のほうが重要だと思います.
特にスポーツの場面で使う上では,ただ止まって見るだけではありませんから.首を動かし,飛んだり跳ねたり動き回る中での視界が大事になってきます.

※本記事は,スワンズやオークリーの商品紹介ではありませんし,私もこれらのメーカーの回し者ではありません.