注目の投稿

財務省|学校を少人数クラスにすることによる教育効果を示せ

何を示せば納得してもらえるのか,そっちが最初に示せ


話はそれからですよね.

こんなニュース記事がありました.
少人数学級で麻生財務相が問題にしているのが単純な学力なら、ますます「教育の本質」は失われてしまう(Yahoo!ニュース 2020.12.21)
少人数学級に向けて動きだしたことで学校現場の期待は高まっているが、この動きを黙って受け入れる気は財務省にはないようだ。財務省は少人数学級の「効果」を示すよう強く求めている。それが、教育現場を混乱させかねない。
(中略)
萩生田文科相と小学校の35人学級で合意した麻生財務相は、翌日(18日)の閣議後記者会見で、「引き下げたことの効果を丁寧に検証していかないといけない」と強調したという。
『産経ニュース』(12月18日付)によれば、麻生財務相は「団塊の世代の60人学級(の教育)の程度が悪くて、35人学級のほうがよいことを証明してもらわないと具合が悪い」と語っている。

「団塊の世代」とその周辺世代は,日本を徹底的に滅ぼしました.
現在に続くこの惨状を作ってきたのは団塊の世代です.
その世代とは異なる教育環境を用意することが,まずもって大事なこと.

「高めたい教育効果を示さずに,『効果を証明しろ』と迫るバカを増やさないため」
これを理由にするのはいかがでしょうか?


冗談はさておき(あながち冗談ではないが),実は私も麻生大臣が言いたいことは分からんでもないのです.
何かを変えるとか,制度化するとか,条件化するっていう際には,まっとうな理由を用意する必要があります.
(それを全然しないのが,当の財務相本人だったりするのだが)

とは言え,実際,教育学者はこの点について研究してきているのですから,それを丁寧に説明すればいいわけですけど.
そこで問題となるのは,この記事の著者が懸念している,
「じゃあ,いったい何を示せば財務省は納得してもらえるのか?」
という点です.

すなわち,財務省が求めているのは,もしかして,
「学力テストの点数」
とか,
「問題解決能力スコア」
だったりするのではないか?
という懸念です.


実際問題として,麻生太郎のようなバカは世の中にたくさんいます.
そんなバカが財務大臣をやっていることを許している社会があるのです.
このことからも,過去の日本の教育は失敗でした.

そもそもこの話,学校の学級を「35人以下」にすれば,教育の質が上がるという趣旨ではありません.
社会環境や人口動態などの時代の移り変わりによって,学校と教師に求められている仕事の量・性質が大きく変化してきたことで,現状の人数では対応できなくなっていたのです.

一クラス35人以下という話は,ようするに「教職員の数を充実させてくれ」という意味を持っています.
事実,今私の住んでいる地域の小中学校は,一クラス「2人」とか「5人」とかです.
35人どころの話ではないのです.

そこまでじゃなくても,「35人以上のクラスだから生徒に目が行き届かなくて・・・」などと言っているのは,都市部の学校の状況.
多くの地方・田舎の学校では35人以上のクラスなんて,むしろ少ないはず.

実際,この件についてニュース記事があります.
公立小学校「35人学級」へ、手放しで喜べるのか(Yahoo!ニュース 2020.12.22)
既に9割の学級が35人以下
その一方、少子化や過疎化などの影響によって、2019年度の段階で、小学校の学級の9割が既に35人以下となっていた(中学校は4分の1)という現実もあります。独自財源などの工夫で、他の学年でも40人を下回る学級編成を実施している都道府県なども少なくありません。「35人学級」の効果は36人以上の学級を多く抱える大都市圏の一部学校など、限定的なものにとどまります。

つまり,35人以下の学級だったら「教育の質」とやらが高まるかというと,そんな話ではないのです.
教育現場において,絶えず変化する,社会からの要求を実現させるための人員を充実させてほしい,というのが本音であり,本丸だったはず.

その点,教育業界や文部科学省も「攻め方」が浅はかだし,失敗だったと思います.

おそらく,「数値目標」なるものを出せば良いと考えたのでしょう.
一時期,「具体的で印象的な数字で示す」というのが流行った時期がありましたよね.
そういう流行にのっかって爆死するところが,文部科学省らしいですね.


かつての学校現場のように,教師が杜撰で乱暴なことをしても大目に見てもらえる時代ではなくなりました.
今年は特にコロナ騒動もありましたし,予測不可能なさまざまな事態や要求に対し,無難で安全に対応しなければいけないのが現代の学校関係者です.

そのことの良し悪しや論評はこの際置いとくとしても,現実問題として,今年も今日も明日からも,教師には学校での仕事が待っています.
そういう教育現場をあずかる教師の皆さんが,生徒や保護者と「学校」を成り立たせるための環境整備するための視点が必要です.

そういった対応力こそが,今の学校に求められている「教育の質」なのだと思います.
それを強化するための改善策になることを期待したいです.
ま,どうせダメでしょうけど.

コメント